ABAP言語とは?SAP向けプログラム言語の基礎知識から習得方法・年収まで
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十河幸恵
じょう
ABAPは、多くの企業で利用されているERPソフトウェアSAPの開発に特化したプログラム言語です。知名度こそ高くありませんが、SAPを扱うエンジニアならスキルを身につけて損はありません。
この記事では、プログラム言語「ABAP」の基本情報や習得法、年収相場・求人例などを解説していきます。
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- 【この記事を読んでわかること】
- ABAPは世界シェアNo.1のERPソフトウェアSAPの開発に特化したプログラム言語
- ABAPを扱うエンジニアの希少性は高く、平均年収はPythonやJavaなどの人気言語に比べても高水準
- ABAPの知識・スキルを身につけるには公式トレーニングや書籍・学習サイトでの独学、実務経験などが有効
プログラム言語「ABAP」の基本情報
じょう
「ABAP」というプログラム言語に馴染みが薄いITエンジニアは多いかもしれません。
それもそのはずで、ABAPはSAPという特定のERPソフトウェアに特化した言語です。そのため、JavaやPythonなどの汎用性が高いメジャーな言語に比べて、知名度が低いのもやむを得ないでしょう。
しかし、SAPを扱うエンジニアであれば、ぜひ知っておきたい言語です。まずは、ABAPの基礎知識を確認していきましょう。
- ABAPとは
- ABAPでできること
- ABAPのメリット/デメリット
ABAPとは
「ABAP(Advanced Business Application Programming:アバップ)」は、SAP社のERPソフトウェアであるSAP R/3やSAP S/4HANAのアドオン開発などに特化したプログラム言語です。
1980年代に開発された40年以上の長い歴史を持つ老舗言語で、継続的に進化を続けながら、現在でもSAP開発で中心的な役割を担っています。SAPエンジニアとしてキャリアアップを目指すなら、習得しておきたいスキルセットの1つです。
ABAPでできること
ABAPを使用することで、SAPが標準で備えている機能では実現できないニーズに対して、機能の追加(アドオン)開発が可能です。
ABAPは幅広い開発に対応していますが、代表的な機能として以下の3つが挙げられます。
- レポート:データベースからのデータ抽出、加工、表示を行うカスタムレポートを作成
- バッチインプット:大量のデータをSAPシステムに自動的に入力して、夜間などにまとめて処理
- ダイナミックプログラミング(Dynpro):GUIを利用してユーザーとの対話型処理を実装
ABAPは、SAPをカスタマイズして自社に最適化するためには欠かせない言語です。
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ABAPのメリット/デメリット
以上のように、ABAPは良くも悪くもSAPと一体の言語です。そのメリットとデメリットを見てみましょう。
ABAPのおもなメリットは以下の3つです。
- SAPシステムとの親和性が高い:SAP専用に設計されているため、機能を最大限に活用した開発が可能
- SAP社による手厚いサポート:SAP社が継続的に機能を更新しており、学習資料なども豊富
- ERP市場で世界一のシェア:SAPはERP市場で世界一のシェアを誇っており、ABAPにもそれに応じた需要がある
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 汎用性の低さ:SAP専用の言語であるため、ほかのシステムでの使い道がない
- 初学者には難しい:独特の構文や機能を持つため、初学者は学習に手間取る可能性がある
- 需要がSAPに依存:ABAPエンジニアの需要がSAPの需要に依存する
以上、ABAPの基本情報でした。続いては、ABAPの難易度や習得方法を解説します。
プログラム言語「ABAP」の難易度と習得方法
じょう
これからABAPの学習を始めようと考えている人は、難易度や効果的な習得方法が気になるところでしょう。
以下の2つを解説していきます。
- ABAPの難易度
- ABAPの習得方法
ABAPの難易度
ABAPの学習難易度は、個人のプログラミング知識や開発経験によって大きく異なります。
