PM(プロジェクトマネージャー)とは?仕事内容・年収を解説

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じょう

リライト:2024.1.16

PM(プロジェクトマネージャー)は、大規模なプロジェクトを成功に導くキーパーソンです。IT業界に携わっている、またはIT業界への転職を検討する人の中にはPMを目指す人もいるはずです。この記事ではPMの概要・仕事内容・年収・必要なスキルなど、PMへのキャリアアップを図る人に有用な情報を解説します。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • PM(プロジェクトマネージャー)の仕事内容は「要件定義・企画」「設計・実装」「プロジェクト編成・管理」「進捗管理」「評価・報告書の作成」
  • 正社員PM・フリーランスPM・未経験からのPMの平均年収はそれぞれ「654万円」「1063万円」「557万円」
  • PMに必要なスキルは「問題解決能力」「マネジメントスキル」「コミュニケーションスキル」
CTACTA

この記事の監修者

じょう(フリーランス)

大学卒業後、富士通グループ会社(現富士通Japan株式会社)に入社
13年勤務し、おもにプロジェクトマネージャー・ITコンサルタントとして企画支援〜構築〜運用まで幅広く対応
現在はフリーランスとして執筆業・マーケティング業に従事
保有資格:ITストラテジスト応用情報技術者Fujitsu Certified Professional Cloud、等

PM(プロジェクトマネージャー)とは

オフィスで数人がミーティングをしている画像

PM(プロジェクトマネージャー)とは、プロジェクトを運営・管理する責任者を指します。

プロジェクトの目標を達成し、利益の最大化が求められる重要なポジションです。

PMは明確に定義されておらず、企業によって業務の対応範囲は異なりますが、要件および機能の定義から企画・設計・運用までのプロジェクト全体を統括する責務がある点では共通します。

PM(プロジェクトマネージャー)の役割

PMの役割はプロジェクトを成功に導き、利益の最大化を図ることです。

そのためには明確に定めた目標に沿って、プロジェクトを企画・設計・運用しなければなりません。

具体的には、開発や企画の立案・計画書の作成・トラブル時の対処など、プロジェクト運営上の意思決定を担うことに加えて、必要な人材のアサイン・コスト管理・スケジュール管理など、プロジェクトのスムーズな運営を図ることもPMの役割の1つです。

大規模なプロジェクトになるほど、PL(プロジェクトリーダー)・PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)・エンジニアなど多くの技術者が関わるため、チームの信頼関係の構築もPMの大切な役割です。

PM未経験者のよくある疑問として、技術力が低くてもPMが務まるか?ということがあります。
技術力は高い方が良いのですが、技術力が低くても別のスキルを磨くことによりPMとして活躍できます。
以下の記事で解説しているので、興味がある人は読んでみてください。

また以下の記事では、PM経験者が優秀なPMやイマイチなPMの特徴を解説しています。
こちらも興味があれば読んでみてください。

PM(プロジェクトマネージャー)とPL(プロジェクトリーダー)との違い

プロジェクト全体に対し、責任持って統括するPMとプロジェクトの運営・実行に携わるPLとは、メインとする業務と責任の範囲が異なります。

PLとは、おもに大規模プロジェクトで設けられる実行責任者のことです。

大規模なプロジェクトの場合、要件定義から計画立案までの工程や開発・テスト・納品を行う実務工程のほか、コスト・コンプライアンスの管理など、複数のチームに別れる場合があります。

その際、各チームのタスク・スケジュール・リスク管理などを担い、マネジメントするのがPLの役割です。

各工程・専門業務に詳しいPLを設けることによって質の高いプロジェクト運営が行えるうえ、PMが各チームの進捗を把握しやすくなり、意思疎通が困難な大規模プロジェクトでもスムーズに進められるでしょう。

PM(プロジェクトマネージャー)とSE(システムエンジニア)の違い

PMとSEは、IT業界でどちらもよく使われる用語ですが、それぞれの役割が大きく異なります。

PMはプロジェクト管理を担い、プロジェクトの計画・実行・監視・完了をコントロールする役割です。
SEは、IT技術分野の業務を担い、システム設計・開発・テスト・運用保守がおもな役割です。

