50代女性のお金の事情は?夫と離婚・死別した場合についても解説

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50代を迎えた女性は子育てが一段落する人も多く、セカンドライフを見据え、家族やお金について考える機会が増えるでしょう。将来に向けて自分の希望をかなえるには、まず、お金の心配をなくしておきたいところです。今回は50代の女性のお金のデータ、夫と離婚・死別した場合のお金についてなど、知っておくべき知識を解説します。

  • 【この記事を読んでわかること】
  • 50代は夫婦世帯も独身女性も1,000万円以上の貯蓄がある
  • 夫と離婚したときの年金分割で増える金額は月額3万円程度
  • 国民年金だけの夫と死別した場合、18歳までの子どもがいないと遺族年金がもらえない

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データから見る50代女性のお金事情

データ

50代の女性にはいくら収入や貯蓄があるのか、気になる人も多いでしょう。ここでは総務省統計局「2019年全国家計構造調査」のデータから、50代の夫婦世帯と独身女性のお金の事情を紹介します。

50代夫婦世帯の場合

50代夫婦世帯の年間収入の平均は747万8,000円、配偶者の収入は82万5,000円、貯蓄残高の平均は1,401万3,000円、負債残高の平均は579万1,000円です。

「世帯主の配偶者」とは、妻であることがほとんどでしょう。この金額から、夫婦世帯の女性は扶養の範囲で働く人が多いと考えられます。

また、平均の貯蓄残高は約1,400万円と、老後を意識した備えのある世帯が多いようです。ただし、住宅ローンなどの負債も500万円以上残っているデータもあり、世帯主の在職中の完済が課題となるでしょう。

世帯の年間収入 747万8,000円
世帯主の配偶者の収入 82万5,000円
貯蓄残高 1,401万3,000円
負債残高 579万1,000円

参考:総務省統計局「2019年全国家計構造調査」

50代独身女性の場合

50代独身女性の年間収入は約380万円ですから、正規雇用で働く人が多いと考えられます。貯蓄の平均は約1,100万円と堅実に蓄えている様子がうかがえます。負債の平均は300万円以下のため、安定した収入があるうちに完済しておきたいところです。

年間収入 380万6,000円
貯蓄残高 1,110万7,000円
負債残高 260万6,000円

参考: 総務省統計局「2019年全国家計構造調査」

50代女性と家族状況の変化

家族

50代になると自分だけでなく、家族の状況が大きく変化することもあるでしょう。家族の状況の変化は、お金にも影響があります。この項目では、夫との離婚や死別、親の介護に関わるお金について解説します。

夫と離婚した場合

夫が会社員または公務員で厚生年金に加入していた場合、一定の条件を満たしていれば婚姻中の年金を分割できます。年金の分割には「3号分割」と「合意分割」があり、いずれの場合も離婚してから2年以内の手続きが必要です。

50代で離婚する場合、専業主婦やパートタイマーなどで厚生年金に入っていなかった女性は老後の年金が少なく、不安に感じるかもしれません。離婚を選択する場合、分割の手続きを忘れずにしましょう。

3号分割とは

3号分割の対象となるのは、2008年4月1日以降の婚姻期間中に国民年金の第3号被保険者(専業主婦など)だったことがある人です。対象期間中の夫の厚生年金記録の1/2を分割できます。分割にあたり、当事者間の合意は必要ありません。

合意分割とは

婚姻期間中における夫の厚生年金記録の分割割合を当事者の合意によって決める制度です。なお、婚姻中に3号分割の対象期間がある人が合意分割の請求をすると、同時に3号分割の請求をしたと見なされます。合意がまとまらない場合、裁判所が決定します。

年金分割で受け取れる年金額が増える

厚生労働省の「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金分割を受けた人の年金受給額(老齢基礎年金含む)の月額は、分割前が5万4,281円、分割後が8万5,394円です。つまり、分割すると月額にして約3万円増えるわけです。

専業主婦だった人は、年金分割を受けても受け取れる年金はそれほど多くありません。熟年離婚を希望する場合、老後の生活費をどうするかをよく考えることが大切です。なお、年金分割の見込額は、年金事務所で試算してもらえます。

