退職金に社会保険料はかからない!退職後の保険料や手続きも徹底解説
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企業から勤続年数や役職、功績などに応じて支給される退職金。リタイア後の生活のためにも、より正確な手取り額を把握したいと考える人も多いでしょう。通常、社会保険料は退職金から控除されません。本記事では、退職金と社会保険料の関係や控除内容について述べるとともに、退職後の社会保険の手続きや保険料について詳しく解説していきます。
- 【この記事を読んでわかること】
- 退職金に社会保険料はかからない
- 「退職金前払い制度」として在職中の賃金への上乗せや年金として分割で退職金を受け取る場合は内容によって控除されることがある
- 所得税と住民税は退職金から控除される
- 退職後の社会保険の手続きは状況によって異なる
- 国民健康保険は前年の所得で保険料が決まるため、退職した翌年に高い保険料がかからないか、退職後の収支をシミュレーションしておく
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退職金に社会保険料はかからない
在職中の功労や退職後の生活費の補填としての意味合いを持つ退職金。額面の支給額から税金などはどのようなものが控除され、実際は手元にいくら残るのか、気になっている人も多いことでしょう。
在職中に毎月支払われる給与からは社会保険料が控除されていますが、結論から述べると、退職金そのものに社会保険料はかかりません。その内容を見ていきます。
一括で受け取る退職金に社会保険料はかからない
退職金は一般的に、就業規則の退職金規程などの退職金制度をもとに算出された金額が支給されます。受け取り方法も会社の規定によって異なり、退職一時金として一括で受け取るか、年金か、あるいは両者を併用して受け取るかのいずれかが主流となっています。
金額が大きい退職金はその手取り額が気になるところですが、退職金は「退職所得」という所得区分になり、通常の給与とは異なった方法で控除される税額を計算します。
また、社会保険料も毎月支給される給与とは異なる扱いとなっており、一括して支給される退職金からは控除されません。
退職金から控除されるものは所得税と住民税
退職金から控除されるものは所得税(復興特別所得税を含む)と住民税となっています。
社会保険料に関しては、前述のとおり退職一時金として一括で受け取る場合には、控除されることはありません。
しかし、年金として退職後に分割して受け取る場合や、退職金前払い制度などの退職金相当額の全部または一部を、賞与や給与に上乗せして在職中に支払われる方法を取る場合、その内容によって社会保険料などが控除されるので注意が必要です。
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退職金前払い制度や分割で受け取る場合は要注意
社会保険料は、一定の報酬を基礎として徴収額が計算されています。ここで言う「報酬」とは「賃金、給料、俸給、手当または賞与およびこれに準ずべきもののうち、臨時に受けるものおよび3ヶ月を超える期間ごとに受けるもの以外のもの」を指しています。(健康保険法第3条第5項・厚生年金保険法第3条第1項)
この「報酬」に該当するかどうかが、社会保険料を控除するかどうかのポイントとなっていますが、退職金の前払い制度に関して、以下で述べるケースの場合は「報酬」と見なされて、行政の通達に基づき社会保険料の控除対象とされています。
また、年金として退職後に分割で受け取る場合は、退職後に加入している保険制度や支給額などの状況により、月々の支給額から控除されるものがあり、実際に入ってきた金額を見て、「思っていたよりも手取りが少なかった」と、ライフプランに影響を及ぼすケースも珍しくありません。
退職金前払い制度では「労働の対償」として社会保険料控除の対象
退職金の前払い制度において、在職中に、退職金相当額の全部または一部を給与や賞与に上乗せして前払いされる場合、上乗せ分も含めて労働の対償としての性格が明確で、社員にとって経常的な収入としての意味合いをもつものという解釈がされています。
その結果、原則として「報酬(又は賞与)」に該当するものとして、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の徴収対象となり、通常の標準報酬月額の考え方に基づき支給ごとに社会保険料が控除されます。
参考:厚生労働省|「いわゆる退職金の前払いに係る社会保険料の取扱いについて」
退職金を分割で受け取ると、場合によって社会保険料の負担増に
退職金を年金形式として分割で受け取る場合、受け取る年金はそのまま所得(「雑所得」という区分)になります。税法上は、年金額や年齢に応じて「公的年金等控除」という控除額が設けられ、受け取った全額が課税の対象になるということはないのですが、社会保険料についてはそのような措置がありませんので、国民健康保険料であれば、年金形式で受け取った退職金を含めた前年の所得金額に対して負担額が決まります。
つまり、毎年の受け取る額によっては、その分保険料の負担が増えることが想定されます。
