システムアーキテクトとは?仕事内容や必要なスキル・資格試験を解説

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「システムアーキテクト」は、システム全体のグランドデザインを設計する、システム開発の方向性を決める重要な職種です。
この記事では、システムアーキテクトへのキャリアアップを目指す人に向けて、仕事内容や必要なスキル、資格試験の概要などを詳しく解説していきます。

  • 【この記事を読んでわかること】
  • システムアーキテクトはシステム開発の上流工程を担う設計の専門家
  • システムアーキテクトの国家資格は難易度が高く、設計のスペシャリストとして認知度・評価が高い
  • システムアーキテクトの平均年収は、778.2万円とプログラマーやシステムエンジニアと比べて高い
  • システムアーキテクトには、高度な設計能力に加えてシステム戦略の理解やコミュニケーション力が必要

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システムアーキテクトはシステムのグランドデザインを設計する専門家

システムアーキテクトは、一般にプログラマーやシステムエンジニアの上位職とされる、システム開発の上流工程を担う専門家です。

アーキテクトとは「建築家」を意味します。システムアーキテクトはその名のとおり、業務ニーズに適したシステムのグランドデザインの設計を担う、システム開発の建築家です。

どんなに腕利きの職人が揃っていても、そもそもの設計図が間違えてれば思い描いた建物はできません。システムアーキテクトは、業務要件や技術的な制約を踏まえて最適なシステム構造や振る舞いを設計し、システム開発をリードする役割を担っています。

続いては、システムアーキテクトのおもな仕事内容を見ていきましょう。

システムアーキテクトの4つのおもな仕事内容

システムアーキテクトがシステムのグランドデザインを設計し、システム開発をリードするための4つの仕事内容を解説します。

  • 全体最適の観点から情報システムの構造(アーキテクチャ)を設計する
  • システム開発の要件を定義する
  • 構築する情報システムに最適なシステム方式を設計する
  • 開発したシステムおよびその効果を評価する

全体最適の観点から情報システムの構造(アーキテクチャ)を設計する

1つ目は、全体最適の観点からシステムの構造を設計する仕事です。

現代の企業では、さまざまな業務を支える多くのシステムが存在します。これらのシステムが、それぞれ異なるハードウェア・ソフトウェア・連携方式などを採用することは、コスト・技術者・システム連携などの面で非効率です。

そのため、システムの構築や改修の際には全体最適の視点を持ち、組織全体のシステムが効率的に運用されスムーズに連携されるよう設計する必要があります。このように、組織として一貫したIT環境の土台を築くことがシステムアーキテクトの重要な役割です。

システム開発の要件を定義する

システム開発の要件定義もシステムアーキテクトの重要な仕事の1つです。

要件定義ではシステム化計画を具現化するために、ステークホルダーのニーズ・要求・要望などを収集・整理し、機能要件や非機能要件に落とし込みます。この段階で、技術的な実現可能性・コスト・リスクなども考慮し、可能な限り現実的な計画を立てることも欠かせません。

要件定義を担うためには、IT技術の高度な知識に加えて、業務プロセスの深い理解が必要です。システムアーキテクトは、そうした幅広い知識・スキルを活用し、後続工程でブレない確固とした要件を定義します。

構築する情報システムに最適なシステム方式を設計する

システムアーキテクトのおもな仕事の3つ目は、システム方式の設計です。

システム方式設計では、前述した全体最適に沿ったシステム構造に基づいて、個別システムの下記のような要素の方式を設計します。

  • データベース
  • ネットワーク
  • セキュリティ
  • インターフェース

効果的に機能するシステム方式の設計には、それぞれの専門知識を持つエンジニアの協力を仰ぐことも欠かせません。システムアーキテクトには、多方面と協調してビジネスニーズや組織のIT戦略を満たす最善のシステム方式設計が求められます。

開発したシステムおよびその効果を評価する

システムアーキテクトは、開発したシステムの評価も担います。

システムは作ったら終わりではありません。稼働したシステムの要件の実現度やパフォーマンス、投資効果などの評価が必要です。

システムアーキテクトは、利用者や運用部門などから情報を収集して分析し、評価結果を整理して報告します。また、評価結果をもとに問題点を把握し、システム機能・運用プロセス・今後のシステム開発の改善に役立てることも重要な役割の1つです。

ここまではシステムアーキテクトのおもな仕事内容を見てきました。続いてはシステムアーキテクトとよく似た職種の違いを紹介します。

システムアーキテクトとよく似た職種の違いとは

ここまで見てきたとおり、システムアーキテクトはシステムの要件定義や設計などの上流工程を担います。よく似た職種にシステムエンジニアとITアーキテクトがありますが、どのような役割の違いがあるのでしょうか。

