早期退職で退職金はどうなる?退職金の割増相場や計算方法を解説
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大手企業を中心に早期優遇退職制度を導入する企業が増えており、検討する人もいることでしょう。
退職後も生活を維持するためには、退職金について把握し、早期退職後の人生を計画しておくと安心です。
そこでこの記事では、退職金の種類や受け取り方などの概要と、早期退職の際に受け取る退職金の平均額などについて紹介します。
退職金や確定拠出年金など、定年前後のお金の仕組みは複雑です。
一人ひとりの状況によって最適な節税方法は変わるため、個人の判断で進めると大損しかねません。
そのため、お金を損しないポイントはおさえておきつつ、実際に退職するタイミングが近づいたら専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。
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- 【この記事を読んでわかること】
- 早期退職金の割増額相場
- 早期退職金の種類
- 退職金を受け取る際の注意点
早期退職とは
早期退職とは、労働者の希望により定年前に退職する制度です。経営悪化による企業の再編や、労働者のセカンドキャリアやセカンドライフの幅を広げるために早期退職希望者を募集します。企業によっては、退職金の割増や再就職支援などを受けられます。
早期退職は、終身雇用制の衰退を背景に生まれました。正規雇用労働者を定年まで雇用する終身雇用制度や年齢、職歴と共に賃金、役職が上がっていく年功序列制度が日本企業には根付いていましたが、バブル景気の崩壊以降、経済状況の悪化やグローバル化によって見直され、現在に至ります。
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早期優遇退職制度
早期退職優遇制度とは、定年前の退職者に優遇措置を設け、自主的な退職を促す制度のことです。経営の悪化や変化する市場のニーズに対応するため、人件費削減や組織の若返りを目的に早期退職者を募り、新しい企業形態に転換する企業は増えています。
現在では、上場企業や大手企業を中心に早期優遇退職制度を導入する企業が増加しています。
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早期優遇退職制度2つの種類
早期優遇退職制度は、選択定年制度と希望退職制度の2種類あります。募集を行う企業もあれば行わない企業もあり、募集内容や退職に必要な条件も企業ごとに異なります。この項目では、選択定年制度と希望退職制度について、参考例を挙げつつ解説します。
理想のセカンドキャリアやセカンドライフを支援する「選択定年制度」
選択定年制度は、企業が規定する年齢に達した時点で、定年退職か継続勤務かを選べる仕組みです。従業員にとっては、これまで培ったノウハウをさらに高めるために転職や独立・開業を目指したり、旅行や趣味、スポーツなど好きなことをしながら生活するなど、選択肢を広げられる制度です。
選択定年制度を導入した企業
本田技研工業株式会社では、定年退職年齢の65歳への延長に伴い、選択定年制を導入しました。65歳まで働きたい人もいれば、60歳で退職したい人もいたからです。
本田技研工業の選択定年制度では、定年の時期を、60歳から65歳の間で自由に選べます。従業員が55歳になった時点で定年時期の意向を確認し、その後は59歳まで毎年、意向を確認します。途中で変更もできます。
参考:本田技研工業株式会社 | 事例検索 | 70歳雇用事例サイト| 独立行政法人高齢·障害·求職者雇用支援機構
選択定年制度の優遇措置や条件は企業ごとに異なりますが、就業規則への記載が義務付けられているためいつでも確認できます。ただし、選択定年制を利用して退職する場合、自己都合での退社となる点には注意しましょう。
経営の立て直しを目的とする「希望退職制度」
希望退職制度とは、早期退職者を企業が臨時で募集する仕組みです。主な目的は、悪化した経営の立て直しや組織の若返りです。リストラの前段階として、退職を促すために実施されることもあります。
希望退職制度の場合、選択定年制度と同じように退職金の割増や再就職支援などの優遇措置が受けられます。希望退職は企業の都合で実施されるため、退職事由は会社都合となります。
希望退職制度を導入した企業
富士通株式会社は、国内グループ会社所属社員を含む50歳以上幹部社員を対象に希望退職を募集し、およそ3,000人が応募しました。
