70歳からの年金受け取りで支給額が増える!仕組みや手続き方法とは
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繰り下げ受給制度を利用することで、70歳から年金が受け取れます。
本来は65歳で受け取る年金ですが、70歳から受け取ることで支給額が増加します。
しかし、70歳からの受給で損はしないのか、具体的にどれくらい年金が増えるのかなど気になる点も多いでしょう。
本記事では、70歳からの年金支給額について仕組みや手続き方法などを解説します。
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- 【この記事を読んでわかること】
- 繰り下げ受給制度を利用すれば70歳から年金が受け取れる
- 70歳から年金を受け取れば、65歳から受給するよりも年金額が増える
- 65歳以降も働く予定がある、長生きすると考えている人は70歳からの年金受給がおすすめ
年金は70歳で受け取れば支給額が増える
年金は繰下げ受給制度を利用することで、70歳から受け取ることが可能です。繰下げ受給では、66歳以降〜75歳のあいだの希望する時期で年金が受け取れ、繰り下げた期間分だけ支給額が増加します。増額した割合は、一生変動しない点が特徴です。そのため、年金を70歳で受け取れば支給額は増加し、その増加分は年金を受け取るあいだずっと変わりません。繰下げ受給は国民年金と厚生年金の両方に対応しており、同時に繰下げる・別々に繰下げることもできます。
なお、特別支給の厚生年金、遺族年金、障害年金は繰下げ受給の対象外です。
繰り下げ受給の年金支給額の増加率は最大84%
繰下げた期間に応じて支給額が増加する繰下げ受給ですが、その増加率は最大84%です。ただし、2022年時点で70歳以降の人(昭和27年4月1日以前生まれの人)の増加率は繰下げ上限年齢の関係により、増加率は最大42%となります。 年金支給額の増加率は、下記計算式で求められます。
※65歳に達した日は、65歳の誕生日の前日 例:4/1生まれは3/31
増加率=0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数 |
繰下げ受給では、本来の支給額に0.7%が加算されます。
70歳からの年金支給額の増加率は最大49.7%
繰下げ受給による年金支給額の増加率は、その年齢になってからの月数によって変動します。下記は、年齢と月数に応じた年金支給額の増加率です。
※単位:%
請求時の年齢 | 0ヶ月 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 7ヶ月 | 8ヶ月 | 9ヶ月 | 10ヶ月 | 11ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
66歳 | 8.4 | 9.1 | 9.8 | 10.5 | 11.2 | 11.9 | 12.6 | 13.3 | 14.0 | 14.7 | 15.4 | 16.1 |
67歳 | 16.8 | 17.5 | 18.2 | 18.9 | 19.6 | 20.3 | 21.0 | 21.7 | 22.4 | 23.1 | 23.8 | 24.5 |
68歳 | 25.2 | 25.9 | 26.6 | 27.3 | 28.0 | 28.7 | 29.4 | 30.1 | 30.8 | 31.5 | 32.2 | 32.9 |
69歳 | 33.6 | 34.3 | 35.0 | 35.7 | 36.4 | 37.1 | 37.8 | 38.5 | 39.2 | 39.9 | 40.6 | 41.3 |
70歳 | 42.0 | 42.7 | 43.4 | 44.1 | 44.8 | 45.5 | 46.2 | 46.9 | 47.6 | 48.3 | 49.0 | 49.7 |
71歳 | 50.4 | 51.1 | 51.8 | 52.5 | 53.2 | 53.9 | 54.6 | 55.3 | 56.0 | 56.7 | 57.4 | 58.1 |
72歳 | 58.8 | 59.5 | 60.2 | 60.9 | 61.6 | 62.3 | 63.0 | 63.7 | 64.4 | 65.1 | 65.8 | 66.5 |
73歳 | 67.2 | 67.9 | 68.6 | 69.3 | 70.0 | 70.7 | 71.4 | 72.1 | 72.8 | 73.5 | 74.2 | 74.9 |
74歳 | 75.6 | 76.3 | 77.0 | 77.7 | 78.4 | 79.1 | 79.8 | 80.5 | 81.2 | 81.9 | 82.6 | 83.3 |
75歳 | 84.0 |
70歳になった月(0ヶ月)は42.0%に対し、誕生日前月(11ヶ月)では49.7%です。つまり同じ70歳でも、月数が経ってからの方が支給額が増加します。
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繰り下げ受給した70歳の年金支給額一覧
厚生労働省「令和2年 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70歳の国民年金・厚生年金の平均支給額は下記のとおりです。
国民年金 | 厚生年金 |
---|---|
5万7,234円 | 14万3,775円 |
出典:厚生労働省「令和2年 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
ここでは平均支給額を参考に、70歳からの年金支給額の増加率をみていきます。
【国民年金】繰り下げ受給した70歳の年金支給額
下記は70歳の国民年金の平均支給額5万7,234円で計算した、繰下げ受給して70歳から年金を受け取った場合の年金支給額です。
増加率(%) | 加算額(円) | 支給額(円) | |
---|---|---|---|
