後期高齢者医療制度とは?対象者や自己負担割合などわかりやすく解説

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年齢を重ねるにつれて何かと病気やけがで医療機関を受診する割合が増えます。
75歳以上の人は後期高齢者医療制度の対象となりますが、この制度を詳しく知らない人も多いのではないでしょうか?
今回は後期高齢者医療制度について、対象者や自己負担割合などを解説します。
後期高齢者医療制度を詳しく知りたい人は参考にしてください。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • 後期高齢者医療制度は原則75歳以上を対象とした保険制度
  • 後期高齢者医療制度の自己負担は原則1割
  • 後期高齢者医療制度の保険料は均等割と所得割の合計で決まる

後期高齢者医療制度とは?

医療

後期高齢者医療制度とは、75歳以上の国民が加入する公的医療保険制度の1つです。

現代では高齢化が進む中で高齢者の医療費が急増しており、従来の老人保険制度では対応が難しい点が指摘されていました。
そこで、高齢者に対する医療を安定的に供給するために、2008年から独立した公的医療保険制度として後期高齢者医療制度が施行されています。

なお、後期高齢者医療制度のほかにも以下の公的保険医療制度が存在します。

  • 被用者保険:会社員や船員、公務員及びその家族が加入できる医療保険
  • 国民健康保険:自営業者とその家族、年金生活者などが加入できる医療保険

勤務先や居住地域、年齢などによって加入できる保険が異なるため、注意が必要です。

後期高齢者医療制度の対象者は?いつから始まる?

後期高齢者医療制度の対象者

後期高齢者医療制度は以下の人が対象となります。

  • 75歳以上の人
  • 65歳以上74歳以下の人で、一定の障害があると認定されてた人

原則として75歳以上の人が後期高齢者医療制度の対象となりますが、以下の障害認定基準に該当する65歳以上74歳以下の人も対象となります。

  • 身体障がい者手帳1・2・3 級
  • 身体障がい者手帳4級のうち、音声機能または言語機能の障がいがあるとき
  • 身体障がい者手帳4級のうち、下肢障害に該当するとき
    • 1号(両下肢のすべての指を欠くもの)
    • 3号(1下肢を下腿の2分の1以上で欠くもの)
    • 4号(1下肢の機能の著しい障がい)
  • 療育手帳A
  • 精神障がい者保健福祉手帳1・2級
  • 障がい年金1・2級

【出典】埼玉後期高齢者医療広域連合「後期高齢者医療の障がい認定とは」(PDF)

後期高齢者医療制度は75歳時点で自動的に切り替わる

後期高齢者医療制度は75歳を迎える時点で、これまで加入していた医療保険から自動的に切り替わります。
ただし、後期高齢者医療制度に加入した本人の扶養者である配偶者が、75歳未満で被用者保険に入っていた場合、国民健康保険に切り替える手続きが必要となるので注意しましょう。

また、上記障害認定を持つ65〜74歳の人は、居住地域にある市町村の後期高齢者医療担当窓口に申請する必要があります。

後期高齢者医療制度の保険料

後期高齢者医療制度の保険料

後期高齢者医療制度の保険料は、以下の計算式で支払額が決定します。

  • 後期高齢者医療制度保険料=均等割+所得割

均等割とは医療保険の加入者数によって決まる料金であるのに対し、所得割は加入者の前年度所得によって決まる料金です。
均等割や所得割を規定する保険料率は、後期高齢者医療連合が2年ごとに改定しています。

令和4・5年度の平均保険料額は以下のとおりです。

  • 年額:77,663円
  • 月額:6,472円

個人の所得によって支払う金額は大きく変わりますが、月々6,472円程の保険料額が目安となるでしょう。

保険料の計算に必要な均等割の金額や所得割率は都道府県によって異なるため、気になる人は以下の厚生労働省が公表する資料で確認してみてください。

【参考】厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和4・5年度の保険料率について 」

また、世帯の年間所得が一定以下の場合は、均等割が以下の割合で軽減されます。

均等割の軽減割合 対象者の所得要件
(令和4年度)
年金収入額の例
夫婦2人世帯(※1) 単身世帯
7割軽減 43万円以下 168万円以下 168万円以下
5割軽減 43万円(※2)+28.5万円×(被保険者数) 225万円以下 196.5万円以下
2割軽減 43万円(※2)+52万円×(被保険者数) 272万円以下 220万円以下

(※1)夫婦2人世帯で妻の年金収入80万円以下の場合における、夫の年金収入額。
(※2)被保険者等のうち給与所得者等の数が2以上の場合は、43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)

【出典】厚生労働省「高齢者医療制度」

後期高齢者医療制度に加入する前日に被用者保険に加入していた被扶養者(被用者の配偶者や親など)に関しては、75歳到達時の2年に限り、所得に関係なく以下どちらかの条件が適用されます。

  • 均等割の5割軽減
  • 所得割の支払いなし

後期高齢者医療制度の自己負担割合は?

