フリーランスの手取りはいくら?手取りを決める4要素を理解しよう
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フリーランスとして働くにあたり、どのくらいの年収でいくらの手取りになるのかは、最低限知っておきたいポイントです。
また、会社員と比べ、どんな税金や社会保険料を払う必要があるかも気になります。
本記事では、フリーランスの手取りについて、手取りを決める4要素をわかりやすく説明します。
- 【この記事を読んでわかること】
- フリーランスの手取りは年収・経費・各種控除・税金/社会保険料の4つの要素できまる
- フリーランスの手取りに大きく影響するのは税金と社会保険料
- フリーランスの手取りを増やすには節税が鍵
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フリーランスの手取りはだいたいいくら?
フリーランスの手取りのおよその金額は、下記の計算式で求めることができます。
手取り金額=(①年収ー②事業にかかった経費ー③各種控除)ー④税金
詳しくは後ほど説明しますが、④税金は、ざっくりと年収の3割程度と言われています。
フリーランスの手取りイメージ(年収別)
年収が増えれば手取りも増えますが、税金も増えます。だいたいどのくらいの年収があればいくらの手取りになるのか、仮の条件で概算結果をご紹介します。
なお、実際の手取り額は、個人の住所・年齢、収入の種類、事業の内容、控除対象額など様々な条件で変わります。あくまでも目安として参考にしてください。
また、この概算では経費と経費に関する控除は計算に含めていません。経費については後ほど別途説明します。
フリーランス手取り概算①60歳未満の場合
概算の条件
- 妻と2人暮らし(70歳未満の配偶者を扶養する)
- 職業:エンジニア(個人事業税は仮に0%)
- 年齢:50歳(国民年金の支払い「あり」・介護保険料の支払い「あり」)
- 青色確定申告を行う
- 消費税:事業初年度と仮定して適用なし
- 経費と経費に関する控除は計算に含めない
年収 | 手取り(年) | 手取り(月) |
300万円 | 約229万円 | 約19.1万円 |
400万円 | 約304万円 | 約25.3万円 |
500万円 | 約375万円 | 約31.3万円 |
600万円 | 約443万円 | 約36.9万円 |
700万円 | 約505万円 | 約42.1万円 |
妻と本人二人分の国民健康保険・国民年金の負担があり、サラリーマンだった時と同じ年収でも、手取りはやや少なくなる傾向です。
フリーランス手取り概算②60歳以上で国民年金を受給していない場合
概算の条件
- 妻と2人暮らし(70歳未満の配偶者を扶養する)
- 職業:エンジニア(個人事業税は仮に0%)
- 年齢:60歳(国民年金の支払い「なし」・介護保険料の支払い「あり」)
- 青色確定申告を行う
- 消費税:事業初年度と仮定して適用なし
- 経費と経費に関する控除は計算に含めない
年収 | 手取り(年) | 手取り(月) |
300万円 | 約246万円 | 約20.5万円 |
400万円 | 約320万円 | 約26.7万円 |
500万円 | 約391万円 | 約32.6万円 |
600万円 | 約457万円 | 約38.1万円 |
700万円 | 約519万円 | 約43.3万円 |
60歳以上では、本人の国民年金保険の負担がなくなるため、手取り額がやや増えます。
一方、妻が60歳未満であれば、妻が自ら国民年金の加入者となる必要があるため、その分の家計からの支出も考慮しましょう。
フリーランスの手取りはだいたい何割?
