PMOの転職事情を詳しく解説|必要な経験・資格や失敗しないコツも

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これからPMOを目指す人や、現役PMOとしてステップアップを図りたい人など、PMOへの転職を考えている人は多いでしょう。この記事では、PMOの転職に関する市場動向・求められる経験やスキル・失敗しないためのポイント・役立つ資格などを詳しく解説していきます。

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さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • PMOは、プロジェクトマネジメントの標準化や支援、調整などを担う組織または人材
  • PMOの求人の年収水準は560万円〜900万円と一般的なITエンジニアと比べて高い
  • PMOへの転職では、多くの場合システム開発の経験やプロジェクトマネージャーの経験が求められる
  • PMOの転職で評価の高い資格はプロジェクトマネージャ試験(PM)やPMPなど
CTACTA

PMOとは?

PMOのおもな仕事3つが箇条書きされた図

PMOとは「プロジェクトマネジメントオフィス」の略称で、組織内のプロジェクトマネジメント業務を管理・サポートする部門、およびその役割を担う人材のことです。

よく似た役割にプロジェクトマネージャー(PM)があります。PMが特定のプロジェクトを成功に導く役割であるのに対して、PMOは組織全体のプロジェクトマネジメントがうまく機能するように活動する点が大きな違いです。

PMOのことを詳しく知るために、下記の3つを見ていきましょう。

  • PMOのおもな仕事はプロジェクトマネジメントの標準化・支援・調整
  • PMOの平均年収は560万円〜900万円
  • PMOの魅力とやりがいはプロジェクト成功への貢献

PMOのおもな仕事はプロジェクトマネジメントの標準化・支援・調整

PMOは、組織のプロジェクトマネジメントをうまく機能させるために、さまざまな業務を担います。その中から、代表的な下記の3つの仕事内容を見ていきましょう。

  • プロジェクトマネジメント方式の標準化
  • プロジェクトマネジメント業務の支援
  • プロジェクト間のリソースやコストの各種調整

PMOの仕事内容をさらに詳しく知りたい人はこちら

プロジェクトマネジメント方式の標準化

PMOの重要な役割の1つは、組織内でプロジェクトマネジメントに関する一貫した方法論や手順を確立し、適用する「標準化」です。

標準化により、PMやプロジェクトメンバーのスキルに左右されずに、プロジェクトマネジメントの質と効率を一定以上に維持できます。

たとえば、プロジェクト計画・実行・終結の各フェーズで使用するテンプレートやツールの作成・導入などは、わかりやすい標準化の1つでしょう。また、新しいPMやメンバーに対するトレーニングもPMOの重要な役割です。

こうした標準化により、組織全体のプロジェクトマネジメントの底上げが期待されます。

プロジェクトマネジメント業務の支援

プロジェクトマネジメント業務の支援も、PMOのおもな仕事の1つです。

PMOは、PMやプロジェクトメンバーが、プロジェクトを円滑に推進するためのさまざまなサポートを担います。

たとえば、下記のような業務が代表的です。

  • 各種会議体の設定や進行
  • 会議議事録の作成や展開
  • 進捗状況の収集・更新・分析
  • 問題発生時の利害関係者の調整

一見地味な役回りですが、PMOがこうした業務を引き受けて滞りなく進めることで、PMやプロジェクトメンバーは自身の役割に集中できます。

プロジェクト間のリソースやコストの各種調整

PMOは、複数のプロジェクトをまたいで人員・設備・予算などのリソースの調整も行います。

個々のプロジェクトは、自身のプロジェクトを成功に導くために必要な人員・設備・予算を要求してくるでしょう。しかし、企業のリソースは有限です。そこで、PMOが各プロジェクトの重要性・緊急度・リソース要件などを考慮して適切に配分します。

また、組織全体のプロジェクトの状況を監視して、必要に応じたリソースの最適化も重要な役割です。

これにより、組織全体としてのビジネス目標達成に寄与します。

PMOの平均年収は560万円〜900万円

弊社にて大手求人サイトで募集されているPMOの正社員の求人を調査したところ、年収のボリュームゾーンは下記のとおりでした。

  • 560万円〜900万円(最高 2,500万円)

