丸投げする・何もできないPMに共通する4つの特徴と対処法を解説

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PM(プロジェクトマネージャー)の役割に興味がありつつも、丸投げするPMや何もできないPMだと将来思われることに不安を感じている人もいるのではないでしょうか。この記事では、仕事を丸投げするPMや何もできないPMに共通する特徴や、対処法を詳しく解説していきます。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • 仕事を丸投げするPM・何もできないPMの特徴は「指示があいまい」「フォローしない」「決断できない」「問題を定義できない」
  • 仕事を丸投げするPM・何できないPMへの対処法は「話し合う」「記録を残す」「選択肢を提示する」「働く環境を変える」

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丸投げするPM・何もできないPMの特徴/あるある

丸投げするPM・何もできないPMの特徴が箇条書きされた図

仕事を丸投げするPM(プロジェクトマネージャー)や何もできないPMのことを、世間では名ばかりPM・なんちゃってPMと呼んでいます。

そのように呼ばれてしまう人の特徴は、以下の4つです。

  • 丸投げするPMの特徴1|指示があいまい
  • 丸投げするPMの特徴2|指示の後にフォローしない
  • 何もできないPMの特徴1|決断できない
  • 何もできないPMの特徴2|問題を定義できない

丸投げするPMの特徴1|指示があいまい

仕事を丸投げするPMに共通する特徴として「指示があいまい」があげられます。

指示が明確でないため、プロジェクトメンバーはそれぞれが取るべきアクションやタスクの優先度が把握しづらくなり、結果として仕事の品質や進捗に影響を及ぼす可能性があります。

PMがあいまいな指示を出す理由は「丸投げ体質や知識不足により、タスクそのものを理解していない」「忙しくて手が回らない」などです。

たとえば、システム開発プロジェクトの商談で丸投げするPMの指示内容は、「提案書を作ってくれ」のように非常に端的です。

そのため、プロジェクトメンバーは顧客のニーズや提案書作成の役割分担、スケジュールがわからず結果として提案書の品質低下や納期遅延をひき起こします。

上記のように、丸投げするPMの指示には「5W2H」の情報がいくつか欠けているので注意が必要です。

5W2Hとは、「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:なにを」「Why:なぜ」「How:どのように」「How Much:いくらで」という頭文字をとるビジネス用語で、情報伝達のフレームワークです。

筆者の経験では、役に立たないと言われるPMは特に「Why:なぜ」が抜けていることが多いと感じています。

PMはプロジェクトのタスクを各メンバーに割り当てて仕事を進める役割であり、そのためには明確な目標や期限、優先順位などをプロジェクトメンバーに伝えることが重要です。

特に、タスクの目的や目標、経緯の共有は仕事の品質に直結する重要事項なので必ず共有しましょう。

丸投げするPMの特徴2|指示の後にフォローしない

丸投げするPMの特徴の2つ目は、「指示の後にフォローしない」ことです。

指示の後にフォローしない理由は、タスクをプロジェクトメンバーに任せた後、そのタスクは自分の手から離れたと認識してしまい関心を失ってしまうからです。

その結果、タスクの進捗や課題などを確認せずに、サポートや新たな情報をフィードバックしない傾向があります。

一例として、システム開発プロジェクトの要件定義で、顧客から追加要件が発生したケースを考えてみましょう。

追加要件となる要望が発生した際に、PMは「顧客から要望があったから対応しておいてくれ」と指示を出した後そのまま放置してしまいます。

この指示を受けたプロジェクトメンバーは、要件定義書に内容を追記したり、追加要件として費用調整の説明資料を用意したりします。

しかしPMは指示の後にフォローしないため、対応の過程で課題が発生していてもサポートはありません。

また、顧客の意向が変わって追加要件が取り下げられた場合にはメンバーへのフィードバックが行き届かず、不要な作業を続けてしまうことがあります。

PMは指示を出すだけでなく、プロジェクトメンバーへのフォローを通じたプロジェクト推進が求められます。

何もできないPMの特徴1|決断できない

何もできないと言われてしまうようなPMは、プロジェクトに関する重要な決断ができません。

プロジェクトメンバーや顧客からの相談に対して、結論を出さず後まわしにします。

決断できない理由はいくつか考えられますが、「自分の決断で責任を負いたくない」「決断するための知識や情報が不足している」などです。

ここでもシステム開発プロジェクトを例に考えてみましょう。

設計工程で、PMがプロジェクトメンバーから「この仕様はどうしましょうか?」「この問題はどう解決しましょうか?」という相談を受けても、「ちょっと考えてみます」と言ってそのまま放置したり、「どちらでもいいです」と決めてくれなかったりします。