フリーランスの手取りは、およそ収入の6〜7割ほどと言われています。会社員の一般的な手取りは給与の約8割ですので、同じ年収の場合、手元に残るお金はフリーランスの方がやや少なくなります。
後ほど説明しますが、会社員とフリーランスの手取りの違いは、収入から差し引かれる税金の種類や計算方法、経費などの要素によります。
フリーランスの人が少しでも多く手取りを残すためには、フリーランスの手取りを左右する要素についてよく理解する必要があります。
▼そもそもフリーランスの実態について詳しく知りたい人はこちら
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フリーランスの手取りを決める4つの要素
先ほどみた、フリーランスの手取り金額を算出する計算式にある通り、手取り金額を決める要素は4つあります。
手取り金額=(①年収ー②事業にかかった経費ー③各種控除)ー④税金
それぞれについて、簡単に説明します。
フリーランスの手取りを決める要素①年収
年収は、1月初めから12月末までの1年間にフリーランスで得た「売上」と、その他収入の合算です。
その他収入には、年金、不動産や投資から得た収入などが入ります。
フリーランスの手取りを決める要素②経費
事業を行うために掛かった必要費用のことです。
例えば、業務で使用するパソコンやソフトウェア、サービス、交通費など事業のために利用した費用は経費にできます。
フリーランスの特徴として、この経費を漏らさず、正しく計上し確定申告をすることで、最終的に払う税金を安く抑えることができます。詳細は後ほど説明します。
フリーランスの手取りを決める要素③各種控除
税制上の各種控除は、国が定めた項目について、該当する金額を課税対象となる所得から差し引いて計算できる仕組みです。
生命保険料控除や医療費控除など、会社員と同じ項目の他、青色申告による控除など、全部で14種類の控除が存在します。詳細は後ほど説明します。
フリーランスの手取りを決める要素④税金・社会保険料
フリーランスの手取りに一番大きく影響するのが、税金と社会保険料です。
①年収から、②事業にかかった経費と③各種控除を差し引いた額を「課税所得」と呼びますが、④税金と社会保険料は、この「課税所得」をベースに計算されます。
年収や売上から差し引く額が多いほど税金が下がるため、フリーランスが手取りを多く残すには、②事業にかかった経費と③各種控除の活用が重要になります。
フリーランスの手取りに影響する税金と社会保険料
フリーランスの手取りにもっとも影響する税金と社会保険料について説明します。
フリーランスが納める必要のある税金は以下の4つです。
- 所得税
- 住民税
- 個人事業税
- 消費税
また、フリーランスが支払う必要のある社会保険料は以下の3つです。
- 国民健康保険料
- 国民年金保険料
- 介護保険料
それぞれについて説明します。
フリーランスが納めるべき税金①所得税
所得税は、所得に対してかかる「国税」です。
日本の所得税率は「超過累進税率」のため、所得が大きいほど所得税は増えます。
会社員と異なりフリーランスの場合は、毎年2〜3月に行われる確定申告で前年の所得を自ら申告し、納税します。
所得税の内訳は、「基準所得税」と「復興特別所得税」です。復興特別所得税は平成25年(2013年)から令和19年(2037年)まで時限的に徴収される所得税で、基準所得税額の2.1%です。
所得税の税率と金額
所得税は、1年間の所得が38万円以上ある人は、必ず支払う必要があります。
所得税(基準所得税)の金額は、年収から「事業にかかった経費」と「各種控除」を差し引いた額である「課税所得金額」に対して、下記のように一定の割合で掛かります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
参考:国税庁|タックスアンサー No.1000 所得税のしくみ
参考:国税庁|タックスアンサー No.2260 所得税の税率
フリーランスが納めるべき税金②住民税
住民税は、地域の公共サービス維持のために、住民が負担する「地方税」です。所得税と同じく、所得が多ければ多いほど負担は増えます。
