役職定年制度は導入すべき?社員のモチベーション低下を防ぐ方法とは

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定年の65歳までの引き上げを目前として、大手企業の約3割が役職定年制度を取り入れています。役職定年後のモチベーションの低下がメディアで取り上げられることも多く、良いイメージを持たない方も多いのではないでしょうか。本記事では、役職定年制度の概要を紹介し、役職定年制の導入と併せて検討すべき施策も紹介します。

  • 【この記事を読んでわかること】
  • 役職定年制度は、国の定める定年年齢の引き上げに伴い、大手企業を中心に普及
  • 役職定年を迎えた後の社員のモチベーションの維持が大きな課題
  • 役職定年を導入する場合は、従業員のキャリア自立に向けた教育が重要

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役職定年制度とは

デスクワークをする会社役員

役職定年の制度は、ある一定の年齢に達した社員が、課長・部長などの役職から降りる制度のことです。総人件費の抑制や、組織の新陳代謝を促すなどの目的で1980年代頃から導入する企業が増えました。

役職から降りた後の処遇は様々ですが、多くの企業では一般職や専門職として、定年退職まで勤務します。

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役職定年制度の導入状況

2017(平成29)年の人事院による調査では、役職定年制を導入している民間企業は全体の16.4%でした。また、そのうち企業規模500人以上の企業に限ると導入割合は30.7%となり、企業規模の大きな会社ほど役職定年制度の導入が進んでいることがわかります。

参考:平成29年民間企業の勤務条件制度等調査結果の概要 |人事院 P6

役職定年となる年齢

2017年の独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構が行った調査では、役職定年の年齢を役職に関係なく一律に定めている企業において、役職を降りる平均年齢は57.8歳でした。役職定年の年齢は企業の定年制度と強い関係があると見られており、従業員の定年年齢の1〜3年前に役職定年を迎えるケースが多いです。

参考:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構>資料シリーズ1 調整型キャリア形成の現状と課題>
参考:第8章 役職定年制度の導入状況とその仕組み(PDF 881 KB)P40

役職定年制度が導入された背景と目的

役職定年制度を導入・実施する企業の数は、国の政策や社会の変化によって増減してきました。この項目では、役職定年制度がどのような目的で、何を背景として普及したのか説明します。

役職定年制度が導入されたきっかけは定年延長

役職定年制度が導入されたきっかけは、1980年代に始まった定年年齢引き上げの動きです。それまで55歳を定年として賃金や退職金を検討していた企業にとって、5年もの定年年齢の引き上げは、人件費の大きな負担となりました。

総人件費を抑制しつつ組織内の新陳代謝を図るため役職定年制度が普及し、1994年には、役職定年制度を取り入れた企業は47.9%まで増加しました。

ポスト不足の大企業を中心にさらに普及

次の契機は、1990年代の初め、大量に採用された団塊の世代が管理職に到達する年齢になったことです。

当時大手企業で主流となっていた年功序列型人事では、勤務年数と年齢により管理職ポストが与えられるのが一般的でした。一旦役職についたら原則として降格はありません。役職交代の仕組みがなければ、特に同年代に大量の管理職候補者がいる団塊の世代ではポストが不足します。その対応として、大企業を中心に役職定年制度が広まりました。

役職定年制度は社会の変化に合わせて普及

その後、団塊の世代の定年退職などを経てポスト不足が解消され、2010年には役職定年制度を実施する企業の割合は20%代まで低下しました。

しかし、政府による少子高齢化対策の一つ「高年齢者雇用安定法」が施行された2013年には、役職定年実施率は再び30%代に上昇を見せました。

役職定年制度は、社会の変化に対応して企業が必要に応じて導入してきた制度といえるでしょう。

参考:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構> 65歳定年時代における組織と個人のキャリアの調整と社会的支援-高齢社員の人事管理と現役社員の人材育成の調査研究委員会報告書-(平成30年度) P53

