確定拠出年金とは?iDeCoと企業型DCの違いを徹底解説
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確定拠出年金にはiDeCo(個人型確定拠出年金)と企業型DC(企業型確定拠出年金)の2つがあります。大きな違いは運営主体と掛金の負担者です。
この記事では、iDeCoと企業型DCの制度のあらましやそれぞれのメリットデメリットを解説します。また両者の違いをわかりやすいよう比較して紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
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- 【この記事を読んでわかること】
- 確定拠出年金には個人型(iDeCo)と企業型DCの2種類がある
- iDeCo(個人型確定拠出年金)と企業型DC(企業型確定拠出年金)の違い
- iDeCoと企業型DCの掛金の上限や加入条件など具体的な内容
- iDeCoと企業型DCのメリット・デメリット
確定拠出年金とは
確定拠出年金とは、個人や企業が自主的に積み立てる私的年金制度です。確定拠出年金には、iDeCo(個人型確定拠出年金)と企業型DC(企業型確定拠出年金)の2つがあります。
日本の公的年金には国民年金と厚生年金がありますが、確定拠出年金は公的年金の上乗せ部分となるものです。確定拠出年金に加入すると、老後にもらえる年金額が増えます。また、掛金が全額所得控除になるといった税制面での優遇措置も受けられます。
iDeCoと企業型DCの違い
iDeCoと企業型DCの最も大きな違いは、運営主体です。iDeCoは国民年金基金連合会、企業型DCは企業型確定拠出年金を導入する企業が運営しています。iDeCoは個人で加入しますが、企業型DCは企業の従業員が加入します。掛け金は、iDeCoの場合は加入者本人が、企業型DCの場合は会社が負担します。
iDeCoは自助努力型の資産形成で、企業型DCは福利厚生の一環であると言えます。企業によっては、企業型DCを退職金制度の一部としています。
iDeCoと企業型DCを徹底比較
iDeCoと企業型DCは、以下の項目に大きな違いがあります。
- 加入対象者
- 掛け金の上限額(拠出限度額)
- 運用商品
- 積立期間
- 税制優遇
- 加入手続
この項目では、それぞれについて両者を比較し解説します。
参考:iDeCo公式サイト
参考:厚生労働省 確定拠出年金制度の概要
加入対象者
iDeCo
20歳以上65歳未満で、国民年金の被保険者が対象です。被保険者ごとに加入条件が区分されています。
1.国民年金第1号被保険者
20歳以上60歳未満の自営業者やその家族、フリーランスなど(国民年金保険料の免除等を受けている人や農業者年金の被保険者は除く)。
2.国民年金第2号被保険者
会社員、公務員等で公的年金の受給権がない人(勤務先で企業型DCのマッチング拠出をしている場合などは除く)。
3.国民年金第3号被保険者
国民年金第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の人で、専業主婦(夫)などのこと。
4.国民年金の任意加入被保険者
60歳以上65歳未満で、国民年金の保険料の納付済期間が480月に達していない人。任意加入被保険者とは、60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていないなどの場合で、60歳以降も国民年金に加入している人のこと。
企業型DC
企業型確定拠出制度を導入している企業の社員であり、70歳未満の人が対象です。これまでは65歳未満が対象でしたが、法改正により2022年10月から70歳未満まで対象が拡大されました。
掛金の上限額(拠出限度額)
iDeCo
掛金の上限は被保険者区分ごとに定められています。
第1号被保険者
月額68,000円(年額81万6,000円)
第2号被保険者のうち、
企業年金に加入していない会社員 月額23,000円(年額27万6,000円)
企業型DCのみに加入している会社員 月額20,000円(年額24万円)
上記以外の会社員 月額12,000円(年額14万4,000円)
公務員 月額12,000円(年額14万4,000円)
第3号被保険者