最高年収は、執筆時点でPMOの平均年収が最も高かったエリア内の最高年収です。

ほかの地域にはさらに高い求人があるかもしれませんが、おおむねPMOの転職で目指せる最高水準と考えて良いでしょう。

また、PMOの求人を出している企業のおもな業種は下記のとおりです。

  • ソフトウェア開発
  • コンサルティングファーム
  • インターネット開発

PMOの求人の年収は、調査した求人データの中でも、380万円から1,200万円と大きな幅がありました。これは、PMOの役割や位置付けが企業によって異なるためと見られます。

年収の低い求人では、プロジェクトマネージャーの業務をサポートする役割が多い傾向にありました。一方、高年収の求人ではコンサルタントやPMの経験が求められ、より戦略的で広範な役割が求められる求人が大半でした。

PMOとして高年収を目指すのであれば、システム開発やプロジェクトマネジメントの十分な経験を積んでからの転職が良いでしょう。

PMOの魅力とやりがいはプロジェクト成功への貢献

PMOは、多方面に気を配りながら人と組織を動かす仕事です。そんな役割に対して、現役のPMOの多くは、下記のような魅力とやりがいを感じています。

  • プロジェクト成功の土台を作っている実感
  • 組織やビジネス全体を俯瞰して見られる
  • プロジェクト成功時の達成感

PMOは、プロジェクト横断でプロジェクトマネジメント方式の標準化や、プロジェクトマネジメントに関する教育・人材開発などを担います。そうした活動が個々のプロジェクトに活かされ、成功の土台になっていると感じられることは大きなやりがいの1つです。

また、PMOは組織やビジネス全体を俯瞰して活動する立場にあります。1つ1つのプロジェクトだけでなく、それらが全体のビジネス戦略にどう貢献しているのか、経営目線で仕事ができる点も魅力でしょう。

そして3つ目は、PMOとして関わったプロジェクトが成功したときの達成感です。土台作りから携わり、苦労してサポートしたプロジェクトが無事に完了したときの達成感は経験した人だけが知るものでしょう。

ここまでは、PMOの基本情報を振り返りました。

ここからは、PMOの転職事情を解説していきます。

PMOの転職・中途採用市場のサマリー

オフィスで面接を受けている様子

続いては、PMOの転職・中途採用市場の動向を解説していきます。

  • PMOの転職・中途採用市場は活況
  • PMOへの求人のニーズの背景はプロジェクトマネジメントの複雑さ
  • PMOに転職する難易度はキャリアパスによりさまざま

PMOの転職・中途採用市場は活況

DX(デジタルトランスフォーメーション)の広がりや複雑なプロジェクトの増加などを背景に、「プロジェクトマネジメントをマネジメント」するPMOへの需要は高まっています。

転職市場の下記の状況を見てみましょう。

  • 大手求人サイトでの求人数は上昇傾向
  • 大手求人サイトでの給与平均は560万円〜900万円

大手求人サイトでの求人数は上昇傾向

大手求人サイトによると、直近1年(2022年5月から2023年6月)のPMOの求人数はおおむね上昇傾向です。

特に2023年4月からの3ヶ月間は伸びが大きくなっています。

大手求人サイトでの給与平均は560万円〜900万円

大手求人サイトで正社員募集されているPMOの年収のボリュームゾーンは、560万円〜900万円です。また、1,000万円を超える求人も多く、最高は2,500万円でした。

厚生労働省の調査によるプログラマー・システムエンジニアの平均年収515.9万円に比べると、かなりの高水準であることがわかります。

参考:「賃金構造基本統計調査|厚生労働省

PMOへの求人のニーズの背景はプロジェクトマネジメントの複雑さ

ビジネス環境の急速な変化とともに、複数のプロジェクトが並行して稼働する企業が増えています。プロジェクトマネジメントは複雑さを増し、何の問題もなく完了するプロジェクトはほぼありません。そこで大きな役割を果たすのが、経験豊富なPMOです。

PMOが存在しない組織では、プロジェクトマネジメントは個々のPMに依存し、属人化のリスクが高まります。PMOの設置により、知識と経験は組織全体の資産として、その後のプロジェクト遂行に活かすことが可能です。

PMOには、強力なマネジメント能力・優れたコミュニケーション力・柔軟な対応力など、幅広いスキルが求められます。即戦力のPMOを求める企業にとって、こうしたスキルを併せ持つ人材は貴重です。その結果、PMOに対する需要・給与水準とも高い状態を生んでいます。

