ABAPエンジニアの将来性は?|2027年問題を乗り切る方策を解説
※当サイトは人材関連サービスを展開する株式会社エイジレスが運営しています。本ページは自社および提携先のPRを含む場合があります。
yuko_tada
ABAPを扱っていて将来性があるのか・・・、そう考えるSAPエンジニアの人は多いです。
SAPのカスタマイズに用いる専用の言語として普及しているABAPですが、特定の製品や会社に依存する言語のため将来性に不安を感じるのも無理はないでしょう。
本記事ではABAPの将来性はいかほどか、SAPの現状や今後の展望も踏まえて詳細に解説します。
これからABAPを学ぼうとしている人、ABAPを担当してきたけど将来性に不安を感じている人はぜひ参考にしてください。
おすすめの転職エージェント
転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです!
- 大手:業界や職種にこだわらず自分に合った転職先を幅広く探る
- 特化型:希望する業界や職種への転職を専門的にサポートしてもらう
さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。
大手転職エージェント
≫リクルートエージェント
支援実績No1の総合型。年代や職種を問わずまず登録しておくべきエージェントです。
【公式】https://www.r-agent.com/
特化型エージェント
≫社内SE転職ナビ
社内SE特化。業界最大級の社内SE求人数を保有しています。
社内SEはホワイトな求人も多いためおすすめです。
【公式】https://se-navi.jp/
≫ウズカレIT
IT未経験からの転職に特化。就職/転職支援のみならずIT学習のサポートを無料で受けられます。
【公式】https://uzuz-college.jp/
≫エイジレスエージェント
年齢不問求人/ハイクラス転職に特化。SIer・コンサル・大手SESなどの求人を多数保有しています。
約80%が平均年収150万円アップの実績あり。
【公式】https://agent.ageless.co.jp
- 【この記事を読んでわかること】
- ABAPはSAP製品で用いられる開発言語、業界シェアトップのSAPが堅調な限り将来性は明るい
- ABAP正社員の年収相場は795万円、フリーランスなら993万円と高給が見込める
- 2027年問題前後の需要減リスクはあるが、それを踏まえてもABAPエンジニアは”うまみのある職種”
そもそもABAPとは?SAP独自のプログラム言語
じょう
まずABAPの基本情報をおさらいしておきましょう。
- ABAPとはなにか
- ABAPはどのような機能開発に用いられるか
- ABAPを用いた求人はどんなものがあるか
ABAPとはなにか
ABAPとはSAPの開発に用いられるプログラミング言語です。
Advanced Business Application Programmingの頭字語で、口頭では「アバップ」と呼称されることが多いです。
ABAPはどのような機能開発に用いられるか
ABAPはSAP製品のアドオン開発に用いられることで有名です。
SAP製品の標準機能では業務にそぐわない、そんなかゆいところに手を届かせる際、ABAPを用いて追加開発を行います。
ABAPを用いた求人はどんなものがあるか
ABAPを扱える場合、S/4 HANAを初めとしたSAP製品の開発案件に参画できます。
SAPは広く普及しているERP製品のため、求人に困る可能性は低いでしょう。
以上、ABAPの基本情報を解説しました。
続いてABAPの需要や将来性を詳しく見ていきましょう。
ABAPの需要と将来性
じょう
ABAPの需要は一定の水準を保つと想定されるため、将来性も明るいです。
詳細を以下の観点から見ていきましょう。
- ABAPの求人数
- ABAPを用いた求人の年収相場
- ABAPの需要は高く、市場からの要請は強い
ABAPの求人数
ABAPの求人数を大手求人サイトで検索したところ、正社員とフリーランスそれぞれで下表の結果となりました。
契約形態 | 求人数 | ||
---|---|---|---|
ABAP | (参考:Java) | (参考:Python) | |
正社員 | 2,038件 | 101,205件 | 58,338件 |
フリーランス | 701件 | 72,128件 | 4,386件 |
ABAPは正社員で2,038件、フリーランスで701件の求人募集が掲載されています。
わかりやすい比較対象として掲載したJavaやPythonと比べると見劣りする数字ですが、JavaやPythonは製品に関わらずどんな開発にも適用できるため、必然的に母数が大きくなります。
