金融SEは高年収!経験者がその理由と収入アップのポイントを解説
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しーそー
「金融SEは激務でたいへんと聞くけど、それに見合う収入を得られるの?」
金融SEに興味がある人の中には、こうした疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、元金融SEが金融SEの基礎知識から年収事情・高年収の理由・年収アップのポイントまでをわかりやすく解説します。
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- 【この記事を読んでわかること】
- 金融SEは金融機関のシステム開発や維持保守を担う、ITと金融の知識を併せ持つ専門家
- 金融SEの平均年収は、ほかの業種のエンジニアに比べて高水準
- 金融SEの年収が高い理由は、金融機関のIT投資・年収の高さや高度な専門知識、責任の重さなど
- 金融SEが年収アップを図るためには、金融知識・最新技術の習得や資格取得が効果的
金融SE(システムエンジニア)とは
金融SE(システムエンジニア)とは、金融機関のシステム開発や維持保守を担う、IT技術と金融知識を併せ持つ専門家です。
金融は、世の中のお金の流れを円滑にする重要な役割を果たしています。安定した金融業務には、堅牢で安全な情報システムが欠かせません。
金融SEは、人々があたり前のように使っている金融サービスの数々を、今日も影で支えています。
そんな金融SEの基礎知識を下記の4つの観点で見ていきましょう。
- 金融SEが活躍する金融機関
- 金融SEが携わるシステムの特徴
- 金融SEが働く企業
- 金融SEのおもな仕事内容
▼金融SEの仕事内容やメリット・デメリットをより詳しく知りたい人はこちら
金融SEとは?仕事内容や魅力・苦労・必要なスキルを経験者が解説
金融SEは、年収が高くやりがいがある反面、激務の仕事として知られています。ほかの業界からの転身を考えている人の中には、実態が気になる人も多い
金融SEが活躍する金融機関
金融系SEがシステム開発や維持・保守を担う舞台は金融機関です。金融機関には、おもに以下のような企業があります。
- 銀行
- 証券会社
- 保険会社
銀行は、多くの人にとってもっとも身近な金融機関でしょう。預金の受け入れや融資を行い、企業や個人の資金の流れをサポートします。
証券会社は、投資経験のない人には馴染みが薄い金融機関かもしれません。株式や債券の売買の仲介や、企業の資金調達・投資家の資産運用の支援などを行います。
保険会社は、生命保険・医療保険・損害保険などに加入し、関わりがある人も多いでしょう。各種保険商品を提供し、個人や企業のリスクを分散させる役割を果たします。
金融SEは、こうした金融機関が業務を安定的かつ円滑に行うためのシステムを作り、守ることがおもな役割です。
金融SEが携わるシステムの特徴
金融機関の中心的なシステムは、大きく下記の3つで構成されています。
- 基幹系システム
- 情報系システム
- チャネル系システム
基幹系システムは、金融機関のコア業務(銀行なら預金・融資・為替など)を処理するシステムです。堅牢性・安定性が重視され、現在でもメインフレームやCOBOLなどのレガシーシステムで稼働しているケースも少なくありません。
情報系システムは、顧客データや取引データの集計・分析などを行い、営業活動や経営判断のための情報を提供するシステムです。基幹系システムに比べて、現代的なプログラミング言語や開発手法が用いられるケースが増えています。
チャネル系システムは、ATMやインターネットバンキングなど顧客との接点を提供し、サービスのアクセスポイントとなるシステムです。使いやすいUI/UXや迅速な変更が求められるため、フロントエンド・モバイル向け言語と迅速なリリースを重視する開発手法が選ばれます。
このほかにも、金融機関にはさまざまなシステムが存在し、巨大なシステム群を形成している点が大きな特徴です。
金融SEが働く企業
金融SEが活躍する企業や働き方には、おもに下記の4つがあります。
- 金融機関のシステム部門
- 金融機関のシステム子会社
- 大手SIerの金融部門