PMOへの転職を目指す人は、複雑なプロジェクト経験や、高度な問題解決能力を示すことで、高い評価を受けられるでしょう。

PMOに転職する難易度はキャリアパスによりさまざま

一言でPMOへの転職といっても、そこに至るキャリアパスはさまざまです。

代表的な下記の4つの転職難易度を考えてみましょう。

  • システム開発の実務経験なし:相当に難しい
  • プログラマーやシステムエンジニアの実務経験あり:難しい
  • PMの実務経験あり:比較的転職しやすい
  • PMOとしての実務経験あり:転職しやすい

システム開発の実務経験なし:相当に難しい

システム開発の実務経験がない場合、PMOへの転職のハードルはかなり高いでしょう。

プロジェクトマネジメントを統括・管理するPMOは、ITプロジェクトの特性や進め方、リスクなどを理解していなくてはなりません。これらの知見を持たずにPMOになることは相当に困難です。

一方で、ほかの職種の経験を活かすこともできます。たとえば、営業部門で培ったコミュニケーション力や、企画部門で身につけた組織理解力などが挙げられます。こうしたスキルを土台に、システム開発やプロジェクトマネジメントの知識を学ぶことで、PMOへの道が近づくでしょう。

プログラマーやシステムエンジニアの実務経験あり:難しい

プログラマーやシステムエンジニアの経験がある場合には、システム開発のプロセスを理解しているため、実務経験がない人と比べて有利でしょう。

しかし、プロジェクトメンバーの一員として従事するプログラマーやシステムエンジニアと、プロジェクト全体を管理するPM・PMOでは役割が異なります。マネジメントやステークホルダーとの調整、多くの人を動かすなどの経験がない場合には、PMOとしてすぐに活躍するのは難しいかもしれません。

持ち前の技術力に加えて、マネジメントスキルやリーダーシップを身につけることで、PMOへの転職が可能になるでしょう。

PMの実務経験あり:比較的転職しやすい

PMとしてプロジェクトを推進した経験がある場合には、PMOへの転職は比較的容易でしょう。

すでにプロジェクトの計画・実行・コントロールなどの知見があるため、PMOに求められるスキルや知識の多くを持ち合わせています。

一方、PMOはPMと違い、個々のプロジェクトを超えた組織全体の視点が必要です。組織の戦略を理解して、複数のプロジェクトの利害関係を調整するなど、幅広いビジネス知識と視野が求められます。

PMの経験をベースに、ビジネス戦略やリスク管理などの知識を学ぶことで、PMOへの転職は現実的なものになるでしょう。

PMOとしての実務経験あり:転職しやすい

PMOとしての実務経験がある場合には、年収アップややりがいのある仕事など、自身のキャリアプランを実現するための転職が可能です。

すでにPMOの役割や業務内容を理解し、豊富な経験と実績がある人材は、PMOを必要とする企業から歓迎されるでしょう。

ただし、PMOの役割が企業によって異なる可能性がある点に注意が必要です。また、組織文化・業務プロセス・業界の特性などは企業によって異なるため、転職先に適応し価値を提供できるように知識やスキルを更新し続けることが求められます。

以上、PMOの転職・中途採用市場をまとめて解説しました。

次は、PMOの転職で求められる経験やスキルを紹介します。

PMOへの転職で求められる3つの経験・スキル

PMOへの転職で求められる経験とスキル3つが箇条書きされた図

PMOに転職する場合、どのような経験やスキルがあると有利になるのでしょうか。

面接でアピールすると転職が成功しやすい経験・スキルを3つ紹介します。

  • 困難なプロジェクトを立て直した経験
  • 高度な対人スキル
  • 情報を整理して伝える能力

困難なプロジェクトを立て直した経験

PMやPMOとして困難なプロジェクトを立て直した経験は、PMOへの転職活動で高く評価されるでしょう。

PMOが直面する課題はプロジェクトによって異なり、状況に応じた工夫と対策が必要です。そうした場面では、教科書では学べない、プロジェクトの生の現場で得た経験が活きてきます。

たとえば、進捗が大幅に遅延しているプロジェクトを想定してみましょう。収集した進捗データからチーム間のコミュニケーション不足が原因と突き止め、連携を活性化するためにコミュニケーションツールを導入して遅延の拡大を食い止めたとします。この経験は、分析力・問題解決力・実行力などのPMOに欠かせないスキルの証明として効果的です。こうした実際にプロジェクトの問題を解決した経験を示すことで、PMOに求められる能力や対応力の裏付けになります。

