Accessは本当に時代遅れなのか?現役社内SEが本質を解説!
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おいとま
そるふ
ネット記事やSNSでは「Accessは時代遅れ?」「Accessは必要ない?」「Accessに代わるツールは?」といった意見を見かけることがあります。
結論から言えばAccessはまだ需要があり、時代遅れではありません。
Accessが時代遅れと言われる要因は以下です。
- Excleの機能向上
- クラウドサービスの進化(ノーコードWebサービスの台頭)
しかし、実際には各ツールには得意なケースがあり、一概にどれが優れているとは言えません。
この記事では、「Accessは時代遅れ」とされる理由やAccessが適しているケースとそうでないケースについて説明し、さらにはAccessに代わるデータベースツールについても紹介しています。
Accessを有効活用するか、それとも別のツールへの移行を検討するか、参考にしてみてくださいね!
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- 【この記事を読んでわかること】
- Accessは時代遅れと言われているが、決して時代遅れではない
- Accessが時代遅れと言われている理由には、Excelの機能拡大やクラウド型データベースの台頭などがある
- Accessが時代遅れとなりうるかどうかは、データベースで管理するデータ量やユーザー数による
- Accessが時代遅れと言われていても、「脱Access」が適さないケースもまだまだある
「Accessは時代遅れ」と言われる3つの理由
まずは、「なぜAccessは時代遅れ」と言われるのか、その理由について解説します。
「Accessは時代遅れ」と言われる理由は下記のとおりです。
- Excelの機能拡大によりわざわざAccsessを利用する必要がなくなった
- フロントエンドとバックエンドを別のツールで分ける企業が増えてきた
- ノーコードで構築できる便利なクラウド型データベースの台頭
それぞれ順番に解説します。
Excelの機能拡大によりAccsessをわざわざ利用する必要がなくなった
「Accessは時代遅れ」と言われる理由の一つに「Excelの機能拡大」があります。
これまで、データベースとしてAccessを利用してきた企業も、Excelの機能が拡大したことにより、Accessと同じことをExcelでできるようになったのです。
たとえば、Excel2007からは新たに「.xlsx」形式のExcelデータが利用できるようになり、下記の機能拡大が行われました。
- 取り扱えるデータ容量の増加
- セキュリティの向上
- VBA機能の拡大
これまで大量のデータを管理するには、ExcelよりもAccessのほうが適していました。
しかし、「.xlsx」形式のExcelファイルが利用できるようになってからは下記のようにスペックアップされたため、Excelでも十分なデータ管理が可能なケースも増えてきています。
比較項目 | .xls形式 | .xlsx形式 |
---|---|---|
最大行数 | 65,536行 | 1,048,576行 |
最大列数 | 256列 | 16,384列 |
最大ファイルサイズ | 1.1MB | 2GB |
「Accessを使わなくてもExcelで十分データ管理できるじゃないか」ということになり、Accessの利用頻度が落ちてきたことも、Accessが時代遅れと言われる原因としては大きいです。
しかしExcelとAccessでデータに対する更新処理を比較すると、Accessのほうが素早く処理できる場合が多く、同じデータ量を管理するのであればAccessのほうがおすすめです。
また、Excelの場合、複数のユーザーで同時更新ができません。
Accessであれば、元データを保管するDBを1つ作っておき、そのDBのリンクテーブルを持つAccessファイルをそれぞれのユーザーで使えば同時更新が可能です。
フロントエンドとバックエンドを別のツールで分ける企業が増えてきた
Accessが時代遅れと言われる2つめの理由として、「フロントエンドとバックエンドを別のツールで分ける企業が増えた」という点があります。
Access2000まではAccessの.mdbファイル1つで、フロントエンドとバックエンドを兼ねてコンパクトに使用するケースが多く見られました。
しかし、取り扱うデータが増えたり、DBへアクセスするユーザーが増えたりすると、どうしても処理に時間がかかったり使いにくかったりといった問題が発生してしまいます。
そこで、フロントエンドをWeb画面、バックエンドをMySQLなどにすることにより、Webから手軽に利用でき処理もスムーズに行える仕組みが構築され始めました。
このような形態でデータを管理する企業は増えてきており、それにともなってAccessの利用頻度が減って「時代遅れ」と言われるようになりました。
ノーコードで構築できる便利なクラウド型データベースの台頭
Accessが時代遅れと言われる3つ目の理由として、「ノーコードで構築できる便利なクラウド型データベースの台頭」が挙げられます。
Accessにしても、Web+MySQLにしても、データを入力する画面やデータベースの構築にはVBAやPHPなどのプログラミング知識が必要です。
そのため、データベースを構築したいと考えた時に、外注したり専門家を雇ったりといったコストがかかります。
しかし、最近ではデータベースや入力画面をノーコードで(プログラミングを使わず)構築できるクラウド型のデータベースサービスが出てくるようになりました。
