AIエンジニアとは?仕事内容や必要なスキル・知識を詳しく解説

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2023年に入りChatGPTに代表される革新的なAI技術が大きな話題となり、AI開発を担うAIエンジニアへの注目も高まっています。 この記事では、AIエンジニアの仕事内容や必要なスキル・知識、向いている人、キャリアパスなどを詳しく解説していきます。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • AIエンジニアは高度な専門性を駆使してAIモデルを設計・開発・実装する専門家
  • AIエンジニアにはプログラミング・データ分析・数学・機械学習などのスキル・知識が必要
  • AIエンジニアに向いているのは数学・問題解決・知識のアップデートが得意
CTACTA

AIエンジニアの仕事はさまざまな問題を解決するためのモデルの設計・開発

AIエンジニアの一般的な仕事の流れ6つが箇条書きされた図

AIエンジニアは、人工知能(Artificial Intelligence)技術を活用して、社会やビジネスに関する問題解決のためのAIソリューションを設計・開発・実装する専門家です。

日本でもジェネレーティブAI(生成AI)であるChatGPTが話題になったように、AI技術はこれからの私たちの生活を大きく変えようとしています。

AIエンジニアたちが作る「モデル」の画期的な点はこれまでのコンピューティング技術の発展の歴史においての中心であった「計算」と「検索」を大きく超えて、人間にしか不可能と思われていた「推論」や「創造」を可能にしつつある点です。

機械学習や深層学習(ディープラーニング)、自然言語処理などのAI技術を用いたAIモデルを構築・訓練し、システムやアプリケーションに組み込む役割を担います。

AIエンジニアの一般的な仕事の流れを見ていきましょう。

  • AI開発の目的や要件の理解
  • データの収集と前処理
  • モデルの設計と開発
  • モデルの訓練と評価
  • AIソリューションの実装とデプロイ
  • モニタリングと改善

AI開発の目的や要件の理解

AI開発の最初のステップは、一般的なシステム開発と同じく、目的や要件の理解から始まります。

目的や要件が曖昧なままプロジェクトを進めると、その後のフェーズで行き詰まったり、意図しない結果につながったりするため重要なステップです。

目的の理解では、AIを活用してどのような問題を解決し、何を達成したいのかを明確にします。クライアントや自社の業務部門などAI開発の依頼者と密にコミュニケーションを取り、問題意識やニーズを引き出すことが重要です。

次に、目的を達成するために求められる機能や性能などの要件を明確にします。その際、技術的な限界や制限をステークホルダーにわかりやすく説明し、実現可能な要件に落とし込むことが重要です。

データの収集と前処理

続いて、要件にもとづき、AIモデルの開発に必要なデータ収集と前処理を行います。

AIの精度は、収集するデータの質と量に大きく依存するため、たいへん重要な作業です。

データ収集では、下記のようなさまざまなソースから、AIが解決すべき問題に関連する情報を集めます。

  • 公開されているオープンデータ
  • 企業内で蓄積されたデータベース
  • ウェブスクレイピング
  • IoTからのストリームデータ

データ収集の際には、倫理規程やプライバシーポリシー、個人情報保護などの遵守が必要です。

収集したデータは、AIモデルが理解できる形式に変換する前処理を行います。前処理のおもな作業は下記のとおりです。

  • 不完全なデータの補完
  • ノイズの除去
  • カテゴリーデータの数値化
  • 特徴量のスケーリング
  • 画像やテキストの正規化

前処理はAI開発の成果に大きく影響するため、時間をかけて丁寧に行われます。

こうしたデータ収集と前処理は、高品質なAIを生み出すために不可欠な作業です。

モデルの設計と開発

モデルの設計と開発は、具体的なAIのアルゴリズムを決定しコードに落とし込む、AI開発の中心的なフェーズです。

AIモデルの設計は、解決すべき問題の性質と利用できるデータにもとづく、最適なアルゴリズムやフレームワークの選択から始まります。たとえば、画像認識タスクでよく使われるのは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)です。また、テキスト分析なら自然言語処理(NLP)の手法が多く適用されます。