住民税の内訳には「各都道府県民税」と「市区町村民税」があり、合算して住民税として納付します。
フリーランスの場合は、毎年2〜3月に確定申告をした内容をもとに住民税が決定し、5〜6月頃に自宅へ届く納付書で、自らが納付する流れです。
住民税の税率と金額
住民税の金額には「均等割」と「所得割」の2つがあります。
均等割は収入に関わらず支払い義務があり、所得割は前年の所得に対して一定の割合で課税されるものです。住民税の課税所得に10%を掛けた所得割の金額と、5,000円の均等割の合算を年4回に分けて支払います。
均等割(年額) | 均等割(年額) | |
都道府県民税 | 3,500円 | 6% |
市区町村民税 | 1,500円 | 4% |
合計 | 5,000円 | 10% |
参考:総務省|個人住民税
フリーランスが納めるべき税金③個人事業税
個人事業税は、事業を営む個人が都道府県に納める「地方税」です。
フリーランスの事業者が行う毎年の確定申告を元に、各自治体が計算を行い、金額が決まります。毎年8月頃に届く納付書に従って、一括もしくは年2回の分納で支払います。
個人事業税は、経費として計上することが可能です。また、事業主控除が年間290万円(営業期間が1年未満の場合は月割額)あるため、それ以上の所得がある場合のみ税負担があります。
個人事業税がかかる業種と税率
個人事業税の対象業種(法定業種)は70業種あり、業種により税率が3〜5%の間で決まっています。
第一区分 | 税率5% | 物品販売業、運送取扱業、料理店業、遊覧所業、保険業、船舶定係場業、飲食店業、商品取引業、金銭貸付業、倉庫業、周旋業、不動産売買業、物品貸付業、駐車場業、代理業、広告業、不動産貸付業、請負業、仲立業、興信所業、製造業、印刷業、問屋業、案内業、電気供給業、出版業、両替業、冠婚葬祭業、土石採取業、写真業、公衆浴場業(むし風呂等)、電気通信事業 、席貸業、演劇興行業、運送業、旅館業、遊技場業 |
第二区分 | 税率4% | 畜産業、水産業、薪炭製造業 |
第三区分 | 税率5% | 医業、公証人業、設計監督者業、公衆浴場業(銭湯)、歯科医業、弁理士業、不動産鑑定業、歯科衛生士業、薬剤師業、税理士業、デザイン業、歯科技工士業、獣医業、公認会計士業、諸芸師匠業、測量士業、弁護士業、計理士業、理容業、土地家屋調査士業、司法書士業、社会保険労務士業、美容業、海事代理士業、行政書士業、コンサルタント業、クリーニング業、印刷製版業 |
税率3% | あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復・その他の医業に類する事業、装蹄師業 |
文筆業、芸能人、スポーツ選手、画家などは上記の法定業種に含まれないため、課税対象となりません。
一方、エンジニア、Webライター、プログラマー、デザイナーなども法定業種には含まれませんが、仕事内容や契約内容によっては第一区分業種の「請負業」に分類され、納税義務が生じることもありますので注意しましょう。
参考:東京都主税局|個人事業税
フリーランスが納めるべき税金④消費税
消費税は、商品やサービスの取引に課税される「国税」です。消費税は、消費者が払った消費税を事業者が納めるのが特徴です。
フリーランスで、消費税の支払い義務があるのは以下2点に該当する場合です。
- 課税期間の基準期間(個人事業者は前々年)の売上が1,000万円以上
- 課税期間の特定期間(個人事業者はその年の前年の1月1日から6月30日までの期間)の売上が1,000万円以上
上記にあてはまらない人は免税事業者と呼び、その年は納税義務が免除されます。免税事業者であっても、仕事を受注する際に消費税を徴収することは可能です。
フリーランスの個人事業者は原則として確定申告を行うことで翌年の3月末日までに、消費税と地方消費税を併せて所轄税務署に申告・納付します。
インボイス制度による納税義務者の拡大
インボイス制度によって適格請求書発行事業者になる場合は、売上にかかわらず課税事業者として消費税の納税義務が生じます。
フリーランスが支払う社会保険料①国民健康保険料
