役員退職金を準備する6つの方法と法人保険が選ばれる理由
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一般的な退職金とは異なり、経営者は自分の退職金を自分で準備する必要があります。しかし、準備の方法を誤ると、自分の退職金の支払いが会社の経営を圧迫する可能性もあるため、役員退職金の準備は計画的に行う必要があります。
そこで本記事では、役員退職金の金額の目安や準備方法、多くの企業で法人保険が利用されている理由などを解説します。
- 【この記事を読んでわかること】
- 役員退職金は一般的な退職金と性質が異なる
- 役員退職金の準備方法はおもに6種類ある
- 役員退職金を法人保険で準備することで節税などのメリットがある
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役員退職金とは
役員退職金とは、会社法上における役員(取締役や監査役、執行役など)が退職する際に会社から支払われる退職金のことです。
従業員の退職金が就業規則に基づいて支給されるのに対し、役員退職金の支給には定款の規定か株主総会の決議が必要になります。そのため、株主総会で決議されなかった場合、会社は役員退職金を支給することができません。
また、役員退職金はその全額を損金に算入できるという性質があります。つまり、役員退職金を計上することで所得が圧縮され、法人税などの節税につながるというわけです。 なお、役員退職金は「勇退退職金」と「死亡退職金」の2種類に分けられます。
勇退退職金
勇退退職金は、取締役や監査役などの役員が退任する際に、これまでの功労に報いる形で支払われる退職金のことで、生存している本人が受け取るものです。その金額は勤続年数や功績に応じて算出されることが一般的です。
死亡退職金
死亡退職金は、役員に万が一のことがあった場合に、会社から役員の配偶者や子どもに支払われる退職金のことで、弔慰金(ちょういきん)とも呼ばれます。役員には労災のような公的保障が少ないため、遺族は死亡退職金を生活費や教育費などに充てることができます。また、役員は、自社株式のような事業用の資産を保有しているケースが多く、相続税が高額になることが少なくありません。そのため、遺族が死亡退職金を相続税の納税資金に充てることもあります。
役員退職金は高額になる可能性が高い
役員退職金の金額は法律で定められているわけではないため、法人が自由に決めることが可能です。しかし、役員退職金は法人税法第34条2項において、その金額のうち「不相当にこうがくな部分の金額」に関しては損金としての算入が認められないことになっています。何をもって「不相当に高額な部分の金額」と判断するのかは、法人税法施行令70条2項で規定されている以下の点がポイントになります。
- 業務に従事した期間
- 退職の事情
- 同種の事業を営み事業規模が類似する法人の役員退職金の支給状況
一方、法律では具体的な計算式が定められているわけではありません。そのため、実務上においては、税務上損金になる範囲の目安として「功績倍率法」と呼ばれる次の計算式で役員退職金が算出されることが一般的です。ここでいう「功績倍率」とは、役員が会社に対して貢献をした度合いを倍率として表したもので、この倍率は企業によって異なります。
勇退退職金=退職前の報酬月額×役員在任年数×功績倍率 |
死亡退職金=役員の最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率 |
たとえば、退職前の報酬月額が100万円で、役員在任年数が20年、功績倍率が3倍の社長の場合、勇退退職金は以下の金額になります。
例)100万円(退職前の報酬月額)×20年(役員在任年数)×3倍(功績倍率)=6,000万円
退職前の報酬月額が高額であったり、役員在任年数が長かったりする場合、当然退職金の金額もそれらに比例して高額になります。
役員退職金の金額は法律によって決められるものではないものの、一般的には高額になるケースが多く、企業は数千万単位で資金を準備しておく必要があるのです。
役員退職金を準備する6つの方法
先にご紹介したとおり、役員退職金の支払いには数千万単位の資金が必要となることが少なくありません。退職金の準備がきちんとできていない場合、会社の資金繰りに大きな影響を与える可能性もあるため、経営者があらかじめ役員退職金の準備を計画的に進める必要があります。会社が退職金を準備する方法としては、おもに以下の6つの方法が挙げられます。
1.小規模企業共済制度
小規模企業共済制度は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための退職金制度で、毎月1,000円から7万円の範囲で自由に設定した掛金を積み立てていくものです。掛金は所得税控除が可能なほか、契約者貸付制度を利用することもできます。ただし、加入後20年以内に解約をしてしまうと、掛金が返ってこないため注意が必要です。
2.法人保険
法人保険では、契約者が法人で、保険の対象は契約者、保険金の受け取りは法人です。経営者に万が一のことがあった場合、企業は保険金を借入金の返済や経営者の死亡退職金に充てることが可能です。法人保険の中には、保険料の一部が積み立てられ、一定の期間が経過すると、解約時に解約払戻金として受け取れるものがあるほか、条件を満たす場合は支払った保険料を損金として算入することもできます。損金算入タイプの法人保険には、全額損金となるものや、2分の1~4分の1の割合で損金になるタイプなどがあります。
3.中小企業倒産防止共済制度
