【将来性はある?】PMO派遣の役割や活躍シーン、市場動向を徹底解説!
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PMO派遣という仕事の形態をご存じでしょうか。
大規模プロジェクトやプロジェクト群の並走時に必要とされるPMOですが、一部ではその形態がPMO派遣と揶揄されることもあります。
今回の記事では、PMO派遣の存在意義や活躍できるシーンに加え、今後の展望を紹介します。
いまPMOをやっている人、これからPMOをやってみたい人はぜひご一読ください。
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- 【この記事を読んでわかること】
- PMO派遣はクライアントのシステム開発プロジェクト推進を支援する立場
- PMOはプロジェクトを俯瞰してリスクを適切に把握し、迅速な課題解消がミッション
- PMO派遣の活用時は事前・事後の評価軸を定めることが成功のコツ
- PMO派遣は今後20年程度は持続する業態と見込まれている
PMO派遣とは何か?
そもそもPMO派遣とはなにか、イメージがつかない人もいるのではないでしょうか。
PMO派遣をひとことで表すならば、”システム開発プロジェクトを推進するためにPMOを派遣すること”です。
よくPM(Project Manager)と混同されがちですが、PMはプロジェクト全体の品質に責任を持つ必要があるのに対し、PMOの責任範囲は”プロジェクトの円滑な推進”と異なる点に注意しておきましょう。
なぜPMO派遣をするのか、以下3つの観点から解説します。
- PMO派遣の基本的な役割と目的
- PMO派遣のプロジェクトへの価値と貢献
- PMO派遣のメリットとビジネスへの影響
PMO派遣の基本的な目的と役割
PMOとは”Project Management Office”の略で、システム開発プロジェクトの推進を第1義として存在する組織のことです。
それをもとにPMO派遣の仕事をそれぞれ紹介します。
PMO派遣の目的
PMO派遣とは、PMOのクライアント先への派遣を指すため、目的は”クライアントのシステム開発プロジェクトを推進すること”です。
おもにSIerやITコンサルティング業界で行われる仕事の1つであり、事業会社などのシステム開発現場に推進役として参画します。
PMOはプロジェクトの交通整理を行い、QCDを守りながら無事システム開発をリリースできれば任務達成です。
PMO派遣の背景
プロジェクト推進を目的とするPMO派遣ですが、派遣が行われる背景はさまざまです。
PMO派遣が発生するケースとしては、多数のプロジェクトが並走して行われ、かつそれらすべてを管理する必要があるときが挙げられます。
ほかにも、重大な検討漏れやクライアントとの関係悪化などを起因とするプロジェクトの深刻な遅延が発生したとき、つまり案件が炎上しているときです。
どんな場面であれ、PMOが遂行する業務は変わりませんが、PMOが必要とされるのは難易度の高い局面が多いと覚えておくのがよいでしょう。
PMO派遣の役割
PMO派遣の役割はプロジェクトの交通整理です。
PMOが活躍しなければいけない局面は、顧客や現場が混乱していることが多いです。
そんなときにPMOは、なにが原因でプロジェクトの推進に悪い影響を出しているのか、原因究明と対策立案がミッションとなります。
課題が山積していて手が付けられないのであれば優先度付けをしたり、クライアントと折衝してプロジェクトを分割して、いくつかの要件を次フェーズに先送りする場合もあるでしょう。
散らかった現場を収拾するのがPMOの役割です。
PMO派遣のプロジェクトへの価値と貢献
PMO派遣の価値とプロジェクトへの貢献度は、プロジェクトの穏やかさと反比例の関係です。
順調な案件ではPMOが活躍する機会はあまり多くなく、炎上している案件では価値が高まります。
価値が高まる理由を、以下2つの観点からみていきましょう。
情報の収集と事態の整理
