70歳からの健康保険|病院の窓口で支払う自己負担額はどう変わる?
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70歳からの健康保険について、「70歳で就業中の場合、医療費は何割負担するのか、手続きは必要なのか。」
高年齢者の就業活動が積極的に行われている昨今、70歳を目前に控えている人であれば、この先の医療費についてこのように考える人も多いのではないでしょうか。
本記事では、70歳からの健康保険について詳しく解説していきます。
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- 【この記事を読んでわかること】
- 70歳から74歳は高齢受給者となり医療費は原則2割負担
- 高齢受給者証が利用できなくなる4つのケース
- 70歳以上は高額療養費制度も変わる
- 75歳以上は高齢受給者から後期高齢者医療制度となり医療費は原則1割負担
健康保険は70歳から74歳まで高齢受給者になり原則2割負担
健康保険は70歳から74歳まで高齢受給者に該当し、高齢者受給者証が交付されます。手続きの必要はなく、自動的に発行されます。
高齢受給者とは、70歳を迎える誕生日の翌月(各月1日が誕生日の人はその月)の診療から原則2割負担になり、自己負担額が下がる制度です。
対象者は平成26年4月2日以降(昭和19年4月2日生まれ以降)に、70歳の誕生日を迎える人が対象です。
高齢者受給者証の更新は毎年8月1日に更新される
高齢受給者証は毎年8月1日に一斉更新され、住民課税所得等によって決定した負担割合が1年間継続します。
令和4年度を例にすると、住民課税所得等に応じて決定された自己負担割合が適用される期間は令和4年8月から令和5年7月までです。
70歳以上であっても現役並の所得者は3割負担になる
70歳以上になると、原則医療機関での窓口負担が2割負担となりますが、現役並の所得者であれば3割負担になる可能性があります。
現役並の所得とは、標準報酬月額28万円以上の所得がある人です。
ただし、収入が単身世帯で年収383万円、夫婦2人世帯で年収520万円未満である人は「健康保険高齢者受給基準適用申請書」と収入証明書を提出し、収入基準額未満であると認められれば原則2割り負担となります。ご自身の家族構成に応じて確認しましょう。
一方で70歳以上の非課税世帯は、申請によって「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証」が交付されます。医療機関に提示すると、医療費の一部負担限度額及び入院食事医療費が窓口から減額されるため、非課税世帯の人は忘れずに申請しましょう。
「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証」の申請書は以下からダウンロードが可能です。
標準報酬月額とは
上述した70歳以上が3割負担となる所得額の計算で用いられる標準報酬月額は、どのようなものなのでしょうか。
標準報酬月額とは、企業と社員が折半している社会保険料を簡単に計算する仕組みです。
では、標準報酬月額とはどの月の給与を、いつまで適用するのでしょうか。
ご自身が入社したばかりであれば、予想されるひと月あたりの収入を基礎として決定されます。
入社後は毎年8月に1回決定され、4月・5月・6月の3ヶ月に支払われた報酬の平均額を標準報酬月額表にある等級区分に当てはめると、標準報酬月額が決まります。
決定された標準報酬月額が適用される期間は8月から翌年の7月末までです。
また、固定給に変動があり、3ヶ月間の平均給与から算出した標準報酬月額が元の等級よりも2等級以上差があると、固定給の変動した月から数えて4ヶ月目に標準報酬月額が改定されるケースもあります。
標準報酬月額は都道府県によって異なるため、全国健康保険協会ホームページの保険料額表で確認してみてください。
国民健康保険は健康保険組合と同様に原則2割負担
国民健康保険の場合は、70歳になると「国民健康保険被保険者証兼高齢受給者証」が郵送され、保険組合(協会)と同様に原則2割負担となります。
また、国民健康保険料に関しては市区町村ごとに異なるため、お住いの市区町村の窓口で確認しましょう。
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高齢受給者証が利用できなくなる3つの項目
高齢受給者証が利用できなくなるケースとは、どのような状況なのでしょうか。
高齢受給者証の利用ができないケースは以下の3つです。
- 有効期限に達したとき
- 後期高齢者に該当したとき
- 退職や異動などにより資格喪失したとき
それぞれみていきましょう。
有効期限に達したとき
高齢受給者証は負担割合を判定するため、毎年8月に更新があります。