PM(プロジェクトマネージャー)とコンサルの違い

PMとコンサルも役割が大きく異なります。

PMは、特定のプロジェクトの総責任者です。
プロジェクトの目的やスケジュールを設定し、チームを統括してプロジェクト牽引します。

コンサルタントは、特定分野において専門的な知識や経験を持ち、クライアントに対してアドバイスや支援を行います。

PM(プロジェクトマネージャー)とPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の違い

PMとPMOはよく混同されますが、担当する業務範囲が大きな違いです。

PMは、既出のとおりプロジェクト総責任者として、チームを統括してプロジェクトを牽引します。
PMOは、組織全体のプロジェクトマネジメントをサポートし、PMに対してベストプラクティスやノウハウの提供などを行います。

PMはプロジェクトを管理・推進し、PM業務をサポートするのがPMOです。

次の項目では、PMの仕事内容を紹介します。

PM(プロジェクトマネージャー)の仕事内容

PMの仕事内容5つが箇条書きされた図

プロジェクトマネージャーの仕事内容は以下のとおりです。

  • 要件定義・企画
  • 設計・実装
  • プロジェクト編成・管理
  • 進捗管理
  • 評価・報告書の作成

それぞれ解説します。

要件定義・企画

要検定義では、クライアントの方針の変化に対応し、柔軟な提案・調整を行うことがPMに求められます。

要検定義とは、クライアントのニーズを開発者の視点から捉えて、プロジェクトの目標・タスクを定義する業務です。

システム開発の場合は、開発の目的・納期・予算をヒアリングして仕様をまとめたあと、実装する機能および実装する方法・システム導入の課題・セキュリティに関する要件などを定義します。

要件をまとめた要件定義書はプロジェクトの初期に作成する設計図に当たります。

クライアントのニーズを深く汲み取って慎重に作成しなければ、希望していたシステムとは違うものが出来上がってしまうリスクがあるため、注意して作成しましょう。

設計・実装

設計・実装の段階では協力会社に任せきりにならないよう、発注者の細かい業務内容を正確に伝えて管理することがPMの仕事です。

システム開発に必要な技術をまとめた要件定義書から、基本設計書を作成してクライアントとの認識を深めるとともに、エンジニアがプログラミングできるように詳しい仕様を決める詳細設計を行います。

基本設計書ではおもに業務フロー・機能一覧表・ネットワーク構成図など要件定義で定めた内容を具体化し、詳細設計書にはクラス図・コンポーネント図・オブジェクト図など、開発に向けた仕様詳細をまとめて記載するため、システム開発に関する専門知識が必要です。

そのため、情報システム部門だけではなく実務に携わる担当者にも参加してもらうように働きかけると、情報の齟齬によるミスを防止できるでしょう。

プロジェクト編成・管理

コスト・リスク・人的リソースなどの編成・管理もPMの仕事の1つです。

プロジェクト開始前にはプロジェクトに必要な人材を確保するほか、人的コスト・外注費・物的資源費などの予算を設定します。起こりうる問題を洗い出し、事前に対策を立てることもリスクを回避するために大切です。

開始後は、コストやリスク・人的リソースなどを含めたプロジェクト全体の見直しを適宜行います。ステークホルダーとコミュニケーションを図り、上手く連携がおこなえていない部分などを把握して解決策を立てましょう。

各チームの状況を把握してチームを再編するなど、進捗状況を見極めて開発環境を整えます。

テスト

制作したシステムのテストを行い、課題が見つかった場合、PMはシステムを完成させるために適切な意思決定を下す必要があります。

修正箇所を特定し、基本設計書の定義の仕様に相違なければ、詳細設計書を改訂して修正作業を行いましょう。

システム設計の大幅な修正・変更が必要な場合などは、納期・予算・技術的な対応の可否を確かめて、ステークホルダーに相談する必要があります。

修正作業・再テストなどが生じて工数が増えると人件費が余分にかかるため、リスク予備費の取り崩しなどで利益を確保するなどの対応を取ると良いでしょう。

運用・保守

システムの完成後、運用保守の段階でPMがほかの担当者に変わる場合は少なくありません。

PMが変更になる場合は、要件定義書・設計書など必要書類をまとめて運用担当に引き継ぐとともに、プロジェクト進行中に発生した問題やその対策などを含めた評価を報告書にまとめて今後のプロジェクト開発に繋げましょう。