モデル開発は、PythonやRなどのプログラミング言語を用いて、設計に沿ったAIモデルを実装するフェーズです。レイヤーの深さやユニット数などのアーキテクチャを定義し、TensorFlowやPyTorchなどのフレームワークを活用して開発します。

設計と開発がAIの品質や性能を左右するため、AIエンジニアは最新のトレンドを把握し、問題解決に適したモデル設計と開発の能力が必要です。

モデルの訓練と評価

モデルの訓練と評価は、開発したAIモデルが問題を解く能力を獲得するための重要なプロセスです。

AIモデルは通常のシステムと違い、開発しただけではその能力を発揮できません。AIモデルは大量のデータからパターンを学び、問題を解く能力を身につけます。この学習プロセスが「訓練」です。

訓練ではモデルが解きたい問題に関連する訓練データを学習させ、パラメータを調整していきます。たとえば、AIが手書き数字の識別を学ぶ場合、大量の手書き数字の画像と正しい出力を訓練データとして与えます。

訓練の次に行うのが「評価」です。評価では、訓練に使用していない未知のデータを使ってどれだけ適切に対応できるか(汎化性能)を測定します。

以上のような、モデルの訓練と評価は、AIモデルが実世界の問題解決能力を身につけるための重要なプロセスです。

AIソリューションの実装とデプロイ

訓練と評価が完了したら、できあがったAIモデルを実際のシステムやアプリケーションに取り入れて提供する、実装とデプロイのフェーズです。

実装にはおもに下記のような方法があります。具体的な実装方法はプロジェクトの要件によってさまざまです。

  • APIの作成
  • WEBアプリケーションやモバイルアプリケーションへの組み込み
  • データベースの連携

続くデプロイは、実装されたAIを含むソリューションを実際の運用環境に展開するプロセスです。デプロイには、運用環境により下記のような種類があります。

  • 自社サーバーへの配置
  • クラウドサービスへのアップロード
  • エンドユーザーのデバイスへのインストール

実装とデプロイを通じて、AIモデルは問題解決ツールとして機能し、一般ユーザーやビジネスユーザーに価値を提供します。

モニタリングと改善

AIエンジニアの仕事は、AIを組み込んだシステムやアプリケーションを提供して終わりではありません。運用されているAIソリューションの品質やパフォーマンスをモニタリングし、必要に応じて改善する作業も重要な仕事の一つです。

モニタリングでは、予測精度の追跡や異常な動作の検出などにより、AIモデルが期待通りに機能しているかを監視します。特に、時間とともにモデルの予測性能が劣化する「ドリフト」には注意が必要です。

モニタリング結果が好ましくない場合には、モデルの予測性能やパフォーマンスを改善します。改善には、新しいデータによるモデルの再訓練や、アーキテクチャの改良などの方法があります。

こうしたモニタリングと改善の活動は、AIソリューションがビジネス環境に適応していくための重要なプロセスです。

ここまでは、AIエンジニアの仕事内容を詳しく解説してきました。

続いて、AIエンジニアの気になる年収事情を見てみましょう。

AIエンジニアの年収事情 – 新卒に1,000万円を提示する事も

お金を手渡ししている様子の画像

AI人材への需要の増加と高度な専門性から、AIエンジニアの年収は通常のITエンジニアと比べて高水準です。

経済産業省が公表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」には、AI分野などの高度なデジタル技術を持つ人材に対して、新卒で1,000万円以上を提示する事例が紹介されています。また、大手IT企業では平均年収600万円〜900万円に対して、高度なAI人材などには3,000万円〜4,000万円の報酬を提示するケースも少なくありません。

弊社のフリーランスエージェントサービス「エイジレスフリーランス」でも、年収1,000万円を超えるAIエンジニアの案件が募集されています。(2023年6月現在)

このように、AIエンジニアは収入面でも、一般のITエンジニアより高年収が期待できる魅力ある職種です。

また、アメリカなどの海外でもその需要は非常に高くupworkなどの海外フリーランス向けの求人サイトでは時給100$、つまり約時給1万5千円の求人をすぐ見つけることができます。