役職定年を導入するメリット・デメリット

役職定年を導入するメリット・デメリット

今、政府が少子高齢化対策として高年齢者の雇用促進を進める中、役職定年制度に再び注目が集まっています。

役職定年を導入した場合、企業にとってどのようなメリット・デメリットがあるのか、解説します。

役職定年を導入するメリット

役職定年を導入することで期待できる企業にとってのメリットは下記4点です。

  • 組織の新陳代謝を図ることができる
  • 次世代となる若手育成の環境が生まれる
  • シニア人材にキャリアシフトを促すことができる
  • 定年延長後の人件費抑制につながる

それぞれについて説明します。

組織の新陳代謝を図ることができる

役職定年制度を設けることで、役職者の世代交代を進め、新陳代謝を図ることができます。

日本企業の人事慣行では、これまで、勤続年数と年齢が上がれば役職と給与が上がるという「年功序列制度」が採用されてきました。通常、役職も給与も、一度上がったものは下がることはありません。

つまり、ある従業員が一度役職についたら、その上の役職が空くまでずっとその役職に留まる状況が発生します。それにより、役職者全体の高齢化とともに組織が硬直化し、柔軟性や機動性を失うリスクがあります。

このような状況から脱するには、役職定年制度を導入するといいでしょう。役職定年制度によって組織の血液と言われる人材が入れ替わることで時代の変化に素早く対応し、多様な視点を経営に取り入れられるという効果もあります。

次世代となる若手を育成する環境が生まれる

役職定年制度を設けると役職ポジションの流動化が進み、若手が早期に役職に就ける可能性が高くなります。このような環境が、次世代を担う若手の育成につながります。

役職者が複数の部下を抱えるピラミッド型の組織構造の場合、部下の数に比べて役職のポストは少ないです。1人の従業員が役職にずっと就いているとポストが空かず、若手は昇進の機会を失い、モチベーションの低下につながります。

成長やステップアップが望めない環境では、有能な若手社員ほど成長の場を他社に求め、離職してしまうでしょう。

役職定年制度の導入によって役職に就くチャンスが広がり、若手社員には「役職に就く」という目標ができます。自分も頑張ればキャリアアップできるとモチベーショが高まり、職場の活性化につながります。

シニア人材にキャリアシフトを促すことができる

役職定年は、定年退職後のキャリアプランを考えるきっかけになります。大手企業においては特に、従業員は、役職をキャリアのゴールとして捉えがちです。

2013年に施行された「高年齢者雇用安定法」では企業に対し、2025年までに、希望する全ての労働者が65歳まで働ける環境整備を義務化しています。

高年齢者の雇用確保措置として、約7割の企業が「64歳以下の定年・65歳までの継続雇用措置」を取る中、50代半ばのミドルシニアからのキャリアプランがこれまで以上に重視されています。

役職から解かれた後のキャリアイメージを早い段階から持つきっかけとして、役職定年の制度を活用するといいでしょう。

定年延長後の人件費抑制につながる

役職定年制度の導入により、役職手当など人件費を抑えられます。役職定年制の導入は、役職者であった労働者の賃金見直しを行うきっかけになります。

多くの企業が導入している終身雇用と年功序列制度をベースにした人事制度では、年齢と勤務年数が上がるにつれ、給与は増加します。

役職がついたまま定年まで雇用する場合、役職手当を支払い続けなければならず、コスト増につながります。さらに、高年齢者雇用安定化の動きによって従業員の退職年齢が上がるにつれ、賃金の高い労働者が多く社内に留まるため人件費が増加し、企業を苦しめます。

役職定年を導入するデメリット

役職定年には、企業にとってさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットもあります。主なデメリットは下記3点ですが、それぞれ密接に繋がっているのが特徴です。

