SQLエンジニアの仕事内容とは?IT経験者が知りたい年収も解説

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データベースの操作に欠かせないSQLは、あらゆるシステムで利用されています。

AIやデータ分析などビッグデータの活用が注目される昨今、SQLを自在に操るSQLエンジニアに注目している方も多いのではないでしょうか。

本記事では、SQLエンジニアのおもな仕事内容や必要なスキル、年収、将来性などを詳しく解説していきます。SQLエンジニアへの転向や転職を考えているIT業界経験者の方はぜひご覧ください。

  • 【この記事を読んでわかること】
  • SQLエンジニアの仕事はSQLを使った、データベース操作の開発
  • SQLエンジニアの年収相場は、正社員で390万円〜580万円
  • SQLはデータベースを使うあらゆるシステムで活用されるため、需要は多い
  • デジタル化でデータの活用が進み、SQLエンジニアの将来性も高い

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SQLエンジニアの仕事を知る

SQLエンジニアはSQLを用いて、システム開発におけるデータベース操作部分を担うエンジニアです。よく似たデータベースエンジニアとは、下記のような違いがあります。

  • データベースエンジニア:データベース全体のアーキテクチャやパフォーマンス設計、構築、運用を担う
  • SQLエンジニア:構築されたデータベースを使ってシステムやアプリケーションを開発する
SQLエンジニアとデータベースエンジニアの役割の違い

データベースエンジニアはインフラ色が強く、SQLエンジニアはアプリ寄りのエンジニア、というようなイメージです。

では、SQLエンジニアの仕事内容を見ていきましょう。

SQLの特徴

SQLは、1974年にIBMが開発した、リレーショナルデータベースを操作するためのクエリ言語です。

リレーショナルデータベースとは、行と列からなるテーブル形式でデータを保管するタイプのデータベースを指します。テーブル同士がリレーション(関係)を持ち、結合することでデータを効率的に管理することが可能です。

また、SQLはデータを操作するためのクエリ言語であり、プログラミング言語とは異なります。プログラミング言語のように、一連の処理を記述することはできません。
SQLはのちにANSI(米国国家規格協会)、ISO(国際標準化機構)によって規格が統一され、データベース操作の標準的な言語として広く使われています。

SQLのおもな特徴を見てみましょう。

  • シンプルな構文でデータ操作が可能
  • 結合やグループ化で複雑な処理も可能
  • 規格が標準化されており、さまざまなデータベース製品で利用可能

シンプルな構文でデータ操作が可能

SQLはシンプルな構文で、データベースに格納されたデータの検索や挿入、更新、削除などの操作が可能です。例えば商品テーブルから単価が100円以上のデータを抽出する場合、下記のような簡単なコードで実装できます。

SELECT * FROM 商品テーブル
WHERE 単価 >= 100;

結合やグループ化で複雑な処理も可能

SQLでは、簡単なテーブル操作だけでなく、複数のテーブルを結合して情報を取得したり、テーブルをグループ化して集計したりといった複雑な処理も可能です。大量のデータが格納された複数のテーブルから検索・集計する処理でも、効率的なデータ検索アルゴリズムにより、短時間で処理できます。

規格が標準化されており、さまざまなデータベース製品で利用可能

上で述べたように、SQLは言語仕様が標準化されているため、異なるベンダーのデータベース製品でも基本的に言語仕様は統一されています。そのため、エンジニアはSQLを習得すれば、データベース製品を問わずSQLのコーディングが可能です。

SQLエンジニアの役割と業務範囲

SQLエンジニアの役割は、さまざまなシステム開発において、SQLによるデータ操作部分の開発や分析をすることです。
SQLは下記をはじめとした、データベースを使用するあらゆる分野のシステム開発で広く活用されています。

  • WEBアプリケーション
  • 企業の基幹システム
  • ERPやCRMなどの情報管理システム
  • ビッグデータを使ったデータ分析
  • モバイルアプリやゲーム開発