まずPMO派遣が行われた場合、プロジェクトの現状を押さえるのが急務です。
特に炎上案件であれば事態はひっ迫しているため、急いで現場から情報を吸い上げてキャッチアップする必要があります。
そもそも、プロジェクトで発生している課題の状況、スタックしている原因個所を短期間で把握するのは至難の業です。
プロジェクトの現状を的確に把握し、筋道立てた事態の整理と対策の立案までできるPMOであれば、現場からありがたがられることは間違いありません。
ステークホルダー折衝
PMOにとって、ステークホルダーの利害関係調整も仕事のひとつです。
たとえば炎上案件にPMOとして派遣されたとします。
プロジェクトが抱える課題の内容によっては、追加で予算や人員が必要になったり、リリース時期を変更したり、要件を先送りするなど多くの調整が必要です。
大規模プロジェクトともなればステークホルダーも複数存在し、それぞれの利害が相反していることも多いです。
追加予算を誰が確保するのか、リリース時期を変更したらうちの部署のシステムに影響が及ぶからダメだなど、参画者が増えるほど検討すべき要素が増えます。
こういった難局でも、くじけることなく各ステークホルダーと折衝を重ね、それぞれの立場や思いを理解しながら、どうにか妥協点を探っていくのもPMOの重要な役割です。
複雑な事態を収拾できれば、プロジェクトもうまく進んでいくため、PMOとしての価値や貢献度も高まっていきます。
PMO派遣のメリットとビジネスへの影響
3つ目はPMO派遣によるビジネスインパクトです。
以下2つの観点で確認していきましょう。
PMO派遣のメリット
PMO派遣のメリットは、”プロジェクト推進の円滑化”です。
上で述べたとおり、システム開発プロジェクトは万事うまくいくことはありません。
開発プロジェクト全体の2~3割のプロジェクトが、QCDいずれかでユーザー満足度を満たせていない、すなわちプロジェクトが失敗しています。
PMO派遣のメリットは、この問題点を解消できる可能性があることです。
PMOを派遣する際は、プロジェクト推進のスキルが重要視されますが、それと同程度に携わるプロジェクトの業務理解度も勘案されます。
炎上しているプロジェクトであれば、一刻も早いリカバリーが求められるため、業界の知識が深いほどキャッチアップも早まり価値を発揮しやすいためです。
プロジェクトの全体整理を行うことができ、なおかつ課題の速やかな解消も請け負ってくれるのがPMO派遣を利用する大きなメリットとなります。
ビジネスへの影響
PMO派遣がもたらすメリットを踏まえれば、ビジネスへの影響はポジティブなものと理解できます。
プロジェクト管理は固有のスキルが求められるため、ソツなくこなすとなると難易度が高い業務です。
特に、”予兆管理”を行える人は非常に優れたPMOになれます。
PMBOKではリスクマネジメントともいわれます。
たとえば今後設計書のレビューをする予定のA課長が、有識者として他のプロジェクトへの関与度を高めている状況があるとしましょう。
PMOは、こういったキーパーソンとなる人物の業務多寡を押さえ、現時点では大丈夫だが今後作業遅延の原因になるかもしれない要素へ対応するのが予兆管理です。
予兆管理は、おもに工場など製造業での事故を防ぐために生まれた概念ですが、プロジェクト管理にもあてはめることができます。
プロジェクトには膨大な人員や予算が費やされ、うまくいかなければ追加でコストが嵩むものです。
予定していなかった出費は、部署や会社の収支を悪化させ、ひいては株主からの信頼も損なう可能性があります。
こういった悪影響を未然に防止し、ビジネス目標を達成するサポート足りうるのが、PMO派遣を利用する最大の好影響です。
以上、PMO派遣の基礎である役割やメリットを解説しました。
初めてPMOを務める人であれば、以下の記事も参考になるのでぜひご一読ください。
PMOを初めて担当する人が知るべきことは?|初心者PMOへのアドバイス
初めてPMOを担当する人は、その役割や仕事内容に不安があるのではないでしょうか。PMOをこれからはじめる人は、まずプロジェクトマネジメントの