一方でABAPは、SAP関連製品の開発にしか適用できないにもかかわらず、求人数が数千件にも上るのが大きな特異性です。
SAPはERP製品で世界トップのシェアを誇っており、日本でも数多くの企業で利用実績があります。
単独で数百件、数千件という規模で求人が出ているのがABAP、ひいてはSAPの大きな強みだと理解できます。
ABAPを用いた求人の年収相場
続いてABAP求人の年収も見ていきましょう。
大手求人サイトでの検索結果を集計した結果は下表のとおりです。
契約形態 | 年収(単位:円) | ||
---|---|---|---|
ABAP | (参考:Java) | (参考:Python) | |
正社員 | 795万 | 786万 | 769万 |
フリーランス | 993万 | 923万 | 1,036万 |
ABAPの年収相場は正社員で795万円、フリーランスだと993万円となりました。
正社員年収の場合、JavaやPythonと比較しても第1位、フリーランスでもPythonに次ぐ2位という結果です。
求人の募集数では圧倒的少数となっていましたが、年収で比較するとJavaやPythonと比肩する水準だとわかります。
ABAPエンジニアの正社員年収は、日本人平均年収に対し1.73倍となっていることからも、ニーズの高さが伺い知れるでしょう。
ABAPの需要は高く、市場からの要請は強い
求人数と年収相場を見れば、ABAPは転職市場から強く要望される言語だとわかりました。
転職市場での需要が高ければ、当然人材の流動性は高まります。
人材の流動性が高まれば、優秀な人材はより良い環境を求めて転職を行うようになるでしょう。
すると、新しく人を雇いたい企業は好待遇での求人を掲載し、既存で人を雇っている企業も優秀なエンジニアに対して昇給などインセンティブを付与するようになります。
このような段階を経てABAPを用いるエンジニアの待遇が上がり、労働環境や就労条件が良くなるサイクルを回せるようになります。
求人数の多さ、年収の高さは将来性を測る重要な指標です。
以上、ABAPの需要と、そこから得られる将来性の萌芽を解説しました。
続いてABAPの需要を支える仕組みを紹介します。
ABAPの将来性が明るい3つの理由
じょう
ABAPの需要や将来性がなぜ高いのか、その理由は以下の3点です。
- SAP製品のシェアが高い
- ABAP開発によって業務最適なSAP構築が可能
- 2027年問題に向けた対応が急務
順番に解説します。
SAP製品のシェアが高い
最大の理由としてSAPの世界的なシェアが高いことが挙げられます。
まずERPの市場規模が日本だけで1,300億円を超える規模を有しており、世界全体では2026年に1兆6,800億円(≒1,123億ドル)を超えると予測されています。
SAPはERPのパッケージソフトで世界最大のシェアを誇っており、市場の7%ほどを占めるほどです。
単純計算で1,100億円以上の売上となる計算で、それだけでSAPがどれほどの存在感を示しているかが伺えます。
製品のシェアが低ければその改修に使われる言語の地位も低くなり、当然転職市場でもABAPの求人募集は少なく、年収相場も下がるでしょう。
しかし、SAPは長年ERP業界でトップを走り続けており、その過程で多くの企業でしっかりと自身の居場所を確保しています。
SAPの地盤は盤石であり、その点でABAPを使うエンジニアの将来性も担保されている形です。
ABAP開発によって業務最適なSAP構築が可能
ABAPを用いた開発の業務貢献度の高さも将来性を明るくする要因の1つです。
SAPは高いシェアを誇るERP製品ですが、パッケージソフトである以上すべての企業にジャストフィットするつくりにはなっていません。
その企業固有の業務をシステムに組み込む目的でメジャーバージョンアップを行うことはないため、どうしても必要な場合は独自開発が必要です。
SAPはさまざまな機能でABAPの追加開発を許容する設計となっているため、必要な部分をユーザー側でレベルアップできる点も高いシェアを維持している理由の1つでしょう。
SAP製品が多数の企業でこれからも採用され続ける以上、こういった細かな開発のニーズも絶えることはありません。
ABAPを扱えるエンジニアのニーズは継続して発生し続けるでしょう。
2027年問題に向けた対応が急務
SAPの現状を語るうえで外せないのが2027年問題です。
SAPで広く企業に普及している『SAP ERP 6.0』(ECC 6.0)の標準保守(メインストリームサポート)が2027年末に期限を迎えます。
もともとは2025年末が期限となっていましたが、社会の要求に応えSAP社が2年間の延長を発表しました。