SQLの特徴で解説したとおり、SQL単独では流れのある処理を記述できないため、ほかのプログラミング言語と組み合わせて使われるのが一般的です。SQLエンジニア自身がほかの言語も使ってプログラミングしたり、ほかの言語のエンジニアと分担してプログラムを完成させたりします。

また、プログラミングだけでなく、データベース操作周りの設計やプログラミング結果のテストなどもSQLエンジニアの業務範囲です。上級のエンジニアになると、要件定義などの上流工程からプロジェクトに参画することもあります。

SQLエンジニアに求められるスキル

SQLエンジニアに求められるスキル

SQLエンジニアが開発案件をこなすために必要なスキルのうち、重要な3つを紹介します。

  • SQLの知識と活用スキル
  • データベース製品の知識
  • 関連するプログラミング言語の知識

SQLの知識と活用スキル

SQLエンジニアにとって欠かせないのは、SQLの基本的な構文の知識・スキルです。
SQLは下記の3種類に分けられます。

DDL
(データ定義言語)
データベースの構造を定義するためのSQL。
テーブルの作成(CREATE)や変更(ALTER)、削除(DROP)などがある。
DML
(データ操作言語)
データベースのデータを操作するためのSQL。
テーブルにデータの挿入(INSERT)や更新(UPDATE)、選択(SELECT)などがある。
DCL
(データ制御言語)
データベースのセキュリティやアクセス制御を管理するためのSQL。
ユーザーアクセス権限の設定(GRANT)、トランザクションの確定(COMMIT)・ロールバック(ROLLBACK)などがある。

これらのSQLを駆使してデータベースを自在に操る知識とスキルが求められます。また、応答時間や処理時間の要件を満たすために、SQLの構文や実行計画を最適化するチューニングの知識も重要です。

データベース製品の知識

SQLが使われるデータベースにはさまざまな製品があります。
企業のシステム開発でよく使われる代表的なデータベースは下記の4つです。

  • Oracle(Oracle社)
  • Microsoft SQL Server(Microsoft社)
  • MySQL(オープンソース)
  • PostgreSQL(オープンソース)

上で解説したように、SQLは標準化されているため、基本的に使われる構文は同じです。しかし、各製品でサポートしている機能が違っていたり、独自の拡張SQLを持っていたりといった違いがあります。そのため、SQLエンジニアには、SQL言語だけでなく、参画案件で用いるデータベース製品に関する知識も必要です。

関連するプログラミング言語の知識

SQLはデータベースを操作するクエリ言語であるため、プログラム処理を記述することはできません。通常、システム開発では、ほかの言語とセットで使われます。例えば、WEBアプリケーション開発であれば、JavaやPHP、Pythonなどの言語が代表的です。SQL単独の開発案件は少なく、多くの場合、SQLエンジニアには関連するプログラミング言語の知識も求められます。

SQLエンジニアの気になる収入事情

SQLエンジニアへの転向や転職を考える場合、収入は重要な要素です。
正社員、フリーランス、未経験者に分けて、収入の目安を紹介します。

正社員SQLエンジニアの年収相場は390万円〜580万円

SQLエンジニアの年収相場

「TECH Street(テックストリート)」が2020年に実施した調査によると、年代別のSQLエンジニアの平均年収は下記のとおりです。

  • 20代:392万円(11位)
  • 30代:500万円(14位)
  • 40代:582万円(19位)
  • 50代:576万円(13位)

※カッコ内は調査対象の全21言語の中での順位

SQLエンジニアの年収はほかの言語と比較して高くはありません。
また、同調査の保有スキルランキングによると、SQLはJavaと並んで1位でした。

順位言語保有率
1SQL15.9%
2Java15.9%
3JavaScript13.2%
4C#.NET6.4%
5PHP6.1%

データベースを用いたシステム開発で必須といって良いSQLは、ほか言語のエンジニアでも基礎スキルを習得している人が多いため、SQL中心のエンジニアの年収は低めに抑えられているものと推測されます。

フリーランスSQLエンジニアの月収相場は30万円台〜100万円以上

「レバテックフリーランス」の調査によると、フリーランスのSQLエンジニアの月収相場は平均66万円です。スキルによる月収の幅は大きく、30万円台から最高145万円と5倍近い差があります。
JavaやPython、PHP、Rubyといった、SQLと一緒に使われる人気のWEB開発言語と比べると平均月収や月収のボリュームゾーンは低めです。