続いてより詳細なPMOに求められるスキルの詳細をみていきましょう。
PMO派遣に求められる重要スキル
PMOに要求される目的を理解したところで、続いて求められるスキルの詳細を解説します。
求められるものは、おもに以下3つのスキルです。
- プロジェクト俯瞰スキル
- プロジェクト文書管理と報告能力
- リスク管理と課題解決の専門知識
詳しくみていきましょう。
プロジェクト俯瞰スキル
PMOとして最も重要なスキルは、”プロジェクト全体を俯瞰するスキル”です。
少し定性的なスキルですが、多くのシステム開発実績に基づく現場的な直観は、円滑なプロジェクト推進に不可欠な要素となります。
たとえば、金融機関の決済システムの刷新プロジェクトにPMOとして参画したとしましょう。
決済システムの改修の場合、大きな問題が発生する可能性が高いのは外部システムとの結合テストです。
連携項目の形式が違っていたり、現行のシステムでは特定項目に対して相手先で変換して取り込んでいたりするなど、実際にシステムをつないでテストをしてみると想定外の事象がよく起きます。
また、外部システムのテスト環境の調整に1カ月を要するなど、思ったより時間がかかることもザラです。
こういった知識を背景に、そもそも外部システムの担当者が参画していなければプロジェクトオーナーへ巻き込みを提案したり、参画していても関与度が低ければ積極的にコミュニケーションをとる必要があります。
このようにプロジェクト全体を俯瞰し、問題が発生しそうな箇所へ事前に対策を打てているか確認するのはPMOとして非常に重要なスキルです。
プロジェクト文書管理と報告能力
続いてPMOに求められるのは、レポーティングに付随する文書管理および報告スキルです。
PMOはプロジェクト全体を管理し、場合によっては部長や役員などのマネジメント層に進捗を報告する義務があります。
この業務を遅滞なく行うためには、各種の報告文書を整然と管理運用していくことが重要です。
代表的な文書に、WBS(Work Breakdown Structure)があります。
複数部署に対して進捗の記入を依頼するのであれば、更新箇所を黄色い網掛けにしたり大きい枠を用意しておくなど、誰が見てもすぐに更新箇所がわかるつくりにしましょう。
週に1度は更新する運用を確立するなども、有効な手段でしょう。
必要資料が適切に更新される仕組みを作ることで、マネジメント層へのレポーティングが非常に楽になります。
上記のWBSから必要な計数を取得し、全体の課題数や前回報告からの進捗状況をグラフ化してくれるマクロを組んでおくのも効果的です。
統一されたフォーマットを持っておけば、必要事項を抜け漏れなく報告できるため、役員などからの評価もよくなります。
PMOは、役割上コミュニケーションをとる相手の数が多くなりやすいため、仕組み化を活用して効率的な業務を意識しましょう。
リスク管理と課題解決の専門知識
3つ目は、リスクや課題を解消するための専門知識です。
代表的なのが、PMBOKやISO31000に代表されるフレームワークの活用です。
フレームワークとは、考えるべき要素の抜け漏れがないかを発見するための思考ツールを指します。
ほかにも、IPAが公表している文書から得られる学びは多いです。
”個別リスク事象ドライバー記述書”は、システム開発工程でリスクの芽となりうるパターンを事象ベースに記載しています。
注意すべき項目をチェックリストとして掲載しているため、いまPMOとして直面している事態がそれにあてはまるかどうかも簡易的に確認可能です。
特に、事態を複雑にしている要素が複数ある場合、こういった知識は効果的に作用します。
コミュニケーションに問題があるのか、検討の深さがそもそも足りなかったのか、外部要因によるものなのかなど、複雑に絡み合った事象をひとつずつ紐解く手がかりとなります。
フレームワークは先人たちがさまざまな事例を分析し、今後同じトラブルが発生しないようにまとめあげた知の結晶です。