ABAPはCOBOLに文法がよく似た言語です。一方で、JavaやPythonなどと同じオブジェクト指向にも対応しています。こうしたプログラミングの基礎知識がある人にとっては、ABAPの理解はそれほど困難ではないでしょう。
ただし、実際にプロジェクトで開発するためには、SAPシステムの複雑さと業務プロセスの理解が必要です。そのため、ABAPをある程度習得できたとしても、SAP開発の現場で活かせるまでには実践経験の積み重ねが求められます。
一方で、プログラミングの初心者にとっては、ABAPの独特の文法や構文はやや難易度が高いかもしれません。しかし、どの言語を学ぶにしてもはじめは難しいものです。次に紹介する習得方法を参考に、学習を進めましょう。
ABAPの習得方法
ABAPの学習を効果的に進めるには、以下のような方法があります。
- 公式トレーニングを受講する:SAP主催の公式トレーニングで体系的な知識・スキルを学ぶ。費用が高額なため注意が必要。
- 書籍や学習サイトを利用する:市販の書籍やSAP Learning Hubなどの学習サイトで独学で学習する。費用を抑えて自分のペースで進められる。
- 実務の中で習得する:ABAPを使うプロジェクトに参画する機会があれば、実践の中で手を動かして学ぶことも可能。
ABAPの知識やスキルを身につけたら、SAP認定コンサルタント資格のABAPの試験を受験して習熟度を測るのも良いでしょう。合格できれば、スキルの証明になり、社内の評価アップや転職などでも有利になります。
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以上、ABAPの難易度と習得方法を紹介しました。続いては、ABAPエンジニアの需要と市場価値を見ていきましょう。
プログラム言語「ABAP」を扱うエンジニアの需要と市場価値
じょう
ABAPを学ぶとエンジニア市場でどのような評価が得られるのでしょうか。ABAPエンジニアの需要と年収相場や、市場価値を見ていきましょう。
- ABAPを扱うエンジニアの需要と年収相場
- ABAPを扱うエンジニアの市場価値
ABAPを扱うエンジニアの需要と年収相場
ABAPを扱うエンジニアの正社員とフリーランスの求人数を大手求人サイトで調査したところ、以下のとおりでした。比較のために、人気言語のPythonとJavaも載せています。
雇用形態 | ABAP | Python(参考) | Java(参考) |
---|---|---|---|
正社員 | 1,836件 | 53,135件 | 81,579件 |
フリーランス | 707件 | 21,599件 | 77,455件 |
汎用性が高く幅広い開発に利用されるPythonやJavaに比べると、ABAPの求人数は見劣りします。しかし、ABAPがSAPという製品に特化した言語であること踏まえると、健闘している数とも捉えられるでしょう。SAPのアドオン開発や移行に必要なABAP人材の求人は、常に多く募集されています。
続いて、大手求人サイトの統計データを元にまとめた、ABAPを扱うエンジニアの正社員とフリーランスの平均年収は以下のとおりです。同じく、PythonとJavaも掲載しています。
雇用形態 | ABAP | Python(参考) | Java(参考) |
---|---|---|---|
正社員 | 593万円 | 555万円 | 491万円 |
フリーランス | 920万円 | 870万円 | 776万円 |
ABAPの平均年収は、正社員・フリーランスともにPytohn・Javaよりも高いという結果でした。日本の全給与所得者の平均である458万円に比べると、正社員で140万円高い水準となっています。
このように、ABAPはSAP専用の言語であるという特性のため求人数は多くないものの、転職や案件獲得に成功すれば高年収が期待できることがわかります。
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ABAPを扱うエンジニアの市場価値
ITエンジニアの中で、JavaやPythonの存在を知らない人はほとんどいないでしょう。一方でABAPは、SAPを扱ったことがなければ、知らないという人も多いかもしれません。
ABAPはSAPに特化した言語であるため知名度が低く、それゆえに扱えるエンジニアの数は多くありません。高度な専門性を備えた人材となると、さらにその数は限られるでしょう。