転職活動で実際の経験をアピールする際には、具体的な数値を織り交ぜると、より信憑性が増して説得力が高まります。

高度な対人スキル

PMOには、コミュニケーション力・交渉力・信頼関係の構築など、高度な対人スキルが必要です。

PMOは、下記のような多様なステークホルダーとコミュニケーションをとって、協力関係を築くことが求められます。

  • プロジェクトマネージャー
  • プロジェクトメンバー
  • 顧客/クライアント
  • 経営層/管理職
  • ほかのプロジェクトの関係者

こうしたステークホルダーは、互いに相反する利害関係を持つことが少なくありません。たとえば、要員が限られる中で、2つのプロジェクトから増員要請があった場合には、両方の希望に応えられないでしょう。

PMOには、こうしたステークホルダーのさまざまな思惑が交錯する状況でも、関係者をリードし調整する高い能力が求められます。

対人スキルは日常的な人間関係の中で磨けますが、研修やワークショップを通じて学ぶことも可能です。転職活動では、実際に対人スキルを活かして問題解決したエピソードを語れると良いでしょう。

情報を整理して伝える能力

PMOには大量の情報を整理して、関係者へ適切に伝える能力が必要です。

PMOのもとには、スケジュール・リソース・課題・成果物など多様な情報が集まります。その中から重要な情報を抽出し、分析し、適切な形で伝えることがPMOの重要な役割の1つです。

たとえば、進捗状況を定期的に報告する際、直感的でわかりやすい整理が求められます。開発メンバーが提出した細かなスプレッドシートをそのまま提示するのではなく、視覚的なレポートにしてプロジェクトの状況や問題点を誰もが理解できるように仕上げることが重要です。

情報の整理・伝達が不十分だと重要な情報が見落とされ、プロジェクトの遅延や品質低下につながる可能性があります。また、ステークホルダー間の認識相違を招き、信頼の低下やコミュニケーション障壁が生じる場合もあるでしょう。

このように、情報を整理して伝えるスキルは、プロジェクトの成功を左右する上で欠かせない能力です。

ここまで、PMOへの転職で求められる経験・スキルを紹介しました。

続いては、未経験からPMOへ転職するためのキャリアパスを見ていきましょう。

未経験からPMOに転職するための3つのキャリアパス

未経験からPMOに転職するための3つのキャリアパス3つが箇条書きされた図

前述したように、システム開発経験ゼロの人が、直接PMOに転職するルートは現実的ではありません。

それでも未経験からPMOになりたい人に向けて、ここでは3つのキャリアパスを紹介します。

  • プログラマーやシステムエンジニアを経由してPMOを目指す
  • プロジェクトマネージャーを経由してPMOを目指す
  • ITコンサルタントを経由してPMOを目指す

プログラマーやシステムエンジニアを経由してPMOを目指す

1つ目は、プログラマー(PG)やシステムエンジニア(SE)としてIT業界で一定の経験を積んでからPMOに転職するキャリアパスです。

システム開発の最前線を担うPGやSEの経験は、ITプロジェクトの知見や勘どころを鍛えることに役立ちます。

たとえば、システム開発のプロセスや各工程の中身、起こりうる課題の理解はPMOに欠かせません。また、プロジェクトメンバーの役割・悩み・コミュニケーションの難しさなどを開発現場で身をもって知ることは、PMOとして仕事をしていくうえで非常に役立つでしょう。

経済産業省の調査では、PG・SEの平均年収は550万円〜600万円程度とされています。厚生労働省による全職種の平均年収460万円を大きく上回っており、PMOを目指す過程のキャリアパスとしては悪くないでしょう。

参考:「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省
参考:「賃金構造基本統計調査|厚生労働省

ただし、PGやSEからPMOへの転職では、選べる求人が限られる可能性があります。そのため、できるだけ早くPMOになり、必要なスキルは現場で身につけるというチャレンジ精神旺盛な人に向いたキャリアパスです。より好条件でPMOへ転職したいなら、次に紹介するプロジェクトマネージャーの経験も積んでからPMOを目指すほうがより確実でしょう。

▼プログラマーの仕事内容を詳しく知りたい人はこちら

▼システムエンジニアの仕事内容を詳しく知りたい人はこちら

プロジェクトマネージャーを経由してPMOを目指す

続いては、プロジェクトマネージャー(PM)の経験を経てからPMOに転職するキャリアパスを紹介します。

PMOは、本記事の最初に説明したとおり、プロジェクトマネジメントを管理・サポートする部門や人材です。PMOには、プロジェクトマネジメントの理論や現場での問題解決ノウハウに精通していることが求められます。そのため、PMとしてプロジェクトを直接運営して身につけた現場感覚や具体的な問題解決のノウハウは、PMOの仕事に欠かせない要素です。