個人事業主は会社員と異なり、自ら国民健康保険に加入する必要があります。また、国民健康保険には扶養の考え方がありません。そのため、扶養すべき家族がいれば、全員をそれぞれ国民健康保険に加入させなければなりません。
国民健康保険料は、加入者の前年度の所得と世帯の加入人数、各自治体によって定められた料率によって世帯ごとに計算されます。
会社員の加入する健康保険の保険料は会社と労働者が折半して負担しますが、国民健康保険料は全額が個人負担です。そのため、会社員時代に比べ割高になる傾向があります。国民健康保険料は、お住まいの市区町村役場などで試算してもらう事が可能です。
6月に1年分の保険料が通知され、6月から翌年3月までの10回(自治体によっては9回)に分けて支払います。一括納付などの制度もあります。
フリーランスが支払う社会保険料②国民年金保険料
国民年金も、会社員とフリーランスでは保険者区分が異なるため、保険料の負担が変わります。
国民年金保険料は、所得に関係なく一定の額を支払います。月々約17,000円前後で、毎年金額が決定します。令和4年度(2022年度)の金額は、1カ月あたり16,590円です。
毎年4月に自宅に通知が届き、4月からの12月分を毎月納付します。なお、各種前納制度があり、割引を受けられます。
参考:国民年金保険料|日本年金機構
参考:国民年金保険料の前納|日本年金機構
フリーランスが支払う社会保険料③介護保険料
40歳以上64歳以下の国民は、介護保険の第2号被保険者として介護保険料を納める必要があります。
保険料は居住している市区町村によって異なるため、自治体のホームページ等を確認しましょう。 被保険者が加入している健康保険や国民健康保険の保険料と併せて徴収されます。
フリーランスの手取りを増やすには節税が鍵
フリーランスの手取り金額を増やすには、以下の手取り額の基本計算のうち④の税金を低く抑えること、つまり節税が鍵となります。
手取り金額=(①年収ー②事業にかかった経費ー③各種控除)ー④税金
フリーランスが行うべき節税の基本は、以下の2つです。
- 「②事業にかかった経費」を適切に計上する
- 「③各種控除」を有効に利用する
それぞれについて説明します。
フリーランスの節税:事業にかかった経費を適切に計上する
フリーランスの節税では、まず事業にかかった経費を適切に計上することが基本です。
フリーランスの人が事業にかかった経費として計上できる出費には、以下のようなものがあります。
- クライアントとの打ち合わせに掛かった飲食代
- 業務のために購入した消耗品代(パソコンなどの機器、ソフトウェア、文房具など)
- 業務のための旅費交通費
- 仕入れた商品の原価
- スキルを上げるために通ったスクールの講座料金 など
また、自宅で仕事を行う場合、家賃、水道光熱費、通信費などの一部を、事業にかかる経費として計上することも可能です。「家事関連費の按分」と呼ばれ、プライベートと事業にかかった経費を使用状況等により按分します。
小さな経費でも適切に正しく計上すれば、課税所得が減ることになり、結果として所得税や社会保険料の額を抑える事ができます。
フリーランスの節税:各種控除を有効に利用する
フリーランスだけに限りませんが、税制上受けられる控除をできる限り活用することも、節税につながります。
税制上受けられる控除には2種類あります。
- 所得控除
- 税額控除
それぞれについて、概要を説明します。
所得控除
所得税額を計算する際、各納税者の個人的事情を加味するために設けられた制度です。所得税を算出する前に、年間所得から各種控除の合計額を差し引くことができます。
控除名 | 控除の概要 |
---|---|
雑損控除 | 自然災害や盗難、横領などによって自分もしくは扶養する配偶者等の資産に損害が出た場合に対象となる。詐欺や恐喝による損害は対象外。控除金額は指定の計算方法による。 |
医療費控除 | 自分もしくは扶養する配偶者等が払った医療費が1年間で10万円を超えた場合に対象となる。控除金額は指定の計算方法による。 |
社会保険料控除 | 自分もしくは扶養する配偶者等の社会保険料(国民健康保険、国民年金保険、介護保険など)を負担した人が対象となる。1年間で支払った全額が控除できる。 |