そのまま同じPMが運用・保守を担当する場合は、サーバやネットワークの性能の保持・アップデート・トラブルの解決に努めます。

次の項目では、PM(プロジェクトマネージャー)の年収を紹介します。

PM(プロジェクトマネージャー)の年収

PMの年収グラフの画像

この項目では、PMの年収を正社員・フリーランス・未経験からPMで働く場合の3つに分けて紹介します。

なお、各平均年収は求人情報の平均を算出しました。

正社員PM(プロジェクトマネージャー)の平均年収

弊社が大手転職サイトを2社調査したところ、正社員のプロジェクトマネージャーの平均年収は654万円(求人票の正社員の年収20件の平均)となりました。

この年収は、2023年日本の正社員の平均年収433万円よりも200万円以上高いだけでなく、同じIT業界の中で比較しても高い年収です。以下の表をご覧ください。

職種(正社員) 平均年収
PM(プロジェクトマネージャー) 654万円
Webエンジニア 535万円
システムエンジニア 478万円
プログラマー 429万円
日本の正社員の平均年収 433万円

参考:令和3年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁

PMには、IT知識に関する深い理解だけでなく、プロジェクトを円滑に遂行するためのコミュニケーション能力・マネジメント力や問題を解決するロジカルシンキングスキルなどさまざまな能力が求められます。

それに加えて、プロジェクトを成功に導く重要な責任があるため、IT業界の中でも高い年収に設定されています。

フリーランスPM(プロジェクトマネージャー)の平均年収

弊社が大手フリーランスサイトを調査したところ、フリーランスPMの平均年収は、1063万円(月単価より算出)と正社員PMよりも高い結果となりました。

正社員PMよりも平均年収が高い理由は、フリーランスの雇用形態にあります。

フリーランスは案件ごとに業務委託契約を交わすため、成果物を納品した時点で契約満了です。それに加えて、社会保険は適用されず自身で加入しなければならないため、月給・年収は高めに設定されています。

実際にフリーランスPMで活躍するには、プロジェクトマジメントの実務経験・ネットワークの設計構築経験・システムの運用経験・ベンダーコントロール経験など、実務経験を重視する傾向があります。

月給が高めに設定されているとはいえ、知識やスキルによって収入には個人差があるでしょう。

弊社サービス「エイジレスフリーランス」では、年齢不問のPM・PMO・ITコンサルタント・エンジニアなどの転職支援やフリーランス案件の提供などを行っております。

最高年齢72歳の稼働実績があり、年齢にかかわらず正当な評価を受けたい方のサポートを目的とした人材支援を行います。

キャリアや人生設計に悩むミドルシニア層に対するキャリアコーチングなどをトータルでサポートしますので、ぜひご相談ください。

CTACTA

未経験からPM(プロジェクトマネージャー)で働く場合の平均年収

弊社が大手転職サイト2者を調査したところ、未経験からPMで働く場合の平均年収は557万円(求人票の派遣社員の年収20件の平均)となりました。

未経験とはいえど、日本の正社員の平均年収よりは100万円以上も高い結果です。

ただし、未経験からPMで働くためにはプロジェクトマネジメントの理解・トラブル対応のノウハウ・システム設計・運用経験などが必須です。

プログラマー・エンジニア・システム開発など、IT関連企業で経験を積み、徐々にステップアップする方が良いでしょう。

PMの年収は、以下の記事でも詳しく解説しているので、興味があれば読んでみてください。

次の項目ではPMの将来性を解説します。

PM(プロジェクトマネージャー)の将来性

ファイルを指さし話をしている様子の画像

この項目では、PMの将来性を以下3つ解説します。

  • 大手求人サイトの求人数からみるPM(プロジェクトマネージャー)の需要と将来性
  • AWSに関する知識の取得によって将来性を高められる

大手求人サイトの求人数からみるPM(プロジェクトマネージャー)の需要と将来性

弊社が調査したところ、大手求人サイトの求人数の推移では、PMの需要は上昇トレンドにあり、今後も引き続き必要とされる可能性が高いです。

今回調査を行った大手求人サイトでのPM(プロジェクトマネージャー)の求人件数は、2022年5月から2023年6月までの期間で、およそ2倍に増えていることがわかりました。

AI・データなど、デジタル活用が促進されていることがPMが必要とされている理由の1つです。

日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しており、2050年には5,275万人と2021年から29.2%減少すると見込まれているため、DXにより労働力を補填する取り組みが拡大しています。

