フリーランスが法人化するメリット・デメリット・適切なタイミングを紹介

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フリーランス(個人事業主)としての活動が軌道に乗り、節税のために法人化を検討する人は少なくないでしょう。この記事では、フリーランスが法人化するメリット・デメリットや適切なタイミング、インボイス制度に備えた対策などを紹介します。

  • 【この記事を読んでわかること】
  • 税制優遇などフリーランスが法人化する5つのメリット
  • 赤字でも課税されるなどフリーランスが法人化するデメリット
  • 事業所得や売上高などに応じてフリーランスが法人化するタイミング
  • インボイス制度導入前に法人化すると最大2年間の消費税が免税される

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法人化とは

オフィスの机に置かれたパソコンの画像

法人化とは、新しい会社を設立してフリーランス(個人事業主)として行っていた事業を引き継ぎ、運営することです。法人成りと呼ばれることもあります。

法人化によって引き継ぐのは預金・貸付金・売掛金などの金銭債権や不動産・車両・備品など事業資産、および買掛金・未払金など、事業以外の負債も含みます。資産や負債を引き継ぐには、ルールにしたがって適切な費用処理を行わなければなりません。費用処理などの手間も伴う法人化には、どのようなメリットがあるのでしょうか。次の項目では、フリーランスが法人化するメリットを紹介します。

フリーランスが法人化する5つのメリット

フリーランスが法人化するメリット5つが箇条書きされた図

フリーランスが法人化するメリットは次の5つです。

  1. 経費にできる範囲が増える
  2. 赤字(欠損金)を10年間繰り越せる
  3. 有限責任にできる
  4. 決算月を自由に設定できる
  5. 社会的信用が得られる

これらのメリットを理解したうえで、改めて法人化を検討しましょう。それぞれ解説します。

1.経費にできる範囲が増える

法人化することによって、フリーランスの時よりも経費にできる範囲が増えます。

たとえばフリーランスの場合、本人に対する報酬や退職金は必要経費にできません。しかし法人化して役員報酬にすることによって、経費として計上できるうえ、役員の退職金も損金として経費計上できます。

また、報酬や退職金を経費計上できた場合、課税対象となる所得が減るため節税につながります。法人税や所得税は、売上から経費を差し引いた所得に対して課税されるからです。

経費計上の可否は、会社の売上との関連性によって判断されます。税務調査で追求されたときに、売上との関連性を明確に説明できる範囲で節税に努めましょう。

2.欠損金(赤字)を10年間繰り越せる

法人には、欠損金の繰越控除期間が10年間(事業年度によっては9年間)認められています。欠損金とは、利益がマイナスだったときの金額です。1,000万円の欠損金が生じた次の年の事業所得が2,000万円だった場合、欠損金が相殺されて残った1,000万円が課税所得となり、節税できます。

青色申告を行う個人事業主にも欠損金の繰越控除はありますが、期間は3年間と法人よりも短いです。そのため、3年間では控除しきれないような多額の欠損金が発生した場合、法人化している方が節税のメリットを得られます。

3.有限責任にできる

法人化することによって、事業運営の悪化による負債を有限責任にできるのも1つのメリットです。有限責任では、会社が倒産した際などに債権者に対して出資額を限度として責任を負います。出資金は戻ってきませんが、残債がある場合でもそれ以上の責任は負いません。

フリーランスの場合は、金融機関からの借金や税金の支払いなどすべて個人の責任です。事業規模に応じて、法人化することによってリスクヘッジするのも1つの手段でしょう。

4.決算月を自由に設定できる

法律によって決算月が12月と決められているフリーランスとは異なり、法人は決算月を自由に設定できます。

決算月を自由に設定できることによって、事業の黒字化計画が行いやすくなるでしょう。業界や職種によって、売り上げが見込める時期はさまざまです。季節によって売上に影響を受けやすい会社の場合、売上が見込める時期の前月を決算月にすることによって、節税対策が行えます。前年の売上が減る分、期首に売上を獲得できるなどの調整が効くためです。反対に、期首に売上を獲得できなかった場合、次の年が黒字化しやすくなるでしょう。