参考:富士通の早期退職に3000人が応募、費用650億円計上し今期業績を下方修正|日経クロステック(xTECH)
同社ではデジタル人材の育成や高度なITスキルを持つ人材の獲得に注力しており、希望退職制度の導入は、人件費の削減とデジタル化に伴う組織全体の構造改革の推進が背景にあるとされています。
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早期退職制度の退職金の平均金額
早期退職制度を利用した場合の退職金は割増される企業が多くみられます。勤続20年以上かつ45歳以上の退職者1人あたりの平均退職給付額は、次の通りです。
退職事由 | 大学・対学院卒(管理・事務・技術職) | 高校卒(管理・事務・技術職) | 高校卒(現業職) |
---|---|---|---|
定年 | 1,983万円 | 1,618万円 | 1,159万円 |
会社都合 | 2,156万円 | 1,969万円 | 1,118万円 |
自己都合 | 1,519万円 | 1,079万円 | 686万円 |
早期退職 | 2,326万円 | 2,094万円 | 1,459万円 |
どの条件でも、早期退職の方が退職金の金額は多いです。
とはいえ、早期退職時に受け取れる退職金の金額は、企業の規定や勤続年数、職種、最終学歴などによって異なります。事前に知りたい場合は、退職規定や募集要項を確認しましょう。計算方法は、次の項目で紹介します。
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退職金額の計算方法
各企業が採用する制度によって、退職金の計算方法は異なります。就業規則にある退職金規定を確認し、次の4つから選んで計算します。
- 定額制
- 基本給連動型
- 別テーブル方式
- ポイント制
それぞれの計算方法について解説します。
【定額制】
定額制は、勤続年数がそのまま退職金の金額に反映されます。勤続年数10年までは100万円、20年までは200万円というように、勤続年数ごとに定められた金額を受け取れます。
企業は管理や運用に手間がかからずメリットがありますが、従業員の実績は反映されません。そのため、退職金の上乗せ部分に当たる特別加算金制度を設けている企業もあります。
【基本給連動型】
基本給連動型は、最も一般的な計算方法です。退職時点の基本給や勤続年数、退職事由によって退職金の金額を決めます。計算式は次の通りです。
退職金=退職時の基本給×支給率
支給率は、勤続年数や退職事由によって企業ごとに決められています。また、在職中の基本給が高くても退職時に下がっていれば、退職金の金額が少なくなります。
【別テーブル方式】
別テーブル方式は、会社が定めた基準額と支給率を元に計算します。支給率は役職や等級に応じて決められていることが多いです。計算式は次の通りです。
退職金=基準額×支給率
別テーブル方式では、基本給は計算に関係ありません。例えば、退職時の役職や等級に応じた基準額が13万円で、勤続年数(20年)と退職事由(自己都合)に応じて会社が定めた支給率が52.5の場合は次のように計算します。
このように、基準額と支給率がわかれば計算できます。
【ポイント制】
企業が設けた退職金ポイントの獲得数と支給率をかけて計算します。企業によってポイント制度の内容は異なりますが、勤続年数や役職、実績によってポイントを付与することが多いです。ポイント制における退職金の計算式は、次の通りです。
退職金=退職金ポイントの累積×ポイント単価(1ポイント当たり価格)×支給率
例えば、ポイント累計30P、ポイント単価1万円、勤続年数30年の人が自己都合で退職した場合、退職金額は次のように計算できます。
ポイント制は、会社への貢献度が評価されるのが特徴です。
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退職金の種類
退職金の支給方法は「退職一時金」と「企業年金」の大きく2種類に分けられ、企業によって異なります。80%以上の企業が退職金を支給しており、従業員数の多い大手企業ほど、退職金制度を設けている割合が高いです。
退職金の支給方法は、退職一時金、企業年金、あるいは両方の組み合わせの3種類あり、企業によって異なります。この項目では、退職一時金と退職年金の仕組みを解説します。
退職一時金
退職一時金とは、退職する際に一括で支給されます。厚生労働省の調査によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合は80.5%で、支給方法は、「退職一時金制度のみ」が73.3%、「退職年金制度のみ」が8.6%、「両制度併用」が18.1%です。退職一時金は、多くの企業が採用しています。