専業主婦(夫)など月額23,000円(年額27万6,000円)
任意加入被保険者
月額68,000円(年額81万6,000円)
企業型DC
確定拠出年金の掛金については拠出限度額が法定されており、これを超える掛金拠出は認められません。限度額は企業型DCのみを採用(もしくは退職一時金か中退共を併用)している場合は月額55,000円、企業年金(DBもしくは厚生年金基金)を併用している場合は月額27,500円です。
運用商品
iDeCo
iDeCoの運用商品は申込みをした金融機関の商品から、加入者が自由に選びます。
企業型DC
企業が委託した金融機関で取り扱いのある商品から、加入者が選択します。
積立期間
iDeCo
国民年金の被保険者になった年齢から原則65歳まで積立できます。
企業型DC
企業型DCは厚生年金の被保険者となった年齢から、原則70歳まで積立が可能です。ただし、何歳まで積立(加入)できるかは所属する企業の規約によるため注意します。
税制優遇
iDeCo
拠出した掛金は全額所得控除の対象です。運用して出た利益は全額非課税となります。
受け取る際にも公的年金控除や退職所得控除といった税制優遇措置が受けられます。
企業型DC
加入者が負担する掛金があれば全額所得控除の対象です。企業型DCの運用益も全額非課税です。年金で受け取る際は公的年金控除、一時金で受け取る際は退職所得控除の税制優遇が受けられます。
加入手続き
iDeCo
個人で金融機関(運用管理機関等)を選択し、加入手続きを行います。
企業型DC
企業が委託した運営管理機関に加入手続きを行います。
項目 | iDeCo | 企業型DC |
---|---|---|
加入対象者 |
20歳以上65歳未満で、国民年金の被保険者が対象 1.国民年金第1号被保険者 2.国民年金第2号被保険者 3.国民年金第3号被保険者 4.国民年金の任意加入被保険者 |
企業型確定拠出制度を導入している企業の社員であり、70歳未満の人が対象 |
掛金の上限額(拠出限度額) |
掛金の上限は被保険者区分ごとに定められている 第2号被保険者のうち、 第3号被保険者 任意加入被保険者 |
企業型DCのみ採用(もしくは退職一時金か中退共を併用)している場合 企業年金(DBもしくは厚生年金基金)を併用している場合 |
運用商品 | 加入者自身が申込みをした金融機関の商品から選択 | 企業が委託した金融機関で用意された商品から、加入者が選択 |
積立期間 | 国民年金の被保険者になった年齢から原則65歳まで | 厚生年金の被保険者となった年齢から原則70歳までただし、何歳まで積立できるかは企業の規約による |
税制優遇 |
拠出した掛金は全額所得控除 |
加入者が負担する掛金については全額所得控除 |
加入手続き | 個人で金融機関(運用管理機関等)を選択する | 企業が委託した運営管理機関のみ |
iDeCoに加入するメリット・デメリット
iDeCoに加入する3つのメリットと2つのデメリットを紹介します。
iDeCo加入のメリット
掛金が全額所得控除され節税になる
iDeCoで拠出した掛金は全額所得控除の対象です。拠出した掛金の年間総額を所得から差し引けるため、その分、所得税や住民税が軽減されます。
年収や掛け金によって節税額は異なりますが、積立期間中はずっと控除されるため、高い節税効果を得られます。
運用益が非課税になる
iDeCoの運用によって得た利益は非課税です。通常の資産運用では運用益に対し20.315%課税されるため、税金がかからないのは大きなメリットと言えます。
受け取る際も税制の優遇を受けられる
iDeCoを年金で受け取る場合、公的年金等控除の対象です。
また、一時金として受け取った場合には退職所得控除が適用され、一定額まで非課税となる優遇措置が受けられます。
iDeCoに加入するデメリット
加入期間によって受け取り開始年齢が異なる
iDeCoは加入期間によって受け取り開始の年齢が決められています。例えば、60歳から受給したい場合、10年以上の加入期間が必要です。そのためこのケースでは、遅くとも50歳になる前に加入する必要があります。
ただし、60歳以上で初めてiDeCoに加入した場合、加入から5年を経過した日から受給できるなど、例外もあります。
各加入期間ごとの受け取り開始年齢は以下表を参考にしてください。
通算加入者等期間 | 受給開始年齢 |
