退職金は勤続年数2年でももらえる?退職日を意識する重要性
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「退職金は勤続2年で受け取れるのか」「相場はいくらでどのように計算するのか」勤務して2年で退職をしようと思ったときに、このように考える人も多いのではないでしょうか。
退職金は退職日が数日違うだけで大きな差が出る可能性もあります。
退職金は勤務2年でもらえるのか、どのような制度なのか詳しく解説していきます。
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- 【この記事を読んでわかること】
- 退職金は2年だと受け取れない可能性がある
- 退職金の相場
- 一般的な退職金の計算方法
- 企業型確定拠出年金であれば転職先に引き継げる
退職金は勤務年数2年だと支払われない可能性がある
退職金とは、退職後に会社から支給される賃金です。
退職金は入社3年目で一区切りとする企業が多く、勤務年数が2年目で会社を辞めた人には退職金が出ない場合が多いです。
退職金の有無は社内規定によって異なります。厚生労働省の「退職金制度」の調査によると、平成28年〜平成30年の間で退職金制度を設けている企業の割合は71.3%〜92.6%となり、多くの企業が退職金制度を設けているのがわかります。
では、退職金の受給に必要な最低勤続の所要年数をみてみるとどうでしょうか。
以下は厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」による結果です。
1年未満 | 1年以上2年未満 | 2年以上3年未満 | 3年以上4年未満 | 4年以上5年未満 | 5年以上 | |
---|---|---|---|---|---|---|
会社都合退社 | 8.50% | 21.80% | 8.70% | 42.20% | 1.10% | 9.30% |
自己都合退社 | 3.20% | 15.00% | 9.70% | 56.20% | 1.60% | 10.90% |
このように多くの企業が退職金制度を設けているものの、退職金がもらえる最低勤続年数は3年以上4年未満と決めている企業が最も多くなっています。
勤続年数が2年では退職金制度がある企業でも、受け取れる可能性が低いといえるでしょう。
公務員の退職金は勤務年数2年でも受け取れる
公務員の退職金は、勤続年数2年でも受け取れます。
そればかりか公務員の退職金は一般企業とは異なり、勤続年数1年から受け取ることが可能です。
さらに在職期間に1年未満の端数がある場合は6ヶ月未満で切り捨て、6ヶ月以上は切り上げて計算をするため、実際には6ヶ月勤めれば勤続年数が1年と計算ができ、退職金を受け取れます。
公務員の退職手当の計算式は以下のとおりです。
例えば自己退職の場合、勤続年数別にみた計算式はどのようになるかみてみましょう。
自己都合退職 | 計算式 |
---|---|
勤続1年 | 退職時の俸給月額×0.5022 |
勤続2年 | 退職時の俸給月額×1.0044 |
勤続3年 | 退職時の俸給月額×1.5066 |
このように公務員は統一した計算式があるため、退職金制度についてそれぞれ社内規定で定めている一般企業とは異なり、勤続1年で必ず退職金を受け取れるのです。
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勤務年数2年で退職金をもらえる場合の計算方法
退職金制度を導入している企業の多くは、就業規則内に退職金の算出方法が記載されています。算出方法は以下のとおりです。
- 定額制
- 基本給連動型
- 別テーブル制
- ポイント制
上記のほかにも独自で退職金の算出方法を決定している企業もありますが、退職予定の勤務先が勤続年数2年で退職金が受け取れる場合、上記の計算式で計算される可能性が高いです。
この項目では、一般的に使用されている算出方式について解説します。
定額制
定額制の退職金は基本給や企業への貢献度などに関係がなく、勤続年数のみに応じて支給金額を決定する算出方式です。
例えば「勤続年数3年で〇円、勤続年数5年で〇円」といった具合に、あらかじめ勤続年数ごとに支給額が決まっているケースです。
一般的に勤続年数が長くなるほど、退職金も多くなります。
基本給連動型
基本給連動型の退職金は、勤続年数や退職理由に加えて基本給も含めて考慮した退職金の算出方式です。
算出方法をみてみましょう。
支給率と退職事由係数は、企業によって異なりますが、一般的には基本給と勤続年数に応じて退職金が増加する傾向がある算出方法です。
近年は基本給の見直しが退職金に影響し、経営者が頭を悩ませていることから、ほかの方法に移行する企業が増加しています。
別テーブル制
別テーブル制は基本給とリンクしません。
勤続年数と退職事由に加えて、退職時の役職や等級ごとに定めた倍率を乗じた金額を算出します。
算出方法は以下のとおりです。
別テーブル制の特徴は従業員がいかに企業に貢献できているか明確になる点です。
近年では、基本給連動型から別テーブル制に移行する企業も多くあります。
ポイント制
ポイント制は、さまざまな項目のポイントを累計して総ポイント数に応じて、退職金を決める算出方式です。主に以下のような項目があります。
- 勤続年数
- 職能
- 職務等級
- 役職
- 会社への貢献度
また、ポイントには「1ポイント1万円」といった具合にあらかじめポイント単価が決められています。