DXを促進するためには、デジタルソリューションの開発・運営を統括するPMの存在が欠かせません。スタートアップや大企業などのさまざま規模の企業が、優秀なプロダクトマネージャーを必要としています。

参考:総務省|令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少

クラウドサービス(AWS)に関する知識の取得によって将来性を高められる 

Amazonが提供するAWSなどのクラウドサービスを利用するスキルを身につけると、PMとしての将来性を高められるでしょう。

総務省の調査では、クラウドサービスを利用する企業が増加しており、今後はオンプレミスからクラウドへの移行がさらに進むと予想できます。

参考:「令和4年版 情報通信白書

プロジェクト全体を運営・管理するPMにとって、専門のエンジニアほどのスキルは必ずしも必要ではありませんが、スキル不足によって把握できない部分が生じます。

今後の主流となりうるクラウドサービスの開発プロジェクトに携わるためにも、AWSに関するスキル・知識の向上を図ると良いでしょう。

次の項目では、PMに必要なスキルを紹介します。

PM(プロジェクトマネージャー)に必要なスキル

PMに必要なスキル3つが箇条書きされた図

PMに必要なスキルは以下3つあります。

  • 問題解決能力
  • マネジメントスキル
  • コミュニケーションスキル

それぞれ解説します。

問題解決能力

プロジェクトの成功を担うPMには、プロジェクト運営上で生じた問題の原因を明らかにして、適切な対策によってスピーディに解決する能力が求められます。

プロジェクトで生じる問題は技術的な問題だけではなく、メンバーの関係性やクライアント・ステークホルダーなどの感情も込み入った複雑な問題もあるため、論理的な解決が難しい場合もあります。

その際は、合理的な判断ができるようにデータ活用による判断はもちろん、必要に応じて、グループを再編成するなど柔軟な対策で問題を解決すると良いでしょう。

マネジメントスキル

コスト・品質・リスクなどの行き届いた管理を行うためのマネジメントスキルが高ければ、プロジェクトを成功に繋げられるでしょう。

コスト管理がおろそかなことによって予算が足りなくなり、プロジェクトが途中でストップする、または実装する内容の伝達不足によって品質基準を達成できないなどの管理不足を起こす場合もあるため、PMにはマネジメントスキルが求められます。

プロジェクトの初期段階に行う要件定義のすり合わせが甘いことによって品質の低下を招く場合は少なくないため、複数のチームに別れて開発を進行する場合は、特に品質管理に注意しましょう。

コミュニケーションスキル

PMには、開発チームメンバーとの連携やクライアント・経営陣などさまざまなステークホルダーとの折衝を円滑に行うコミュニケーションスキルが必要です。

人間関係によるトラブルが起こらないよう日頃からメンバーと交流を図り、問題が起きたあとはうまく対話して、プロジェクトを滞りなく進めなければなりません。

プロジェクトの期間は、1〜3ヶ月と比較的短い案件だけでなく1年以上かかる長期案件もあり、人間関係の摩擦によってトラブルが生じる場合もあります。

プログラマー・UI/UXデザイナー・ビジネスアナリストなど多くの人材をまとめて円滑な連携を図るには、ときには裁量権をもって意見し、メンバーの協調性を育むことも大切です。

次の項目では、PMのキャリアパスを紹介します。

PM(プロジェクトマネージャー)のキャリアパス

PMのおもなキャリアパス3つが箇条書きされた図

PMのおもなキャリアパスは、以下3つあります。

  • 会社内で出世するキャリア
  • ITコンサルタントを目指すキャリア
  • フリーランスとして独立を目指すキャリア

それぞれ解説します。

会社内で出世するキャリア

1つ目は、PMとしての経験を活かし、会社内のCDO(Chief Digital Officer)・CIO(Chief Information Officer)・CTO(Chief Technology Officer)として経営に携わるキャリアプランです。

CDOはデータ活用・CIOは情報技術による経営戦略の策定・CTOはIT技術を含めた企業の技術全般をそれぞれ担当する仕事のため、PMで培った専門的な知識やスキル・マネジメントスキル・コミュニケーションスキルを活かして働けるでしょう。