経済産業省の調査では、PMの平均年収は891万円とされています。高年収を得ながらPMOになるためのスキルアップが可能です。

参考:「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省

未経験からプログラマー・システムエンジニア、そしてPMを経てPMOになる道は、少なくとも5年程度の期間を要するでしょう。時間をかけてしっかりとプロジェクトマネジメントの知識と実践力を身につけてからPMOに転身したい人に向いたキャリアパスです。

▼プロジェクトマネージャーの仕事内容を詳しく知りたい人はこちら

ITコンサルタントを経由してPMOを目指す

さらにITコンサルタントを経験して、PMOになるキャリアパスもあります。

ITコンサルタントは、クライアント企業の業務推進やビジネスの課題を、ITを通じて解決する専門家です。ITコンサルタントで身に付くビジネス視点やコミュニケーション能力、問題解決能力はPMOの業務にも直結します。また、ITコンサルタントとしての幅広い業界知識も、PMOへ転職する際の選択肢を広げることに役立つでしょう。これらは、プログラマー・システムエンジニア・PMからPMOへ転身する場合と比べて優位な点です。

経済産業省が実施した調査では、ITコンサルタントの平均年収は928万円とされています。高年収である分、高い能力と結果が求められるため、プレッシャーやストレスも大きい点は理解しておきましょう。また、PMOへの転身で年収が下がる可能性も考えられます。

参考:「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省

ITコンサルタントになる時点でハイレベルなスキルと経験が必要です。そのため、未経験から開発経験を積んでITコンサルタントになり、PMOになる道はかなりの長期計画になります。ただし、ITコンサルタントとしての経験と実績を積めばPMOとしてすぐに活躍できるでしょう。

▼ITコンサルタントの仕事内容を詳しく知りたい人はこちら

以上、未経験からPMOになるキャリアパスを紹介しました。

次は、PMOへの転職で失敗しないためのポイントを見ていきましょう。

PMOへの転職で失敗しないための3つのポイント

PMOへの転職で失敗しないための3つのポイントが箇条書きされた図

転職にリスクはつきものですが、失敗する可能性を減らすことは可能です。

PMOへの転職で失敗しないための3つのポイントを紹介します。

  • 転職先企業でのPMOの役割や位置付けを理解する
  • ストレス耐性を身につけておく
  • プロジェクトマネジメントに関する資格を取得する

転職先企業でのPMOの役割や位置付けを理解する

PMOへの転職後に後悔しないためには、転職先企業でのPMOのポジションを確認しておくことが重要です。

PMOの一般的な定義はあるものの、具体的な役割や位置付けは企業によって異なります。たとえば、組織全体の戦略策定に関与するPMOもあれば、単にプロジェクトの進捗を追跡し報告する要員をPMOと呼ぶ組織も存在します。

そのため、面接や転職エージェントを通じて、PMOの具体的な業務内容・影響範囲・組織内での地位などを確認しましょう。それにより、自身のスキルや希望する業務との不一致を防ぎ、転職後のミスマッチを減らせます。

ストレス耐性を身につけておく

PMOに転職して活躍を続けるためには、ストレス耐性は欠かせない要素の1つです。

PMOは、問題を抱えたプロジェクトを立て直すための重要な役割を担っており、日々複雑な課題に直面します。プロジェクトのステークホルダーからさまざまな要求やクレームを受けることも少なくありません。こうした状況下でも冷静さを保ち、論理的に思考し、的確な判断を下すためには高いストレス耐性が必要です。

ストレス耐性は、困難を乗り越える経験を重ねることで身につけられます。また、リラクゼーション技法や適度な運動などストレスマネジメントの活用も良いでしょう。

プロジェクトマネジメントに関する資格を取得する

PMOへの転職活動を成功させるためには、プロジェクトマネジメントに関する資格の取得も有効です。

PMOに必須の資格はありませんが、転職活動でのスキルや学習意欲の証明に役立ちます。また、資格取得の過程で得た知識や考え方は、実際にPMOとして活動する際にも活かせるでしょう。