こういった知識を押さえておけば、優秀なPMOとして活躍できることでしょう。
以上、PMO派遣として求められる重要スキルを3つ紹介しました。
次は少し視点を変えて、PMO派遣を利用するクライアント側の目線で解説していきます。
PMO派遣の採用と成功のポイント
なにかサービスを利用する際、利用する側もある程度の知識が必要となりますがPMO利用もその例外ではありません。
PMO派遣を利用したくなった際に必要な観点は以下3つです。
- PMO派遣のプロセスと方法論
- PMO派遣のプロジェクト選定とマッチング
- PMO派遣の成果評価と改善戦略
詳しくみていきましょう。
PMO派遣のプロセスと方法論
まずはどのようにPMOを利用すべきかの観点です。
漫然と、とりあえずPMOを外部から調達する場合、ムダなコストが嵩んでしまいます。
PMO派遣利用時は以下のステップで臨みましょう。
- PMO派遣の相場を知る
- PMO派遣の必要基準を設ける
- PMO利用後の評価基準を定める
PMO派遣利用の相場を知る
サービスを利用する際は、相場の理解がなによりも重要です。
依頼したいプロジェクトの難易度や期間、必要な稼働時間を踏まえて、それらをベースに相場を勘案したら、だいたいいくらくらいになるかアタリをつけましょう。
具体的な作業内容によっても、対応できるPMOとそうでないPMOがいるので、相場はサービスの内容とあわせての確認が肝心です。
PMO派遣の必要基準を設ける
続いては、”本当にPMO派遣を利用する必要があるのか”を確認しましょう。
”なんとなく大変そうだから”のような抽象的な理由では判断しづらいため、できるだけ定量的に測れる指標の作成がおすすめです。
たとえば開発期間や開発の難易度、関係者数などを評価項目として採用し、それぞれA~Cで評価し、重みづけをして評価するのもよいでしょう。
資本を投下する場合は、上役の決裁が必要となる場面も多いため、こういったプロセスを経ることで”ちゃんと考えているな”と評価されやすくなります。
PMO利用後の評価基準を定める
3つ目は、PMOがどの程度の効果をもたらしたのか、評価基準を定めておくことです。
必要基準と同じく定量的な基準が望ましいですが、前者と比べると少し設定が難しくなります。
理由は、進捗会議を適切に取り仕切っていた、プロジェクトが遅滞なく遂行されたなど、評価内容に定性的な要素が混じりやすくなるためです。
評価側も、現場のプロジェクト遂行を逐一確認できているわけではないので、プロジェクト終了後の一括評価ではなく定期的に評価を行うタイミングを定めるのも効果的でしょう。
PMO派遣のプロジェクト選定とマッチング
続いては、プロジェクト選定とマッチングになります。
PMO派遣を利用する決断が下された場合、どのプロジェクトにどんなPMOを利用すべきか検討するのがこのフェーズです。
それぞれ具体的に掘り下げてみましょう。
プロジェクト選定
どのプロジェクトにPMOを利用すべきか検討する場合、上で述べた”PMO派遣の必要基準”が道しるべとなります。
たとえば、プロジェクトの予算規模が1,000万円のものと5億円のものでは、当然後者の方がプロジェクト推進の難易度は高いです。
規模が大きくなっている場合は、必然的に参画者や開発規模、期間が膨れるため、難易度や複雑さが増加します。
選定基準の確立さえできれば、あとは機械的に評価するのみのため、まず基準を設けてプロジェクトを選定するのがよいでしょう。
PMOとプロジェクトのマッチング
PMOとプロジェクトのマッチングも吟味が必要です。
このときは、PMO派遣先が得意とする業務領域を確認するのがよいでしょう。
PMOが行うプロジェクト推進の基本部分は、共通的なスキルが多いため、ある程度現場を経験していればそこまで重要な観点とはなりません。
そのため、自社が行おうとしているプロジェクトが、製造業のものであれば製造業に強いPMOを、小売であれば小売の業界や業務知識に長けているPMO派遣先を選びましょう。
さらに、製造業のなかでも「自動車に強い」「家電に強い」など細分化していき、マッチング適性を把握するのが必要です。