夫と死別した場合

一家の大黒柱である夫が亡くなった場合、遺族年金の受給額が妻のその後の生活を大きく左右します。遺族年金には遺族基礎年金(国民年金)遺族厚生年金の2種類あります。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金の被保険者が亡くなった場合に支給される年金です。遺族基礎年金を受けられるのは、子のある配偶者か子です。「子」とは18歳になった年の3月31日までの子、または20歳未満で障害年金の障害1級または2級の子を指します。つまり、18歳未満の子どもがいない妻は、遺族基礎年金を受けられません。

妻が遺族年金を受けられる場合の受給額は2022年4月からは「77万7,800円+子の加算額」です。子の加算額は、次の通りです。

  • 1人目および2人目 22万3,800円/人
  • 3目以降 7万4,600円/人

遺族厚生年金

遺族厚生年金は会社員や公務員の家族が受けられる年金です。夫を亡くした妻は年齢にかかわらず受けられます。遺族の条件に当てはまる限り、亡くなるまでもらえます。ただし、子のない30歳未満の妻が受給できるのは5年間です。

遺族厚生年金の受給額は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4です。報酬比例部分とは、厚生年金の年金額の計算基礎となるもので、加入期間中の報酬と加入期間によって決まります。例えば、老齢厚生年金の報酬比例部分が月額10万円なら、遺族厚生年金の支給額は月額7万5,000円です。

中高齢寡婦加算

遺族厚生年金を受け取る妻が次のどちらかの条件を満たすと、中高齢寡婦加算として年額58万3,400円が加算されます。

  • 40歳以上65歳未満で生計維持関係の子がいない
  • 子が要件を満たさなくなり、遺族基礎年金を受給できなくなった

親の介護費用について

50代になると親の介護が必要になる人も増えるでしょう。介護には労力とお金がかかります。生命保険文化センターの調査によると、公的介護保険サービスの自己負担などの介護にかかる月々の費用の平均は8万3,000円です。ただし、施設での介護にかかる費用は平均12万2,000円と、年金だけではまかないきれないケースも考えられます。

介護費用が足りない場合の対策

介護の費用が足りない場合、「高額介護サービス費」という制度を利用できます。1カ月間に支払った介護保険サービスの利用者負担の合計が上限を超えた場合に、超過分が払い戻されます。上限は収入によって決まります。住民税が課税される人で課税所得380万円未満の人の場合の上限は、4万4,400円です。

また、自宅を親族に残す必要がない場合、リバースモーゲージやリースバックという方法で介護費用を調達することもできます。リバースモーゲージとは、自宅を担保にお金を借り、亡くなってから自宅を売却したお金で返済するシニア向けのローンです。リースバックとは、自宅を売却し、買い主との賃貸借契約によって自宅に住み続ける方法です。

50代女性のライフプランの立て方

プラン

50代になったら、老後の生活も視野に入れて、資金の目処を立てておく必要があります。ここでは、50代女性のライフプランの立て方について解説します。

住宅ローンなどは定年までにできるだけ返済する

夫婦世帯も独身女性も、住宅ローンなどの借金は定年までにできるだけ返済しておくのが望ましいです。組んでいるローンの返済表を確認し、繰り上げ返済の計画を立てましょう。繰り上げ返済は退職金で一括でもかまいませんが、利息を減らす効果もあるので、余裕資金の範囲で定年前に定期的に行うのが有利です。

毎月の返済額を減らすために、定年後も返済が続くような、長期にわたるローンを組んでいる人もいるかもしれません。しかし、年金生活になってからも返済が続くと、家計にとって、過剰な負担がかかります。また、先述したリバースモーゲージを利用して、住宅ローンの借り換えをするのも一つの手です。

老後の収支を見積もる

年金生活になってからの収支を計算してみましょう。以下は、総務省の家計調査年報より、最新の65歳以上の無職世帯の家計収支の平均額で、夫婦世帯で約2万円、独身世帯で約1万円の赤字です。この金額の30年分、夫婦世帯で720万円、独身世帯で360万円は生活費の不足分として最低限準備すべき金額といえます。