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退職後の社会保険制度について詳しく解説
企業の社員として在籍している間は、健康保険や社会保険の加入が保証されており、手続きや保険料の納付も会社が対応してくれましたが、退職した後の社会保険はどうすればよいのでしょうか?詳しく解説していきます。
退職後の厚生年金は再就職の状況により異なる
厚生年金などの年金制度についてですが、退職と同時に企業側で資格喪失の手続きがなされます。期間を空けずに転職や同じ企業への再就職が決まっていて、勤務状況などが厚生年金の被保険者に該当する場合は、新たな環境下でも企業が手続きを行うので、個人での手続きは不要です。また、再就職などの予定がなくても、退職時に60歳を超えていれば、基本的には国民年金などの年金制度への加入も必要ありません。
ただし、退職時点での年齢が60歳未満の場合は、国民年金への切り替え手続きが必要です。また、退職した本人が60歳を超えていても、配偶者が60歳未満でそれまで退職した方の扶養に入っており、国民年金の第3号被保険者であった場合、再就職などの状況によっては配偶者自身の国民年金の第1号被保険者への種別切り替え手続きが必要となります。
いずれの場合も近くの年金事務所などで加入手続きを行いましょう。
一般的には国民健康保険に加入
年金制度については、60歳を超えていれば新たに加入する必要はありませんが、健康保険では事情が異なります。退職後に再就職をしない、または再就職はするものの、就職先の健康保険の加入条件に該当しないケースを見ていきましょう。
この場合は、一般的に、住んでいる市区町村の国民健康保険に加入します。
(家族の扶養に入る・任意継続被保険者を選択する(詳細は次項)という例外は除きます。)
国民健康保険は、都道府県および市区町村が保険者となっている健康保険で、保険料が前年の所得額や世帯の人数などによって世帯単位で決まるのが特徴です。自治体によって計算方法や料率が異なるため、同じ所得額でも住んでいる地域によって保険料が異なることがあります。
保険料次第では任意継続被保険者も視野に
任意継続被保険者とは、退職などで被保険者の資格を喪失しても、退職日までに継続して2ヶ月以上被保険者であったことを条件に、申し出によってそれまで加入していた健康保険に、継続して加入し続けることができる仕組みのことです。任意継続被保険者となるためには、退職して20日以内に、協会けんぽなどそれまで加入していた健康保険の保険者へ申し出なければなりません。
任意継続被保険者の留意点として、加入期間は最長で2年間ということと、保険料が全額自己負担ということが挙げられます。企業の一社員として健康保険に加入していたときは、会社と折半で負担していた保険料ですが、任意継続被保険者となった場合は会社が支払っていた分も含めて全額を被保険者自身が納付します。保険料は退職時の標準報酬月額をもとに算出されますので、国民健康保険に加入した場合とのご自身の保険料を比較したうえで、どの健康保険制度に加入するのが良いのか検討しましょう。
退職後の健康保険料は?退職翌年は高いって本当?
老後のライフプランという観点からも、加入する保険制度による保険料算出方法や負担の違いを理解して、退職後の健康保険料の概算金額を把握しておくことが重要です。加入する保険制度による健康保険料の負担の違いを解説します。
退職後の健康保険料の考え方
これまで説明した事項も踏まえて、退職後の健康保険制度の選択肢を整理します。
1.再就職などで企業の健康保険の被保険者となる(勤務条件などが健康保険の資格取得要件に該当する場合)
2.国民健康保険に加入
3.任意継続被保険者として、在職当時の健康保険組合またはけんぽ協会に加入
1の場合、保険料は会社と折半で、標準報酬月額によって算出されたものを負担します。2の場合は、前年の所得に応じて市区町村ごとの計算方法や料率により保険料が決定され、納付します。3は退職時の標準報酬月額をもとに算出された保険料を全額自己負担にて納付します。
退職翌年の高い保険料に驚くケースも
任意継続被保険者などの選択肢を知らずに、退職後の保険料を比較せず国民健康保険に加入して、その後の保険料の高さに舌を巻くといったケースは決して珍しいことではありません。
前述のとおり、国民健康保険は前年の所得で保険料が決まるので、退職の翌年は会社員時代の収入をもとに算出された保険料となります。
また、任意継続被保険者を選択した場合も、前述の方法で決定された保険料は最長2年間の加入期間中変更されることはありません。
保険料の支払いが負担にならないか、退職後の収支をシミュレーションしておきましょう。
まとめ
ここまで、退職金における社会保険料控除の有無や退職後の社会保険手続き、保険料について触れてきました。特に、健康保険については、再就職の有無に関わらず、どのような立場であってもいずれかの保険制度に加入しなければなりません。本記事の内容を理解し、余裕を持ってリタイア後の生活を送れるよう、あらゆる可能性を視野に入れ検討していきましょう。
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