ITストラテジストの市場価値は?資格難易度や役立つ職種を徹底解説
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おいとま
しーそー
ITストラテジストの資格取得は難しい、そんな漠然とした情報だけを知っている人は多いでしょう。
実際にITストラテジストが資格として有用なのか、本記事では資格の難易度から役立つシーン、活用できる職種を具体的に解説します。
- 【この記事を読んでわかること】
- ITストラテジストはIT資格の最高峰であり、非常に高度な専門職である
- ITストラテジストは経営など最上流の業務に携わるため、職責や報酬が高く設定されている
- 市場価値も高くコンサルタントであれば930万円、CIOは2,500万円も可能
- ITストラテジストは需要が高く、資格取得も決してムダになることはない
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この記事の監修者
大学卒業後、富士通グループ会社(現富士通Japan株式会社)に入社
13年勤務し、おもにプロジェクトマネージャー・ITコンサルタントとして企画支援〜構築〜運用まで幅広く対応
現在はフリーランスとして執筆業・マーケティング業に従事
保有資格:ITストラテジスト、応用情報技術者、Fujitsu Certified Professional Cloud、等
ITストラテジストはIT資格の最高峰
しーそー
ITストラテジストはIPAが主催する高度情報処理試験のうちの1つであり、その中でもシステム監査技術者とならび最高難易度に位置づけられている資格です。
しかし実際にITストラテジストを持っていることでなにができるのか、どういった点で有利になるのか具体的なイメージを持てていない人も多いと思います。
本記事でITストラテジストの理解を深めていきましょう。
ITストラテジストとは経営課題をITの視点から解決していくスペシャリスト
そもそもITストラテジストとは、”ビジネスの課題をITで解消していく人材”を指します。
またビジネスのなかでも局所的な戦術ではなく、経営などの大局を左右する戦略(ストラテジー)を立案するのがITストラテジストです。
たとえば、人件費が高止まりしている企業があるとします。
この原因を探るとき、新たな勤怠管理システムを導入して残業を適正に把握したり、タレントマネジメントシステムを導入して社内の人材をリプレイスするなどの提案を行うイメージです。
ほかにも収益拡大を目指してPaaSやSaaSの導入、BIツール導入による新商品・新サービスの開発なども考えられるでしょう。
ITを用いて経営課題を解決に導くのがITストラテジストの本分です。
ITストラテジスト資格は取得難易度が非常に高い
そんなITストラテジストですが、冒頭でも述べたとおりIPAが年に1度試験を行っています。
試験の詳細は以下のとおりです。
試験概要 | 高度IT人材として企業活動の戦略を策定するための知識が問われる |
---|---|
形式 | 午前Ⅰ 9:30~10:20 多肢択一 午前Ⅱ 10:50~11:30 多肢択一 午後Ⅰ 12:30~14:00 記述式 午後Ⅱ 14:30~16:30 記述式(論文) |
難易度 | ★★★★(ITSSレベル4) |
実施時期 | 春季試験(4月第3日曜日) |
受験料 | 7,500円(非課税) |
必要な勉強時間 | 150~200時間(数年の実務経験がある前提) |
おいとま
おいとま
試験概要
ITストラテジストはほかの高度情報処理資格と同様、午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱの4パートに分けて行われます。
ITの基礎知識はもちろん、経営の知識やITを駆使した課題解決能力を問われます。
おいとま
午前は知識・基礎問題、午後は応用問題とイメージするのが良いでしょう。
午後は記述式をメインとしており、きわめつけに午後Ⅱで論文試験が課されます。
120分で問題に沿った論文を構成し、手書きで2,500~3,200字程度を書ききる必要があるため、精神的・物理的に最高難度の試験といって差し支えないでしょう。
難易度
ITストラテジストは合格率が13~15%程度となっており、高度情報処理試験の中でもシステム監査技術者と双璧を成す最難関として設定されています。
実務経験がある人でも数百時間の計画的な学習が必要であり、合格者平均年齢も40歳前後と高めです。
1年におよそ数百人しか合格しないため、保持しているだけでかなり高く評価される資格であることは間違いありません。
ITストラテジストの役割、資格の概要を確認しました。
続いてITストラテジストの具体的な仕事内容をみていきましょう。
ITストラテジストの仕事内容|IT戦略や投資計画などの超上流
しーそー
ITストラテジストは戦略を考えるスペシャリストのため、携わるのは経営に近い最上流工程を担当します。
会社としてどういう方向に経営の舵をきるか、経営者に対して必要な情報を的確に進言し会社の今後を担う中枢のプロセスに関与します。
具体的な以下3つのシーンを分解してみていきましょう。
- IT戦略の立案
- ビジネスとITの橋渡し
- IT投資計画の策定
IT戦略の立案
ITストラテジストのおもな役割はIT戦略の立案です。
市場や競合他社の動向、自社の経営状況やプロダクト、国内外の政治や法規制など無数にある要因を整理し、会社としてどういったIT戦略を採るべきかを熟考します。
たとえばデータセンターやサーバの保守費用が高ければオンプレミスからクラウドに移行したり、営業成績が低下しているのであれば高度なBIツールの導入やデータサイエンティストの積極採用などが挙げられます。