それぞれの違いを解説します。

  • システムアーキテクトとシステムエンジニアの違い
  • ITアーキテクトとシステムアーキテクトの違い

システムアーキテクトとシステムエンジニアの違い

システムアーキテクトとシステムエンジニアは役割が類似しているため、しばしば混同されます。両者の役割は下記のとおりです。

  • システムアーキテクト:ビジネスニーズや技術要件にもとづき、システムの全体像をデザインする
  • システムエンジニア:具体的な機能や非機能に関する要件定義や設計を行い、開発を推進する

つまり、システムアーキテクトが設計したシステムの全体像をもとに、より具体的なシステムの機能・非機能の要件定義や設計を行うことがシステムエンジニアの役割です。このようにシステムアーキテクトはより上流の工程を担うため、システムエンジニアの上位職とされています。

なお、組織やプロジェクトによってはシステムアーキテクトとシステムエンジニアの役割を兼ねるケースも少なくありません。

ITアーキテクトとシステムアーキテクトの違い

もう1つ、システムアーキテクトと混同しやすい職種にITアーキテクトがあります。それぞれの役割は下記のとおりです。

  • ITアーキテクト:組織全体のIT戦略とそれにもとづく全体システムの構造を設計する
  • システムアーキテクト:特定のシステムの構造を設計する

つまり、ITアーキテクトは組織の複数システムにまたがる全体的なシステム構造の在り方を設計し、システムアーキテクトはその方針に沿って特定のシステムの構造を設計するという関係です。そのため、一般により高い目線で組織全体のシステムを見渡すITアーキテクトは、システムアーキテクトの上位職と位置付けられています。

以上、システムアーキテクトとよく似た職種の違いでした。続いては、システムアーキテクトの資格試験を詳しく解説します。

システムアーキテクトの資格試験を詳しく解説

「システムアーキテクト」はIT技術者の職種の1つですが、同名の国家資格の名称でもあります。

ここでは、国家資格としてのシステムアーキテクトを見ていきましょう。

  • システムアーキテクト試験(SA)の試験概要
  • 試験範囲と難易度
  • 取得するメリット

システムアーキテクト試験(SA)の試験概要

「システムアーキテクト試験(SA)」は、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が主催する国家資格です。

試験概要は下記をご覧ください。

実施時期春期(4月)の年1回
試験時間午前Ⅰ:50分、午前Ⅱ:40分
午後Ⅰ:90分、午後Ⅱ:120分
出題形式午前Ⅰ:4択式、午前Ⅱ:4択式
午後Ⅰ:記述式、午後Ⅱ:論述式
難易度上級(ITSSレベル4)
前提資格なし
受験料7,500円(税込)
目安勉強時間(初学者)9ヶ月〜1年程度
維持要件なし

試験範囲と難易度

システムアーキテクト試験(SA)では、システムのグランドデザイン設計に必要となる下記のような幅広い知識・能力が問われます。

  • 組織のIT戦略の理解
  • 業務プロセスとシステム双方の知識を活用する力
  • システム方式・開発手法・ソフトウェアパッケージなど汎用的なシステム知識
  • OS・データベース・ネットワーク・セキュリティなど技術要素の知識

試験は選択式・記述式・論述式の3通りの出題形式で行われ、論述式では2時間で3,000文字程度の論文を手書きで書き上げる力が求められます。

合格率は例年15%前後と低く、付け焼き刃の知識での合格は困難でしょう。合格を目指すなら、たとえ実務経験者であっても、しっかりとした試験対策が必要です。

取得するメリット

国家資格であるシステムアーキテクト試験(SA)は、高度な設計スキルを証明する資格として、IT業界で高い認知度があります。取得により社内や転職市場での評価に有利に働くでしょう。

システムアーキテクト試験(SA)は、「ITスキル標準(ITSS)」で最上位のレベル4に認定されていることがその評価を裏付けています。ITSSとは、情報処理推進機構(IPA)が策定した、IT技術者に求められるスキルや能力を定義・体系化したものです。

ITSSはレベル7まであり、レベル1から4にIT関連の資格がマッピングされています。資格の難易度や市場評価を確かめる際に役立つでしょう。

以上、システムアーキテクト試験の紹介でした。次は、システムアーキテクトを目指す人が気になる年収事情を見てみましょう。

システムアーキテクトの平均年収は778.2万円

経済産業省がまとめた「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、システムアーキテクトを含む「高度SE・ITエンジニア」の平均年収は778.2万円です。