年金収入はねんきん定期便やねんきんネットで公的年金の受給額を確認します。支出は現在の家計を基準に考えるとよいでしょう。

その他、個別のライフイベント(リフォームや子どもへの援助など)に応じて必要な資金を見積もりましょう。

夫婦世帯 独身世帯
手取り収入 20万5,911円 12万3,074円
消費支出 22万4,436円 13万2,476円
収支 ▲1万8,525円 ▲9,402円

参考:総務省「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」

何歳までどのように働くか考える

仕事を持つ人は、定年後も働き続けるのか、働くとしたらどのような雇用形態で働くかを考えましょう。仕事は生活設計の大切な要素です。収入だけでなく生きがいにもつながります。

近年では、定年延長や定年退職後の再雇用などにより、60歳以降も現在の勤務先で働ける人も多いでしょう。ほかに、契約社員として社会保険に加入して働く、パートタイマーで夫の扶養の範囲で働くなど、さまざまな働き方があります。定年退職後を含め、何歳まで、どのように働くのか、プランを立てておきましょう。

50代女性におすすめの老後資金対策

お金

最後に、50代女性におすすめの老後資金対策を紹介します。老後にお金の心配をしないで生活するには、50代から計画的に準備をする必要があります。ぜひ参考にしてみてください。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(個人型確定拠出年金)は加入者が掛金を自分で運用し、60歳以降に受け取る公的年金の上乗せ制度です。掛金が全額所得控除になるなど、税の優遇を受けながら老後の資産を作れます。2017年の改正で加入できる人が増え、働いている人も専業主婦も加入できるようになりました。

50代から加入する場合、60歳から受け取れなくなる点に注意が必要です。通算加入等期間が10年に満たないためです。しかし、60歳以降に国民年金の任意加入をする、または厚生年金に加入して働く場合、60歳以降も65歳まで加入して積み立てを続けられるため、老後資金を上積みできます。

NISA(少額投資非課税制度)

NISA(少額投資非課税制度)は投資で得た運用益が非課税になる制度です。現行のNISAは期限のある制度ですが、2024年から新NISA制度がスタートします。これにより、つみたてNISAと一般NISAが一本化されて恒久化するため、50代からでも長期の非課税投資が始められます。また、年間に投資できる金額も大幅に引き上げられます。現行の制度ではつみたてNISAが40万円、一般NISAが120万円ですが、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)120万円、成長投資枠(旧一般NISA)240万円、合計360万円に引き上げられます。

例えば、今まで子どもの教育費が必要なため投資に回すお金がなかった人が、増えた投資枠を活用して老後資金を短期間で準備することも可能です。

公的年金の繰り下げ受給

国民年金と厚生年金は原則として65歳から受け取れますが、最長で75歳まで繰り下げできます。繰り下げた場合、1カ月ごとに年金額が0.7%増額されます。70歳から受け取れば42%増、75歳からなら84%増となります。

増額された年金の金額は、一生涯変わりません。受け取り開始までの生活費を用意できるなら、前向きに検討するといいでしょう。

まとめ:将来どのように過ごしたいかを見つめ、お金の計画を立てましょう

女性にとって50代は、公私ともに人生の節目になる出来事が多い年代です。子どもの独立や親の介護など、身の回りに大きな変化が起こる人もいるでしょう。そうした節目には、自分が理想とする今後生き方について考えるとともに、お金の見通しを立てることも大切です。自分の希望を最優先し、希望が実現できるよう、お金の計画をしっかりと立てましょう。

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漠然とした不安を抱えるのは辛いものです。まずは現状を把握し、どのような対策が必要なのかを相談してみましょう。

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執筆者
松田聡子
ファイナンシャルプランナー
明治大学法学部卒業後、証券システムのITエンジニア、国内生保の法人コンサルティング営業を経て2007年よりファイナンシャル・プランナーとして独立。コンサルティングのほか、主な活動は企業型確定拠出年金導入企業へのセミナー講師、マネーサイトへの執筆など。年金・資産運用・保険などに精通、iDeCoやNISAなどの制度を活用した人生100年時代の資産形成をアドバイスしている。