少し余裕はできたものの、SAP ERP 6.0を用いている会社は後継ソフトのS/4 HANAへの乗り換えや、他社への切り替えなど、重要な経営判断を迫られている状況です。
ERPは企業の根幹業務に関わるシステムのため、1度に全部切り替えるのはデータ量や業務影響から考えると適切でなく、段階的な移行が必要となります。
段階的な移行にはいくつかのERPシステムの機能を統廃合していき、その過程で暫定的な開発が行われることも多いです。
2027年に向けて各社が一斉に対応をしていくため、それまではABAPエンジニアの需要は高水位でキープされることとなるでしょう。
以上、ABAPエンジニアの将来性を3つの観点から解説しました。
続いてABAPにつきまとうリスクも紹介していきます。
ABAPの将来性を考えるうえでの3つのリスク
じょう
ABAPの将来性を疑問視する声もあり、具体的には以下3点がリスクとされています。
- 2027年問題後の需要の冷え込み
- 他社製品への切り替えによる技術の不要化
- ライバル企業シェア拡大による地位低下
順番に解説します。
2027年問題後の需要の冷え込み
2027年以降のABAP需要の冷え込みが最大の懸念要因です。
現状は2027年への対応に向けて、ABAPを扱えるエンジニアの需要は高まっていますが、これはいわば急場をしのぐための駆け込み需要にほかなりません。
2027年問題が完了した後、2028年以降も同じ条件でABAPエンジニアが待遇されるか疑問です。
SAP ERP 6.0の後継であるS/4 HANAの保守終了は2040年とされており、次回の特需までには12年もの期間が空きます。
2027年直前の現在と、それを乗り越えた後では市場環境も一変する可能性が高いです。
もしかしたら需要が減るかもしれない、そのことを念頭に置いたキャリア形成を検討していきましょう。
他社製品への切り替えによる技術の不要化
2027年問題が、SAP製品採用の取りやめにつながる可能性もリスク要因です。
2027年の保守終了にともない、SAPではなく他社のERPソフトを採用するケースが考えられます。
Oracle社やOBCなどERPソフトを販売している企業は多数存在しているため、利用料や保守体制次第ではそういった製品への乗り換えは十分合理的です。
もちろんSAP製品の優位性は大きく、製品変更による業務への影響も甚大になることから現場からの反発は大きくなります。
しかしABAPを用いるエンジニアとして、SAP製品以外でつぶしが効かないことが大きなリスクとなる点はしっかりと認識しておくべきでしょう。
ライバル企業シェア拡大による地位低下
ERPソフトを扱うほかの企業に出し抜かれるリスクにも考えを巡らせてください。
SAPはERPシェアNo1ですが、ぶっちぎりのトップというわけではありません。
OracleやMicrosoftなど有名企業も追随しており、直近ではIntuit社もシェアを拡大しOracleを抜いて業界2位となっています。
熾烈な競争が行われている環境では、SAPの地位がいつまでも安泰と考える方が難しいでしょう。
なんらか重大な脆弱性や大きなインシデントが発生してしまえば、すぐに他社に足元をすくわれることになります。
他社の研究をしてみるなど、今から準備できることを探し始めるのがおすすめです。
以上、ABAPの将来性につきまとうリスクを3つ紹介しました。
続いてABAPエンジニアとして市場価値が高い人の特徴に触れていきます。
ABAPエンジニアの中でも特に市場価値が高い人材の3つの特徴
じょう
ABAPエンジニアで好待遇を獲得するために、以下3つのポイントを意識しましょう。
- ビジネスレベルの英語力
- 業務ユーザー要件を的確に抽出するビジネスアナリシススキル
- チームでの開発を率いた経験
それぞれ解説します。
ビジネスレベルの英語力
ビジネスレベルで英語を活用できる人は市場価値が高くなりやすいです。
SAPはドイツ製のERPであり、かつ世界でも高いシェアを誇っています。
そのため、SAP社からリリースされる最新情報や課題に直面した時の解決事例などは、英語で公開されている可能性が高いでしょう。
ほかにも企業の拠点が海外にある場合など、基幹業務システムであるERPがそのまま海外で使われていることも多くなります。
現地のユーザーとコミュニケーションを取る場合、ここでも英語が使えればかなりの存在感を発揮できます。
SAPを扱う場合、英語ができるに越したことはありません。
業務ユーザー要件を的確に抽出するビジネスアナリシススキル
ABAPを扱う場合、ビジネスアナリシスのスキルが高いと市場価値を上げられるでしょう。
ABAPはおもに標準機能では実現できない業務を追加開発する際に用いられるため、どんな開発を行うべきか、まず要件定義を詰めていく必要があります。