M&Aなどによる他社との合併があった場合、基幹システムをいかにスムーズに障害なく統合させるかを考えるのもITストラテジストとしての腕のみせどころです。
ビジネスとITの橋渡し
ITストラテジストはビジネスとITを融和させる役割も担います。
たとえば上記の営業の例で新しくBIツールを導入するとします。
ビジネスに限らず人間は変化を嫌う性質を持つため、まず現場からは反発がくるでしょう。
そういったときもITストラテジストの力が必要です。
ITを用いた施策がいかに有効か、ROIなどの数字に基づいて論理的にメリットを伝えていきましょう。
また理屈だけでなく、心情面でもビジネスの理解者になることが大事です。
新しいことを行うときは必然的に負荷がかかり、そのしわ寄せを食らうのは現場のメンバーです。
末端の営業社員ひとりひとりの気持ちに寄り添いながら、彼らの苦労をしっかりと理解している点も同時に伝えていくのが望ましいでしょう。
ITを利用する経営戦略的なメリットはもちろん、それを利用するのは人であるという部分にも思いをめぐらせるこの両輪がITストラテジストには求められます。
IT投資計画の策定
ほかにもIT活用観点での投資計画策定も行います。
収益拡大を目指すにせよ経費圧縮を実現するにせよ、ヒト・モノ・カネをどうあつかうかの計画策定が必要です。
無尽蔵にリソースがあれば壮大な計画も立てられますが、現実的にそんなことはあり得ません。
自社の持ちうる資産をベースに、どのような施策をどの時期に打てばよいかというロードマップを敷いていくのもITストラテジストの仕事です。
おいとま
監修者のコメント
大手SIerで働きながら、ITストラテジストとしてお客様の中期3年のIT計画を策定した経験があります。 具体的には、まさにこの記事で紹介されている「IT戦略の立案・ビジネスとITの連携・そしてIT投資計画の策定」に関するサポートを行いました。 ITストラテジストの仕事ではコミュニケーションが重要視され、機密情報を扱うためにお客様のオフィスで働くことが多く、経営層とも頻繁に関わります。 プレッシャーも大きいですが、その分やりがいも感じられます。
ITストラテジストが携わる業務の例を紹介しました。
続いてITストラテジストが市場でどのように評価されるのかを確認しましょう。
ITストラテジストの市場価値はきわめて高い
しーそー
ITストラテジストは市場でも高く評価される傾向にあります。
理由はITストラテジストの能力によって会社の業績が左右される可能性があり、期待値もかなり高く設定されているためです。
なぜITストラテジストの期待値が高いのか、以下3点の理由を詳しく掘り下げます。
- ITストラテジストは弁護士など3大士業と並ぶ「専門的知識等を有する労働者」
- 平均年収は930万円と高収入
- 企業のDX戦略の成否にかかわる重責を担う
ITストラテジストは弁護士など3大士業と並ぶ「専門的知識等を有する労働者」
ITストラテジストは厚生労働省によって医師や弁護士、公認会計士などの士業とならぶ高度専門職として位置づけられています。
専門的知識等を有する労働者とは、厚生労働大臣が労働法の基に定める特定の職種を指し、特定の領域で高い専門知識や技術を有する労働者のことです。
この分類に指定されても特別な優遇措置はありませんが、法律に明記されるほどの高度な専門職である点は疑いようがありません。
おいとま
公的機関のお墨付きもあり、市場からも評価されやすくなっている側面はあるでしょう。
平均年収は930万円と高収入
ITストラテジストはエンジニア職の中でも高給であり、ITストラテジストに準ずるITコンサルタントでも約930万円となっています。
おいとま
通常のエンジニアが570万円のため、およそ1.63倍という水準です。
エイジレス独自の調査では700~1,200万円の求人がメインであり、1,500万円の年収を提示しているものもあります。
さらにCIOであれば平均役員報酬は2,500万円にのぼるというデータもあるほどです。
ITストラテジストはシステム開発の最上流に位置しており、その分求められる期待値やアウトプットの質は非常に高いです。
高度なハードスキル・ソフトスキルが求められる職であり、その分高い報酬が支払われます。
みずからの能力で企業の業績を上昇させる、高い意識とモチベーションも必要になってきます。
企業のDX戦略の成否にかかわる重責を担う
昨今ではDX(デジタルトランスフォーメーション)も一般的な用語になっているほど、ITが企業活動に与える影響は重大です。
企業のDXのかじ取りを行い、利益を上げるために施策を立案し、それを成功に導いていくのがITストラテジストの役割です。
成功すれば高い評価と報酬を約束されますが、失敗すればその責任の大半を自身で負うこともあるでしょう。
何万人ものユーザーが存在するサービスを不手際で止めてしまったり、大規模なデータ移行に不備があり個人情報が正しく紐づけられなかった場合などは大きなニュースになることもあります。
ITストラテジストはただITを経営に活用するだけでなく、企業のプレゼンスやレピュテーションをしっかりと守り向上させていく副次的な役割もあります。
ITストラテジストは企業の命運を握ると言ってよい重要な役割があります。
日経XTECHの記事でも有用な資格3位に選ばれるなど世間の注目度も高く、取って損のない資格となっています。
しかし、世間ではITストラテジストにネガティブな見方もあるようです。
次の章で詳しくみていきましょう。
ITストラテジストの取得は「意味ない」という声もある