AIエンジニアは現在世界中で需要があり、人材が不足している職種と言うことができるでしょう。

参考:「経済産業省|IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」

▼AIエンジニアの年収を上げる方法などを詳しく知りたい人はこちら

続いて、AIエンジニアに求められるスキル・知識を解説します。

AIエンジニアに求められるスキル

AIエンジニアに求められるスキル・プログラミングスキル・データ分析と数学の知識・機械学習の知識

AIエンジニアには、AIモデルを設計・開発するための高度な専門スキル・知識が求められます。

幅広いスキル・知識の中から、代表的な3つを見ていきましょう。

  • プログラミングスキル
  • データ分析と数学の知識
  • 機械学習の知識

プログラミングスキル

AIエンジニアにとって、プログラミングは中核をなす重要なスキルです。アルゴリズムの理解からAIモデルの開発、最適化にいたるまで、あらゆるプロセスでプログラミングが要求されます。

具体的には、データ分析や機械学習のライブラリが充実した、下記のようなプログラミング言語の習得が一般的です。

  • Python
  • R
  • Julia

中でもPythonは、シンプルな文法とAI開発に適した豊富なライブラリ・フレームワークの存在で高い人気を誇ります。

また、プログラミングスキルはAIモデルの開発だけでなく、データ収集・処理やアプリケーションへのAIモデルの組み込みなどにも必要です。そのため、上記のほかにもJava・C++・SQLなどのプログラミング言語も習得しておくと、仕事の幅が大きく広がるでしょう。

データ分析と数学の知識

プログラミングスキルと並んで、データ分析と数学の知識もAIエンジニアに欠かせません。

データ分析と数学は、膨大なデータを理解し、それをAIモデルの設計や評価に活用するためのベースとなる知識です。

データ分析では、下記のような知識・技術が求められます。

  • データの収集・前処理
  • パターンやトレンドの特定
  • 異常値の検出
  • 欠損データの補完

AIの精度向上には高品質なデータによる訓練が必要です。そのためには、上記のようなデータ分析の高度な知識と技術が欠かせません。

また、数学の知識としては、下記の分野が重要です。

  • 線形代数
  • 確率論
  • 統計学
  • 微分積分

たとえば、線形代数は多次元データの操作、微分積分はアルゴリズムの理解に欠かせません。このように、AI開発は数学と密接に関連しています。

機械学習の知識

AIエンジニアには、AIモデルの中核技術である機械学習の知識も不可欠です。

機械学習は、コンピューターがデータからパターンを学び、予測や決定を下す能力を獲得するためのアプローチを指します。現代のAIは大部分がこの機械学習にもとづいているため、さまざまな学習手法やアルゴリズムから最適な方法を選択し、適用する能力は欠かせないスキルです。

具体的には、以下のような基本的な学習手法があります。

  • 教師あり学習
  • 教師なし学習
  • 強化学習
  • ディープラーニング(深層学習)

また、下記のようなアルゴリズムの理解も求められます。

  • 決定木
  • ランダムフォレスト
  • サポートベクターマシン(SVM)

中でも、近年の急速なAIの進化をもたらしたディープラーニングの理解は重要です。ディープラーニングとは、人間の脳のニューロンネットワークを模倣した深層ニューラルネットワークを用いて複雑なパターンを学ぶ機械学習の手法を指します。音声認識や画像認識、自然言語処理などのさまざまな分野で高い性能を発揮しており、AIエンジニアにとってディープラーニングの知識は不可欠になりつつあります。

▼機械学習エンジニアの仕事内容や年収を詳しく知りたい人はこちら

以上、AIエンジニアに求められるスキル・知識でした。

次は、こうしたスキルや知識を証明するために役立つ資格を見ていきましょう。

AIエンジニアに活かせる資格

AIエンジニアに活かせる資格3つが箇条書きされた図

AIエンジニアとして働く上で、資格取得は必須要件ではありません。資格がなくても、高度なスキルや経験があればAIエンジニアとしての活躍は可能です。

しかし、これからAIエンジニアになりたい人や、AIエンジニアとしてのキャリアアップや転職・独立を目指す人は資格の取得が大きな武器になるでしょう。資格は、AI開発に関するスキル・知識や熱意を客観的に証明する強力なツールになります。