70歳0ヶ月 | 42.0 | 24,038 | 81,272 |
70歳1ヶ月 | 42.7 | 24,438 | 81,672 |
70歳2ヶ月 | 43.4 | 24,839 | 82,073 |
70歳3ヶ月 | 44.1 | 25,240 | 82,474 |
70歳4ヶ月 | 44.8 | 25,640 | 82,874 |
70歳5ヶ月 | 45.5 | 26,041 | 83,275 |
70歳6ヶ月 | 46.2 | 26,442 | 83,676 |
70歳7ヶ月 | 469 | 24839 | 82073 |
70歳7ヶ月 | 46.9 | 26,842 | 84,076 |
70歳8ヶ月 | 47.6 | 27,243 | 84,477 |
70歳9ヶ月 | 48.3 | 27,644 | 84,878 |
70歳10ヶ月 | 49.0 | 28,044 | 85,278 |
70歳11ヶ月 | 49.7 | 28,445 | 85,679 |
70歳0ヶ月と11ヶ月の加算額の差は、4,407円です。同じ70歳でも、0ヶ月と11ヶ月で支給額に年間52,884円の差が発生します。
【厚生年金】繰り下げ受給した70歳の年金支給額
下記は70歳の国民年金の平均支給額14万3,775円で計算した、繰下げ受給して70歳から年金を受け取った場合の年金支給額です。
増加率(%) | 加算額(円) | 支給額(円) | |
---|---|---|---|
70歳0ヶ月 | 42.0 | 60,386 | 204,161 |
70歳1ヶ月 | 42.7 | 61,392 | 205,167 |
70歳2ヶ月 | 43.4 | 62,398 | 206,173 |
70歳3ヶ月 | 44.1 | 63,405 | 207,180 |
70歳4ヶ月 | 44.8 | 64,411 | 208,186 |
70歳5ヶ月 | 45.5 | 65,418 | 209,193 |
70歳6ヶ月 | 46.2 | 66,424 | 210,199 |
70歳7ヶ月 | 46.9 | 67,430 | 211,205 |
70歳8ヶ月 | 47.6 | 68,437 | 212,212 |
70歳9ヶ月 | 48.3 | 69,443 | 213,218 |
70歳10ヶ月 | 49.0 | 70,450 | 214,225 |
70歳11ヶ月 | 49.7 | 71,456 | 215,231 |
70歳0ヶ月と11ヶ月の加算額の差は、11,070円です。0ヶ月と11ヶ月で支給額に年間132,840円の差が発生します。厚生年金になると、国民年金よりも額が大きいため加算額の差もかなり増加することがわかります。
65歳の年金支給額より最大約7万円得
厚生労働省「令和2年 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳の国民年金・厚生年金の平均支給額は下記のとおりです。
国民年金 | 厚生年金 |
---|---|
5万7,919円 | 14万5,337円 |
出典:厚生労働省「令和2年 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
65歳の平均支給額は、70歳よりもやや高めです。しかし、繰下げ受給して70歳から年金を受け取った場合と比較すると、下記のような差となります。
65歳の国民年金支給額との差額 (円) |
65歳の厚生年金支給額との差額 (円) |
|
---|---|---|
70歳0ヶ月 | 23,353 | 58,824 |
70歳1ヶ月 | 23,753 | 59,830 |
70歳2ヶ月 | 24,154 | 60,836 |
70歳3ヶ月 | 24,555 | 61,843 |
70歳4ヶ月 | 24,955 | 62,849 |
70歳5ヶ月 | 25,356 | 63,856 |
70歳6ヶ月 | 25,757 | 64,862 |
70歳7ヶ月 | 26,157 | 65,868 |
70歳8ヶ月 | 26,558 | 66,875 |
70歳9ヶ月 | 26,959 | 67,881 |
70歳10ヶ月 | 27,359 | 68,888 |
70歳11ヶ月 | 27,760 | 69,894 |
70歳から年金を受給した場合、65歳での受給と比較すると最大約7万円の差があります。つまり、月の支給額だけでみれば国民年金で最大約3万円、厚生年金で最大約7万円支給額がアップします。
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繰り下げ受給の損益分岐点は受給開始から12年目
繰下げ受給には損益分岐点があり、受給開始から12年目が一般的なラインです。
厚生労働省「令和2年 厚生年金保険・国民年金保険事業の概況」によると、65〜69歳の厚生年金の平均年金月額は143,069円。つまり、65歳から年金を受給した場合の年間支給額はおよそ170万円です。下記で年間支給額170万円をベースに、受給開始年齢70歳までの各年齢の累計年金支給額です。
※単位:万円
※受給開始は各年齢の0ヶ月からで計算
受給開始年齢 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
65歳〜 | 66歳〜 | 67歳〜 | 68歳〜 | 69歳〜 | 70歳〜 | |
65歳 | 170 | – | – | – | – | – |
66歳 | 340 | 184.28 | – | – | – | – |
67歳 | 510 | 368.56 | 198.56 | – | – | – |
68歳 | 680 | 552.84 | 397.12 | 212.84 | – | – |
69歳 | 850 | 737.12 | 595.68 | 425.68 | 227.12 | – |
70歳 | 1020 | 921.40 | 794.24 | 638.52 | 454.24 | 241.4 |