---|---|
10年以上 | 60歳 |
8年以上10年未満 | 61歳 |
6年以上8年未満 | 62歳 |
4年以上6年未満 | 63歳 |
2年以上4年未満 | 64歳 |
1月以上2年未満 | 65歳 |
出典:iDeCo公式サイト|iDeCoの仕組み 受給開始年齢より作成
加入や運用の手数料が自己負担
iDeCoは個人で申込みを行う私的年金のため、口座開設や運用に必要な手数料は全額自己負担です。開設手数料に数千円、口座維持手数料に毎月数百円が相場です。
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企業型DCに加入するメリット・デメリット
企業型DCに加入するメリット・デメリットはそれぞれ2つあります。
企業型DCに加入するメリット
企業からの掛金で運用できる
企業が拠出する掛金を元手に、社員一人ひとりの資産運用ができることが最大のメリットです。運用した利益が非課税になる税制の優遇措置も受けられるため、企業型DCで積極的に資産形成をする人も多くいます。
社員が拠出した掛金の全額が所得控除の対象
社員が拠出する掛金は全額所得控除の対象です。企業型DCでは、会社が拠出する掛け金に加え、加入者本人が掛け金を上乗せして拠出できます。この仕組みをマッチング拠出制度と呼びます。自社で導入があるかは規約で確認できます。
マッチング拠出制度によって拠出する掛け金は、全額小規模企業共済等掛け金控除の対象です。給与から控除されるため、所得税や住民税の節税になります。
企業型DCに加入するデメリット
将来の公的年金額や現役世代の保険給付が減る可能性がある
企業型DCの中には、社員の給与などの一部を掛金として拠出する選択制DCと呼ばれる仕組みがあります。企業が選択制DCを採用している場合、将来受け取れる厚生年金額のほか、出産手当金や傷病年金などの現役世代が受け取れる保険給付が少なくなる可能性があります。
給与の一部を掛金として拠出しているため社員の標準報酬月額の等級が低くなり、毎月納める社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)が減るためです。
社会保険料の減少は、将来受け取れる厚生年金額や現役世代が受け取れる保険料給付の金額に影響します。この点がデメリットと言えるでしょう。
運用商品の選択肢が限られている
企業型DCは、委託している金融機関が選定した運用商品の中から選択するため、選択肢が限られます。iDeCoに比べて、資産運用の選択肢が限られている点がデメリットです。
iDeCoと企業型DCが併用可能に
法改正により、2022年10月から、iDeCoと企業型DCの併用が可能になりました。企業型DCに加入している人であれば、原則、iDeCoと併用できます。
ただし、既にマッチング拠出を拠出している場合や企業の掛金が上限額に達している場合などは併用できません。また、併用したとしても上限額が増えるわけではないので注意が必要です。
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ライフプランや資金計画に不安がある場合、プロであるFP(ファイナンシャルプランナー)への相談がおすすめです。
FPは、相談者の現状やライフスタイルにあわせて最適な資金計画、資産運用や節税などの具体的なアドバイスを提供してくれます。
将来に漠然とした不安を抱えるのは辛いものです。
まずは現状を把握し、どのような対策が必要なのかを相談してみましょう。
多くのFP相談サービスがありますが、迷った場合は大手リクルートが運営する『保険チャンネル 』への相談がおすすめです。
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まとめ:iDeCoと企業型DCの違いを理解して自分の人生プランに合った資産形成を
iDeCoも企業型DCも、自己責任による資産運用という点は共通しています。iDeCoと企業型DCの違いは、加入対象者、掛金の上限額などです。
掛金の違いは将来受け取れる金額の差につながります。それぞれのメリット・デメリットやリスクを理解し、自分のライフプランにあった資産形成をしていくことが重要です。
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