嘱託社員のデメリットとメリット4つ|再雇用契約する際の注意点も解説

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定年退職した社員を嘱託社員として雇用する企業が増えています。

しかし、嘱託社員についてしっかり理解しないまま契約を交わすと、「こんなはずではなかった」と後悔する可能性があります。

そこでこの記事では、嘱託社員になる前に知っておくべき4つのデメリットや再雇用契約を交わす際の注意点を解説します。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • 嘱託社員のデメリット
  • 嘱託社員として契約を交わす際の注意点
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嘱託社員とは

膝の上に手を合わせる男性

嘱託社員とは、企業と定年退職した元社員との間で成立する雇用形態です。法律上は明確に定義されていません。一般的には、契約社員やパートと同じように、有期労働契約に基づいて働く非正規雇用の労働者を指します。

有期労働契約とは、企業と労働者が期間を定めて交わす労働契約です。契約期間は最大で原則3年とされます。なお、専門的な知識などを有する労働者、満60歳以上の労働者との労働契約の上限は5年です。

ここでいう専門的な知識などを有する労働者とは、弁護士や医師などを指します。

参考:労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等) |厚生労働省

少子高齢化や生産年齢人口の低下による人手不足のため、定年退職者と再雇用を結ぶ企業は少なくありません。嘱託社員は明確に定義されていないため、勤務形態や業務内容、給与体系などは、企業によってさまざまです。

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契約社員との違い

嘱託社員と契約社員の違いは2つある。1つは無期転換ルールの有無、もう1つは雇用の目的です。

無期転換ルールの有無

契約社員は有期労働契約から無期労働契約へ転換できますが、嘱託社員はできません。

無期転換ルールとは、同じ労働者と企業との間で有期労働契約が5年を超えて更新された場合、有期契約労働者からの申込みにより、無期労働契約に転換できるルールです。有期契約労働者が企業に対して無期転換の申込みをした場合、無期労働契約が成立します。

雇用目的の違い

嘱託社員の場合、培ってきた経験や知識を活かして同じ職場で働くといった定年後の再雇用を目的とするのに対し、契約社員は専門的な能力を活かし働くことを目的とします。契約社員は、外部の人と契約する場合が多いですが、嘱託社員はもともと働いてきた人と契約します。

ただし、法律上、契約社員にも明確な定義があるわけではありません。常用労働者のうち、フルタイム勤務で雇用期間の定めがある嘱託以外の者と、厚生労働省では定義されています。

参考:用語の説明 – 厚生労働省

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嘱託社員4つのデメリット

パソコンの前で考える男性

この項目では、嘱託社員4つのデメリットについて紹介します。デメリットを把握し退職後の働き方を改めて検討しましょう。

  1. 正社員ほど待遇が良くない場合がある
  2. モチベーションの維持が困難
  3. 契約が更新されるとは限らない
  4. 期間満了による退職は自己都合になる

1.正社員ほど待遇が良くない場合がある

嘱託社員になれば正社員ほどの待遇を受けられない場合があります。正社員と嘱託社員では、給与やボーナスに差がある企業が多いのが現状です。

嘱託社員の平均給与は正社員より低い

2021年の国税庁の調査によると、正社員の平均給与が508万円であるのに対して 、嘱託社員を含む正社員以外は、198 万円と、300万円以上低い結果となりました。

参考:令和3年分民間給与実態統計調査結果

嘱託社員のボーナス支給額は正社員より低い

また、ボーナスに関して、厚生労働省の2021年賃金構造基本統計調査では、企業規模10人以上の民間企業で働く正社員・正職員の「特別賞与その他特別支給額」の平均額が年間およそ99万円だったのに対し、嘱託社員を含む「正社員・正職員以外の雇用期間の定めがある労働者」は23万円でした。

参考:賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 雇用形態別 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

定年退職したあと、生活資金以外に子供の教育費や家のローンなどが残っている場合、貯蓄や退職金、年金だけでは賄えない可能性もあります。嘱託社員として企業と再契約を交わす際、給与が低ければ交渉する、応じてもらえなければ転職を検討するのも1つの手段です。

2.モチベーションの維持が困難

正社員を退職したあと、嘱託社員になると人によってはモチベーションの維持が困難になります。嘱託社員になれば、給与の減少や配置転換などの違った環境で働くからです。

正社員の時と同じような働き方でも、立場が違うため給与が下がることがあるほか、かつての部下が上司になることで働きづらくなる場合もあります。また、正社員の時と同じように責任のあるポジションで活躍したいと思う人もいるでしょう。