71歳 | 1190 | 1105.68 | 992.8 | 851.36 | 681.36 | 482.8 |
72歳 | 1360 | 1289.96 | 1191.36 | 1064.2 | 908.48 | 724.2 |
73歳 | 1530 | 1474.24 | 1389.92 | 1277.04 | 1135.6 | 965.6 |
74歳 | 1700 | 1658.52 | 1588.48 | 1489.88 | 1362.72 | 1207 |
75歳 | 1870 | 1842.80 | 1787.04 | 1702.72 | 1589.84 | 1448.4 |
76歳 |
2040
|
2027.08 | 1985.6 | 1915.56 | 1816.96 | 1689.8 |
77歳 | 2210 |
2211.36
|
2184.16 | 2128.4 | 2044.08 | 1931.2 |
78歳 | 2380 | 2395.64 |
2382.72
|
2341.24 | 2271.2 | 2172.6 |
79歳 | 2550 | 2579.92 | 2581.28 |
2554.08
|
2498.32 | 2414 |
80歳 | 2720 | 2764.20 | 2779.84 | 2766.92 |
2725.44
|
2655.4 |
81歳 | 2890 | 2948.48 | 2978.4 | 2979.76 | 2952.56 |
2896.8
|
82歳 | 3060 | 3132.76 | 3176.96 | 3192.6 | 3179.68 | 3138.2 |
83歳 | 3230 | 3317.04 | 3375.52 | 3405.44 | 3406.8 | 3379.6 |
84歳 | 3400 | 3501.32 | 3574.08 | 3618.28 | 3633.92 | 3621 |
85歳 | 3570 | 3685.60 | 3772.64 | 3831.12 | 3861.04 | 3862.4 |
損益分岐点となるのは、65歳から受給開始した場合の累計支給額を上回ったポイントです。つまり70歳から年金を受け取った場合に、65歳から受給している人の累計支給額を上回るのは81歳になります。
繰り下げ受給してもすぐにメリットがあるわけではない
各年齢において、受給開始から12年目で65歳から年金を受け取った場合の累計支給額を上回ります。つまり、繰下げ受給のメリットが発揮されるのは、累計支給額が65歳受給開始を上回ってからです。月の支給額自体が増加するため、一見するとメリットしかないように思えますが、累計支給額で考えるとすぐにメリットがあるわけではありません。
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70歳から年金を受給するメリット・デメリット
70歳から年金を受給するメリットだけでなく、デメリットも押さえることがポイントです。
70歳から年金を受給するメリット
|
最大のメリットは、70歳で繰下げ受給した時点の増加率が年金を受給するあいだは一生変動しない点です。その分だけ支給額が増え、65歳から年金受給した時よりも手取りがアップします。
70歳から年金を受給するデメリット
|
70歳から年金を受け取った場合の損益分岐点は81歳です。月の支給額が増えても、81歳にならないと65歳から受給した場合の累計支給額は上回りません。つまり70歳から受給開始し、81歳以前に死亡してしまうと累計では損するということです。また、支給額が増加した分、社会保険料や税金が増える、加給年金が受け取れなくなるデメリットもあります。
70歳から年金を受給するのに向いている人
下記のような人は、70歳からの年金受給に向いています。
65歳以降も働く予定がある
65歳以降も働き、安定的な収入があれば年金がなくても生活できるでしょう。年金をすぐに受給しなくても良い場合には、70歳から受給することで65歳から年金受給するよりも支給額が最大49.7%増加します。
長生きすると考えている
繰下げ受給では増加率が一生変わらないため、長生きすればするほど支給額が上がり続けて得します。70歳から受給する場合、81歳以降長く生きるほどメリットが享受できます。
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70歳から年金を受け取る場合の手続き方法
70歳から年金を受け取りたい場合、70歳中の希望する時期に自分で手続きします。手続きは、お近くの年金事務所や街角の年金相談センターへ繰下げ請求書を提出するだけです。
増加率は70歳0ヶ月と11ヶ月で7.7%の差があるため、できるだけ支給額を増やしたいのであれば70歳11ヶ月での手続きが良いでしょう。なお、増加率は手続きを行った時点で決定します。
70歳からの年金支給額は最大49.7%増える!
70歳から年金を受け取ることで、65歳から年金を受け取るよりも支給額は最大49.7%増加します。しかし、累計支給額で考えると、70歳から年金を受給して得するのは81歳からです。月額では支給額が増加するため一見お得に感じますが、累計で考えるとすぐに支給額が増えているわけではない点に要注意です。
そのため、81歳以降も長生きすると考えている、65歳以降も働く予定がある人は70歳からの年金受給がおすすめといえます。本記事を参考に、ご自身の年金支給予定額や繰下げ受給のメリット・デメリットを踏まえて70歳に繰下げるかを検討してみましょう。
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日本の年金制度では、原則65歳から受給資格を満たしている場合にすべての人が年金を受け取ることができます。しかし、必ずしも満額受給できる
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