そのため、高齢受給者証の有効期限は翌年7月31日までとなり、更新時には新しい高齢受給者証が毎年7月下旬に青いはがきサイズで送付されます。更新の手続きは必要ありませんが、更新前の受給者証は利用できなくなるため、注意しましょう。
後期高齢者に該当したとき
75歳になると高齢受給者から後期高齢者医療制度に自動的に移行します。
75歳の誕生日の先月末までにご自身の住んでいる市区町村から郵送、または手渡しで交付されます。
郵送に気づかず75歳の誕生日後に高齢受給者証を医療機関の窓口に提示しても利用できないため、75歳の誕生日近くには郵送物を気にしておくとよいでしょう。
退職や異動などにより資格喪失したとき
退職すると勤め先に保険証と高齢受給者証を返却しなくてはなりません。
資格喪失日の前日までは高齢受給者証が利用できますが、その後は手続きをしないと高齢受給者証が利用できなくなります。
退職後も高齢受給者証を利用するにはご自身の今後の状況によって以下の方法があります。
加入条件 | 保険料 | 手続き | |
---|---|---|---|
転職した場合 | 転職先の加入条件を満たす | 事業主と折半して半分自己負担する | 転職先が手続きをする |
国民健康保険の被保険者になる場合 | お住まいの市区町村の窓口に相談 | 全額自己負担 | お住まいの市区町村の窓口で手続きする |
家族の扶養に入る場合 | 扶養者として認定基準を満たす | 負担なし | 家族の勤務先に届け出 |
任意継続する場合 | 退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上
退職日の翌日から20日以内に申出書を提出 |
全額自己負担 | 勤務先に提出 |
所定の手続きをしないと高齢受給者証が利用できなくなってしまうため、退職後は早めに手続きをすると安心です。
また、資格喪失だけではなく、勤め先で異動になったときも保険証の記号が変わる場合があります。
保険証の記号が変わったときにも、上記のご自身の状況に合わせて手続きを早めに行いましょう。
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高齢者受給者証の再交付は申請が必要となる
高齢者受給者証をなくしてしまった、または破損や汚損によって使用できなくなってしまった場合には、再交付の申請が必要になります。
ほかにも、住所や氏名が変更になった人や世帯変更があった人も対象です。
高齢者受給者証の再交付を申請する方法
国民健康保険の再交付の申請をする場合、以下の方法があります。
- 市区町村の窓口に届け出る
- 郵送
- インターネット
健康保険組合(協会)が再交付する場合には、まずは勤め先に確認しましょう。
高齢者受給者証の再交付の申請に必要なもの
高齢者受給者証の再交付を申請するときに、必要なものは以下のとおりです。
- 世帯主と対象者全員のマイナンバーが確認できるもの
- 世帯主届出者(来所される人)の本人確認ができるもの(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
高齢者受給者証の再交付の申請を本人以外が行う場合
親権者や成年後見人などの代理人に申請してもらう場合は、上記に加えて以下の書類が必要になります。
- 戸籍謄本や成年後見人であることの証明書
- 代理人の本人確認ができるもの(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
- 世帯主のマイナンバーカードの番号確認ができるもの(コピー可)
法定代理人以外の場合にはさらに委任状が必要となります。
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70歳以上は高額療養費制度も変わる
高額療養費制度とは同じ月内(1日から月末まで)に支払った医療費の自己負担額のうち、所得などによって定められた自己負担限度額を上回る場合に、高額療養費が支給される制度です。
高額療養費制度も70歳を境に上限額が変更になります。
70歳以上の高額療養費制度の上限額は以下のとおりです。
適用区分 | 外来(個人ごと) | 外来+入院(世帯ごと) |
---|---|---|
Ⅲ課税所得
690万円以上の方 |
25万2600円
+(医療費-84万2000円)×1% [多数回 14万100円(※2)] |
|
Ⅱ課税所得
380万円以上の方 |
16万7400円
+(医療費-55万8000円)×1% [多数回 9万3000円(※2)] |
|
Ⅰ課税所得
145万円以上の方 |
8万100円
+(医療費-26万7000円)×1% [多数回 4万4400円(※2)] |
|
課税所得
145万円未満の方 (※1) |
1万8000円