小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済掛金や確定拠出年金を支払った人が対象となる。iDeCoも対象になる。1年間で支払った全額が控除できる。 |
生命保険料控除 | 生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料を支払った人が対象となる。控除金額は加入している保険によって異なり、指定の計算方法による。 |
地震保険料控除 | 損害保険のうち、地震等による損害に掛かる保険料を支払った人が対象となる。控除金額は最高額は5万円で、指定の計算方法による。 |
寄附金控除 | 国や地方公共団体などに特定寄附金を払った人が対象となる。「ふるさと納税」も対象。控除金額は指定の計算方法による。 |
障害者控除 | 自分もしくは扶養する配偶者等が所得税法上の障害者に当てはまる場合に対象となる。控除される金額は27万円〜75万円の間で、障害者区分による。 |
寡婦控除 | 自分が寡婦であって、ひとり親控除の対象でない場合に対象となる。控除金額は27万円。 |
ひとり親控除 | 自分が所得税法上の「ひとり親」となる場合に対象となる。控除金額は35万円。 |
勤労学生控除 | 自分が勤労学生に該当する場合に対象となる。控除金額は27万円。 |
配偶者控除 | 自分の年間合計所得額が1,000万円以下で、年間合計所得が48万円以下の配偶者がいる人が対象となる。控除金額は13万円〜48万円の間で、配偶者の年齢や納税者の合計所得によって異なる。 |
配偶者特別控除 | 自分の年間合計所得額が1,000万円以下で、年間合計所得が48万円を超え133万円以下の配偶者がいる人が対象となる。控除される金額は1万円〜38万円の間で条件による。 |
扶養控除 | 配偶者以外で、16歳以上の合計所得が48万円以下の扶養家族がいる人が対象となる。控除される金額は、38万円〜58万円の間で条件による。 |
基礎控除 | 確定申告をすれば全員が対象となる。控除金額は0〜48万円の間で、自分の年間合計所得金額によって異なる。 |
各種控除の要件については、上記の他に詳細な定義があります。国税庁のホームページなどで最新の詳細をご確認ください。
参考:国税庁|タックスアンサーNo.1100 所得控除のあらまし
税額控除
税額控除とは、課税所得金額に税率を乗じて算出した所得税額から、一定の金額を控除するものです。
税額控除の主なものは、次のとおりです。
控除名 | 控除の概要 |
---|---|
配当控除 | 利益配当や基金利息、証券投資信託の利益分配等の配当所得がある場合に対象となる。控除金額は原則として、配当所得の金額の10%または5%に相当する額。 |
外国税額控除 | 日本で課税される所得の一部について、外国でも所得税などを納付した人が対象となる。控除金額は指定の計算方法による。 |
災害減免額控除 | 自然災害や火災などで住宅や家財に損害を受けた人が対象となる。所得控除の「雑損控除」とは併用できないため、どちらを適用させるか選ぶ必要がある。控除金額は状況や所得金額によって異なる。 |
源泉徴収税額控除 | すでに源泉徴収された売り上げがある場合に対象となる。控除金額は支払い済みの所得税と復興特別所得税の合計額。 |
住宅ローン控除 | 住宅ローンを組んで自宅を新築・購入・増改築した人が対象となる。ローン返済期間が10年以上、住宅の床面積が50㎡以上であることなどの条件がある。控除金額は住宅ローン残高をもとに指定の計算方法による。 |
参考:国税庁|タックスアンサーNo.1200 税額控除
参考:国税庁|タックスアンサー No.8004 災害を受けたときの所得税の取扱い
参考:国税庁|タックスアンサー No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
フリーランスの手取りは確定申告で決まる
フリーランスが本業の場合、最終的な手取り額は確定申告で決まります。
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日の1年間の個人の所得(収入から経費を引いた額)から所得税を算定し、所得税額を確定する手続きです。