こうした職場環境の変化に上手く馴染めなければ、モチベーション低下につながります。再雇用契約を交わす際、どの部署でどのような業務に従事するのかなどを確認し、可能な範囲で希望を伝えましょう。

3.契約が更新されるとは限らない

嘱託社員は継続して契約が更新されるとは限りません。無期労働契約は適用されず、有期労働契約となるためです。契約期間の満了日以降、更新されなければその時点で退職となります。

ただし、定年後に再雇用となった場合、定年制の廃止や定年の引き上げ、継続雇用制度の導入のいづれかを65歳まで講じるように企業側に義務付けています。加えて、令和3年4月1日からは、70歳を対象として、業務委託契約を締結する制度の導入や社会貢献事業に従事できる制度の導入(高年齢者就業確保措置)など、雇用以外の措置のいずれかを講じるように努めることを義務付けています。

2022年の厚生労働省の「高年齢者雇用状況等報告 」によると、65歳定年の企業は全体(23万5875社)の22.2%を占める5万2418社で、前年から増加するけっかとなりました。

参考:令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します|厚生労働省

そのため、現状では継続して更新されないこともありますが、今後は嘱託社員として継続雇用されていく可能性が高いでしょう。

4.契約期間満了による退職は自己都合になる

契約期間満了を迎えた嘱託社員が退職する場合、自己都合の退社として扱われます。自己都合退社として扱われると、離職中に受け取れる失業手当の給付日数や受取までの待機期間などの条件が大きく変わります。

一般の離職者は、ハローワークに申請後から失業手当を受け取るまで7日間から最長3ヶ月間の期間がかかります。また、給付日数は被保険者期間に応じておよそ3~5ヶ月間です。

一方、会社都合退職に該当すれば、雇用保険上は特定受給資格者として扱われ、7日間の待期期間のあとすぐに失業手当を受け取れます。給付日数は年齢や被保険者期間によって細かく区分されており、最長で11ヶ月間(45歳上60歳未満で、被保険者期間が20年以上ある場合)受け取ることも可能です。

参考:ハローワークインターネットサービス|よくあるご質問(雇用保険について)

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嘱託社員のメリット4つ

電球に向かって階段を登る人の絵

嘱託社員は、デメリットだけではなくメリットもあります。この項目では、嘱託社員のメリット4つを解説します。

  1. 正社員時代に培ったノウハウが活かせる
  2. 責任から解放される
  3. 労働日数や労働時間を調節できる場合もある
  4. 有給休暇を引き継げる場合がある

1.正社員時代に培ったノウハウが活かせる

積み上げてきたノウハウを活かして働けます。
嘱託社員は同じ職場で、経験したことのある業務に従事する場合が多くあります。新しい仕事を覚える手間や労力がかからないことに加えて、面識のある仲間と働けるため、人間関係のストレスが軽減できます。

退職後に新しい環境で働くのは困難です。初めての仕事や人間関係に上手く馴染めないこともあります。転職経験がなく環境の変化に対応する柔軟性が不足している人には、嘱託社員がおすすめです。

2.責任から解放される

嘱託社員になれば、正社員で任されていた責任や重圧から解放されます。嘱託社員になる際、配置転換が行われ、それまで就いていた役職は他の人が担うことが一般的です。重要な役職に就いていた人ほど、肩の荷が降りるでしょう。

経営目標への責任や外部に対しての責任、部下の育成、部下のメンタルケア、上司と部下双方の意見を考慮した上での対応など、役職によってさまざまな責任やストレスがあります。重大な責任から解放され、嘱託社員として新たな視点で企業に貢献しましょう。

3.労働日数や労働時間を調整できる場合がある

嘱託社員は、労働日数や労働時間など労働条件が考慮されている傾向があります。短時間勤務や隔日勤務、ワークシェアリング、フレックスタイム制などを認めている企業もあります。

2021年総務省統計局の「労働力調査」によると、非正規の職員や従業員が現職の雇用形態についた主な理由は、「自分の都合のよい時間に働きたいから」とした者が654万人と1番多く、前年に比べ35万人も増加しています。