その際にユーザーが現在どのような業務を行っていて、どこに課題があり、それをどのように解消するべきか、ソリューションの認識を精緻に合わせることが重要です。
ユーザーから不満をヒアリングしつつ、本当に解決すべき課題はなにか考えを巡らせ、ユーザーにしっかりと説明を行って理解・合意形成ができるエンジニアは間違いなく重宝されます。
ビジネスアナリシスが行える人材は需要が高く、ABAPエンジニアにおいても例外ではありません。
チームでの開発を率いた経験
チームでの開発をリードした経験も市場価値を高めてくれます。
システム開発はチームで行うことが多く、ABAPを用いた開発も同様です。
SAPの各領域での追加開発をする場合、共通したコンポーネントの開発を複数プロジェクトで行うこともあるでしょう。
また、開発規模が大きくなればその分関係者も増加し、予算や人員も膨らみます。
こうした場面で、メンバーに対してしっかりとタスクの割り振りを行い、ステークホルダーに対して朗々と説明責任を果たせる人材は貴重です。
開発をリードした経験のあるABAPエンジニアは求人に困ることはないでしょう。
以上、ABAPエンジニアとして市場価値が高い人の特徴を3つ紹介しました。
続いてABAPエンジニアが転職する際に使うと便利なサービスの紹介です。
ABAPのスキルを活かしたキャリアプランも「エイジレス」
じょう
ABAPのスキルを活かした転職や独立を考えている人は、ぜひエイジレスをご活用ください。
エイジレスでは、”エイジレスエージェント”と”エイジレスフリーランス”の2つのサービスを提供しています。
それぞれ多数の案件を取り揃えており、あなたの志向にあったものが見つかるはずです。
また、年齢を問わずチャレンジできる環境を整備するため、大手企業と確かな関係を築きながら多種多様なエンジニアをサポートする体制を整えています。
低単価の案件は取り扱わないポリシーのため、高収入・高単価案件の獲得が可能です。
今後どういったキャリアを考えているにせよ、多くの案件を見ておくことは確実にプラスにはたらきます。
自身のキャリアをしっかりと検討したい人、年収アップを狙いたい人は、ぜひエイジレスサービスの活用をご検討ください。
おすすめの転職エージェント
転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです!
- 大手:業界や職種にこだわらず自分に合った転職先を幅広く探る
- 特化型:希望する業界や職種への転職を専門的にサポートしてもらう
さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。
大手転職エージェント
≫リクルートエージェント
支援実績No1の総合型。年代や職種を問わずまず登録しておくべきエージェントです。
【公式】https://www.r-agent.com/
特化型エージェント
≫社内SE転職ナビ
社内SE特化。業界最大級の社内SE求人数を保有しています。
社内SEはホワイトな求人も多いためおすすめです。
【公式】https://se-navi.jp/
≫ウズカレIT
IT未経験からの転職に特化。就職/転職支援のみならずIT学習のサポートを無料で受けられます。
【公式】https://uzuz-college.jp/
≫エイジレスエージェント
年齢不問求人/ハイクラス転職に特化。SIer・コンサル・大手SESなどの求人を多数保有しています。
約80%が平均年収150万円アップの実績あり。
【公式】https://agent.ageless.co.jp
まとめ|ABAPの将来性は明るいが、SAPが不況に陥る可能性も踏まえたキャリア形成を検討すべき
じょう
この記事をとおして、以下のことがわかりました。
- ABAPはSAP製品で用いられる開発言語、業界シェアトップのSAPが堅調な限り将来性は明るい
- ABAP正社員の年収相場は795万円、フリーランスなら993万円と高給が見込める
- 2027年問題前後の需要減リスクはあるが、それを踏まえてもABAPエンジニアは”うまみのある職種”
ABAPはまだまだニーズの高い技術であり、SAPが好調な限りは完全に失職してしまうことはないでしょう。
そのため、たとえばいまCOBOLなどのレガシー言語で開発をしている人は、ABAPを乗り換え先とするのもありかもしれません。
2027年問題や他社の追随など不安要素はありますが、それでもSAPが築き上げてきた実績や地位は本物です。
現在ほかの言語を学んでみようと考えている人、ABAPで開発をしているけど将来性に不安を感じている人はそのまま突き進むのは不正解ではありません。
もしABAPエンジニアに興味が出てきた、そんなときはエイジレスのサービスをご活用ください。