しーそー
ITストラテジストの資格取得は”意味がない”という主張も目にします。
こういったネガティブな見方の背景には、”難易度の割に見返りが少ない”主旨の以下の本音があります。
「資格を取ったけど、資格手当がちょっともらえるようになっただけ」
「ITストラテジスト資格があっても、それだけでは転職に直結しない」
「資格がなくともITストラテジストの業務は可能」
もちろんどの意見も理解できる部分はありますが、もう少し視座を高めて考えてみましょう。
近視眼的には数千円のメリットしかなくとも、今後転職など自身を市場に売り出すタイミングがあれば、第3者視点で定量的に実力を測れる資格を持っていることは大きな強みです。
またそれだけでは転職に直結せずとも、試験勉強をとおしてITストラテジストの業務内容や職責を想像して自分のものにできます。
ITストラテジストとして自信を持つための土台となるので、資格取得が大きな意味を持つことは間違いありません。
ネガティブな意見に惑わされないようにしましょう。
次に、ITストラテジストの資格が実際に役立つ職種を紹介します。
ITストラテジストの取得が仕事に役立つ職種3選
しーそー
ITストラテジストが実際に活用される職種を3つ紹介します。
- CxOなどの経営層
- ITコンサルタント
- IT企画部門
CxOなどの経営層
企業のCxOにとってITストラテジストは非常に有用です。
会社の方向性をさだめるのはまさに戦略策定であり、ITは重要なファクターとなります。
自社の強みをどう活かすか、弱みをいかに極小化するか、どうやってそれをITで解決できるのか考えるのはまさにCIOなどの最高情報責任者の職務です。
ベンチャー企業などであればCxOに就くチャンスもあり、またストックオプションが設けられている場合、自分の活躍がそのまま自身の利益につながりモチベーションも高まります。
今後起業を目指す人、CxOを狙う人はITストラテジストを持っておいて損はありません。
ITコンサルタント
続いてはITコンサルタントです。
ITコンサルタントが相対するのは経営層であり、経営層はいつも課題を抱えています。
そんな人たちから信頼されるコンサルタントになるためには、効果的な提案を行う必要があり、ITストラテジストの観点はまさに垂涎モノです。
経営層と接する機会の多いITコンサルタントにもITストラテジストは必携の資格です。
IT企画部門
最後はIT企画部門です。
IT企画部門はCIOなど経営層配下の組織であり、企業としてのIT投資計画の立案・実行を管理する部門であることが多いです。
IT投資は計画こそするものの、市場や他社の動向、推進しているプロジェクトの進捗状況を踏まえて流動的な対応が求められます。
他社が先進的なサービスを打ち出せば、今実施しているプロジェクトを止めてでも追随するサービスの開発が急がれる場合があります。
こういった場面で戦略的な観点を持ち、ITストラテジストとして上司へ提言できる人は価値のある人材として上層部から認識されることでしょう。
以上、ITストラテジストが役立つ3つの職種を紹介してきました。
いずれも経営や企画など現状を正しく分析し、将来に向けて対策を考えるという共通点があります。
おすすめの転職エージェント
転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです!
- 大手:業界や職種にこだわらず自分に合った転職先を幅広く探る
- 特化型:希望する業界や職種への転職を専門的にサポートしてもらう
さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。
大手転職エージェント
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特化型エージェント
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社内SE特化。業界最大級の社内SE求人数を保有しています。
社内SEはホワイトな求人も多いためおすすめです。
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≫ウズカレIT
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約80%が平均年収150万円アップの実績あり。
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ITストラテジストを取得して転職や独立を目指すならエイジレスへ
しーそー
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まとめ/ITストラテジストは戦略のスペシャリストとして需要が高い
しーそー
この記事をとおして以下のことがわかりました。
- ITストラテジストはIT資格の最高峰であり、非常に高度な専門職である
- ITストラテジストは経営など最上流の業務に携わるため、職責や報酬が高く設定されている
- 市場価値も高くコンサルタントであれば930万円、CIOは2,500万円も可能
- ITストラテジストは需要が高く、資格取得も決してムダになることはない
ITとビジネスの関係は強まり、今後はさらにこの流れは加速していくことでしょう。
経営判断を正しく行うためにも、経営の視点とITの視点を兼ね備えたITストラテジストの需要は高まっていく可能性が高いです。
今後を見越して資格を取得し、キャリアアップのチャンスを獲得するためにもITエンジニアとしての努力を怠らないよう頑張っていきましょう。