一方で、SAPは世界シェアNo.1のERPソフトウェアであり、日本での導入も広がっています。また、多くの企業で導入されているSAP EPR6.0のサポートが終了する「2027年問題」という特殊事情も重なり、SAPの開発需要は旺盛です。
こうした環境で、希少なABAPを扱えるエンジニアの市場価値は、当面高まることが予想されます。
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以上、ABAPを扱うエンジニアの年収や市場価値でした。最後に、ABAPの具体的な求人や案件例を紹介します。
プログラム言語「ABAP」のスキルが必要な求人や案件の例
じょう
ABAPのスキルが必要な求人や案件には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?大手求人サイトで実際に募集されている、正社員とフリーランスの求人・案件をいくつか紹介します。
- 【正社員】ABAPを使った設計・開発者としてユーザー向けに実装・保守
- 【正社員】SAP開発で日本企業の海外進出を支援
- 【フリーランス】自動車産業向けSAPS/4HANA導入プロジェクト
【正社員】ABAPを使った設計・開発者としてユーザー向けに実装・保守
SAPの導入支援や自社パッケージの開発を行う企業の募集です。
ABAPを使用したSAPの設計・開発者として、導入ユーザー向けに実装・保守運用を担います。
- 業務内容:ABAPを使った新規機能・UI開発、障害対応・追加機能対応
- 年収:390万円〜780万円
- 必要なスキル:SAP ABAPの設計開発・保守経験
今後のSAP需要の高まりを見込んで、注力事業であるSAP導入支援のスキルを持つ人材を募集しています。
【正社員】SAP開発で日本企業の海外進出を支援
大手SIerグループでSAP事業の中核を担う企業による、ABAP開発管理人材の募集です。
プライムベンダーという立場で、顧客と一体でソリューションの健闘・構築を担当します。
- 業務内容:ABAP開発管理・PMO業務、SAP S/4HANAと周辺システムを組み合わせたグランドデザイン
- 年収:650万円〜800万円
- 必要なスキル:ABAPソースコードのレビュー経験、SAP導入の設計〜テスト経験
大手企業グループで上流の役割を担う求人のため、年収も高めです。
【フリーランス】自動車産業向けSAPS/4HANA導入プロジェクト
自動車産業向けSAP S/4 HANA導入プロジェクトで、SAPコンサルを募集するフリーランス案件です。
S4/HANAと周辺システムのインターフェース構築に関する要件定義を支援します。
- 業務内容:IF開発の要件定義、およびSAP S/4 HANAと周辺システムのIF構築
- 単価:140万円
- 必要なスキル:SAP S/4 HANAあるいはECC経験10年以上、ABAP開発経験
140万円という高単価案件だけに、ABAP開発に加え、SAPの豊富な経験が求められます。
こちらは、弊社の「エイジレスフリーランス」で募集されていた案件です。
プログラム言語「ABAP」のスキルを活かした転職や独立なら「エイジレス」
じょう
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まとめ|プログラム言語「ABAP」を扱えるエンジニアの希少性は高い
じょう
この記事を通して、以下のことがわかりました。
- ABAPは世界シェアNo.1のERPソフトウェアSAPの開発に特化したプログラム言語
- ABAPを扱うエンジニアの希少性は高く、平均年収はPythonやJavaなどの人気言語に比べても高水準
- ABAPの知識・スキルを身につけるには公式トレーニングや書籍・学習サイトでの独学、実務経験などが有効
ABAPは認知度こそ高くはありませんが、SAPを導入する際には欠かせないプログラム言語です。
記事で解説したように、ABAPを扱えるエンジニアの希少性は高く、年収も高水準にあります。日本国内のERPソフトウェア市場でも、SAPは確固たる地位を確立しており、ABAPエンジニアにも安定した需要が見込まれるでしょう。
SAPエンジニア・コンサルタントとしてできる範囲を広げたい、ほかの言語からシフトしたいという人は、ABAPの習得を選択肢の1つにしてみてはいかがでしょうか。
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- 未経験者を徹底サポート
- 補助金最大70%給付
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