同調査のSE・プログラマーの平均年収およそ570〜600万円と比べると200万円前後も高く、システムアーキテクトは高年収であることがわかります。

職種平均年収(万円)
高度SE・ITエンジニア778.2
SE・プログラマー568.5〜603.9
プロジェクトマネージャー891.5
コンサルタント928.5

プロジェクトマネージャーやコンサルタントになるとさらに高年収が期待できるため、キャリアアップを目指す際の参考にすると良いでしょう。

続いては、システムアーキテクトに求められるおもなスキルを解説します。

システムアーキテクトに求められる3つのおもなスキル

前述のように、システムアーキテクトはシステム開発のグランドデザインを担います。そのためには、IT技術の知識だけでなく幅広いスキルが必要です。

システムアーキテクトに求められる3つの代表的なスキルを解説します。

  • 高度なシステム設計能力
  • 組織のIT戦略の理解
  • ステークホルダーとのコミュニケーションスキル

高度なシステム設計能力

システムアーキテクトに求められるもっとも重要なスキルは、高度なシステム設計能力です。

システムエンジニアが個々の機能を設計するのとは異なり、システムアーキテクトはシステム全体の構造を設計します。そのため、よりシステム・業務の全体を俯瞰した視点と知識・スキルが必要です。

具体的には、情報システムのシステム方式・開発手法・ソフトウェアパッケージなどの知見を持ち、適切に選択・適用する力が求められます。

また、OS・データベース・ネットワーク・セキュリティなどの知見を活かし、リスクを踏まえて適切に設計するスキルも重要です。

組織のシステム戦略の理解

システムアーキテクトには、組織のIT戦略の理解も欠かせません。

システムの全体設計を行う際には業務ニーズを満たすことはもちろん、組織が保有するシステムの1つとして全体の最適化を図ることが重要です。

組織のIT戦略を無視して部分最適なシステムを構築すると、システム間連携や開発リソース、メンテナンス効率などに問題が生じます。

そのため、システムの全体設計を担うシステムアーキテクトには、組織のIT戦略を理解し設計に取り込む力が重要です。

ステークホルダーとのコミュニケーションスキル

システムアーキテクトには、多様なステークホルダーと円滑にコミュニケーションをとる能力も必要です。

システム全体の要件定義や設計を進めるうえで、ユーザーからのニーズ・要望の引き出しや専門家との技術的な協議など、さまざまな立場の関係者とのコミュニケーションが欠かせません。

システムアーキテクトは業務と技術の橋渡し役として、それぞれの場面や相手に応じた用語や内容で、相互に理解の深まるコミュニケーションをとることが重要です。

以上、システムアーキテクトに求められるスキルでした。次はシステムアーキテクトになるための代表的なキャリアを紹介します。

システムアーキテクトになるには|代表的な2つの道

システムアーキテクトになるためのルートは人によってさまざまですが、代表的な2つの道を紹介します。

  • システムエンジニアからのキャリアアップ
  • インフラ系エンジニアからのキャリアチェンジ

システムエンジニアからのキャリアアップ

もっとも一般的なシステムアーキテクトへの道は、システムエンジニア(SE)からのキャリアアップです。

両職種はともにシステムの設計を担いますが、その範囲・視点が異なります。SEとして培った個々の機能・非機能設計のスキルを活かしつつ、システム全体の構造設計に関する知識と視座を高めることで、システムアーキテクトへのステップアップが見えてくるでしょう。

先に紹介したシステムアーキテクト試験(SA)の取得も効果的です。

▼システムエンジニアの仕事内容や年収を詳しく知りたい人はこちら

インフラ系エンジニアからのキャリアチェンジ

インフラ系エンジニアからシステムアーキテクトにキャリアチェンジする道もあります。

システムアーキテクトがシステムの全体設計をするためには、サーバーやネットワークなどインフラ関連の知識も欠かせません。インフラ系エンジニアは、持ち前のインフラ構築の知識・経験をベースに、業務知識やアプリケーション設計・開発のスキルを身につけることでシステムアーキテクトへの道が見えてきます。

一足跳びにシステムアーキテクトへの転身が難しければ、システムエンジニアとして設計の経験を積んでから、改めてシステムアーキテクトに挑戦するのも良いでしょう。

▼インフラエンジニアの仕事内容や年収を詳しく知りたい人はこちら

ここまではシステムアーキテクトになるおもなキャリアを紹介しました。ここからは、システムアーキテクトの次に目指すべきキャリアパスを見ていきましょう。

システムアーキテクトが次に目指すキャリアパス3選

システムアーキテクトは個別システムの開発ではもっとも上流の役割を担う職種です。そんなシステムアーキテクトが次に目指すキャリアパスには、マネジメントの道や組織全体のシステム設計・企画の道が考えられます。