言語平均月収最高月収
SQL66万円145万円
Java69万円165万円
Python76万円145万円
PHP72万円165万円
Ruby80万円145万円

それでも中には100万円以上の高月収の案件も存在するので、十分なスキルと経験があれば高収入を得ることも可能です。

未経験のSQLエンジニアの年収相場は300万円〜400万円程度

未経験のSQLエンジニアの年収は、正社員の年収幅やフリーランスの最低月収を参考にすると、300万円〜400万円程度と推測されます。

ITエンジニアのスキルを測るモノサシのひとつは経験年数です。一般にITエンジニアが一人前になるには3〜4年の実務経験が必要といわれています。経験やスキルに応じてキャリアアップしていけるのがITエンジニアの魅力です。はじめのうちは収入が少なくても、経験を積んでいけばキャリアアップできるでしょう。

SQLエンジニアとしての収入水準を知るためには

ここまでは統計的な数値をもとに紹介しました。具体的に、自身の経歴を踏まえた収入の目安を知りたい場合には以下のようなサービスを利用してみましょう。

  • 手軽に知りたい|市場価値診断サービス
  • 詳しく知りたい|転職エージェント

それぞれ詳しく解説します。

手軽に知りたい|市場価値診断サービス

市場価値診断サービスは、ネット上で自身のスキルや経験に関するいくつかの質問に答えると、適正年収などを提示してくれるサービスです。会員登録すると、より詳しい分析や企業からのオファーを受けられます。おもなサービスに「ミイダス」「geechs job」「duda」などがあります。

詳しく知りたい|転職エージェント

より正確な自身の市場価値を知りたい方は、転職エージェントに登録すると良いでしょう。自身の詳しい経歴や希望の職種、働き方などを伝えると、豊富な企業情報の中から最適な転職先を紹介してくれます。実際の求人情報を知ることで、正確な収入水準を知ることが可能です。

収入水準は、弊社サービス「 エイジレスフリーランス」でもご相談いただけます。
エイジレスフリーランスは、年齢不問の求人のみを扱い、キャリアコンサルタントがひとりひとりの経験やスキルに合わせて企業・案件を紹介するサービスです。

SQLエンジニアのキャリアを考える

SQLエンジニアの働き方やキャリアアップ方法を紹介します。

SQLエンジニアの多様な働き方

SQLはさまざまな企業の開発で用いられているため、SQLエンジニアは多様な働き方を選べます。

おもな働き方は下記のとおりです。

  • 正社員
  • 派遣エンジニア
  • フリーランス
  • 副業

正社員は安定した収入や福利厚生が魅力ですが、仕事内容や働く時間は会社に縛られます。派遣エンジニアやフリーランスは自由度が高い一方、収入は不安定です。しかし、高いスキルと経験があれば、正社員エンジニアよりも高収入を得ることもできます。

近年ではクラウドのデータベースを活用した開発が広がっており、リモートワークを導入する企業も増えています。転職時の企業選びや、フリーランスへの転身など、自身の希望にあった働き方を選びやすくなりました。
リモートワークが広がったことで、退社後や週末に副業SQLエンジニアとして開発経験を積みながら副収入を得ることも可能です。

SQLエンジニアがキャリアアップする手段

SQLエンジニアは、SQLや関連する言語に加えて、データベース管理やクラウド、データ分析ツールのスキルを身につけることでキャリアアップにつながります。

  • DBAの知識を習得する
  • クラウドデータベースの活用スキルを身につける
  • ETLツールやBIツールのスキルを身につける

それぞれ見てみましょう。

DBAの知識を習得する

DBA(データベース管理者)は、データベースの設計・構築・運用やパフォーマンスの最適化、セキュリティ対策といったデータベース管理を担う職種です。SQLエンジニアがDBAの知識を習得することで、パフォーマンスやセキュリティを意識した開発力や、障害への対応力などが身につきます。DBAのスキルを高めていけば、データベースエンジニアにキャリアアップする道も開けるでしょう。