AIエンジニアに役立つ代表的な4つの資格は下記のとおりです。

資格名 認定 特徴
E資格 民間資格 機械学習やディープラーニングを理解し、適切な手法でAIを実装する能力や知識を有していることを認定する。
Python 3 エンジニア認定データ分析試験 民間資格 AI分野で広く使われるPythonを用いたデータ分析の理解度を測る。
AWS Certified Machine Learning – Specialty 民間資格 AWSで機械学習モデルの構築・訓練・最適化・デプロイなどを行うための専門知識を認定する。
統計検定 民間資格 AI開発に欠かせない統計学に関する知識や活用力を評価する。4級から1級まであり、データサイエンス分野の資格もある。

参考:「E資格」
参考:「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」
参考:「AWS Certified Machine Learning – Specialty」
参考:「統計検定」

上記のほかにもAI開発のさまざまな分野に適した資格があります。別記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

▼AIエンジニアにおすすめの資格を詳しく知りたい人はこちら

続いては、AIエンジニアに向いている人の特徴を紹介します。

AIエンジニアに向いている人の特徴

AIエンジニアに向いている人の特徴3つが箇条書きされた図

AIエンジニアを目指す人の中には、IT業界の中でも最先端のAI分野に自分が向いているのか気になる人も多いでしょう。

ここでは、AIエンジニアに向いている人の3つの特徴を紹介します。ただし、これらはあくまで「傾向」なので、当てはまらないからといってAIエンジニアになれない訳ではありません。当てはまらなくても、強い熱意と努力があれば、AIエンジニアとして成功できる可能性はあります。

  • 数学が得意
  • 複雑な問題を分析し解決策を見つけるのが好き
  • 継続的に学びスキルをアップデートする意欲がある

数学が得意

AIエンジニアの仕事には数学の知識が欠かせないため、数学が得意な人は有利です。

AIの中核技術である機械学習やディープラーニングの理解と応用にも、統計学・線形代数・微分積分など数学の知識が求められます。

たとえば、ニューラルネットワークの設計や最適化では、重みの更新や活性化関数の選択に関わる微積分の理解が必要です。また、統計学はデータの分析や予測・異常検知などに欠かせません。さらに、線形代数は画像処理や自然言語処理の分野で頻繁に用いられます。

このように、AI開発と数学は密接に関係しています。そのため学生時代から数学アレルギーがあるような人にとっては、仮にAIエンジニアになれても、つらい仕事になるでしょう。一方、「数学は嫌いではないけど得意でもない」という人は、AIエンジニアへの道をあきらめる必要はありません。熱意と根気強さがあれば、自己学習と実務経験を通して時間をかけて身につけられるでしょう。

複雑な問題を分析し解決策を見つけるのが好き

複雑な問題を分析し、解決策を見つけるのが好きな人は、AIエンジニアとしての適性が高いでしょう。

AI開発では多次元データセットを操作し、複雑なアルゴリズムをデザインし、無数のパラメーターを調整するなどの難解な課題に日々向き合います。

問題発見や解決が得意な人は、未知の問題に対応するAIモデルを設計する際にも、能力を存分に発揮できるでしょう。また、実装の際に遭遇する想定外の挙動やパフォーマンスの問題に対する解析や解決も可能です。

このような困難な問題への挑戦に喜びを感じ、パズルを楽しむような柔軟な思考力がある人にとっては、AI開発は最適な仕事でしょう。

もし、問題分析や解決策を見つけることが苦手な人でも、訓練によって鍛えられるので心配は入りません。問題解決のテクニックを学び、開発プロジェクトの実践の中でスキルを磨いていくと良いでしょう。

継続的に学びスキルをアップデートする意欲がある

日々進化するAIの世界で活躍するためには、継続的に学び、スキルをアップデートする意欲は重要な資質の一つです。

AI開発の分野では、新たなアルゴリズムやツール、ライブラリなどが次々に生まれています。それらを熟知し、最先端の技術を活用するためには、絶えず学び続ける姿勢が重要です。