  • 若手社員のキャリア不安
  • ラインから外れることによるシニア層の孤立
  • 役職定年後のシニア社員のモチベーション低下

それぞれについて説明します。

若手社員のキャリア不安

若手は、自分の上司や先輩たちの背中を見て、将来の自分を想像します。役職定年を迎え、社内で孤立する、モチベーションが低下する先輩や上司の姿を目の当たりにすると、若手は、自身のキャリアに不安を抱くでしょう。

こうした状況を避けるためにも、役職定年を導入する場合には、役職定年を迎えた従業員が活き活きと働き続けられる制度にする必要があります。

また、優秀な若手が将来にわたってこの会社で活躍したいと思えるロールモデルとなるような、ミドルシニア層を育成すべきです。

ラインから外れることによるシニア層の孤立

役職経験者は組織の指揮命令系統、いわゆるライン上に役目があり、その中で管理職として力を発揮することを求められてきました。ところが、役職定年後はラインから外れたスタッフ職や専門職として勤務するケースが多く、社内から期待される役割が変わります。

会議に呼ばれない、会社や部署の意思決定の際に関われない、そもそも情報が回ってこないなどの環境の変化が起こり、孤立感を強く感じる人もいます。

役職定年後に部署の異動、業務内容の変更があれば、新しい人間関係や仕事内容について悩みを持つこともあるでしょう。しかし、上司が年下であるなどの理由で、中々相談できず抱え込んでしまう場合もあります。

役職定年後のシニア社員のモチベーション低下

役職定年後の労働者を対象とした調査によると、役職定年を経験した労働者はモチベーション低下を起こしやすいことがわかってきました。同じ年齢の社員でも、役職定年経験者は「新たな仕事」や「難易度の高い仕事」に挑戦する自信を失う傾向があることもわかっています。

一般的に、企業において役職就任まで昇進した従業員は、業績やマネジメントなどの面で会社への貢献度が大きく、仕事への意欲も含めて評価されているはずです。しかし、役職定年制度は、評価に関わらず、年齢によって一律に役職を解きます。

調査結果からは、これまで積み上げてきたものを失い、役職定年後の自身のキャリアについて前向きになれない様子が浮かび上がります。

参考:50代男性の働き方とキャリア意識に関する調査|第一生命経済研究所

役職定年後にモチベーションが低下する理由

役職定年を導入するデメリット
役職定年後にモチベーションが低下する理由

役職定年後のモチベーションや貢献意欲の低下にはどのような原因があるのでしょうか。独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査によれば、役職定年を経験した労働者の6割が、役職定年後「仕事に対する意欲」・「会社に尽くそうとする意欲」が「下がった」と回答しています。

各種調査の結果から、大きく3つの理由が関連していると考えられます。

  • 役職定年後の収入減
  • 肩書きがなくなることによる意欲の低下
  • 会社が自分に期待していないように感じる

それぞれについて説明します。

参考:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構> 65歳定年時代における組織と個人のキャリアの調整と社会的支援-高齢社員の人事管理と現役社員の人材育成の調査研究委員会報告書-(平成30年度) P66

役職定年後の収入減

2018年に公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団が行った役職定年経験者への調査では、全体の9割が役職定年に伴い年収が減ったとしています。さらに、役職定年後に収入が減った労働者の人のうち6割がモチベーションの低下を経験したとしています。

役職定年では、役職手当がなくなるだけでなく、責務の変更に伴い基本給が同時に見直されることが一般的です。

年功序列型人事では、企業に貢献し続ける限り給与は上がり続けるものでした。貢献の対価であった給与が、その理屈に反して減額されることで、これまでと同等の貢献はできないと思う人もいるでしょう。

参考:​​公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団「50代・60代の働き方に関する調査報告書(2018年)」

肩書きがなくなることによる意欲の低下

同じダイヤ高齢社会研究財団の調査では、役職定年により年収が変わらなくともモチベーション低下を経験した人が24%いました。収入によらず、役職を定年し「肩書きがなくなる」ことや、管理職でなくなること自体が意欲の低下を引き起こす可能性を示しています。