- 中小SIerやSES・フリーランス
金融機関のシステム部門は、金融機関の本体に社内SEとして勤める働き方です。おもに、システムの企画やプロジェクトマネジメントなどを担います。
金融機関のシステム子会社は、親会社である金融機関やグループ企業の案件を中心にシステム開発を行う企業です。金融機関のシステム部門と一体で業務したり、プロジェクトや維持保守を受託したりします。
大手SIerの金融部門は、多様な業界のシステム開発を請け負う大手SIer(システムインテグレーター)の金融機関向け部門です。おもに要件定義や設計などの上流工程を担います。
中小SIerやSES・フリーランスは、大手SIerなどから案件を受託したり、足りないエンジニアを供給したりします。コーディングやテストなどの下流工程を担うことが多い企業・働き方です。
このように、金融SEはさまざまな企業・立場・役割で金融機関のシステムを支えています。
金融SEのおもな仕事内容
金融SEの基礎知識の最後に、その仕事内容を見てみましょう。金融SEのおもな仕事内容は下記の3つです。
- 既存システムの維持・保守
- 新規システムの構築
- データ解析やモデリングのサポート
既存システムの維持・保守は、金融機関が社会の重要なインフラとして機能するために欠かせない業務です。日々の運用監視や障害対応、法令改正に伴う改修などがあります。
新規システムの構築は、新たなビジネスの展開や業務の効率化などのために、新規システムを導入・開発する業務です。基幹システムの刷新などの大規模なプロジェクトから、小規模な周辺システムの構築まで、さまざまな規模や内容の開発があります。
データ解析やモデリングのサポートは、金融機関で高度な数学や金融工学を用いる部署を支援する業務です。AIやデータサイエンスなど先端分野の知識・スキルが求められます。
ここまでは、金融SEの基礎知識を解説してきました。ここからは、金融SEの年収事情を解説していきます。
金融SEは高年収|30代前半で744万円という調査結果も
大手転職サイト「リクナビNEXT」が公表した、30代エンジニアが対象の業種別年収調査によると、「金融・保険系」が32業種の中でトップの744万円となっています。同調査の代表的な業種の年収は下記のとおりです。
業種 | 平均年収 |
---|---|
金融・保険系 | 744万円 |
通信系 | 571万円 |
インターネット関連系 | 563万円 |
ソフトウェア・情報処理系 | 471万円 |
厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」を見ると、IT技術者の平均年収(515.9万円)は、一般的な会社員の平均年収(462.6万円)よりも高水準です。そんなIT技術者の中でも、金融SEはさらに高年収が期待できることがわかるでしょう。
金融SEは、ほかのエンジニアや一般的な会社員に比べて年収水準が高いことがわかりました。次に、金融SEの年収が高い理由を考察していきます。
金融SEの年収が高い3つの理由
金融SEの年収は、なぜほかの業種のSEに比べて高いのでしょうか?
考えられる3つの理由を見ていきましょう。
- 金融業界のIT投資・年収水準の高さ
- 金融業務の専門知識が必要
- 重い責任が伴う
金融業界のIT投資・年収水準の高さ
1つ目は、金融機関のIT投資の大きさや、金融機関本体の年収の高さです。
金融機関の業務はシステムなしには成り立ちません。ネット銀行やネット証券などはもちろん、対面営業の大手金融機関もあらゆるデータ・取引の処理・集計・分析をシステムが担っています。必然的にシステムの維持保守・開発への投資規模も大きくなります。
また、金融機関自体が一般的な会社員に比べると年収の高い業種です。そのため、システム部門の社内SEやシステム子会社に所属するエンジニアの年収が高い傾向にあることが理由の1つと考えられます。以下は、メガバンクの平均年収です。
銀行 | 平均年収 |
---|---|
三菱UFJ銀行 | 784.6万円 |
三井住友銀行 | 842.8万円 |
みずほ銀行 | 793.2万円 |
金融業務の専門知識が必要
2つ目は、金融SEにはITの技術力に加えて金融業務の専門知識が求められる点です。