学ぶ意欲の高い人は、常に最新の技術動向にアンテナを張り、自身の技術スタックを日々更新していきます。それによりプロジェクトの効率化やAIモデルの精度向上など、AIエンジニアとして成果を最大化し価値を高めることが可能です。

学びに対する積極性に自信がない人でも、まずは関心のあるテーマから学習を進めることでモチベーションを高めていけるでしょう。コミュニティに参加して、同じ目的を持つ仲間を見つけるのも、モチベーション維持につながります。

ここまでは、AIエンジニアに向いている人の特徴を紹介してきました。

続いては、AIエンジニアになるためのキャリアパスを解説します。

AIエンジニアになるには

コンピューターで仕事をしている男性の画像

AIエンジニアになるための道は一つではありません。IT未経験の人もIT経験者も、自分のスキルや経験を活かしてAIエンジニアを目指すことが可能です。

▼AIエンジニアになる前に知っておきたいことはこちら

IT未経験の場合

ただし、IT未経験者がすぐにAIエンジニアとして活躍できるかといえば、かなり難しいでしょう。

ここまで記事を読み進めてきた人ならわかるとおり、AIエンジニアの仕事は非常に専門性が高く、幅広い知識とスキルが必要です。そのため、エンジニア経験のない人は、AIエンジニアに必要なスキル・知識を一つひとつ身につけていく必要があります。

まずは、Python開発のプログラマーやシステムエンジニアとして開発経験を積みながら、AI開発に必要な機械学習や数学の知識を習得していくと良いでしょう。

▼未経験からAIエンジニアになるステップを詳しく知りたい人はこちら

IT経験者の場合

一方で別の分野でエンジニア経験がある場合には、スキルを活かしつつAIの専門知識をプラスすれば、AIエンジニアへの移行は可能です。

中でも、Python開発の知識やデータベースエンジニアの経験などがあると、AIエンジニアとしての仕事に役立ちます。エンジニア経験者であれば、自分で開発環境を構築しAI関連のライブラリやフレームワークを導入して、実際に手を動かして学ぶこともできるでしょう。

転職の際には、AI関連の資格を取得しておくと、スキルや熱意をアピールする武器になります。

▼IT経験者からAIエンジニアになるステップを詳しく知りたい人はこちら

以上、AIエンジニアになるための方法を解説しました。

最後に、AIエンジニアの将来性とキャリアパスの選択肢を見ていきましょう。

AIエンジニアのキャリアパスや将来性

AIエンジニアのキャリアパス3つが箇条書きされた図

AIエンジニアの将来をひと言で表すと「とても明るい」でしょう。

現在私たちは、2000年代からはじまった第3次AIブームの真っ只中にいます。過去2度のAIブームは、技術的な限界によりすぐに衰退しました。

しかし今回のAIブームでは、昨今のテキスト生成AI「ChatGPT」や画像生成AI「Stable Diffusion」などの登場により、IT業界の枠を超えてAIが社会インフラになる勢いです。

AIは医療・金融・製造・物流・エネルギー・教育などあらゆる業界で革新的な変化を起こそうとしています。そこにはAIエンジニアの存在が欠かせません。多くの職業がAIによってなくなるのではないかと懸念されている中、AIを作るAIエンジニアは現在世界で最も将来が明るい職業の一つでしょう。

日本のAI主要8市場規模の推移及び予測のグラフ

出典:「総務省|令和4年版 情報通信白書 日本のAI主要8市場規模の推移及び予測」

そんな今注目のAIエンジニアは、さまざまなキャリアパスを選ぶことが可能です。

中から、代表的な3つのキャリアパスを紹介します。

  • データサイエンティストにキャリアチェンジする
  • AIコンサルタントにキャリアチェンジする
  • プロジェクトマネージャーにキャリアチェンジする

データサイエンティストにキャリアチェンジする

AIエンジニアからの一般的なキャリアパスの一つに、データサイエンティストへのキャリアチェンジがあります。

データサイエンティストは、大量のデータから価値のある情報を抽出し、それを使ってビジネスの意思決定を支援する専門家です。AIエンジニアが構築したAIモデルのアウトプットを活用して、より深い洞察を提供するケースもあります。