特に、同期入社のなかで切磋琢磨し役職をあげていく雰囲気のある大手企業では、自分の「職業人としてのキャリア」を「肩書き」と同一視しやすい傾向にあると言われています。役職が解かれると目指すものがなくなるため、モチベーションの低下を引き起こす原因となります。

会社が自分に期待していないように感じる

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査で、役職定年後の「仕事に対する意欲」と役職定年後の主な仕事・役割のクロス集計を見ると「社員の補助・応援」業務に就いている人のモチベーション低下率が他の業務に比して高い(73.4%)結果となっています。

また、モチベーション低下率が一番低い(48.1%)業務は、「経営層・上司の相談・助言+所属部署の後輩社員の教育」でした。

上記2つの業務には、本人が会社から受け取る期待感に明らかな違いがあります。「もう自分には第一線での活躍を期待していない」と感じれば、自ずと就労意欲は低下してしまうでしょう。

モチベーション低下の傾向は、役職定年後の業務によっても違いが出るようです。

参考:参考:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構> 65歳定年時代における組織と個人のキャリアの調整と社会的支援-高齢社員の人事管理と現役社員の人材育成の調査研究委員会報告書-(平成30年度) P66

役職定年制度と併せて導入すべき5つの施策

役職定年制度と併せて導入すべき5つの施策

役職定年制度の導入は企業にとって大きなメリットがある反面、労働者側にはモチベーション低下という大きなデメリットがあります。

この項目では、デメリットであるモチベーション低下を防ぐため、役職定年制度と同時に導入すべき施策を5つ、紹介します。

  1. 労働者主体のキャリア開発支援
  2. 役職定年者活用を前提とした人事制度の設計
  3. 役職定年者へのミッション・評価制度の導入
  4. マネジメント教育を強化する
  5. 働き方の選択肢を広げる

それぞれについて説明します。

1.労働者主体のキャリア開発支援

役職定年を導入する企業は、労働者主体のキャリア開発を支援すべきです。そのために、従業員がキャリア開発について学ぶ機会を設けるといいでしょう。

安定した企業の従業員ほど、自分のキャリアを無意識に会社に委ねてしまいがちだと言われています。与えられたコースで責任を果たして行けば、会社が昇進・昇給を用意してくれるためです。キャリアを会社に委ねてきた人ほど、「役職定年」を「会社人としてのキャリアの終わり」と感じてしまうでしょう。

こうした傾向がある企業の場合、全従業員向けに、早い段階から自発的なキャリア開発を促す教育機会を設けることが有効です。シニア層向けには、役職定年や定年退職を迎えた後を見据えたライププランニング研修が役立ちます。

役職定年をポジティブに受け止める従業員を育てる

役職定年をポジティブに捉え「次のキャリアへのステップ」と位置付けるためには、本人が自律したキャリアプランを持っていることが重要です。

高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査結果では「役職定年が今後のキャリアを考えるのに役に立った」と答えた割合は「職業生活(キャリア)について考えてきた」と回答した労働者で64.3%と半数を超えています。

キャリア開発支援を通じて、役職定年をポジティブに受け止められる人材を育てていくことが企業のミッションだと言えるでしょう。

参考:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構> 65歳定年時代における組織と個人のキャリアの調整と社会的支援-高齢社員の人事管理と現役社員の人材育成の調査研究委員会報告書-(平成30年度) P68

2.役職定年を前提とした人事制度

役職定年制度を導入する場合は、役職定年を前提としたミドルシニア層向けの新たな人事制度を整備しましょう。これまでの年功序列型人事考課・終身雇用制度のまま役職定年制度を導入すると、役職定年後の処遇と社員の期待が食い違い、モチベーション低下を招きやすくなるからです。