詳細については後述しますが、このクラウド型データベースを手軽に使えるようになってきたことも、Accessが時代遅れと言われる大きな原因です。
「Access」が適しているケース、「脱Access」が適しているケース
Accessが時代遅れと言われる3つの原因を解説しましたが、それでもAccessが適しているケースがあるのも事実です。
そして、やはり「脱Access」が適しているケースもあります。
「脱Access」とは、「Accessを使わないほうがいい」ケースのことです。
それぞれのケースについて順番に解説します。
「Access」が適しているケース
Accessが時代遅れと言われても、「Access」が適しているケースは下記のとおりです。
- 取り扱うデータ容量が少ない場合(2GB未満)
- 少人数で使う場合
- コストをかけられない場合
- VBA・SQLの知識がある人が部署にいる場合
- 社内PCにソフトの利用制限がかけられている場合
Accessが取り扱えるデータの最大容量は2GBまでです。
そのため、2GBを超えないデータを取り扱う場合は、Microsoft 365 Personal・Microsoft Office Professional 2021などに付属のAccessを利用することでコストを削減できます。
またAccessを使っていくためには、データベースの作成や改修ができる人材が必要です。
部署の中にVBA・SQLの知識がある人がいないと、Accessを使っていくことは難しくなります。
SQLに関しては、以下の記事に詳細な解説をしておりますので参考にしてみて下さい。
SQLエンジニアの仕事内容とは?IT経験者が知りたい年収も解説
データベースの操作に欠かせないSQLは、あらゆるシステムで利用されています。 AIやデータ分析などビッグデータの活用が注目される
そして、意外とあるケースですが「社内PCにソフトの利用制限がかけられている」場合です。
これは比較的大きな企業で、社内のセキュリティを一元管理している企業に多いです。
私が現在勤めている会社でもそうですが、Accessの代わりとなるツールを作るための環境を作ろうとしても、アプリケーションのインストールに制限がかけられているため、部署単位で利用できるデータベースを作成できません。
かろうじてMicrosoftAccessは利用できる環境にあるため、もし部署内でデータベースを構築したい場合は、Accessしか使えません。
もっと大きなデータを管理できるMySQLやOracleなどのデータベース利用権限については、本社の情報管理部門が握っており、勝手に運用できないようになっています。
このような場合もAccess利用が適しているケースと言えます。
「脱Access」が適しているケース
一方、「脱Access」が適しているケースは下記のとおりです。
- 取り扱うデータ容量が多い(2GB以上)
- 大人数で使う場合
- コストがかけられる場合
- 社内PCのソフト利用制限がない場合
前述の「Access」が適しているケースの逆となります。
上記のような場合は「脱アクセス」したほうが、データ処理速度も利便性も大きく高まります。
自分が利用したいケースでAccessが適しているか否かの判断は、実際に使用してみるとイメージしやすいです。
Accessは、公式ページで無料使用版が用意されているので興味がある人は使ってみると良いでしょう。
Accessの代替となるデータベース管理ツール
Accessが時代遅れと言われる理由や、Accessが適しているケース・脱Accessが適しているケースを解説してきましたが、割と低コストで簡単にAccessの代わりができるツールも登場しはじめてきたので解説します。
Accessの代替となるデータベース管理ツールは下記のとおりです。
- Kintone(キントーン)
- PigeonCloud(ピジョンクラウド)
両者に共通して言えることは「クラウド型」であることです。
それぞれのツールの特徴や向いているケースを簡潔にまとめたのが以下の表です。
Access | Excel | Kintone | PigeonCloud | |
---|---|---|---|---|
種別 | データベースソフト | 表計算ソフト | ノーコードWeb-DB | ノーコードWeb-DB |
向いているケース | チームでのデータ共有 | 個人のデータ管理・分析 | 組織でのデータ共有 | 組織でのデータ共有 |
価格 | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
習得しやすさ | ◯ | ◎ | ◯ | ◯ |
データ共有 | ◯ | △ | ◎ | ◎ |
環境構築の難易度 | ◯ | ◎ | ◯ | ◯ |
KintoneやPigeonCloudなどのクラウド型のノーコードWebデータベース管理ツールは、AccessやExcelと比較してより大人数の組織でのデータ共有に向いています。
それぞれ順番に解説します。
Kintone(キントーン)
Kintoneは、サイボウズ社が提供するノーコードデータベース管理ツールです。
プログラミングの知識がない人でもブラウザで簡単にデータ入力画面が作成でき、入力したデータを一覧で表示できたり、CSVで出力できたりします。
カスタマイズ性が非常に高く、データベースとしてだけでなく、さまざまな業種において「無駄のない」基幹システムとして構築することも可能です。
基幹システムに関しては、以下の記事で詳しく解説しておりますので参考にしてみて下さい。
小売業向け基幹システム開発の選び方やおすすめの発注先を現役SEが忖度抜きで解説
「小売業者が基幹システムを選ぶときの注意点は?具体的にどんなシステムがある?」小売業者が基幹システムを選ぶときは、導入実績・業務要件の2つを