AIエンジニアとデータサイエンティストは役割こそ異なりますが、どちらもデータとアルゴリズムを用いて価値を生み出す仕事であることが共通点です。AIエンジニアはモデルの設計や開発に重点を置き、データサイエンティストはデータからの洞察やビジネス価値の創出に主眼を置いています。

データサイエンティストを目指すには、AI開発で身につけたスキルに加えて、ビジネス知識やデータ視覚化スキルなどの向上が必要です。また、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの活用スキルも役立つでしょう。

AIコンサルタントにキャリアチェンジする

AIコンサルタントへのキャリアチェンジも、AIエンジニアの自然なキャリアパスの一つです。

AIコンサルタントは、企業のビジネス目標や課題を分析して、最適なAIソリューションを提案し導入をサポートします。AIエンジニアがAIモデルの設計や実装などの技術面を担うのに対して、AIコンサルタントはAIをどのようにビジネスに活用するかという戦略面を担う役割です。

AIコンサルタントにはAIの知識に加えて、顧客のニーズに合わせた戦略を立案し、提案・実行する高いコミュニケーション力と問題解決力が求められます。

そのためAIコンサルタントになるには、コンサルティングの実践を通じた経験を積むことが重要です。コンサルティングファームやSIerで、まずはAIコンサルタントのアシスタントとしてコンサルティングの仕事を学びながら、一人前のAIコンサルタントを目指すのが良いでしょう。

プロジェクトマネージャーにキャリアチェンジする

最後に紹介するのは、プロジェクト全体を責任者として管理・推進するプロジェクトマネージャーへのキャリアチェンジです。

プロジェクトマネージャーは、下記のようなプロジェクト運営に関するさまざまな事項を管理し、プロジェクトを成功に導く役割を担います。

  • 進捗管理
  • 予算管理
  • 要員管理
  • リスク管理
  • 品質管理

AI開発のプロジェクトを技術面から支えるAIエンジニアに対して、マネジメント面から支えるのがプロジェクトマネージャーです。そのため、プロジェクトマネージャーにはメンバーを取りまとめるリーダーシップや、さまざまなステークホルダーの利害を調整するコミュニケーション力・問題解決力などが求められます。

プロジェクトマネージャーになると開発現場の第一線からは退くことになります。AIエンジニアとして培った技術力を活かしつつ、多くのメンバーを動かしてプロジェクトを成功に導く役割に魅力を感じる人は、プロジェクトマネージャーを目指すのも良いでしょう。

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まとめ|AIエンジニアは社会やビジネスを革新的に変える魅力的な仕事

本記事をとおして、以下のことが分かりました。

  • AIエンジニアは高度な専門性を駆使してAIモデルを設計・開発・実装する専門家
  • AIエンジニアにはプログラミング・データ分析・数学・機械学習などのスキル・知識が必要
  • AIエンジニアに向いているのは数学・問題解決・知識のアップデートが得意な人
  • AIは社会に広く浸透し始めており、AIを作るAIエンジニアの将来は明るい

AIエンジニアは最先端のAI技術を駆使して、社会やビジネスを革新的に変えるソリューションを開発する魅力的な仕事です。

AIエンジニアの仕事に興味を持った人は、機械学習や数学など専門知識の習得から始めてみましょう。

AIエンジニアへの転職や独立をお考えなら「エイジレス」にご相談ください。

エイジレスでは、転職者向けの「エイジレスエージェント」とフリーランス向けの「エイジレスフリーランス」の2つのサービスを提供しています。

どちらも年齢不問の求人のみを取り扱い、キャリアコンサルタントが一人ひとりのスキルや経験にあった企業や案件をご紹介します。

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執筆者
しーそー
大手証券系システム会社での20年間のシステムエンジニア(SE)歴を経て、2022年4月よりライターの道へ。前職では主に設計・要件定義などの上流工程やプロジェクトマネジメントを経験。職歴を活かしたIT・金融関係の記事や、趣味と実益を兼ねた資産運用・仮想通貨などが得意ジャンル。2児の父として子育てにも奮闘中