一方、資格を何も持たない状態で転職活動に臨む場合、転職のライバルと差別化が図りにくく、場合によっては知識レベルが低いと思われるかもしれません。

取得する資格は、IT業界での認知度と評価の高い資格を選ぶことで、転職活動を有利に進められるでしょう。

おすすめの転職エージェント

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PMOへの転職に役立つおすすめの資格4選

PMOへの転職に役立つおすすめの資格が箇条書きされた図

前述のとおり、PMOへの転職に資格は必須ではありませんが、スキルの証明やライバルとの差別化に有効です。

ここでは、未経験からPMOへの転職を目指す人と、転職を通じて年収アップを目指す人、それぞれにおすすめの資格を2つずつ紹介します。

未経験者におすすめの資格

  • 応用情報技術者試験(AP)
  • プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格

年収アップを目指す人におすすめの資格

  • プロジェクトマネージャー試験(PM)
  • PMP

※資格に関する情報は、2023年7月現在のものです。
※資格の難易度は、経済産業省が定めるITSS(ITスキル標準)のレベルに準じて記載しています。対象外の資格は独自評価です。
※目安勉強時間は初学者の一般的な勉強時間です。実際の時間は前提知識やスキル、1日の勉強量などによって異なります。

【未経験者におすすめ①】応用情報技術者試験(AP)

「応用情報技術者試験(AP)」は、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が主催する国家資格です。

「ワンランク上のITエンジニア」を目指す人向けの資格で、システム開発の応用レベルの幅広い知識・スキルが問われます。取得に向けた学習により、PMOが知っておくべきシステム開発工程の前提知識を身につけることが可能です。

未経験者にはやや難易度が高めですが、PMOへの転職時には、システム開発の知識もしっかりと持ち合わせた人材として評価されるでしょう。

実施時期 春期(4月)・秋期(10月)の年2回
試験時間 午前:150分、午後:150分
出題形式 午前:4択式、午後:記述式
難易度 中級(ITSSレベル3)
前提資格 なし
受験料 7,500円(税込)
目安勉強時間
(初学者)
半年〜9ヶ月程度
維持要件 なし

参考:「応用情報技術者試験(AP)|情報処理推進機構(IPA)

【未経験者におすすめ②】プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格

「プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格」は、一般社団法人「日本PMO協会(NPMO)」が主催する民間資格です。

プロジェクトマネジメントの基礎的な知識・スキルを有していることを証明します。難易度は低めのため、未経験者が最初に挑戦するプロジェクトマネジメント関連の資格として適しているでしょう。

PMOの転職市場での評価をさらに高めたい人には、上位資格の「PMOスペシャリスト認定資格」の取得がおすすめです。

実施時期 随時
試験時間 120分
出題形式 IBT方式(選択式)
難易度 入門
前提資格 NPMO認定教材(eラーニング)での学習修了
受験料 14,300円(税込)(再受験:5,500円(税込))
※会員は9,900円(税込)(再受験:3,300円(税込))
目安勉強時間
(初学者)
1ヶ月〜3ヶ月程度
維持要件 2年ごとにeラーニング・セミナー受講による更新が必要

参考:「プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格|日本PMO協会(NPMO)」

【年収アップにおすすめ①】プロジェクトマネージャ試験(PM)

「プロジェクトマネージャ試験(PM)」は、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が主催する国家資格です。IT系の国家資格の中で最上位の高度試験に位置付けられ、プロジェクトマネジメントの高度人材としてIT業界で高い認知度と評価を誇ります。

記述式問題や論文試験などがあり、経験者でも難易度の高い資格ですが、取得すればPMOへの転職活動でライバルに差をつけられるでしょう。

実施時期 秋期(10月)の年1回
試験時間 午前Ⅰ:50分、午前Ⅱ:40分
午後Ⅰ:90分、午後Ⅱ:120分
出題形式 午前Ⅰ:4択式、午前Ⅱ:4択式
午後Ⅰ:記述式、午後Ⅱ:論述式
難易度 上級(ITSSレベル4)
前提資格 なし
受験料 7,500円(税込)
目安勉強時間
(初学者)
9ヶ月〜1年程度
維持要件 なし

参考:「プロジェクトマネージャ試験(PM)|情報処理推進機構(IPA)

【年収アップにおすすめ②】PMP

「PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)」は、米国の非営利団体「PMI(Project Management Institute)」が認定する国際資格です。