PMO派遣の成果評価と改善戦略
最後はPMO派遣の成果を評価し、今後どのように改善していくかを考えるステップです。
それぞれの観点から見ていきましょう。
成果評価
成果の評価も上で述べたとおり、評価基準に則って実施していくのがあるべき姿となります。
プロジェクトが次の工程に進むとき、完了したときなど定期的に評価タイミングを設け、その局面ごとに適切な評価基準を設定するのが肝心です。
イメージとしては、ファンクションポイント法のような評価体系を確立し、そこに自社やプロジェクト独自の要素を含めていきましょう。
1度のプロジェクトですべてを完成させるのではなく、今後どんどんブラッシュアップして育てていく方針がおすすめです。
改善戦略
評価プロセスに則り評価した結果を検証していくことが、改善戦略の第1歩となります。
評価した中で改善可能なポイントを見つけ、次回に向けて評価項目に反映させたり、不要な評価項目を削除したりすることも必要でしょう。
その過程で、”このパターンであれば”PMOは1名で十分”であったり、場合によってはPMOを調達しないという選択肢も出てきたりします。
さらに、PMOと一緒に働いていた社員がPMOスキルを修得し、社内の人材がPMOの役割をこなせるようになれば、外部からの調達は不要です。
自社にとって最適なプロジェクト計画がなにか、この改善戦略でしっかりと確認していきましょう。
以上、PMO派遣の採用と成功のポイントを解説しました。
上記はクライアント側の視点に立ちましたが、PMOとして雇われる場合でもこの観点は非常に重要です。
クライアントが何を求めているのかニーズを押さえ、自身が評価されやすいポイントを探れれば継続受注につながる可能性が高まるため、忘れないようにしましょう。
続いてPMO派遣の実例集を紹介します。
PMO派遣の活用シーンと効果
PMOがどのようなシーンで活躍できるのかを知っておくことは、PMO派遣を利用するうえで重要なファクターとなります。
以下の事例から、PMO派遣の意義を探っていきましょう。
- PMO派遣の活用シーン事例
- PMO派遣のROI (投資対効果) 分析
PMO派遣の活用シーン事例
PMO活用が功を奏したプロジェクト事例を以下2点紹介します。
- スマートシティ開発におけるパートナリングの重要性とPMOのあり方
- 企業の競争優位性を生み出すアジャイルなPMO
”スマートシティ開発におけるパートナリングの重要性とPMOのあり方”
皆さんはスマートシティをご存じでしょうか。
オランダのアムステルダムや静岡県のWoven Cityのように、社会を構成するさまざまな要素をICTで結合し、持続可能な都市がスマートシティです。
野村総研は、スマートシティを生産する手法の1つとしてPMOの重要性を唱えています。
社会を構成する要素は属性や業界など多岐にわたるため、その分関係者の数も膨大です。
そういった複雑な事態にこそ、PMOを活用するシーンであり、うまくいけば大きな効果が見込めます。
”企業の競争優位性を生み出すアジャイルなPMO”
続いてはアジャイルでの活用シーンです。
こちらは、アジャイルでのPMO活用を提唱するPMO研究会による報告で、特に戦略的PMOのあり方を述べています。
”海外の事例を日本に適用できないか”などの観点で報告を仕上げており、たとえば製造業の受注生産プロセス”マーケットプル”で、PMOが組織の敏捷性を高められると可能性を示唆しています。
今後PMOはプロジェクト管理のみならず、アジャイル的な運用を行うことでよりアクティブな組織としての活用が模索されていくでしょう。
PMO派遣のROI (投資対効果)分析
次にPMOのROI、投資対効果を計算してみましょう。
たとえば予算総額3,000万円のプロジェクトがあり、単価100万円/月のPMOとして3カ月分参画すると考えてみてください。
システム開発のプロジェクト管理工数は、おおよそ10%前後といわれているので、妥当な範疇となります。