参考:労働力調査 (詳細集計) – 総務省統計局

柔軟に労働日数や時間を調節できれば、正社員の時にはできなかった過ごし方が実現できます。

4.有給休暇を引き継げる場合がある

定年退職後に同じ企業で嘱託社員となる場合、残った有給休暇を引き継げる場合があります。
有給休暇の発生要件は以下の通りです。

  1. 雇い入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務したこと
  2. その間全労働日の8割以上出勤したこと

再雇用の場合、定年前と再雇用後とが継続勤務といえるかが問題となります。行政通達では、定年退職による退職者を引き続き嘱託等として再採用している場合 (退職手当規程に基づき、所定の退職手当を支給した場合を含む )など、実質的に労働関係が継続している限り勤務年数を通算するとされています。

ただし、退職と再採用との間に相当期間が存在し、客観的に労働関係が断続していると認められる場合はこの限りではありません。

参考:改正労働基準法の施行について( 昭和63年01月01日基発第1 …)

他にもいくつか条件は定められていますが、基本的には嘱託社員になっても有給休暇は引き継げます。

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嘱託社員として契約する際の注意点

携帯を見ながらメモを取る女性

嘱託社員の契約時には注意すべき点があります。より働きやすい環境や待遇を実現するために、以下2点を把握し、確認しておきましょう。

  1. 雇用形態
  2. ボーナス支給の有無

1.雇用形態

再契約を交わす前に雇用形態をしっかり確認しておくことが重要です。
嘱託社員は明確に定義されてはいないため、雇用形態はさまざまです。有期雇用契約以外にも、業務委託契約や請負契約になることもあります。医師や弁護士、職人など専門性の高い仕事の場合、毎日一定の時間働く必要はなく、スポットでの業務対応が一般的だからです。

また、嘱託社員の雇用期間も企業ごとに異なります。公務員が退職して嘱託社員になる場合、一般的には3年の有期雇用契約で非常勤扱いとなります。一般企業の場合も、自由に雇用期間が定められるため、必ず確認しておきましょう。

非常勤の場合は収入の減少もあり得る

嘱託社員は非常勤で働く場合、フルタイムで働く社員よりも給与が下がる可能性があります。高齢者雇用安定法では、正社員と同じ労働条件を義務付けてはいないからです。非常勤の給与は、時給制が採用されることが多い。働く時間は軽減されますが、その分給与も下がります。

2.嘱託社員のボーナス支給の有無

嘱託社員にボーナス支給があるか確認しておきましょう。企業によって嘱託社員へのボーナス支給の有無は異なります。嘱託社員へのはボーナスは支給されない、あるいは支給されても正社員よりも少額な場合が一般的です。

そもそも正社員に対しボーナスを支給していない企業が、嘱託社員に支給する可能性は低いだけでなく、正社員にボーナスを支給する企業でも、嘱託社員には支給しない場合もあります。稀に、嘱託社員や契約社員、アルバイトにもボーナスを払う企業もあります。

就業規則や労働契約、求人広告などにボーナスを支給する記載がある場合、正規雇用か非正規雇用にかかわらず請求できるため、嘱託社員として契約を交わす際は確認しておきましょう。

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同一労働同一賃金によって嘱託社員は働きやすくなる

握手する男性

2021年より全面施行された「同一労働同一賃金」によって、嘱託社員の待遇が改善される可能性があります。
同一労働同一賃金とは、同一企業・団体の正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との間の不合理な待遇差を解消するための制度です。

正規雇用労働者と非正規雇用労働者間で、給与やボーナスについて不合理な待遇差を設けることを禁じています。加えて、待遇差がある場合、その理由の説明が企業側に義務付けられています。

参考:同一労働同一賃金特集ページ |厚生労働省

ただし、嘱託社員になった後、仕事量を減らしプライベートを充実させながら働きたい場合は注意が必要です。正社員と同じ賃金を求めるなら、同じ労働量が必要になるためです。セカンドライフの計画を立て、慎重に検討しましょう。

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嘱託社員のデメリットを把握して今後を検討しよう

成功に向かって梯子を登る絵

嘱託社員として再雇用契約を交わせば責任から解放され、なおかつ、これまで培ったノウハウを活かして働けます。しかし、給与やボーナスなど待遇面では下がる可能性があるほか、契約が毎年更新されるとも限らないため、モチベーションの維持は難しいでしょう。

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執筆者
エイジレスメディア編集部
エイジレス社会の専門誌として、すべての人が何歳でも豊かな暮らしを紡げるよう有益な情報を発信していきます。主に、エイジレスなビジョンを体現している人物や組織へのインタビュー記事を執筆しています。