算出方法は以下のとおりです。
年功序列を撤廃している企業が増加している昨今。実力があると努力した分、退職金が増加するポイント制を導入する企業も増えつつあります。
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自己都合退職と会社都合退職の退職金の違い
退職を決めた人にはさまざまな理由があるでしょう。
退職金は退職理由によっても金額が異なります。
自己都合退職は会社にとってもマイナスです。長く勤めてほしいと思っていた人材がいなくなることで、新たに採用したり育成をしたりしなくてはなりません。
そのため、自己都合退職の場合は退職金の減額がおこなわれるのが一般的です。
一方で、会社都合の場合は、倒産や解雇など会社側が原因の退職となるため、減額とならずに自己都合退職より退職金が多くもらえます。
勤続年数2年目と3年目の退職金の相場
退職金の有無は入社3年目を境にしているケースが多いです。学歴や退職理由、大企業か中小企業かによっても変化しますが、勤続年数2年目でも退職金が出る場合、平均して勤続年数2年目と3年目では具体的にどの程度退職金が変わるのでしょうか。
勤続年数2年目と3年目の退職金の相場をみてみましょう。
勤続年数 | 高校卒(自己都合) | 高校卒(会社都合) | 大学卒(自己都合) | 大学卒(会社都合) |
---|---|---|---|---|
1、2 | 7万6000円 | 11万4000円 | 9万円 | 15万7000円 |
3 | 18万4000円 | 28万円 | 23万7000円 | 37万9000円 |
このように学歴や退職理由によって退職金額は異なります。さらに勤続2年目と3年目では退職金額の差は大きくなります。
あと少し働くと勤続3年目に入る人は、可能であれば3年目に入ってから退職する方が得策といえるでしょう。
では、勤務年数はいつから3年目に入るのでしょうか。
次項で詳しく解説します。
勤務年数はたった1日で変わる可能性がある
一般的な勤続年数は、端数切り上げで計算されます。
たとえば入社日が4月1日の場合、翌年3月31日に退職したとすると勤続1年となり、翌年の4月1日に退職したとすると勤続2年となります。
このように退職日は、たった1日多く働くだけで勤続年数が1年増えるケースがあるため、退職日はよく確認してから決めるとよいでしょう。
ただし、退職金の計算基準となる勤務年数の数え方は会社によって異なります。
たとえば休職や育休などを取得した場合、休暇分の日数を勤続年数に含むか含まないかは会社が自由に決められます。また、含まないからといって会社が罰せられることもありません。
休職や育休などの休暇を利用した人は勤務先に確認すると安心です。
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確定拠出年金なら3年働くと転職先で継続できる
企業型確定拠出年金(企業型DC)とは、企業が掛金を毎月積み立てし、従業員が加入者となり自ら年金資産を運用する制度です。
現在の勤務先で企業型確定拠出年金をおこなっている場合、3年働くと転職先で継続し、将来の退職金として準備し続けられます。
勤続3年未満で退職した場合は、受け取った掛金の全部または一部を会社へ返さなければならない可能性があるためよく確認しましょう。
転職先に企業型確定拠出年金(DC)がある場合
転職先に企業型確定拠出年金(DC)がある場合、年金資金の移換手続きが必要です。
退職後、運営管理期間からご自身の確定拠出年金の口座に関する資料が届きますので、転職先に企業型確定拠出年金の口座を持っていることを伝えてください。
その後、転職先の指示に従い必要書類を提出します。
手続き方法は転職先の企業年金の状況によって変わってくるため、転職が決まったら早めに転職先の担当部署に相談すると安心です。
転職先で企業型確定拠出年金口座にあるお金をそのまま引き継ぐことができますが、退職した会社で選んでいた金融商品から、転職先の制度にある金融商品へ選び替える必要があります。
転職先に企業型確定拠出年金(DC)がない場合
企業型確定拠出年金(DC)がない企業に転職したときは、個人型確定拠出年金(iDeCo)の口座を開設し、移換ができます。手続きは運営管理機関で行います。
ご自身で選択した運営管理機関に連絡をしたあと「個人別管理資産移換依頼書」を提出してください。
転職先によっては個人型確定拠出年金(iDeCo)以外にも、以下の企業年金に移換できる場合があります。
年金 | 問い合わせ先 |
---|---|
確定給付企業年金(DB) | 転職先の担当部署 |
通算企業年金 | 企業年金連合会 |
まとめ:退職するときは退職日を意識しておく
勤続2年目で退職すると、企業によっては退職金が受け取れない可能性があります。
退職金は法律で決まりがなく、すべて社内規定となるため、退職金の有無が知りたい場合は勤務先への確認が重要といえます。
また、勤務年数はたった1日で退職金の額に大きな差が出てしまう可能性もあるため、就業規則の確認をとってから退職日を決めるとよいでしょう。
ほかにも企業型拠出年金(DC)を導入している企業であれば退職金を引き継ぐことができるため、現在企業型確定拠出年金をしていない人も、転職先を選ぶ際の基準のひとつに入れるのもよいのではないでしょうか。
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