フリーランスで年収1,000万円は可能?手取りや支払う税金も解説
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フリーランスで年収1,000万円を稼ぐことは可能なのか、気になる人も多いのではないでしょうか。今回は、フリーランスが年収1,000万円を稼げる職業を紹介し、実際の手取り額や納めるべき税金の種類、金額も具体的に解説します。
- 【この記事を読んでわかること】
- フリーランスの約10%は年収1,000万円以上を稼いでいる
- エンジニア・技術開発系の職業は稼ぎやすい傾向にある
- 所得控除などで節税対策をすることで手取り額は増やせる
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フリーランスの約10人に1人は年収1,000万円を超えている
フリーランス白書2023によると、年収1,000万円を超えているフリーランスは約10%います。
年収 | 割合 |
---|---|
200万円未満 | 19.5% |
200-400万円未満 | 27.9% |
400-600万円未満 | 20.9% |
600-800万円未満 | 11.3% |
800-1,000万円未満 | 8.9% |
1,000万円以上 | 10.0% |
わからない・答えたくない | 1.4% |
固定給の会社員とは異なり、フリーランスは成果を出せば出すほど収入が上がります。年収1,000万円を稼ぐのは容易ではありませんが、自分の努力次第で達成は可能です。しかし、職業によって平均年収は変わるため、どのような職業に就くフリーランスが年収1,000万円を目指しやすいのかを次で解説します。
フリーランスが年収1,000万円を目指せる職種
年収1,000万円が目指せるフリーランスの職種を、以下で3つの系統にわけて紹介します。なお、紹介する職種以外でも年収1,000万円を目指すことはもちろん可能ですが、今回はフリーランスに多い職種に絞って紹介します。
エンジニア・技術開発系
エンジニア・技術開発系の職種は高い専門知識が要求されるため、年収も高い傾向にあります。具体的な職種の例は以下のとおりです。
- システムエンジニア
- フロントエンドエンジニア
- インフラエンジニア
- ネットワークエンジニア
- プログラマー
フリーランス協会の調査によると、エンジニア・技術開発系の約77%が年収400万円以上と回答しており、ほかの職種の中でもトップを誇ります。仕事の上流工程を目指すと、年収1,000万円に近づいていくでしょう。各種IT系の資格やプログラミング言語の習得など、いかに専門知識を深めて実践に活かせるかがポイントです。
エンジニア・技術開発系で自分のスキルに見合った仕事を探すなら、エージェントサービスを利用するのがおすすめです。エイジレスフリーランスでは、スキルや経験に応じた年齢不問の案件を紹介しています。高い報酬を目指すフリーランスエンジニアの人は、登録して案件を探してみてください。
コンサルタント系
コンサルタントとは、クライアントの悩みを解決するために論理的な筋道を導いたうえでアドバイスをおこなう専門家のことです。 具体的な職種の例は以下が挙げられます。
- 経営コンサルタント
- 金融コンサルタント
- ITコンサルタント
- 投資コンサルタント
- キャリアコンサルタント
コンサルタント系の約76%が年収400万円以上と回答しており、エンジニア・技術開発系に次ぐ高さです。コンサルタント系の職種は、業界に対する深い知識や理解が求められます。たとえば金融コンサルタントは、決算書を用いた財務分析はもちろん、株価評価・資金調達の提案・投資戦略の立案など、ハイレベルな金融知識が必要です。
このような高いスキルが必要なコンサルタントの仕事で年収1,000万円を目指すには、資格の取得が有効です。たとえば、経営コンサルタントなら中小企業診断士や社会保険労務士、ITコンサルタントならITストラテジストなどを取得すると、高い専門知識の証明となります。資格を取得して実践を繰り返し、コツコツと経験を積んでいきましょう。
クリエイティブ・Web・フォト系
クリエイティブ・Web・フォト系は、一から何かを創り出す、創造力のある仕事全般を指します。具体的な職種は以下のとおりです。
- Webデザイナー
- グラフィックデザイナー
- イラストレーター
- カメラマン
- Webライター
- 編集者
- ブロガー
クリエイティブ・Web・フォト系の仕事で年収400万円を超えている人は46.9%と約半数で、事業を開始する難易度が比較的低いのも魅力です。ただし、年収1,000万円を超えるには、相応の努力が必要です。ほかの職業と比べると芸術センスが必要な仕事が多いものの、センスを証明してくれる必須資格はありません。地道に実績やスキルを積み重ねることが求められます。
このように職業によって平均年収は異なりますが、フリーランスは年収1,000万円を超えられます。しかし、収入には税金などがかかるため、実際に手元に残るお金は1,000万円より少なくなることに注意が必要です。次で、年収1,000万円のフリーランスの手取りを解説します。
年収1,000万円のフリーランスの手取りは約700万円
フリーランスで年収1,000万円を稼いでも、稼いだ分から税金や社会保険料を収める必要があるため、実際の手取りは1,000万円より少なくなります。年収1,000万円のフリーランスの手取りは、約700万円です。年収が1,000万円のフリーランスが支払うべき費用の内訳の一例は、以下のとおりです。
- 所得税:約974,000円
- 住民税:約705,000円
- 個人事業税:約205,000円
- 国民健康保険:約942,000円
- 国民年金:195,000円
※前々年の売上高が1,000万円超の場合は消費税も支払う必要があるものの、経費などに支払った消費税の金額によって支払金額が大きく異なるため本記事では割愛します。
上記を合わせた約3,021,000円が、年収1,000万円から支払わなければならない金額です。それぞれを詳しくみていきましょう。
年収1,000万円のフリーランスが支払う税金と社会保険料
フリーランスが支払う税金と社会保険料は、以下の5種類です。
所得税
所得税とは、収入から経費を引いた所得に対してかかる税金のことです。所得税の金額は、以下の所得税の速算表を使って導きます。
所得税の速算表