(年間の上限額14万4000円) |
5万7600円
[多数回 4万4400円(※2)] |
Ⅱ住民税非課税世帯
(※3) |
8000円 | 2万4600円 |
Ⅰ住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下など※3) |
1万5000円 |
(※1)世帯収入の合計額が520万円未満、1人世帯の場合は383万円未満の場合や、「旧ただし書所得」の合計額が210万円以下の場合も含まれます。
(※2)過去12ヶ月以内に3回以上、上限額に達した場合、4回目から「多数回」に該当となり、上限額が下がります。
(※3)住民税非課税世帯の方については従来通り限度額適用・標準負担額減額認定証が発行されます。
参考:厚生労働省平「平成30年8月から高額療養費の上限額が変わります」
70歳の高額療養費制度の上限額は、上記の計算によって算出され、所得が多いほど自己負担額が多くなります。
高額療養費は所定の手続きをすると、払い戻し金を直接医療金に支払ってもらえます。
限度額適用認定証の発行手続きをしておくと安心
限度額適用認定書は、退院する前に発行手続きをすると一時的に自己負担せずに、高額療養費が直接医療機関に支払われる手続きです。
70歳以上の人は年金のみの金額で課税所得145万円~689万円(年収約370万円~1,160万円)あり、医療機関での支払いが高額になる可能性がある人は、必ず限度額適用認定証の発行手続きをしましょう。
限度額適用認定証が提示できない場合、医療機関で一時的に高額な支払いをしなくてはなりません。
入院はケガや病気などで、急遽入院が決定する場合が大半です。事前に発行するのが難しいため、入院中は親族に市区町村の窓口に取りに行ってもらいましょう。
入院中の医療費の会計は医療機関ごとに異なり、月が変わると入院が継続していても途中会計がある場合、退院前に入院費を支払わなくてはなりません。
医療費の会計がいつになるのか、早めに入院先に確認すると安心です。
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75歳から後期高齢者医療制度になり原則1割負担
75歳からの後期高齢者医療制度は、医療機関での自己負担割合が原則1割負担となる制度です。
自己負担割合は課税所得によって異なり、145万円未満であれば1割負担ですが、145万円を超えてしまうと3割負担となります。
70歳〜74歳までは高齢者受給者証が発行されますが、75歳からは後期高齢者医療制度に自動的に移行します。
75歳を迎える誕生日の前月下旬ごろに簡易書留郵便で発送され、保険料の案内は75歳の誕生日の翌月、または翌々月に郵送で通知が届きます。
75歳からの後期高齢者医療制度は、被保険者全員が国民健康保険に加入となります。
そのため、74歳まで健康保険組合(協会)に加入していた人は、75歳になると健康保険組合(協会)の脱退手続き後に国民健康保険への加入手続きが必要です。
保険料は毎年一人ひとりに対して保険料の算出が行われますが、後期高齢者医療制度には保険料の軽減特例があります。
保険料のうち「均等割額」は世帯主の所得の合計額をもとに2割、5割、7割軽減される制度です。
「所得割額」も軽減措置され保険料が決定します。
また、会社の健康保険組合(協会)の被保険者だった人は「均等割額」が加入から2年経過する月まで5割軽減となり「所得割額」はかかりません。
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まとめ:70歳からの医療費は原則2割負担だが所得によって変わる
70歳からの健康保険は健康保険組合、国民健康保険問わず医療費原則2割負担となります。
ほかにも、高額療養費の上限額も70歳を境に変更となるため、医療費の自己負担が減少するのがわかります。
また、健康保険組合(協会)では高齢受給者となった70歳以降も引き続き健康保険の加入が可能となり、配偶者は要件を満たすと扶養に入れるメリットもあります。
70歳までの雇用確保努力義務が企業に課せられている昨今、高齢者にとって働き続けるメリットがあるといえるのではないでしょうか。
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FPは、相談者の現状やライフスタイルにあわせて最適な資金計画、資産運用や節税などの具体的なアドバイスを提供してくれます。
老後資金2,000万円問題に代表されるように、老後の生活費はひとりあたり数千万円が必要と言われています。
漠然とした不安を抱えるのは辛いものです。まずは現状を把握し、どのような対策が必要なのかを相談してみましょう。
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