クラウドデータベースの活用スキルを身につける

近年はクラウドのデータベースを利用したシステム開発も増えています。おもな企業向けクラウドサービスには、AWS(Amazon)、Azure(Microsoft)、Google Cloud(Google)などがあります。これらのサービスでは、利用できるデータベース製品や提供機能にそれぞれ特徴があるため、使いこなすには専門知識が必要です。今後も成長が見込まれるクラウドの活用スキルは、仕事の幅を広げるのに役立つでしょう。

ETLツールやBIツールのスキルを身につける

ビッグデータを使ったデータ分析の分野では、SQLと合わせてETLツールやBIツールを活用するケースが多くあります。

  • ETL(Extract, Transform, Load)ツール:データの抽出や変換、ロードを効率化するツール
  • BI(Business Intelligence)ツール:データを分析・視覚化しビジネスに役立てるツール

これらのツールを使いこなせるようになると、いま注目のビッグデータを扱う案件も担える可能性が広がります。

未経験のSQLエンジニアが技術を磨く方法

SQLでの開発経験のない人が、SQLエンジニアになるためにやるべきことを3つ紹介します。

  • SQLの基礎知識を身につける
  • 実際に手を動かしてみる
  • 資格を取得する

SQLの基礎知識を身につける

SQLエンジニアとして開発案件に参画するには、SQLを自在に操れなくては始まりません。
まずはDDL、DML、DCLの基本的な構文と使い方を覚えてしまうのがおすすめです。基礎ができたら、結合や副問合せといった複雑なSQLにも挑戦しましょう。
SQLは、解説サイトや書籍などが豊富に揃っているので、教材に困ることはないでしょう。

実際に手を動かしてみる

SQLの基礎知識を身につけたら、実際にSQLを書いて動かしてみましょう。MySQLやPostgreSQLなどのオープンソースのデータベースなら、無償で自身のPC上にSQLを実行するための環境を作れます。実際にテーブルを作成するところから始めて、データ挿入、更新、検索などの操作をやってみることで理解が深まるでしょう。サンプルデータを用意すれば、実際の開発で使うような複雑なSQLの練習も可能です。サンプルデータはkaggle datasetsから入手できるため試してみると良いでしょう。

資格を取得する

SQLの知識を身につけ、動かせるようになったら、資格取得に挑戦するのがおすすめです。

SQLの代表的な資格には、下記のものがあります。

  • Oracle Master Bronze
  • 基本情報技術者試験・応用情報技術者試験・データベーススペシャリスト
  • OSS-DB技術者認定資格 Silver

Oracle Masterは4つのレベルがあり、基礎レベルのBronzeは知識を確かめるのにおすすめです。

国家資格の基本情報技術者試験・応用情報技術者試験は、IT技術者としてのスキル全般を問う試験で、SQLも含まれます。合格したら、上位資格のデータベーススペシャリストを目指すのも良いでしょう。
OSS-DB技術者認定資格は、オープンソースデータベースに関するスキルを問う資格です。2つのレベルのうちSilverは基礎知識を問う内容のため、初級者でも合格しやすいでしょう。

これらの資格を取得することで、転職やフリーランスの案件獲得時のスキル証明としても役立ちます。

SQLエンジニアの転職ノウハウ

SQLエンジニアとして希望の転職先に入るための3つのポイントを解説します。

  • 自身の経験・スキルと転職の目的を明確にする
  • 自身のスキルセットと目的にあった企業を選ぶ
  • 転職サイトや転職エージェントを活用する

自身の経験・スキルと転職の目的を明確にする

エンジニアの転職市場では、過去の開発実績や保有するスキルが評価の大部分を占めます。自身の強みを存分にアピールできるように、これまでに担当した案件の内容や規模、役割、扱える言語などを洗い出しましょう。SQLはほかの言語とセットで使われることが多いため、ほかの言語での開発経験はプラスになります。
また、希望とマッチする転職先を見つけるには、なぜ転職するのか、転職先でどのようなキャリアを積んでいきたいのか、といった転職の目的も明確にしておきましょう。