大企業をはじめとする多くの企業は、3月を決算月にする傾向があります。繁忙期と決算月が重なることによってリソース不足になる可能性もあるため、落ち着いた時期に決算月を設定するといいでしょう。

5.社会的信用が得られる

法人化すると、法律によって認められた「法人格」とともに社会的な信用が得られます。法人格を活用することによって、事業展開の幅が広がるでしょう。

法人名義での銀行口座の開設や金融機関からの融資が可能になることに加えて、保証人を立てることなく事務所の賃貸契約も行えるなど、事業展開がスムーズです。加えて、IT導入補助金や働き方改革推進支援助成金、小規模事業者持続化補助金などさまざまな助成金を利用すれば安定操業につながります。

また、契約対象を法人に限定している企業もあるため、フリーランスでは獲得しづらい案件の受注を獲得しやすくなるでしょう。人材雇用においても、個人事業主のもとで働くより会社の方が安心して働けるため、採用の安定につながります。次の項目では、フリーランスが法人化するデメリットを紹介します。

フリーランスが法人化する4つのデメリット

フリーランスが法人化するデメリット4つが箇条書きされた図

フリーランスが法人化をすることによって考えられるデメリットも把握しておきましょう。

  1. 赤字でも税金がかかる
  2. 社会保険の加入義務が生じる
  3. 労働管理が複雑化する
  4. 交際費として使える経費が減る

それぞれ解説します。

赤字でも税金がかかる

法人は、利益にかかわらず法人住民税の支払いが必要です。法人を対象とする法人住民税は、都府県民税と市町村民税で構成されており、均等割と法人税割でそれぞれ納税額が異なります。

均等割は、すべての法人に支払い義務のある税金です。法人の規模に応じて税金が区分されており、都道府県民税では法人の資本金などの額で、市町村民税では法人の資本金などの額と従業者数で分けられています。

一方法人税割は、法人が国に支払う法人税額を基準にして都道府県や市町村に支払う税金です。均等割とは異なり、利益に応じて法人税額も高くなります。

フリーランスは事業が赤字の場合、所得税や住民税の支払いは生じません。しかし、法人は均等割によって利益に関わらず住民税の支払い義務が生じることを覚えておきましょう。

社会保険の加入義務が生じる

フリーランスの場合、特定の業種で5名以上雇用している場合を除き、厚生年金や健康保険など社会保険への加入義務はありません。一方、法人は雇用する人数に関わらず、社会保険への加入義務があります。 たとえ、1人社長の会社でも社会保険への加入は必須です。

社会保険に加入すると、国民年金や国民健康保険よりも手厚い補償が受けられる分、費用がかかります。従業員が在籍する場合は、その分の社会保険料も法人として負担する必要があるため、一定の資金が必要になるでしょう。

法人化して事業を拡大したいなら人材の確保は重要ですが、社会保険の加入による雇用負担の増加は経営に影響するため、慎重に検討しましょう。

労働管理が複雑化する

法人化すると、フリーランスのときよりも労働管理が複雑化します。従業員を雇用した場合、みずからが行った業務以外にも必要な会計や事務処理などの管理が増え、なおかつフリーランスには適応されない労働基準法にも従う必要があるためです。

給与管理や社会保険手続き、勤怠管理、コンプライアンスの遵守などこれまでフリーランスでは気にしなかったことを1人で対処するのは労力がかかります。公認会計士や税理士などに依頼するか、従業員を採用するなど必要に応じて対処しましょう。

交際費として使える経費が減る

経費計上できる範囲が増える反面、交際費(飲食代)として使える経費が減ります。交際費とは、法人が得意先や仕入先といった事業の関係者に対して、接待などを行うために必要な飲食の経費です。