金融機関のシステムには、法令・税制・規制・コンプライアンス・金融商品など金融業務のあらゆる要素が詰め込まれています。金融SEはこれらを理解し、システム化やメンテナンスに対応しなくてはなりません。
高度なIT技術を持つエンジニアや、金融の知識が豊富な営業マンはたくさんいても、その両方を持ち合わせた人材は貴重です。金融SEの高年収は、こうした人材の希少性を反映したものであると考えられます。
重い責任が伴う
3つ目は、金融SEの仕事には重い責任が伴う点です。
人々の大切なお金や資産を扱う金融機関のシステムは、ひとたび障害を起こすと多くの人の生活や企業活動に多大な影響を与える可能性があります。
ちょうど本記事の執筆時(2023年10月)にも、全銀システムの障害で銀行間の送金に遅れが生じているニュースがありました。原因はプログラムの設定ミスと報じられています。些細なミスが非常に大きな影響につながることがよく分かる事例です。
金融SEは、常にこうした重い責任を背負って日々の開発と向き合っており、高年収はそれに対する報酬と捉えることもできるでしょう。
▼金融SEが「やばい」「つらい」と言われる理由を詳しく知りたい人はこちら
金融SEは「やばい」ってホント?その理由から知られざる魅力まで
金融SEは、金融機関のシステム開発・保守を担うエンジニアです。金融SEは、その激務ゆえに、「やばい」「やめとけ」と言われることも少なく
以上、金融SEの年収が高い理由を考えました。ここからは、金融SEの年収アップに役立つスキルと資格を紹介していきます。
金融SEの年収アップに役立つ3つのスキル
エンジニアの年収アップには、スキルを高めてみずからの市場価値を向上させることが欠かせません。
金融SEに求められる重要な3つのスキルを紹介します。
- 金融業務の高度な専門知識
- 新しい技術やトレンドに対応できる能力
- 上流工程を担えるコミュニケーション力・マネジメント力
金融業務の高度な専門知識
通常のITエンジニアと金融SEのもっとも大きな違いは、なんと言っても金融業務の専門知識です。
金融関連の法令・規制や金融商品、業務プロセスなどを理解することで、ユーザー部門のニーズにあったシステムの提案や開発が可能となります。このことは、金融SEの社内での評価や転職市場での価値を高め、年収アップにつながるでしょう。
金融業務は幅広く複雑なため短期間での習得は難しく、実際の開発経験や自己学習、資格取得などを通じて時間をかけて身につける必要があります。豊富な知識は大きな武器となり、ほかのエンジニアと差別化する競争力にもなるでしょう。
新しい技術やトレンドに対応できる能力
IT技術の面では、日々進化する新しい技術やトレンドに対応できる能力も重要です。
金融機関のシステムと言えば、メインフレームやCOBOLに代表されるレガシーシステムのイメージが強いかもしれません。しかし、近年ではFinTechの台頭やブロックチェーン技術、AIの進歩などDX(デジタルトランスフォーメーション)の波にさらされています。
こうした新しい技術に迅速に対応できる金融SEは、ビジネス貢献度の高い人材として高く評価されるでしょう。
新しい技術やトレンドに対応するためには、日々の業務だけでなく、自分から積極的に情報をキャッチしていく姿勢が求められます。
▼COBOLの将来性やCOBOLエンジニアの価値を知りたい人はこちら
COBOLの将来性は低い?でもCOBOLエンジニアの需要は増大中
COBOLエンジニアの中には「COBOLの将来性はどうなの?」と感じている人もいるのではないでしょうか。結論として、COBOLのプログラミン
上流工程を担えるコミュニケーション力・マネジメント力
3つ目に、ソフトスキルを紹介しましょう。
エンジニアの世界では一般に、キャリアを重ねるにつれて開発・テストを担う下流工程から、要件定義や設計などの上流工程へとシフトしていきます。金融SEの上流工程では、単に技術スキルだけでなく、ユーザー部門との円滑なコミュニケーションやマネジメントのスキルが欠かせません。
こうしたスキルを持つ人材は、より重要な役割を任されるようになり、結果として年収も高くなる傾向にあります。
高度なコミュニケーション力やマネジメント力を鍛えるためには、理論や知識体系を学ぶとともに、プロジェクト現場での実践経験の積み重ねが有効です。