プロジェクトマネージャ試験(PM)と並び、プロジェクトマネジメント関連の資格の中で高い認知度と評価があります。

PMPの受験には、一定期間のプロジェクトマネージャーとしての実務経験や認定講座の受講が必要な点が特徴です。ハードルが高い分、取得すればプロジェクトマネジメントの知識と実績を備えた人材として、PMOへの転職に有利に働くでしょう。

実施時期 随時
試験時間 230分
出題形式 CBT方式(選択式・マッチング問題・穴埋め問題など)
難易度 中級(ITSSレベル3)
前提資格 中卒・高卒:5年(60ヶ月)以上のPM実務経験
大卒:3年(36ヶ月)以上のPM実務経験
大学院卒:2年(24ヶ月)以上のPM実務経験
上記に加えて35時間以上の認定講座受講
受験料 PMI会員:405ドル(再受験:275ドル)
一般:555ドル(再受験:375ドル)
目安勉強時間
(初学者)
半年〜9ヶ月程度
維持要件 3年ごとに講座受講などによる資格更新手続きが必要

参考:「PMP|PMI日本支部

以上、PMOへの転職に役立つ資格を紹介しました。

続いて、PMOの転職で目指すべき企業を紹介します。

PMOの転職で目指すべき企業の代表例3選

PMOの転職で目指すべき企業の代表例3つが箇条書きされた図

最後に、PMOの転職で目指すべき企業の代表例として、下記の大手企業3社のPMO求人事例を紹介します。

  • 株式会社SHIFT
  • 株式会社野村総合研究所
  • アクセンチュア株式会社

求人情報は、すべて2023年7月の執筆時点のものです。

株式会社SHIFT

「株式会社SHIFT」は、ソフトウェアの品質保証やテストを専門とする、東証プライム上場企業です。

ソフトウェア品質保証の知見を武器に、日本のDX推進をマネジメントの面から支えるPM・PMO人材を募集しています。

応募には、ソフトウェア開発経験と数名のプロジェクトでのリーダー経験が必要です。

PMOの求人の年収は800万円〜1,500万円(執筆時点)と高水準で、スキルアップのための研修や教育制度が充実している点も魅力でしょう。

参考:「株式会社SHIFT

株式会社野村総合研究所

「株式会社野村総合研究所」は、シンクタンク・コンサルティング・システムインテグレーターなどを手掛ける、東証プライム上場の情報サービス企業です。

プロジェクト監理を担う部署で、稼働中の大型プロジェクトのウォッチや状況分析・報告、プロジェクトアセスメント強化施策の検討・実行を担う人材を募集しています。

ITプロジェクトリーダー経験、もしくはPMO経験が必須です。

同社は、平均年収が1,200万円を超える日本でも有数の高年収企業として知られています。

参考:「株式会社野村総合研究所

アクセンチュア株式会社

「アクセンチュア株式会社」は、システム設計・開発・運用なども手がける、世界最大級のコンサルティングファームです。

同社では、クライアントサービスの予算/品質/進捗状況管理など、プロジェクトを円滑に動かすためのデータ分析・戦略立案を担うPMO人材を募集しています。

PMOの求人の年収は500万円〜1,049万円(執筆時点)と高水準です。

応募には、プロジェクト運営の経験やシステム導入・開発プロジェクトでのプロジェクトマネージャー/プロジェクトリーダー経験が求められます。

参考:「アクセンチュア株式会社

まとめ|PMOへの転職はエイジレスにお任せください

本記事を通して、以下のことがわかりました。

  • PMOは、プロジェクトマネジメントの標準化や支援、調整などを担う組織または人材
  • PMOの求人の年収水準は560万円〜900万円と一般的なITエンジニアと比べて高い
  • PMOへの転職では、多くの場合システム開発の経験やプロジェクトマネージャーの経験が求められる
  • PMOの転職で評価の高い資格はプロジェクトマネージャ試験(PM)やPMPなど

これからPMOを目指す人も、PMOとしてさらにステップアップしたい人も、転職のことなら「エンジレスエージェント」にご相談ください。

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執筆者
しーそー
大手証券系システム会社での20年間のシステムエンジニア(SE)歴を経て、2022年4月よりライターの道へ。前職では主に設計・要件定義などの上流工程やプロジェクトマネジメントを経験。職歴を活かしたIT・金融関係の記事や、趣味と実益を兼ねた資産運用・仮想通貨などが得意ジャンル。2児の父として子育てにも奮闘中