自身のスキルセットと転職目的にあった企業を選ぶ

企業が求める人材と、自身の持つスキルが一致する企業を選んで応募すると採用される確率が高まります。SQLはほかの言語と組み合わせて使われるため、SQL単独の求人よりも、ほかの言語とセットでの求人が多い傾向があります。自身の扱える言語とマッチすれば強い武器になるでしょう。
また、自身の描くキャリアパスを実現できる企業かも確認しましょう。入社してからミスマッチが発覚すると、お互いに時間と労力の無駄になってしまいます。

転職サイトや転職エージェントを活用する

転職サイトや転職エージェントを活用すると、効率的に企業探しができます。転職サイトは膨大な求人情報から、希望にあった企業を探して、コンタクトが取れるサービスです。エンジニア向けのサービスなら、開発言語での求人検索もできます。
転職エージェントは、転職のプロが企業探しをサポートしてくれるサービスです。自身の開発実績や希望を伝えると、マッチした企業を紹介してくれます。転職に関するさまざまな相談や、転職活動に関するサポートが受けられるのも魅力です。

おすすめの転職エージェント

転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです!

  • 大手:業界や職種にこだわらず自分に合った転職先を幅広く探る
  • 特化型:希望する業界や職種への転職を専門的にサポートしてもらう

さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。

大手転職エージェント
リクルートエージェント
支援実績No1の総合型。年代や職種を問わずまず登録しておくべきエージェントです。
【公式】https://www.r-agent.com/

特化型エージェント
社内SE転職ナビ
社内SE特化。業界最大級の社内SE求人数を保有しています。
社内SEはホワイトな求人も多いためおすすめです。
【公式】https://se-navi.jp/

ウズカレIT
IT未経験からの転職に特化。就職/転職支援のみならずIT学習のサポートを無料で受けられます。
【公式】https://uzuz-college.jp/

エイジレスエージェント
年齢不問求人/ハイクラス転職に特化。SIer・コンサル・大手SESなどの求人を多数保有しています。
約80%が平均年収150万円アップの実績あり。
【公式】https://agent.ageless.co.jp

SQLエンジニアの求人や案件

SQLエンジニアが活躍する企業やプロジェクトの例を見てみましょう。

SQLエンジニアを求める企業

SQLエンジニアはデータベースを使う多くの企業から需要があります。代表的な3つの企業を見てみましょう。

  • システムインテグレーター(SIer)
  • WEBサービス企業
  • データ分析企業

システムインテグレーター(SIer)

システムインテグレーター(SIer)は、顧客企業からシステム開発案件を受託して開発する企業です。大手SIerならさまざまな企業と取引があり、業界や規模など幅広い案件を経験できます。特にSQLはあらゆるシステムで活用されることから、高度なスキルを持つエンジニアは活躍の場が多いでしょう。

WEBサービス企業

インターネットを使ってさまざまなサービスを提供するWEBサービス企業でもSQLエンジニアへの需要があります。インターネットを介した不特定多数を相手にするサービスの開発では、パフォーマンスやセキュリティなどの知識も必要です。SQLだけでなく、データベースを管理するDBAの知識も備えていると良いでしょう。

データ分析企業

ビッグデータを分析してビジネスの課題や解決策を提供するデータ分析企業でもSQLエンジニアは活躍しています。SQLエンジニアの役割は、SQLやツールを使ってデータの収集や管理を行うことです。高度な専門性でデータを分析するデータサイエンティストにキャリアアップする道もあります。

SQLが使われる開発プロジェクト

SQLはデータベースを利用するあらゆるシステム開発プロジェクトで活用されています。

ここでは、3つの例を紹介します。

  • ECサイト開発
  • データウェアハウス構築
  • AI・データ分析開発

ECサイト開発

SQLは顧客のリクエストに応じて、大量の商品情報や顧客情報などから情報を抽出したり、更新したりするのに活用されます。大量のアクセスがあっても素早く正確な情報を返せるよう、パフォーマンスを意識して効率的なクエリを記述するのがSQLエンジニアの腕の見せ所です。