代表的な3つのキャリアパスを見ていきましょう。

  • プロジェクトマネージャー
  • ITアーキテクト
  • ITストラテジスト

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャー(PM)は、システムアーキテクトが目指す一般的なキャリアパスの1つです。

PMはプロジェクトの責任者として、品質・コスト・納期を管理する役割を担います。システムアーキテクトとして培った、システム全体を俯瞰的に見て成功に導くスキル・経験は、PMとしてもおおいに役立つでしょう。

PMではよりマネジメントの要素が強くなるため、プロジェクト管理の専門知識に加え、リーダーシップや対人関係構築など幅広いヒューマンスキルを身につけていくことが重要です。

▼プロジェクトマネージャーの仕事内容や年収を詳しく知りたい人はこちら

ITアーキテクト

システムアーキテクトからITアーキテクトにキャリアアップする道もあります。

ITアーキテクトは、組織のIT戦略にもとづいて、複数システムにまたがる全体的なシステム構造の在り方を設計する役割の職種です。システムアーキテクトがもつ個別システム全体を設計する力をさらに広げ、組織全体のビジョンや戦略を技術面から支える立場にステップアップします。

ITアーキテクトとして活躍するためには、高度な技術知識に加え、組織全体のシステムを見渡す広い視野やIT部門全体を先導する強いリーダーシップが必要です。

ITストラテジスト

3つ目に紹介するキャリアパスはITストラテジストです。

ITストラテジストは、組織のIT戦略立案やビジネスとITの橋渡しやIT投資計画の策定など、経営に近い立場で組織のIT戦略の推進を担います。

システムアーキテクトとして組織のさまざまなシステム開発に最上流から携わった経験や知識を活かして、IT戦略自体を作る役割にシフトするキャリアパスです。

ITストラテジストとして活躍するためには、持ち合わせた技術的な知識に加えて、ビジネスや経営の知識が求められます。

ITストラテジストまでキャリアアップすると、将来的なCTO(最高技術責任者)やCIO(最高情報責任者)など経営層への道も見えてくるでしょう。

▼ITストラテジストの市場価値を詳しく知りたい人はこちら

以上、システムアーキテクトのおもなキャリアパスでした。次は、システムアーキテクトが活躍する企業の代表例を紹介します。

システムアーキテクト試験(SA)のほかにも役立つ資格3選

システムアーキテクトのスキルアップやキャリアアップに役立つ資格は、前述したシステムアーキテクト試験(SA)だけではありません。

厳選した3つの資格を紹介します。

  • プロジェクトマネージャ試験(PM)
  • CCNP/CCIE
  • 情報処理安全確保支援士(SC)

プロジェクトマネージャ試験(PM)

「プロジェクトマネージャ試験(PM)」は、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が主催する国家資格です。

ステークホルダーの多様な要求に柔軟に対応しながら、プロジェクトを成功に導くためのマネジメント手法が問われます。

システムアーキテクトも要件定義やシステムの全体設計を行ううえで、多方面との調整やメンバーを効果的に動かすマネジメントの能力も必要です。

本資格の取得によりプロジェクト管理のスキルが高まり、将来的なプロジェクトマネージャーへのキャリアアップの強力な武器にもなるでしょう。

実施時期秋期(10月)の年1回
試験時間午前Ⅰ:50分、午前Ⅱ:40分
午後Ⅰ:90分、午後Ⅱ:120分
出題形式午前Ⅰ:4択式、午前Ⅱ:4択式
午後Ⅰ:記述式、午後Ⅱ:論述式
難易度上級(ITSSレベル4)
前提資格なし
受験料7,500円(税込)
目安勉強時間(初学者)9ヶ月〜1年程度
維持要件なし

CCNP/CCIE

「CCNP」「CCIE」は、世界的なネットワーク機器メーカーの「シスコシステムズ」が主催するネットワーク技術者向けのベンダー資格です。

ネットワーク技術はあらゆるシステムの基盤となります。システム全体の構造を設計するシステムアーキテクトにとって、専門家と対等に議論ができるネットワークの知識・スキルはおおいに役立つでしょう。

CCNPはプロフェッショナルレベル、CCIEはその上のエキスパートレベルと位置付けられています。自身のスキルや目指すキャリアパスに応じて挑戦する資格を選びましょう。