課税退職所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円~1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円~3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円~6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円~8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円~17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円~39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
年間1,000万円を稼ぎ、経費が300万円だった場合、課税所得は700万円です。上記速算表から、支払う所得税は700万円×23% – 636,000円= 974,000円となります。
住民税
住民税とは、都道府県や市区町村がおこなう行政サービスにかかる費用を補う目的で、住民の能力に応じて納めさせる税金のことです。住民税は、所得割と均等割の二つで構成されています。
概要 | 税率または金額 | |
---|---|---|
所得割 | 前年の所得金額に応じて課税される | 10%
(都道府県4%+市区町村6%) |
均等割 | 所得金額に関係なく定額で課税される | 5,000円
(都道府県1,500円+市区町村3,500円) |
年収1,000万円で経費を引いた所得が700万円のフリーランスが支払う住民税は、700万円×10%+5,000円=。705,000円です。
個人事業税
個人事業税とは、フリーランスがおこなう事業に対して都道府県に支払う税金のことです。年間所得が290万円を超えると、超えた部分に対して業種別に3~5%の税金がかかります。たとえば年間所得が700万円で5%の税金がかかる場合、支払う個人事業税は(700万円-290万円)×5%=205,000円です。
国民健康保険
国民健康保険とは、企業の健康保険や後期高齢者医療制度に加入している人、生活保護を受けている人以外が加入する健康保険のことです。保険料は加入者の前年度の所得額を基に計算され、市町村によって保険料は異なります。たとえば東京都新宿区に住む年収1,000万円の45歳フリーランスの場合、1ヶ月あたりの国民健康保険料は78,509円です。年間にすると78,509円×12ヶ月=942,108円の保険料がかかります。
参考:「令和3年度 国民健康保険料 概算早見表(給与・年金)‐新宿区」
国民年金保険
国民年金保険とは、老後生活を安定して送れるよう国民全員で前もって保険料を出し合い、お互いの生活を支えあう制度です。国民年金を支払うことで現在の高齢者の生活を支え、自分が65歳以降になると公的年金がもらえます。令和5年度の国民年金の金額は月16,250円のため、年間保険料は16,250円×12ヶ月=195,000円です。
このように、年収1,000万円のフリーランスが支払う税金や社会保険料の総額は約300万円、手取り額は約700万円です。しかし、税金対策を講じれば支払う税金の額は減らせます。税金や社会保険料は収入が上がれば上がるほど高くなるので、年収1,000万円を目指すフリーランスは次で解説する税金対策も合わせて確認しておきましょう。
年収1,000万円のフリーランスができる税金対策
年収1,000万円のフリーランスができる税金対策を以下で3つ紹介します。所得控除や投資をうまく活用して、節税しましょう。
所得控除を利用する
所得控除とは、課税対象となる所得金額を減らせる制度のことです。年収1,000万円を超えるフリーランスは大きな所得税が科されるため、利用できる所得控除があれば確定申告時に積極的に申請しましょう。所得控除は以下の15種類があります。
- 雑損控除
- 医療費控除
- セルフメディケーション税制
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
- 寡婦・寡夫控除
- 勤労学生控除
- 障害者控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
上記の控除を利用すれば、納めなければならない所得税を軽減できます。
iDeCoやNISAで節税する
老後を見据えて自分で年金を用意できるiDeCoや、決められた投資額の範囲なら運用益が非課税になるNISAを使って支払う税金を抑える方法もあります。
iDeCoは掛金全額が所得控除の対象となるため、確定申告をすると税金が戻ってきます。仮に毎月の掛金が1万円の場合、所得税33%、住民税10%とすると、年間51,600円の税金が戻ってくるためお得です。
NISAは年間120万円までの投資に対する運用益が非課税になる制度です。たとえば、100万円の投資信託を購入して20万円の利益が出た場合、本来は20万円に対して20.315%の税金がかかります。20万円×20.315%=40,630円を支払うべきところ、NISAを利用していれば支払わずに済むため節税しながらお得に運用できます。
不動産投資で所得を圧縮する
資金に余裕がある人は、不動産投資で所得を圧縮することで所得税を節税するのもひとつの選択肢です。なぜなら、不動産投資で購入した不動産を減価償却した金額が所得から割り引かれるからです。減価償却とは、不動産などの購入費用を一定期間に配分する会計処理のことで、耐用年数に応じた金額を所得から差し引けます。
たとえば、耐用年数20年の不動産を2,000万円で購入した場合、年間100万円を所得から会計上減額できます。つまり、実際の所得は700万円でも確定申告する所得は600万円でよいということです。
ただし、控除が利用できて収益が発生する可能性も高い反面、損失したときの金額もまた大きくなります。不動産投資をする際は、物件の選定や将来の資金繰りなどを十分に考慮し、リスクを十分理解したうえで始めることが大切です。
まとめ
- フリーランスの約10%は年収1,000万円以上
- エンジニア・技術開発系の職業は稼ぎやすい
- 所得控除などで節税対策することで手取り額は増やせる
年収1,000万円以上のフリーランスは約10人に1人おり、職種別にみるとエンジニア・技術開発系のフリーランスは年収が高い傾向にあります。資格を取得して経験を積むなどして高い専門性を身につけ、上流工程の仕事を獲得することが年収1,000万円のフリーランスには求められるでしょう。また、年収が高くなるほど所得税や社会保険料なども高くなります。所得控除などで税金対策もしっかりとおこなうことで手元に残せる金額を増やせるため、合わせて活用することが大切です。
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