弊社が大手求人サイトを調査したところ、CDO・CIO・CTOの想定年収は800〜1,500万円でした。

なお、役員レイヤーは業績に応じてさらに年収が上がる可能性もあります。

社内で新規プロジェクトの立ち上げに成功するなどの実績を積み、信頼を獲得できればCDO・CIO・CTOに近づけます。

職人気質が強く専門的な視点で働きたい場合は、CDO・CIOを目指すと良いでしょう。一方、マネジメントが得意ならCTOを目指すと、得意分野を活かして働けます。

ITコンサルタントを目指すキャリア

2つ目は、PMからITコンサルティングファームに転職し、ITコンサルタントとして働くキャリアです。

プロジェクトの進行過程で生じるさまざまな課題を解決するPMのノウハウは、IT技術によって企業の経営課題を解決するITコンサルタントに活用できるでしょう。

ITコンサルタントには、ERP・生産管理・販売・購買に関するシステムの導入経験など、実務経験が求められるため、PMでの実務経験は高い評価を得られます。

弊社が大手求人サイトを調査したところ、ITコンサルタントの想定年収は500〜1,500万円ですが、企業によっては利益貢献度を考慮してインセンティブを設けるところもあり、やりがいを持って働けるでしょう。

なお、役員レイヤーは業績に応じてさらに年収が上がる可能性もあります。

企業の課題を解決して売上の向上に寄与できるとともに、新しいことへの挑戦を惜しまない人は、ITコンサルタントを目指すと良いでしょう。

フリーランスとして独立を目指すキャリア

3つ目は、PMで培ったノウハウ・実績を活かしてフリーランス独立を目指すキャリアです。

PMで培ったITに関する知識はもちろん、コミュニケーションスキル・マネジメントスキルはフリーランスでも活かせます。

客観的に評価されるような実績に加え、PMの要件定義から納品までのプロセスを確実に実行するスキルがあればフリーランスとして活躍できるでしょう。

前述したようにフリーランスPMの平均年収は1063万円と高い結果になりましたが、重要なのは継続案件の確保です。

案件を受注できなければ安定した収入は望めないため、営業力・信頼関係構築力の高い人が、フリーランスに向きます。

自分のスキルを活かして自由に働きたい人はフリーランスを目指すと良いでしょう。

次の項目では、PMにおすすめの資格を紹介します。

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CTACTA

フリーランスにおすすめの案件探し方法

フリーランスエージェントは、それぞれ保有している案件が異なるため、2〜3社に登録しておくと収入が途絶えるリスクを軽減できます。
迷った場合は、実績が豊富な『Tech Stock』や、年齢不問/ハイクラス案件特化の『エイジレスフリーランス』がおすすめです。

Tech Stock 
20年目の実績があるフリーランス案件紹介サイト。これまでに築いた信頼により月80万円をこえる高単価案件も多数あります。
スキルアップや税務関連のサポートなど、フリーランス向け福利厚生サービスも利用可能なため、まだどこにも登録していない人でも安心して利用できます。
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エイジレスフリーランス
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SIer・コンサル・大手SESなどの案件を多数保有しており、ユーザーからの評判が良く誠実な対応も強みです。
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PM(プロジェクトマネージャー)におすすめの資格

PMにおすすめの資格4つが箇条書きされた図

PMにおすすめの資格は以下4つあります。

  • PMP®️(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)
  • ITコーディネータ
  • プロジェクトマネージャ
  • ITストラテジスト

それぞれ解説します。

未経験に役立つ|PMP®️(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)

PMP® とは、アメリカのPMI(Project Management Institute)本部が認定するプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。

受験者のプロジェクトマネジメントに関する知識・スキル・経験を測定し、プロフェッショナルであるかどうかを確認します。

人・プロセス・ビジネスの3つに分類される試験のおよそ半分は予測型プロジェクトマネジメント・アプローチ、もう半分はアジャイル・アプローチおよびハイブリッド・アプローチに関する内容です。想定される勉強時間は100〜150時間です。

国際資格であるPMP®️を取得するとプロジェクトマネジメントの専門性を証明でき、なおかつ取得する過程でPMの体系的な仕事の進め方が身に付くため、未経験からの就職・転職に役立つでしょう。

参考:PMP®資格について | 一般社団法人 PMI日本支部

未経験に役立つ|ITコーディネータ

経済産業省が推進するITコーディネータは、市場環境の変化によって生じる経営課題をマネジメント・ITの2つの視点から見直しする能力や、経営革新・業務改革のニーズにあったITサービスの活用スキルを評価する資格です。