CCNPCCIE
実施時期随時筆記試験 随時
ラボ試験 指定会場での開催日
試験時間必須試験 120分
選択試験 90分
筆記試験 120分
ラボ試験 8時間
出題形式CBT方式(選択式/入力式)筆記試験 CBT方式(選択式/入力式)
ラボ試験 実技
難易度中級(ITSSレベル3)上級(ITSSレベル4)
前提資格なし
受験料必須試験 57,200円(税込)
選択試験 42,900円(税込)
筆記試験 57,200円(税込)
ラボ試験 1,600〜1,900ドル
目安勉強時間(初学者)半年〜9ヶ月程度9ヶ月〜1年程度
※実務経験者
維持要件3年以内に更新が必要

情報処理安全確保支援士試験(SC)

「情報処理安全確保支援士試験(SC)」は、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が主催する国家資格です。

システムアーキテクトがシステム全体を設計するうえで、セキュリティの知見は欠かせません。

本資格は、情報セキュリティに関する専門性を認定する資格であり、合格後に登録することで「情報処理安全確保支援士」を独占的に名乗れる「士業」でもあります。

合格・登録により、セキュリティの高度な知識を持ったシステムアーキテクトとして、社内や転職市場で高い評価が得られるでしょう。

実施時期春期(4月)・秋期(10月)の年2回
試験時間午前Ⅰ:50分、午前Ⅱ:40分
午後Ⅰ:90分、午後Ⅱ:120分
出題形式午前Ⅰ:4択式、午前Ⅱ:4択式
午後Ⅰ:記述式、午後Ⅱ:記述式
難易度上級(ITSSレベル4)
前提資格なし
受験料7,500円(非課税)
目安勉強時間(初学者)9ヶ月〜1年程度
維持要件以下をすべて修了
・年1回のオンライン講習
・3年に1回の実践講習または特定講習

以上、システムアーキテクトにおすすめの資格でした。最後に、システムアーキテクトの需要と将来性を考察しましょう。

DXの動きが進む中システムアーキテクトの将来性は高い

現在多くの組織でDX(デジタルトランスフォーメーション)の動きが進む中、システム開発工程の最上流を担うシステムアーキテクトの重要性はますます高まっていくでしょう。

情報処理推進機構(IPA)がまとめた「DX白書2023」によると、DXに取り組む日本企業の割合は2021年度の55.8%から2022年度に69.3%に増加し、米国の水準に近づいています。

出典:DX白書2023 〜DXの取り組み状況|情報処理推進機構(IPA)

一方、従業員規模別で見ると規模の大きな企業ほどDXの取り組み割合は高く、300人以下の企業は米国との差が顕著です。とりわけ、100人以下の中小企業では6割近くが取り組んでいない状況となっています。

出典:DX白書2023 〜DXの取り組み状況(従業員規模別)|情報処理推進機構(IPA)

DXのような取り組みは資本力・技術力のある大企業から順に浸透していくものであり、米国同様に今後は中小規模の企業にも広がっていくでしょう。

DXの取り組みで既存システムの再構築や新たなシステムを導入する際に、システム全体の要件定義・設計を行うシステムアーキテクトの存在は欠かせません。

システムアーキテクトには、豊富な経験にもとづく高度な設計能力や組織のシステム戦略理解など、高いスキルが必要です。そのため、需要に対応できるシステムアーキテクトの希少性は高く、将来性も高いと考えられます。

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まとめ/システムアーキテクトには高度な設計能力が必要

本記事を通して、以下のことがわかりました。

  • システムアーキテクトはシステム開発の上流工程を担う設計の専門家
  • システムアーキテクトの国家資格は難易度が高く、設計のスペシャリストとして認知度・評価が高い
  • システムアーキテクトの平均年収は、778.2万円とプログラマーやシステムエンジニアと比べて高い
  • システムアーキテクトには、高度な設計能力に加えてシステム戦略の理解やコミュニケーション力が必要

多くの組織がDXの取り組みを進める中、高度な設計スキルを持ったシステムアーキテクトの需要は高まることが予想されます。プログラマーやシステムエンジニアがシステムアーキテクトを目指すには、1段上からシステム全体を俯瞰して見渡す視点を身につけることが第1歩です。

本記事で解説した仕事内容や必要なスキルを参考に、システムアーキテクトへのキャリアアップを目指しましょう。

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しーそー
大手証券系システム会社での20年間のシステムエンジニア(SE)歴を経て、2022年4月よりライターの道へ。前職では主に設計・要件定義などの上流工程やプロジェクトマネジメントを経験。職歴を活かしたIT・金融関係の記事や、趣味と実益を兼ねた資産運用・仮想通貨などが得意ジャンル。2児の父として子育てにも奮闘中