そのため、プロジェクトメンバーはPMを信頼できずモチベーションが低下し、プロジェクトの進捗や品質が悪化する可能性があります。

PMの決断力はプロジェクトの成功に直結する重要な要素です。

なお、PMが決断できない理由として技術力がないからと考えられることがありますが、技術力がないPMでもプロジェクト推進に必要な決断は可能です。

以下の記事に、「PMが評価される理由と優秀なPMの特徴」を解説しているので、興味がある人は読んでみてください。

▼「PMが評価される理由と優秀なPMの特徴」を詳しく知りたい人はこちら

何もできないPMの特徴2|問題を定義できない

何もできないPMの特徴2つ目は、正しく問題を定義できないことです。

問題の本質を把握できないため、プロジェクトの課題が発生しても適切な解決策を見つけることができません。

PMとして活躍している人の中でも、問題解決に関して専門的に学んだ機会がなく、上記のような問題に頭を抱える人は少ないのではないでしょうか。

筆者自身、国内大手SIerで13年間の勤務経験を持ち、PMやSEとしてキャリアを築いてきましたが、問題解決のスキルを専門的に学んだことはありませんでした。

たとえば、システム開発プロジェクトの現場で製造工程の進捗に遅れが出ているケースで考えてみましょう。

問題が正しく定義できないPMの場合、スケジュールに無理があると捉えてプラグラマーを増員するか、製造スケジュールを延長する調整を行う可能性があります。

一方で、問題を正しく定義できるPMがはじめに行うのは、製造工程の進捗に遅れが出ている問題点の見極めです。

スケジュールに無理があるのか、プログラマーのスキルミスマッチがあるのか、それとも顧客から仕様変更が多発しているのか問題を正しく定義することで取るべきアクションが変わってきます。

このように、問題を正しく定義できないと、プロジェクトの課題の本質を理解できず適切な対策を講じることが難しくなります。

問題は「解く」よりも前に「見極める」ことが重要です。正しい問題の定義は、プロジェクトの成功に不可欠です。

次では、対処法を解説していきます。

丸投げするPM・何もできないPMへの対処法

丸投げするPM・何もできないPMへの対処法が箇条書きされた図

この章では、丸投げするPMや何もできないPMと仕事をすることになった時の対処法をみていきましょう。

おもな対処法として以下の4つを解説していきます。

  • 丸投げするPMへの対処法1|丸投げは困ることをきちんと話し合う
  • 丸投げするPMへの対処法2|コミュニケーションの記録を残す
  • 何もできないPMへの対処法1|具体的な選択肢を提示する
  • 何もできないPMへの対処法2|働く環境を変える

丸投げするPMへの対処法1|丸投げは困ることをきちんと話し合う

丸投げするPMは「指示があいまい」な特徴があります。

その有効な対処法は、丸投げの問題点や困りごとをきちんと話し合うことです。

プロジェクトメンバーは、PMから指示された仕事に対して自分の対応範囲や優先順位を確認し、丸投げによって生じる不都合や不満を具体的に伝えて改善を求める必要があります。

ただし、プロジェクトメンバーにとってPMはプロジェクトを統括する目上の立場です。そのため、話し合う際にはPMの上司も含めたアプローチが重要です。

プロジェクトメンバーがPMをとばして上司に相談したとなると、PMが不満を抱く可能性があるため、話し合いの場づくりから考慮する必要があります。

たとえば、上司が偶然プロジェクトメンバーに話しかけることで困っている状況に気付き、上司の主導でPMを含めて改善策を話し合うことになったなどの場づくりを行いましょう。

この場では一方的にPMを責めるような話し方ではなく、それぞれの事情を理解した上で、責任を追及するのではなく建設的に改善策を話し合うことが大切です。

表面的な対処ではなく、問題の根本をしっかりと話し合うことで丸投げの問題を解決し、プロジェクトの推進効率を向上させることができます。

丸投げするPMへの対処法2|コミュニケーションの記録を残す

丸投げするPMは「指示の後にフォローしない」特徴があります。そのため、対処法の2つ目は「コミュニケーションの記録を残す」ことです。

具体的な指示内容や進捗報告などのやり取りをチャットやメール、共有ドキュメントなどの文書で行うことで情報共有や責任の明確化を図り、コミュニケーションの透明性と効率を向上させることができます。

PMが指示の後にフォローしない理由は、タスクをプロジェクトメンバーに任せた後に関心を失ってしまうことです。

そのため、文書として進捗や課題をタイムリーに報告して関心を失わないように促し、必要な場合にはサポートを求めましょう。

たとえばミーティングの議事録はメモのような簡易的な形式でも構いませんが、議論した内容や各自のアクション事項を文書化しチャットやメールなどでタイムリーに共有します。