試験は誰でも受験できるITコーディネータ試験と、協会が指定する資格を保有する方のみを対象に科目を一部免除する専門スキル特別認定試験の2種類が設けられています。

試験では協会が発行する「IT経営推進プロセスガイドライン」に沿って、IT経営を推進する際の基本原則とプロセスなどが出題されます。勉強時間およそ想定される勉強時間は50時間です。

ITコーディーネータはIT経営で必要な知識が身に付くほか、財務・会計・販売・生産管理など管理職にも活かせる汎用的な知識も身に付くため、取得できれば就職・転職に有利になるでしょう。

参考:ITコーディネータ協会(ITCA)

年収増に役立つ|プロジェクトマネージャ

経済産業省のIT政策実施機関であるIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施するプロジェクトマネージャは、高度な専門知識を持つIT人材を対象として実施する、システム開発プロジェクトの目的を実現する能力を証明できる資格です。

試験では、コンピュータシステム・経営戦略などの基礎理論やリスクの特定・コミュニケーション・プロジェクト作業の指揮および管理・検収結果の評価など幅広い範囲が出題されます。

想定される勉強時間は300〜800時間と難易度が高いため、取得しておくとPMとしての高い評価を得られるでしょう。それに加えて、資格手当・報奨を設けている企業もあるため、年収増にも役立ちます。

参考:プロジェクトマネージャ試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

プロジェクトマネージャ試験については、以下の記事で詳しく解説しているので読んでみてください。

年収増に役立つ|ITストラテジスト

ITストラテジストはプロジェクトマネージャと同様IPAが実施する資格であり、情報処理やITに関する基礎的な知識に加え、プロジェクト企画の策定能力や意思決定能力を証明できる資格です。

試験は、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3つに大別され、法務や経営戦略マネジメント・システム企画・システム開発技術など、PMが担当する要件定義やプロジェクト全体の管理に関する知識が問われます。

想定される勉強時間は、100〜200時間です。

経済産業省が管轄する12の情報処理技術者試験のうち、ITストラテジストはプロジェクトマネージャと同様、もっとも高度な専門知識を要求するスキルレベル4に区分されているため、資格の取得によって年収増につながる場合もあるでしょう。

参考:ITストラテジスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参考:情報処理技術者試験について|経済産業省

PM(プロジェクトマネージャー)に向いている人の特徴

PMに向いている人の特徴3つが箇条書きされた図

PMに向いている人の特徴は以下3つあります。

  • ロジカルシンキング(論理的思考)能力が高い
  • ストレス耐性が高い
  • リーダシップが高い

それぞれ解説します。

ロジカルシンキング(論理的思考力)能力が高い

PMには、プロジェクト進行中に生じる、さまざまなトラブルにスムーズに対応するためのロジカルシンキング(論理的思考力)が求められます。

たとえばテストの結果バグが生じた場合は原因を究明して適切な対処を取り、プロジェクトの進行中に大幅な仕様変更があった場合はステークホルダーと要件をすり合わせするなど、状況に応じて柔軟に意思決定を行わなければなりません。

特に、プロジェクトでは仕様の変更・追加が生じる場合があり、その都度クライアントに納得してもらえるような提案をスピーディに行うことが重要です。

日頃からトップダウンアプローチでトラブル・課題などの仮説を立て対策を構築しておくと、予期せぬトラブルにスピーディな対応ができるだけでなく、ロジカルシンキングスキルを向上できるでしょう。

ストレス耐性が高い

PMは経営陣・クライアントとの折衝を行い、プレッシャーのかかるプロジェクト成功の責務を担うため、ストレス耐性が必要です。

PMとステークホルダーとの合意形成ができていない、またはプロジェクトの進捗を把握できていないなど、PMが原因でプロジェクトが失敗に終わる場合もあるため、物事を前向きに捉えてストレス耐性の高い人は、PMに向いています。

プロジェクトをけん引する役割を担うPMに華やかなイメージを持つ人も少なくない一方、ストレスがかかることを懸念し、PMを目指さない人もいます。そのためPMを目指す前には自己分析を行い、自身のストレス耐性を見極めると良いでしょう。

リーダシップが高い

プロジェクトの開始前、PMはチームのパフォーマンスを高めるために、目的・目標を明確にしてチームとの団結を図り、キックオフ後はメンバーの指示・育成を行うなど、チームをけん引する役割を担います。