フリーランスでの収益がほとんどないもしくは赤字でなければ、全員が確定申告が必要となります。
確定申告の方法は2種類
確定申告には白色確定申告と青色確定申告の2種類があります。
- 青色確定申告
- 白色確定申告
それぞれについて簡単に説明します。
青色確定申告
青色申告は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」と「開業届」を自分の居住地を管轄する税務署に提出し、承認を得た人が行う納税申告制度です。青色確定申告では、青色申告を行う事による控除が最大で65万円、最小で10万円受けられます。
青色申告は、原則として複式簿記で帳簿をつけることが義務付けられています。売上や経費など、日々の取引を「仕訳帳」と「総勘定元帳」に記録する必要があります。
さらに、確定申告の際には総勘定元帳をもとに、「損益計算書」と「貸借対照表」を作成します。それらの書類を確定申告書(B)や青色申告決算書、控除を証明する書類とともに提出します。
白色確定申告
青色申告を行う申請・承認を受けていない人が行います。青色申告と違い、申告方法による控除はありませんが、申告手続きが簡単にできます。
白色申告は簡易帳簿が認められており、青色申告に比べ、帳簿を取るのが簡便です。確定申告の際に提出する書類も、確定申告書(B)と収支内訳書、控除を証明する書類のみと、手間がかかりません。
フリーランスの手取りは青色申告で守る
フリーランスで生計を立てようとする場合、確定申告は青色申告を行いましょう。所得税の節税効果のみならず、住民税や社会保険料にも影響し負担を下げることができます。
青色申告は確定申告時の書類作成が大変ですが、今はさまざまなソフトがあります。家計簿をつける感覚で日々の取引を記録するだけで、自動的に書類を作成してくれるソフトがほとんどです。
フリーランスで効率よく手取りを稼げる年収とは
フリーランスで働く場合に、年収と納税額のバランスを考えた場合、一番効率がいいのは「所得税率が10%以下」もしくは「非課税」かつ「控除や手当が受けられる」額だと言われています。
ただし、国民年金の支払い有無、国民年金の受給有無でも年収と税額のバランスはずいぶん変わります。ミドル・シニアのフリーランスの場合は、所得の種類が複数に渡る場合も多いため、自分のケースを個別に計算してみることをお勧めします。
ここでは、参考までに一般的に効率が良いと言われている、下記2パターンについてそれぞれ説明します。
- 所得税・住民税を低く抑えられる年収600万円程度
- 個人事業税が非課税となる年間所得290万円未満
所得税・住民税を低く抑えられるのは年収600万円程度
年収が600万円程度であれば、経費や各種控除を適用すると所得税率と住民税率がともに税率10%になると言われています。
一方、年収700万円になると所得税・住民税の税率は20%に乗ってしまう事が多いため、税金の負担が大きくなります。
また、年収が高額になると、中には使用できない控除や、貰えない手当もあります。年収600万円の場合は、それらの制限が少ないこともポイントです。配偶者手当や児童手当も申請すれば受け取る事ができるでしょう。
個人事業税が非課税となる年間所得290万円未満
年間所得とは、フリーランスの事業によって得た年間収入から、必要経費を引いた額です。それが290万円未満になれば「個人事業税」の負担がありません。
フリーランスである程度稼ぐ場合で、少しでも納税額を低く抑えたい場合は、年間所得290万円以下を目指すことも可能です
まとめ:フリーランスになるなら年収と手取りの関係を理解しておきたい
フリーランスになると、会社員の頃とは収入と手取りの関係が大きく変わります。会社で行っていた年末調整もないため、確定申告も自分で行います。
一方、働き方や受ける仕事の内容など、自分の裁量で決められるのが大きな魅力です。フリーランスとして安心して充実した仕事ができるよう、年収と手取りの関係はぜひ理解しておきましょう。
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