またMicrosoft Teamsなどのコミュニケーションツールを活用して、指示や報連相のやり取りや、進捗管理資料などの履歴を残すことも重要です。

記録を残してタイムリーに共有することで、PMとプロジェクトメンバーが協力してプロジェクトを推進できます。

何もできないPMへの対処法1|具体的な選択肢を提示する

何もできないPMへの対処法の1つは、具体的な選択肢の提示です。

何もできないPMは、プロジェクトに関する重要な決断ができないという特徴があるので、具体的な解決策を提案してPMの意思決定のサポートが必要です。

決断できない理由としては、決断に必要な情報が不足している可能性が考えられます。

優秀なPMは、不足している情報を指摘してアクションを指示できます。

一方で、決断できないPMのケースは、指示を受けた側で必要な情報を整理して選択肢を用意しなければなりません。

たとえば課題の対応方針を決断してほしい場合は、「どう対応しましょうか?」ではなく、「A案とB案のどちらが良いでしょうか?」と具体的な選択肢の提示が必要です。

さらに、それぞれの案に対するメリット・デメリットや自分の見解、理由を含めて具体的な選択肢を提示します。

このように、具体的な選択肢を提示することでPMに決断を促し、プロジェクトの品質や効率を向上させることができます。

PMに決断してもらうために、プロジェクトメンバーが情報を整理して選択肢を明確化するのは手間がかかる作業です。

しかし、自分自身が状況を理解するために有益であり、記録にも残ります。また、このような対応を繰り返すことで、問題解決スキルの向上にもつながります。

自身の成長のために取り組むとともに、プロジェクトの成功に貢献するために具体的な選択肢を提示するように取り組んでみてはいかがでしょう。

何もできないPMへの対処法2|働く環境を変える

何もできないPMへの対処法の2つ目は、働く環境を変えることです。

何もできないPMの特徴として正しく問題を定義できないことがあげられます。

問題の本質を理解せずに表面的な対処ばかりで振り回されていると、ストレスや不満を感じることがあります。そのような状況が自分の成長に影響を及ぼす場合は、働く環境を変えてしまうのも一つの選択肢です。

現在、IT人材は引く手あまたの状況です。経済産業省の報告では、2030年には最低でも約16万人、最大で約79万人のIT人材不足が懸念されています。

このため、現在働いている環境が合わないと感じているのならば、働く環境を変える選択肢を取りやすい状況です。

参考:「IT人材育成の状況等について|経済産業省」

たとえば働く環境を変える選択肢として、以下のような方法があります。

  • 別のプロジェクトへの異動
  • 部署の変更:部署異動やポスティング(社内公募)に応募
  • 別の企業への転職
  • フリーランスとして独立

筆者自身も、国内大手SIerで13年間勤務しましたが、前職の後輩のひとりはプロジェクトに馴染めず悩んでいました。

しかし、転職を機に新しい環境でいきいきと働き、現在は転職先で管理職に昇進したとの連絡を受けたことがあります。

働く環境を変えることで、本来の力を発揮して活躍する事例は珍しくありません。

もし転職や独立を考えている人がいれば、エイジレスにご相談ください。

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まとめ|丸投げするPM・何もできないPMへ充分な対策を

この記事から、以下の2つのことがわかりました。

  • 仕事を丸投げするPM・何もできないPMの特徴は「指示があいまい」「フォローしない」「決断できない」「問題を定義できない」
  • 仕事を丸投げするPM・何できないPMへの対処法は「話し合う」「記録を残す」「選択肢を提示する」「働く環境を変える」

同僚や上司、顧客から「丸投げするPM・何もできないPM」として認識されてしまうと信頼を失い、いきいきと働くことが難しくなります。

このような仕事をしないPMは、いつの時代でもどこにでも存在しますが、その特徴や対処法を知っておくことで自分自身がそうならないように努力できます。

将来的にPMとして活躍したいなど、キャリアに関するご相談があれば「エイジレス」にご相談ください。

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執筆者
じょう
新卒で国内大手Sierに入社しシステムエンジニアとして13年勤務。2023年4月よりフリーランスとして独立。 前職ではプロジェクトマネージャーやコンサルタントとしての役割を担い、個社の基幹システム運用やクラウド移行の案件を中心に商談〜構築〜運用まで幅広く担当。 ライターとしては経歴を活かしたIT関連の記事執筆が得意。妻は前職の同僚で現在も継続して勤務中。共働きで3児の父として子育てにも奮闘中。