フリーランスも再就職手当をもらえる!受給条件や申請手続きを解説
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会社員からフリーランスになる場合に、条件を満たせば再就職手当が受け取れます。再就職手当が受け取れれば、開業後の事業や生活の足しにできます。ただし、手順を間違えると受け取れなくなるため、注意が必要です。今回はフリーランスになる人が再就職手当を受け取る条件や手続きについて解説します。
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- 【この記事を読んでわかること】
- 会社を辞めてフリーランスとして開業する場合でも再就職手当をもらえる
- フリーランスが再就職手当をもらうには手続きの順番を間違えないことが重要
フリーランスでも再就職手当をもらえる
再就職手当は会社に就職した人だけでなく、フリーランスも受け取れます。最初に再就職手当の概要を受け取る条件を解説します。
見再就職手当とは
再就職手当とは雇用保険の受給資格者が早期に再就職先を決めたり、事業を始めたりした場合にもらえる手当金のことです。再就職促進のための制度で、「就職祝い金」とも呼ばれています。
失業手当は、失業から再就職までの期間に支給される手当です。再就職手当は、失業手当の支給日数を所定の日数以上残して再就職した場合にもらえます。
再就職手当も失業手当も雇用保険制度の一部ですが、目的が異なります。失業手当の目的は失業中の生活費のサポートであり、再就職手当の目的は失業者に就職を促すことです。
再就職手当をもらう条件
再就職手当を受給するためには8つの条件があり、そのすべてを満たす必要があります。ただし、自分で事業を始める人に必要な条件は以下のとおりです。
- 受給手続き後、7日間の待機満了後に事業を開始したこと
- 事業開始日の前日までの失業の認定を受けたてからの基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること
- 就職日の前日までの失業の認定を受けた後の基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること
- 1年超の就業が確実であること
- 過去3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと(事業開始にかかる再就職手当含む
このうち、重要なのが4の「1年超の就業が確実であること」です。税務署への開業届や仕事の請負先との契約書などで、1年以上事業が継続することの証明が必要です。提出する証明がわからない人は、ハローワークに相談しましょう。
フリーランスが再就職手当をもらうための手続き
フリーランスが再就職手当を受け取るための手続きの流れは、以下のとおりです。
- 退職し、離職票を受け取る
- ハローワークで求職手続き
- 7日間待機する
- 雇用保険受給説明会に参加し、失業認定を受ける
- (自己都合退職の場合)1カ月間就職活動する
- 税務署に開業届を提出する
- ハローワークで再就職手当の申請を行う
1.退職し、離職票を受け取る
最初に勤務先での退職手続きを済ませ、離職票を発行してもらいます。離職票は退職者から申し出ないと発行されない場合があるため、退職の意思表示の際に離職票の発行を求めておきましょう。
2.ハローワークで求職手続き
離職票が発行されたら、住所地を管轄するハローワークで求職手続きを行います。求職手続きの必要書類は以下のとおりです。
- 離職票
- 個人番号確認書類(マイナンバーカードや通知カードなど)
- 身元確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 写真(縦3.0cm×横2.4cm)2枚
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
3.7日間待機する
ハローワークの求職手続き後、7日間の待機期間があります。待機期間はハローワークが失業を認定するための期間です。待機期間中に働いたり開業したりすると、失業の認定を受けられません。開業予定の人は、開業準備に充てるとよいでしょう。
4.雇用保険受給説明会に参加し、失業認定を受ける
ハローワークでの求職手続き時に日時を指定された、雇用保険説明会に出席します。雇用保険制度についての説明を受け、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取ります。ここで、初回の失業認定日(およそ2週間後)が指定されるので、認定日にハローワークで失業認定を受けましょう。
5.(自己都合退職の場合)1カ月間就職活動する
自己都合退職に該当する人は、待機期間終了後に1カ月間は就職活動を行わなければなりません。この間に開業すると再就職手当を受け取れなくなるので、注意しましょう。実際に就職活動を行わないとしても、就職活動を行っていると認定されるためにはハローワークに出向く必要があります。この期間中には開業準備を進めておきましょう。
6.税務署に開業届を提出する
待機期間終了後さらに1カ月経過したら、税務署に開業届を提出します。開業届の用紙は税務署でもらうか、国税庁のWEBサイトからダウンロード可能です。税務署への提出は窓口へ持参、もしくは郵送で行います。再就職手当の手続きには開業届の控えが必要なため、提出の際には必ず控えを保管するようにしましょう。
7.ハローワークで再就職手当の申請を行う
開業届提出後にハローワークで再就職手当を申請します。フリーランスとして事業を開始した人は以下のような書類が必要です。
- 開業届(コピー)
- 再就職手当支給申請書
- 雇用保険受給資格者証明
- 業務委託契約書など、仕事をしていることがわかる書類
再就職手当の申請は開業後、1カ月以内に行います。
再就職手当の金額と支給日
再就職手当の金額は基本手当(失業手当)の日額と基本手当の支給残日数によって、以下のように決まります。
- 所定給付日数の3分の2以上を残して再就職した場合:基本手当の支給残日数の70%
- 所定給付日数の3分の1以上を残して再就職した場合:基本手当の支給残日数の60%
基本手当日額の上限は、2023年7月31日までは6,190円(60歳以上65歳未満は5,004円)です。 再就職手当は早期に再就職するほど多く受け取れるわけです。
たとえば、基本手当日額4,000円、所定給付日数180日の人が支給残日数130日で開業した場合、給付率は70%です。再就職手当は36万4,000円(130日×4,000円×70%)となります。
再就職手当は申請書類が受理されてから入金までに約1カ月かかります。
フリーランスが再就職手当をもらう場合の注意点
勤務先を退職後にフリーランスとして開業する人が再就職手当を受け取るケースでは、企業に雇用される再就職にはない注意点があります。
給付制限期間中に開業しない
失業給付の給付制限期間(待機期間7日間+1カ月)中に開業してしまうと、再就職手当を受ける条件を満たさなくなります。自己都合退職の人は特に、7日間の待機期間終了後の1カ月の期間は開業届を出さないように注意しましょう。
失業保険の残り日数が1/3以上必要
再就職手当を受け取るには開業日の前日時点で、失業手当の支給残日数が3分の1以上残っていなければなりません。失業手当の給付日数が90日であれば、開業日前日に30日以上の残日数が必要です。再就職手当の請求手続きは給付制限期間後に速やかにすませましょう。
まとめ:フリーランスは手続きの順番に注意して再就職手当をもらおう
フリーランスになる人が再就職手当を受け取るには、失業手当の給付制限期間が過ぎてから税務署に開業届を出すことがポイントです。開業届を出してからは速やかに再就職手当の請求手続きを行うと受取金額が多くなります。再就職手当を受け取って、生活や事業のために有効活用しましょう。
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