仮にPMOを雇わずに2,700万円でスタートし、うまくいかずに納期が1カ月遅れたとしましょう。
単純計算すれば単月900万円を要していたプロジェクトが4カ月になるため、900×4=3,600万円が総額です。
PMOを入れていた場合の3,000万円と比較すると、600万円もムダなコストがかかっており、さらに本来ほかのプロジェクトに充てられるはずだった人員や予算を余計に費消してしまいます。
急遽発生するコストは、企業全体の予算管理の取り扱いを煩雑にするため、こういったケースを鑑みると、リスクのあるプロジェクトではPMOを活用する必然性が理解できるでしょう。
以上、PMO派遣の活用シーンと効果を確認してきました。
続いて今後のPMO派遣がどうなっていくのかをチェックしてみましょう。
PMO派遣の将来とトレンド
今後PMO派遣の仕事形態そのものがどうなっていくか、以下3つのポイントで確認します。
- デジタルトランスフォーメーションとPMO派遣
- PMO派遣のニーズと市場動向
- PMO派遣のキャリアとスキルの展望
デジタルトランスフォーメーションとPMO派遣
世間ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が活況です。
DXによってシステム開発案件が増加し、それに比例してPMOが活躍できる場面も増えています。
近年では、中小企業でもDXを積極的に活用しているデータも出ているため、DXが盛んなうちはPMOの需要も極端に落ち込むことはないでしょう。
PMO派遣のニーズと市場動向
DXが隆盛である以上、PMOの市場価値も一定の水準が保たれます。
DXの必要性を感じていない中小企業は全体の70%と多いですが、これも時が経てば、その必然性に気づく経営者が多くなる見込みです。
そのため、潜在的な市場ニーズも多く眠っていると考えられ、まだまだPMOのニーズも高い状態が続くと推測できます。
PMO派遣のキャリアとスキルの展望
PMO派遣としてキャリアを形成していくのも有効なキャリア戦略です。
おそらく、DXやシステム開発の波は向こう20年程度は見込まれるため、市場の持続性は高いです。
プロジェクト運営は、専門性の高いスキルかつ特定の業界に依存しづらい性質なため、持っていて損はありません。
PMPなどの資格を保有しておけば、より安泰なため、未取得の人は検討してみるのもよいでしょう。
以上、PMO派遣の現在や未来を3つの視点から確認してきました。
PMOのキャリアプランは以下の記事にまとめられているため、今後に迷っている人はぜひ参考にしてください。
PMOのキャリアプラン6つ|重要なポイントや年代別プランを紹介
PMOを目指している、あるいはPMOとして就労しているものの、この先のキャリアプランに悩んでいる人は少なくないでしょう。 大規模
続いて、PMOとしてのキャリア形成の一助となる情報を紹介します。
PMOとして転職したいならエイジレスがおすすめ!
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まとめ|PMOを経験してプロジェクト推進の神髄を学ぼう
本記事では以下のことがわかりました。
- PMO派遣はクライアントのシステム開発プロジェクト推進を支援する立場
- PMOはプロジェクトを俯瞰してリスクを適切に把握し、迅速な課題解消がミッション
- PMO派遣の活用時は事前・事後の評価軸を定めることが成功のコツ
- PMO派遣は今後20年程度は持続する業態と見込まれている
PMO派遣は”誰でもできる”など、辛辣な評価を第3者が行うこともあります。
しかしその内実は、誰もができるような簡単な業務ではなく、専門性高くプロジェクト推進をサポートするプロフェッショナルです。
システム開発の勢いは、今後まだまだ衰えないと思われます。
時代の潮流を見きわめ、PMOとして確実なキャリアパスを築いていくことも十分に可能です。
もし転職のニーズがあれば、ぜひエイジレスにお手伝いをさせてください。
PMOとしての輝かしいキャリアを形成するため、これからも頑張っていきましょう。