メンバーのメンタリング・コーチングはもちろん、必要に応じて1on1ミーティングを行うなど、メンバーのパフォーマンスを引き出すリーダーシップが必要です。

リーダーシップに欠けるPMがプロジェクトを運営するとチームの協調性または競争力が弱まり、生産性の低下を招きかねないため、PMには高いリーダーシップが求められるでしょう。

次の項目では、未経験からPMになるための3つのステップを紹介します。

未経験からPM(プロジェクトマネージャー)になるための3つのステップ

未経験からPMになるためのステップ3つが箇条書きされた図
  1. プログラマーとして業務経験を積む
  2. システムエンジニアとして開発の上流工程を学ぶ
  3. PMOとしてマネジメントスキルを磨く

未経験からPMになるためには、次の3つのステップを参考にしてください。

  • プログラマーとして業務経験を積む
  • システムエンジニアとして開発の上流工程を学ぶ
  • PMOとしてマネジメントスキルを磨く

それぞれ解説します。

プログラマーとして業務経験を積む

プロダクト開発の企画・要件定義・システム設計など、PMにはシステム開発を行うための基本的な知識が欠かせません。

未経験からPMを目指す場合、まずはプログラマーとして業務経験を積んで、システム開発に必要なプログラミング・システムアーキテクチャ・ミドルウェア・ソフトウェアの品質管理など、基本知識を深めると良いでしょう。

プログラマーとして業務経験を積むには、ベンダーであるSIer(システムインテグレーター)か技術提供を行うSES(System Engineering Service)で働く選択肢があるため、1つの企業でキャリアアップを図る場合はSIerで働くなど、自身のキャリアプランによって検討しましょう。

ただし大手SIerの場合は、要件定義・企画などの上流工程がメインで、開発・テストなどに携われない場合もあるため、まったくの未経験の場合はSESを検討するのも1つの方法です。

システムエンジニアとしてシステム開発の上流工程を学ぶ

システムエンジニアでは、PMの重要な業務でもある要件定義から詳細設計までの工程を担当できるため、経験を積むことによってPMに必要なスキルが身に付くでしょう。

プログラマーとして開発工程がこなせるようになると、次はシステムエンジニアに昇格して、仕様書の作成などを行います。

企画・施策の実行・検証までの一連の流れを経験することで、UXデザイン・デジタルマーケティングに関する知見・定量および定性などの知見が得られ、システム開発工程全般を担当できるようになるでしょう。

PMOとしてマネジメントスキルを磨く

PMとしてプロジェクト全般を運営・管理するには、要件定義からテストまでの一連の工程に加えて、コスト・品質・納期を管理するマネジメントスキルが必要になります。

そのため、プロジェクトに必要な各種資料の作成・進捗管理・コスト管理・クライアントとの折衝など、PMに必要な経験が養えるPMO(Project Management Office)としてマネジメントスキルを磨くと良いでしょう。

PMはプロジェクトを完成させたあと次の担当者に引き継ぐ場合もあるため、PMOとしてプロジェクトを円滑にサポートできれば、自身のPMへのステップアップが近づく可能性が高まります。

次の項目では、PMが活躍する企業の実例を紹介します。

PM(プロジェクトマネージャー)が活躍する企業の実例2つ

ホワイトボードを使い説明している様子

PMは実際にどのような企業で活躍しているのでしょうか。ここでは、以下2社の実例を紹介します。

  • DXと社員みずからが住民となることで人材不足の地方を創世|富士通Japan株式会社
  • 空港の混雑を解消する顔認証手続きの開発プロジェクト|日本電気株式会社(NEC)

DXで人材不足の地方創世|富士通Japan株式会社

富士通Japan株式会社は、過疎化が進む村の基幹産業である漁業の担い手不足や高齢化などの課題解決に、DXとDX推進エンジンとして専門人材を派遣するなどの取り組みをしています。

漁業の人材不足を補う対策として行ったIoTの活用によるウニ・ナマコ陸上養殖の実証実験では、作業の生産性を30%向上しました。

当プロジェクトを担当したPMは、地域社会への関心が高く、農家の方々とやりとりを通して課題認識を持ち、米国農業留学で農業(Agriculture)とテクノロジー(Technology)をかけあわせたAgriTechを学んでいました。