Kintoneは、ブラウザベースで全て操作を行いデータもクラウド上に持っていることから、外出先のパソコンやスマートフォンからの操作も可能です。
データ一覧もさまざまな条件で抽出可能で、そのデータをすぐにグラフとして表示もできます。
「今日現在のグループ別の受注状況の推移ってどうなってる?」と上司に聞かれたときに、瞬時にリアルタイムなデータを表示できて便利です。
実は、私の会社でもKintoneを導入しており、顧客管理に使用しています。
顧客データの入力はもちろんですが、お客様への「次回対応予定日時」という項目を作って入力しておくと、「お知らせ」と「メール」で通知してくれる機能も具備できるのでタスク管理に便利です。
ただし、毎日使ってみて「データが増えるとビューの読み込みが遅くなる」という点があり、定期的に必要なデータを精査して削除する必要があると感じています。
ちなみに利用料金は下記のとおりです。
- スタンダードコース:月額1,500円(税抜き)/1ユーザー
- ライトコース:月額780円(税抜き)/1ユーザー
スタンダードコースとライトコースでは使用できるアプリ数とスペース数に差があります。
詳しくは公式サイトを確認してみてください。
PigeonCloud(ピジョンクラウド)
PigeonCloudは株式会社ロフタルが提供する、ノーコードデータベース管理ツールです。
サイボウズ社のKintoneと同じく、Webブラウザで作成・操作・管理できるクラウド型データベースツールで、プログラミングの知識を使わずにアプリケーションが作れます。
Kintoneとの主な違いは、帳票出力機能や自動バックアップ機能がデフォルトで備わっていることです(Kintoneは別料金)。
ちなみに利用料金は下記のとおりです。
- ユーザー数プラン(~10人):月額1,000円(税抜き)/1ユーザー
- ユーザー数プラン(11人~): 月額800円(税抜き)/1ユーザー
- 同時ログイン数プラン(~20人):月額2,200円(税抜き)/1ユーザー
- 同時ログイン数プラン(20人~250人): 月額1,800円(税抜き)/1ユーザー
PigeonCloudの詳細については公式サイトを確認してみて下さい。
以上がAccessの代替となるデータベース管理ツールの解説です。
Access・Excel・Kintone・PigeonCloudがそれぞれどの程度世間の関心を集めているかは、Googleトレンドというツールで確認できます。
2024年1月22日時点の状況は、
- Excel
- Access
- Kintone
- PigeonCloud
の順に検索されています。
Excelがよく検索されていますが、KintoneやPigeonCloudと比べるとAccessは高い関心を集めていることが分かります。
Accessの求人情報からみる需要
大手求人サイト(求人ボックス)を調査したところ、2024年1月22日時点のAccess関連の求人情報は、以下のとおりとなっていました。
分類 | 件数 | 平均年収 |
---|---|---|
求人総数 | 11,405件 | – |
正社員 | 5,780件 | 517万円 |
派遣社員 | 3,329件 | 419万円 |
業務委託 | 1,026件 | 630万円 |
その他 | 1,270件 | – |
(※平均年収は、各項目の求人20件をランダムに選択した平均値を記載)
Accessは「時代遅れ」「必要ない」という意見があるなか、Accessを必須スキル・歓迎スキルとする求人が一定数存在することも事実です。
Accessを活用できる仕事内容は、以下の記事で詳しく解説しているので興味がある人は読んでみてください。
Accessを活用できる仕事の種類を現役社内SEが解説!
「Accessのスキルは転職に活かせる?」「Accessのスキルを習得すれば、転職を有利に進められる?」結論を言うと、PRの仕方次第で転職で
まとめ|Accessは時代遅れではなく必要としている企業も多い
おいとま
この記事を読んで、以下のことが分かりました。
- Accessは時代遅れと言われているが、決して時代遅れではない
- Accessが時代遅れと言われている理由には、Excelの機能拡大やクラウド型データベースの台頭などがある
- Accessが時代遅れとなりうるかどうかは、データベースで管理するデータ量やユーザー数による
- Accessが時代遅れと言われていても、「脱Access」が適さないケースもまだまだある
大量のデータを管理する方法として、Accessを使わずにExcelを用いたり、クラウド型データベースを使う企業が増えています。
しかし、Accessならではの処理の軽快さや手軽さといったメリットは、状況によって十分活用可能です。
おすすめの転職エージェント
転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです!
- 大手:業界や職種にこだわらず自分に合った転職先を幅広く探る
- 特化型:希望する業界や職種への転職を専門的にサポートしてもらう
さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。
大手転職エージェント
≫リクルートエージェント
支援実績No1の総合型。年代や職種を問わずまず登録しておくべきエージェントです。
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≫社内SE転職ナビ
社内SE特化。業界最大級の社内SE求人数を保有しています。
社内SEはホワイトな求人も多いためおすすめです。
【公式】https://se-navi.jp/
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