データウェアハウス構築

データウェアハウスとは、企業の大量のデータを統合・管理し、ビジネスに役立てることを目的としたデータベースです。SQLを使ってデータウェアハウスから必要なデータを抽出してデータマイニングや分析、レポート作成などを行います。膨大なデータを扱うため、効率的なSQLを記述できる高いスキルが必要です。

AI・データ分析開発

最先端のAIやデータ分析の分野でも、膨大なデータを使った機械学習や分析のためにSQLが用いられます。これらの分野で活躍するには、SQLと一緒に使われるPythonやR言語、SAS言語といったプログラミング言語の知識や、統計学、アルゴリズム、データ可視化などの専門性も必要です。

SQLエンジニアが業務委託案件を見つける方法

フリーランスのSQLエンジニアが業務委託案件を見つけるための3つの方法を紹介します。

  • クラウドソーシングや求人サイト
  • フリーランスエージェント
  • 知人の紹介

クラウドソーシングや求人サイト

ネット上で手軽に案件探しができるのは、求人サイトやクラウドソーシングなどのWEBサービスです。
クラウドソーシングはワーカーを探す企業と、仕事を探すワーカーをマッチングするサービスです。豊富な案件から希望にあった案件を探せますが、報酬から一定の手数料が引かれる点には注意しましょう。
また、求人サイトにもフリーランス案件が多く掲載されています。直接契約になる分手取りは増えますが、契約や請求などの手続きを自身でやらなくてはいけません。

フリーランスエージェント

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知人の紹介

勤めていた会社の元同僚や同業の友人など、人のつながりから案件受託につながることもあります。SQLはあらゆるシステムやサービスで活用されているため、高いスキルをアピールしておけば声がかかるチャンスが広がるかもしれません。
また、SNSやエンジニア向けのイベントなどでの交流から案件獲得につながるケースもあります。人とのつながりで案件を見つけるには、積極的にコネクションを作りにいくことも大切です。

SQLエンジニアの将来性

デジタル化の進展に伴い、日々膨大なデータが発生し、データベースに蓄積されています。今後、AIやIoT、データ分析などの発展で、データをビジネスや研究に有効活用するニーズはますます高まっていくでしょう。
SQLは、そんな膨大なデータを操作するための標準言語であり、現状では取って代わる言語は存在しません。SQLエンジニアには、今後も高い需要があると考えて良いでしょう。

今からSQLエンジニアを目指すべき?

下記の点からSQLエンジニアへの転職・転向は将来性のある選択肢といえるでしょう。

  • SQLはデータベース操作の標準言語で、あらゆるシステムに利用されている
  • デジタル化の進展で今後データ活用のニーズがますます高まることが予想される
  • SQLエンジニアからデータベースエンジニアやデータサイエンティストへキャリアアップの道も

ただしSQLは、ほかのプログラミング言語とセットで用いられることがほとんどであるため、関連技術を身につけることが重要です。近年増えているクラウドでのデータベース利用のスキルや、データ分析用のELTやBIツールのスキルなどを習得すると仕事の幅が広がるでしょう。

まとめ

SQLは、リレーショナルデータベースを操作するためのクエリ言語です。データベースを扱うための標準言語であるため、あらゆるシステム開発で活用されています。
SQLエンジニアの収入相場は正社員で390万円〜580万円程度です。データベースのインフラ知識を高めたデータベースエンジニアや、データ分析の専門性を高めたデータサイエンティストなどへのキャリアアップの道があります。
今後は、デジタル化の進展により膨大なデータ活用のニーズがますます高まると予想され、SQLエンジニアは引き続き需要の高い職種といえるでしょう。

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執筆者
しーそー
大手証券系システム会社での20年間のシステムエンジニア(SE)歴を経て、2022年4月よりライターの道へ。前職では主に設計・要件定義などの上流工程やプロジェクトマネジメントを経験。職歴を活かしたIT・金融関係の記事や、趣味と実益を兼ねた資産運用・仮想通貨などが得意ジャンル。2児の父として子育てにも奮闘中