以上、金融SEの年収アップに役立つ3つのスキルを紹介しました。続いては、年収アップに役立つ6つの資格を紹介します。
金融SEの年収アップに役立つ資格6選
金融SEが転職や社内での評価を高めて年収アップを図るには、資格の取得も有効です。金融SEの仕事に役立つ資格は、大きくIT関連と金融業務関連に分けられます。
それぞれから、おすすめの資格を3つずつ見ていきましょう。
- IT関連のおすすめ資格3選
- 金融業務関連のおすすめ資格3選
IT関連のおすすめ資格3選
IT関連の資格には、国家資格と民間資格(ベンダー資格、国際資格など含む)があります。
ここでは、IT業界での認知度や評価の高い国家資格の中から、金融SEの初級者・中級者・上級者向けの資格を1つずつピックアップして紹介します。
基本情報技術者(FE) | 初級者向け。 「ITエンジニアの登竜門」とされる資格試験で、金融SEに限らずITエンジニアとしてのキャリアをスタートする(したばかり)人におすすめの資格。 |
---|---|
応用情報技術者(AP) | 中級者向け。 「ワンランク上のITエンジニア」を目指す人に適した資格で、IT技術から管理、経営まで幅広い知識と応用力が身につけられる。 |
プロジェクトマネージャ(PM) | 上級者向け。 「ITプロジェクトの成功請負人」として、ステークホルダーの多様な要求に対応しながら、プロジェクトを成功に導くPMを目指す人におすすめの資格。 |
自身のスキルレベルや役割にあった資格を選んで受験しましょう。
ここに挙げた国家資格のほかにも、特定の分野や言語、製品などに特化したIT関連資格は多数あります。目指すキャリアパスや業務に必要な技術に合った資格を探してみましょう。
▼システムエンジニアのスキルアップにおすすめの資格をより詳しく知りたい人はこちら
システムエンジニアのスキルアップにおすすめの資格10選
資格取得はシステムエンジニアのキャリアアップに有効です。しかし、たくさんある資格の中から、どれを目指せば良いか迷う人も多いでしょう。
金融業務関連のおすすめ資格3選
続いては、金融業務関連の資格です。
金融業務関連の資格は、本来は銀行・証券・保険などの金融機関本体で働く行員・職員をターゲットにしています。しかし、システム開発のために金融知識が欠かせない金融SEにとっても、知識を学び定着させるために役立ちます。
金融業関連の代表的な3つの資格は下記のとおりです。
銀行業務検定試験 | おもに銀行・保険・証券など金融機関の行職員を対象に、実務知識および技能応用力を測定する資格。 法務・財務・外国為替・証券・融資渉外・金融経済など22系統・37種目の試験を実施。 |
---|---|
外務員資格試験 | 株式・債券・投資信託などの証券を販売する外務員に求められる法令・諸規則や商品業務、関連科目の知識を測定する資格。 基礎的知識を問う「二種外務員資格試験」と、その上位資格で実務的・専門的知識が問われる「一種外務員資格試験」がある。 |
FP(ファイナンシャルプランナー)資格 | 家計にかかわる金融・税制・保険・年金制度など幅広い専門知識を備えていることを測定する資格。 FP関連資格には、国家資格の「1級〜3級FP技能検定」と日本FP協会が認定する「AFP」「CFP」があります。 CFPは世界25カ国・地域で認められた国際資格でもある。 |
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まとめ|金融SEは高年収!スキルアップでさらなる市場価値向上を
本記事を通して、以下のことがわかりました。
- 金融SEは金融機関のシステム開発や維持保守を担う、ITと金融の知識を併せ持つ専門家
- 金融SEの平均年収は、ほかの業種のエンジニアに比べて高水準
- 金融SEの年収が高い理由は、金融機関のIT投資・年収の高さや高度な専門知識、責任の重さなど
- 金融SEが年収アップを図るためには、金融知識・最新技術の習得や資格取得が効果的
金融SEは、人々の生活に根付いた金融機関の業務をシステム面から支えています。顧客の大切なお金や資産を扱うため、ミスが許されず責任の重い仕事ですが、その分高い年収が期待できるでしょう。
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