富士通に入社後はSEとして農業に携わり、農業テーマのみならず、水産業やまちづくり全体などへ自身の経験の幅を広げたいという志望動機の下、デジタル化戦略担当として着任しています。

IT知識を活用して活躍する場は広がっているため、興味のある分野に挑戦しながらPMを目指すのも1つの方法です。

参考:「DXで北海道神恵内村の人々を幸せにしたい。」 持続可能なまちづくりに取り組む、富士通Japanの挑戦 – フジトラニュース|富士通

空港の混雑を解消する顔認証手続きの導入プロジェクト|日本電気株式会社(NEC)

新型コロナウイルス以前、インバウンド需要の高まりによって多くの空港で混雑緩和が大きな課題となっていたことを受け、日本電気株式会社(NEC)は顔認証システムの導入プロジェクトを遂行し、顧客体験の向上に成功しました。

PMには、もともと航空会社のIT部門やコンサルティングファームで活躍しており、航空という軸で広く社会に貢献できる仕事がしたいとNECにキャリア入社した人材が抜擢されました。

当プロジェクトには先例がないことに加えて数多くのステークホルダーとの関係性の構築が最大のハードルでしたが、百数十回に及ぶ打ち合わせを根気強く行い、仕様調整できたことが成功の要因です。

このように、コンサルティングファームなどの他企業から大手SIerに転職して活躍する人材は少なくありません。

自身の特性を活かし、PMとして働ける企業に転職するのも良いでしょう。

参考:成田国際空港様「Face Express」: プロジェクトストーリー|NEC
参考:訪日外国人動向2023 – 観光統計 – JTB総合研究所

PM(プロジェクトマネージャー)に関するよくある質問

PMを目指している人や、現在PMとして働いている人からのよくある質問を紹介します。

Q1.PMの平均年齢は何歳くらい?

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、PMの平均年齢は40.5歳でした。

PMとして活躍するには時間がかかり、一般的には10年から15年ほどでPMとしての仕事にチャレンジする人が多いです。
ただし、これは一般的な傾向であり、具体的な組織文化や個々の能力によって大きく異なります。

Q2.フリーランスのPMになるには、どのような方法がありますか?

フリーランスPMの案件獲得方法として、以下のような方法があります。

  • フリーランス専用のエージェントを活用する
  • 知り合いからPM案件を紹介してもらう
  • 自分自身で直接営業活動を行う
  • SNS経由でクライアントとつながる

以下の記事で、フリーランスPMの案件獲得方法や単価相場などを詳しく解説しています。

PM(プロジェクトマネージャー)の独立や転職はエイジレスにお任せください

エイジレスでは、現在PMとして就業されている方や、PM(プロジェクトマネージャー)を目指したい方向けにキャリア相談や独立時の案件紹介をさせて頂いております。

エイジレスエージェントでは大手企業と信頼関係を構築しているため、面談・内定率は高く、年収大幅アップの内定実績が豊富です。

また、エンジニアやIT系に特化した業務委託案件を豊富に取り扱うエイジレスフリーランスでは、これまでの経験を活かして働けるPM向けの案件を豊富に取扱いしております。

実績になるような大規模プロジェクトや年齢にかかわらずスキルによって報酬が得られる案件など内容・種類も充実しています。

PMの転職・フリーランス案件は、エイジレスにご相談ください。

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まとめ|PM(プロジェクトマネージャー)

  • PM(プロジェクトマネージャー)の仕事内容は「要件定義・企画」「設計・実装」「プロジェクト編成・管理」「進捗管理」「評価・報告書の作成」
  • 正社員PM・フリーランスPM・未経験からのPMの平均年収はそれぞれ「654万円」「1063万円」「557万円」
  • PMに必要なスキルは「問題解決能力」「マネジメントスキル」「コミュニケーションスキル」

本記事が、PMを目指す方・PMへの転職を検討されている方の参考になれば幸いです。

PMへの転職・フリーランスPMの案件をお探しの方は、エイジレスエージェント・エイジレスフリーランスに、お気軽にご相談ください。

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さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。

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執筆者
エイジレスメディア編集部
エイジレス社会の専門誌として、すべての人が何歳でも豊かな暮らしを紡げるよう有益な情報を発信していきます。主に、エイジレスなビジョンを体現している人物や組織へのインタビュー記事を執筆しています。