自己負担割合

後期高齢者医療制度の対象となる診療を受けた場合、自己負担割合は原則としてかかった費用の1割です。 しかし、現役並みの所得を有している場合は3割負担となるので注意しましょう。 現役並み所得の明確な判断基準は、以下のとおりです。

  • 課税所得で145万円以上(単身年収で約383万円以上、複数年収で約520万円以上)

他にも条件次第で自己負担が変わる例外があるため、以下で詳しく解説します。

条件次第では2割負担となる

後期高齢者では、一定の所得以上があると自己負担が2割となる場合があります。

具体的な条件は以下のとおりです。

  • 同一世帯の被保険者に課税所得28万円以上の人がいる
  • 同一世帯の被保険者で「年金収入」と「その他の所得」を合計し、世帯人数1人の場合は200万円以上、世帯人数2人の場合は合計320万円以上あるとき

その他の所得とは、事業収入や給与収入などから必要経費や控除を差し引いた金額のことです。

これまでは、後期高齢者医療制度の自己負担割合は1割と3割の区分のみでしたが、令和4年10月1日から2割負担の区分も追加となっています。
区分追加の理由は、75歳以上の医療費が増大しており、制度を維持し全ての加入者に平等に医療を提供するためです。

これから2割負担の対象となる人には、後期高齢者医療広域連合もしくは管轄の市区町村から負担割合が記載された新しい保険証が届くので、確認しておきましょう。

2割負担の人には外来医療費負担軽減の配慮措置がある

窓口負担が2割となる人には、外来医療費の負担が大幅に増えないよう配慮措置が設けられています。
具体的には、病院や医療機関で診察を受ける場合、窓口での支払額の負担増加額が1ヶ月あたり3,000円までとなっています。
なお、入院医療費は対象外なので注意しましょう。

同一の病院・医療機関などで受診する場合、上限額以上を窓口で支払う必要はありません。
1ヶ月の負担増加額が3,000円を超える場合は、その差額を後日高額療養費として指定口座に払い戻される仕組みです。

たとえば、1ヶ月の外来医療費が50,000円の場合、以下表のとおりとなります。

①窓口負担割合が1割 5,000円
②窓口負担割合が2割 10,000円
③負担増加額(②ー①) 5,000円
④負担増加額の上限 3,000円
⑤払い戻し金額(③ー④) 2,000円

外来医療費が月50,000円の場合、これまで1割負担だった人は2割負担になると5,000円支払額が増加します。
今回の措置で2割負担の人の負担増加額は3,000円までと定められており、差額の2,000円が払い戻される形です。

事前に登録した高額療養費口座に払い戻されますが、登録していない場合は管轄の市区町村や後期高齢者広域連合から申請書が郵送されるので、該当する人は確認しておきましょう。

高額医療費(高額療養制度)の負担割合

後期高齢者医療制度利用時に、支払う医療費が高額となる場合、高額療養費制度を利用できます。

高額療養費制度とは、病院や医療機関の窓口での支払額が指定された上限額を超えた場合、超過分を支給する制度のことです。
高額療養費制度は年齢と所得で上限額が変わり、70歳以上の人は以下の上限額が設けられています。

適用区分 一月の外来医療費
(個人ごと)
一月の上限額
(世帯ごと)
現役並み 年収約1,160万円~
(標報83万円以上・課税所得690万円以上)
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770万円~約1,160万円
(標報53万円以上・課税所得380万円以上)
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370万円~約770万円
(標報28万円以上・課税所得145万円以上)
167,400円+(医療費-558,000)×1%
一般 年収156万~約370万円
(標報26万円以下・課税所得145万円未満等)
18,000円
(年14万4千円)
57,600円
住民税非課税等 Ⅱ 住民税非課税世帯 8,000円 24,600円
Ⅰ 住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下など)
15,000円

【出典】厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

標報とは標準報酬のことで、厚生年金保険料や健康保険料の金額を算出する際に用いられる従業員の月々の給料を50等級(厚生年金は32等級)に分けて表したものです。

基本的には上記自己負担限度額を超えた分を後日払い戻されます。
ただし、「限度額適用認定証」を事前に入手し支払い窓口で提示すると、窓口での支払額は自己普段限度額までで済みます。
限度額適用認定証は加入している公的医療保険に申請することで入手可能です。
詳しくは、お住まいの市町村区に問い合わせて手続き方法を確認しておきましょう。

後期高齢者医療制度の保険料上限額が引き上げの方向に

保険料上限額が引き上げ

厚生労働省は2022年11月現在、後期高齢者医療制度の保険料上限額を年間66万円から約80万円に引き上げる予定で調整しています。
現役世代の保険料負担を減らすことが保険料引き上げの目的です。

後期高齢者医療制度の財源は、国民健康保険や被用者保険からの負担が4割を占めています。
高齢者の医療費は増加しており、現役世代の負担が年々増加していることを懸念し、今回の保険料引き上げが実施の方向で調整されています。

保険料引き上げは令和6年度での実施を目指しており、後期高齢者医療制度の加入者は保険料引き上げを念頭に家計管理をする必要があるでしょう。

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執筆者
エイジレスメディア編集部
エイジレス社会の専門誌として、すべての人が何歳でも豊かな暮らしを紡げるよう有益な情報を発信していきます。主に、エイジレスなビジョンを体現している人物や組織へのインタビュー記事を執筆しています。