法人には、交際費のうち50%が経費として認められている一方、フリーランスは事業に関係のある交際費をすべて経費計上できます。出資金が1億円以下の会社の場合、上限は年間800万円までです。

資本金が1億円を超える、あるいはフリーランスとして多額の交際費を使用している場合は、経費として計上できる交際費が減ることに注意しましょう。次は、フリーランスが法人化するタイミングを紹介します。

フリーランスが法人化するタイミング

フリーランスが法人化するタイミング2つが箇条書きされた図

フリーランスが法人化するのに適したタイミングは次の2つです。

  • フリーランスとしての所得が800万円を超えたとき
  • 売上高が1,000万円を超えたとき

それぞれ解説します。

フリーランスとしての所得が800万円を超えたとき

フリーランスとして事業を運営し、所得が800万円を超えたタイミングが法人化における1つの判断基準です。個人事業主は累進課税率、法人は比例税率でそれぞれ所得税・法人税が計算されます。以下の表をご覧ください。

【フリーランスの所得税率】

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

出典:No.2260 所得税の税率|国税庁

【法人税率】
対象となる法人は、各事業年度終了の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下です。

区分 適用関係(開始事業年度)
平28.4.1以後 平30.4.1以後 平31.4.1以後 令4.4.1以後
普通法人 資本金1億円以下の法人など(注1) 年800万円以下の部分 下記以外の法人 15% 15% 15% 15%
適用除外事業者(注2) 19%(注3) 19%(注3)
年800万円超の部分 23.40% 23.20% 23.20% 23.20%
上記以外の普通法人 23.40% 23.20% 23.20% 23.20%

出典:No.5759 法人税の税率|国税庁の一部を抜粋

所得が800万円の場合、フリーランスの所得税率は23%である一方、法人税率は15%となります。控除分を差し引いてもフリーランスの納税金額の方が高いため、800万円を超えるタイミングを1つの基準として考えるといいでしょう。

売上高が1,000万円を超えたとき

売上が1,000万円を超えたときに法人化を検討しましょう。フリーランスとしての年間の売上高が1,000万円を超えると、その2年後から消費税の納税義務が発生するためです。消費税の納税義務が発生する2年後のタイミングで法人化すると、最初の2年間の消費税の支払いが免除されます。

最初の1,000万円を超えてからの2年間とその後の2年間の、合計4年分の消費税が免除されることになるため、節税する方法として覚えておきましょう。次は、インボイス制度の導入前に法人化することによって、得られるメリットを紹介します。

インボイス制度導入前に法人化すると最大2年間の消費税が免税される

インボイス制度導入 法人化すると最大2年間消費税免税

インボイス制度が2023年10月1日から施行されます。インボイス制度とは、所定の記載要件を満たした適格請求書(インボイス)を用いて、税率と税額を販売先に対して伝える制度です。インボイスの発行・保存により、消費税の仕入額控除を受けられます。

インボイス制度導入後、仕入先などが発行するインボイスがなければ、仕入の税額控除が受けられません。インボイス制度導入前までに法人化すると、最大2年間の消費税免税期間が適用されるため、売上や課税所得を考慮したうえで2023年9月30日までに法人化を検討しましょう。

まとめ

  • 税制優遇などフリーランスが法人化する5つのメリット
  • 赤字でも課税されるなどフリーランスが法人化するデメリット
  • 事業所得や売上高などに応じてフリーランスが法人化するタイミング
  • インボイス制度導入前に法人化すると最大2年間の消費税が免税される

ここまで、フリーランスが法人化するメリット・デメリットや適切なタイミングを紹介しました。フリーランスとして今後も活躍される人は、ぜひ法人化を検討してみてください。

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執筆者
エイジレスメディア編集部
エイジレス社会の専門誌として、すべての人が何歳でも豊かな暮らしを紡げるよう有益な情報を発信していきます。主に、エイジレスなビジョンを体現している人物や組織へのインタビュー記事を執筆しています。