役職定年を前提とした人事制度の例として、役職定年後のキャリアコースの設置があります。現場に残りプレーヤーとして活躍する、技能継承やノウハウを伝え若手を育成する、知見を生かして経営層や管理職の相談役になる、などのキャリアを用意し、本人が自分に最適なキャリアを選べるようにします。

自分自身のキャリアを自分で決めることが、役職定年後のことを能動的に考え前向きに取り組むきっかけになります。

3.役職定年者の評価制度

役職定年を迎える従業員には、役職定年後に会社が期待する事柄を明確に伝え、その実施状況を個別に評価・フィードバックすることが大切です。

役職定年後に社員のモチベーションが低下する原因の一つは、これまで「役職・肩書き」として表現されていた「会社からの期待」が見えなくなることにあります。

役職定年後の社員に対して、企業として変わらず活躍を期待していることを本人に伝える仕組みを作るといいでしょう。また、役職定年後のキャリアにおいて、業績や貢献により評価を受けることは、会社への貢献意欲の維持につながるでしょう。

4.マネジメント教育を強化する

役職定年制度の導入をきっかけに、社内のマネジメント教育を強化することも有効です。役職定年制度を実施すると「元上司が部下になる」「元上司が同僚になる」「上司が年下である」というような、年功序列型人事では発生することが少ない状況が起こります。

お互いに気を遣い、本来のマネジメントができない、コミュニケーションがうまくいかないなどの不具合が起こることも考えられます。

今後、年上や異なる文化を持つ外国籍の部下を持つ機会が増えることが想定され、企業の管理職には多様性への理解と高いマネジメントの能力が求められます。優秀な若手管理職の育成は、役職定年制の導入に関わらず重要な施策と言えるでしょう。

5.働き方の選択肢を広げる

役職定年者向けに、働き方の選択肢を広げる施策をとることもできます。例えば、在職したまま副業や社外活動を許可・推奨したり、勤務時間や勤務スタイルを柔軟にしたりすることが挙げられます。

このように働き方の選択肢が広がることにより、労働者のキャリア自立を促す、定年に向けたキャリアシフトを支援する、役職定年による収入補填になるなどの効果があります。

第一生命経済研究所が50歳代の男性就労者を対象に行ったアンケート調査では、勤務先以外に活動する場を持っている人のうち、セカンドキャリアに対してより積極的であるという結果が出ています。一方、活躍する場を持っていない人の場合、自信があると答えた人は28.8%でした。

<アンケート回答結果:50歳代以降の今後の職業人生における実現可能性>

現在の勤務先以外に定期的・定例的に
活動する場の有無
「自分のやりたい仕事に挑戦すること」を
実現する自信があると回答した割合※
「あり」 45.7%
「なし」 28.8%

※「実現する自信がある」と「やや実現する自信がある」の合計

会社が従業員の社外での活動を後押しすることにより、社内で活き活きと活躍するミドルシニア層を増やすきっかけになるででしょう。

参考:50代男性の働き方とキャリア意識に関する調査|第一生命経済研究所  P8

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まとめ:役職定年制度はデメリットを理解し、十分な対策を

役職定年制度は、終身雇用・年功序列を基本とする日本企業が、社会の変化に対応する過程で普及した制度です。社員の収入低下、モチベーションの低下といったネガティブなイメージで説明されることが多いため、導入をためらう企業も多いでしょう。

しかし、役職定年制度のデメリットを理解し、事前に十分な対応をとれば、会社全体にとって前向きな取り組みにすることも可能です。

定年年齢の引き上げの動きが強まる中、会社の若返りも計りながら、優秀な従業員にいつまでも活躍してもらいたい企業は検討する価値があるのではないでしょうか。

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執筆者
阿部雅子
人事/キャリアコンサルタント
人事担当として約12年強、採用から人事管理、退職までをサポート。業界はIT系スタートアップ/ブライダル/政府系研究機関等。国家資格キャリアコンサルタント。中小企業での各種雇用調整助成金の受給やコンプライアンスのための規程整備等の経験が豊富。