中小企業倒産防止共済制度は継続して1年以上事業を行っている中小企業であれば加入ができる制度です。取引先が倒産するなど、万が一の時には無担保で掛金の最高10倍までの融資を受けられます。掛金の100%を損金として算入でき、さらに40ヶ月以上経過している場合は解約すると掛金の全額が解約手当金として返金されます。そのため、倒産防止の目的に加え、退職金の準備の手段としても多く利用されています。
4.預金
預金として単純に退職金を積み立てていく方法には、確実に自分のペースで積み立てができるというメリットがあります。しかし、預金は損金に算入できず、金利も低いためあまりメリットがある準備方法とはいえないでしょう。
5.有価証券
有価証券は運用方法によっては資産を大幅に増やすことができますが、不確実性が高いため、結果として退職金が準備できない可能性もあります。さらに、有価証券は損金算入ができず、運用には専門的な知識も必要となるため、リスクを伴う準備方法といえます。
6.不動産投資
不動産投資も有価証券と同様、運用次第では資産を大きく増やせる可能性があります。しかし、将来の価値が定まっていないため、結果的に希望する価格で買い手がつかなかった場合には、資金が準備できなくなるリスクもあります。初期費用に加え、固定資産税や管理費も発生するため、退職金の準備方法に向いているとは言い難いでしょう。
役員退職金の準備には法人保険が多く選ばれる
役員退職金を準備できなかった場合、最終的には金融機関からの融資に頼らなければならない可能性があります。
しかし、それでは借入金が増えた状態のままで後継者への引継ぎが行われることになり、後継者は借入金だけではなく利息分も支払う必要が出てきます。そこで、そのようなリスクを回避するために、先にご紹介した6つの退職金準備方法の中でも、法人保険を選ぶ企業が少なくありません。なぜなら、法人保険には次のようなメリットがあるためです。
1.勇退退職金と死亡退職金の両方が準備できる
法人保険に加入している場合、役員が死亡した際は死亡保険金を死亡退職金に、解約返戻金は勇退退職金にあてることができます。死亡退職金は予期せぬタイミングで必要となるため、法人保険に加入しておくことで滞ることなく支払いが可能になります。また、事業継承のための自社株の買いや、後継者が納付する相続税の資金に充てることもできるでしょう。
2.節税効果が期待できる
役員報酬の場合、損金とみなされず法人税の対象となりますが、役員退職金は、その金額が適性額と認められる限りは損金処理可能です。2019年の税制改正以降、経理処理のルールは複雑化しているものの、完全に節税できなくなったというわけではなく、法人保険の保険料の一部は損金として計上できるのです。節税効果は保険商品によって異なるため、加入時は節税効果にも着目すると良いでしょう。
3.資金繰りへの影響がない
先にご紹介したとおり、役員退職金は高額になりがちです。そのため、内部留保から退職金を準備使用とした場合、法人税の納付に加え、役員退職金の払い出しによる支出がキャッシュフローに大きな影響を与える可能性もあります。一方、保険で役員退職金を準備していた場合、簿外でプールされている保険金から役員退職金の払い出しをするため、払い出しによってキャッシュフローが乱れてしまう心配もありません。
4.契約者貸付制度を利用できる
一般的に法人保険への加入期間内であれば、解約返戻金の9割程度の金額内で、無担保・無審査の貸付(契約者貸付制度)が受けられます。
つまり、仮に役員退職金の準備を目的として法人保険に加入していたとしても、まったく別の何らかの理由で会社が経営危機に陥った際には、緊急で資金を準備できるのです。
なお、貸付であるため利子は発生し、解約返戻金も貸付金額分だけ減ってしまいますが、解約までに貸付金を完済していれば、元の金額分の解約返戻金を受け取ることができます。
役員退職金の準備に適した法人保険はおもに3種類
役員退職金の準備に法人向けの生命保険(法人保険)を活用することにはさまざまなメリットがあることがわかりました。以下では、さらに役員退職金の準備に適した3種類の生命保険をご紹介します。
1.逓増(ていぞう)定期保険
逓増(ていぞう)定期保険は、保険料は保険期間中一定ですが、期間の経過とともに保険金額が一定割合で増加する定期保険です。支払う保険料は高くなりますが、解約返戻率が高めに設定されているため、役員退職金の準備に適しているといえます。保険料の一部を損金に算入できる点もメリットです。
2.全額損金定期保険
全額損金定期保険は、その名のとおり支払った保険料を全額損金にできる保険です。会社を立ち上げてからの年数が浅く、資金繰りが潤沢でない経営者に向いている保険です。解約返戻率も比較的高く近年人気を集めている種類の保険ですが、保険の解約時には全額が雑収入として計上され、法人税が高くなってしまう可能性もあるため注意が必要です。
3.長期平準定期保険
長期標準定期保険は、定期保険ではあるものの、保険期間が非常に長く、100歳までの長期契約が多くみられます。保険期間が100歳までの場合、100歳まで毎年保険料を支払わなければなりませんが、解約返戻金が一定のピークを過ぎると解約返戻金が減少し、保険期間満了を迎えると0になります。そのため、解約返戻金のピークと役員退職金の支払い時期を合わせることがポイントです。
経営者の退職金は計画的な準備を
役員退職金は税制面で優遇されており、役員報酬として支払うよりも節税効果があるものです。しかしその一方、高額な退職金はその後の会社の資金繰りにも大きな影響を及ぼす可能性があるため、なるべく早い段階から準備を始めておく必要があります。
スムーズに事業継承を行うためにも、最新の税制や保険商品に注意しながら、自社にとってよりメリットの多い方法で計画的に準備をすすめましょう。
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