退職年金
退職年金は、退職金を分割して受け取ります。給付金額や期間などは、企業によって異なります。退職年金は企業年金とも呼ばれ、次の制度があります。
- 確定給付企業年金(DB)
- 企業型確定拠出年金(DC)
- 中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度
- 厚生年金基金
それぞれについて解説します。
確定給付企業年金(DB)
確定給付企業年金は企業が掛け金を拠出して運用し、年金を用意します。あらかじめ給付金額が確定しています。もし運用が上手くいかない場合には企業が負担し、事前に決められた額の退職金を支給します。従業員にとって安心な年金制度です。
確定給付企業年金には基金型と規約型があります。基金型は、企業が企業年金基金を設立して掛け金を運用します。規約型は、外部企業へ年金資産の運用を依頼します。
企業型確定拠出年金(DC)
企業型確定拠出年金とは、企業が掛金を毎月積み立て、従業員自らが年金資産の運用を行う制度です。企業によって自動的に加入される場合と、選択できる場合があります。
中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度
中小企業退職金共済と特定退職金共済制度は、毎月、企業が定額の掛け金を金融機関に納付して、退職金を計画的に積立する制度です。従業員が退職する際、金融機関から退職金が直接支払われます。
厚生年金基金
厚生年金は、20歳以上〜60歳未満の国民が加入する国民年金に上乗せされて給付される年金です。厚生年金基金が管理・運用した年金資産をもとに給付を実施します。企業の従業員であれば加入しているのが一般的な年金保障制度です。
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退職一時金と企業年金の受け取り方で生じるメリット・デメリット
退職金は受け取り方で税負担が変わります。この項目では、退職一時金と企業年金との受け取り方の違いによってどのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。
退職一時金のメリット・デメリット
退職一時金で退職金を受け取ると退職所得控除を受けられ、税負担が軽くなります。退職金も所得に該当するため、給与などの所得と同じように所得税の課税対象となります。しかし、退職金には長年の功労に報いるという側面があるため、一時金で受け取る場合、他の所得とは分離して課税されます。退職所得控除額は、勤続年数が長いほど増えます。
退職所得控除額の計算は以下を参考にしてください。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万円×勤続年数(80万円に満たない場合には、80万円) |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数−20年) |
参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁
退職金を一括で受け取る場合のデメリットは、企業年金に比べて少ない受取総額になる可能性があることです。これについては次の項目で解説します。
退職年金のメリット・デメリット
退職年金は、退職一時金よりも多く受け取れる可能性があります。運用した利益の分、受取額が増えることがあるからです。
デメリットは、雑所得に区分されるため、通常通りの税率で所得税の課税があることです。また、社会保険料も高くなる可能性があります。
退職金は、それぞれのライフスタイルに合った受け取り方を選ぶことが重要です。また、公的年金の繰り下げ受給や、受け取った一時金を自分で運用するなど、退職金を増やす方法はさまざまです。退職後の計画をしっかり立てたうえで最適な退職金の受け取り方を選びましょう。
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割増された退職金を受け取りセカンドキャリアを築こう
早期退職を選ぶと、退職金が割増される可能性があります。また、退職一時金と企業年金の受け取り方の違いによってかかる税金が異なるため、事前に調べて最適な受け取り方を選択しましょう。退職金に関する規定は就業規則で確認できます。また、希望退職制度に応募する場合は、募集内容の確認を必ずしましょう。
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