退職金が非課税になるケースとは?条件や非課税枠の計算方法を解説

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「退職金が非課税になるケースはいくらなのか」「課税されるのか自分で計算してみたい」
退職金は楽しみですが、税金が引かれたあとでどれだけ手元にお金が残るのか気になる人は多いのではないでしょうか。
退職金は種類によっても税目が変わるため、非課税になる金額はいくらなのか、ご自身の退職金に当てはめて計算してみましょう。

職金や確定拠出年金など、定年前後のお金の仕組みは複雑です。
一人ひとりの状況によって最適な節税方法は変わるため、個人の判断で進めると大損しかねません。

そのため、お金を損しないポイントはおさえておきつつ、実際に退職するタイミングが近づいたら専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • 退職金にかかる税金は住民税と所得税および復興特別所得税
  • 非課税枠の表にて簡単に計算が可能
  • 死亡退職金として受け取ると相続税となる
  • 役員退職金は原則損金算入が可能

退職金にかかる3つの税金

3つの税金

退職金には「住民税」と「所得税」および「復興特別所得税」の3つの税金がかかります。
「住民税」と「所得税」に関しては、毎月給与から引かれていることもありなじみがありますが、「復興特別所得税」はどのような税金なのでしょうか。
「復興特別所得税」とは、2011年12月2日に東日本大震災復興のために必要な財源の確保に関する特別措置法が成立し、創設されたものです。
「復興特別所得税」は2037年まで所得税に加えて納めなくてはなりません。

退職金は税制上では、退職所得と呼ばれています。
ほかにも、退職金の30日以上前の予告なしに企業から解雇や倒産などした場合に「未払賃金の立替払制度」で得た未払い賃金も退職所得となります。

退職金にかかる税金は、所定の計算式から算出した非課税限度額を超えていなければかかりません。どのくらいまでが非課税になるのか、自分の退職金は非課税にはならないのか気になる人も多いのではないでしょうか。
次項では退職金の非課税枠を解説します。

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見出し退職金の退職所得控除額(非課税枠)の上限額

退職所得控除額の上限額

退職金では、退職所得控除を差し引いて計算します。 退職所得控除がいわゆる非課税枠となり、さらに算出したものを2分の1した額が課税対象となります。
計算式は以下のとおりです。

(退職金の総額-退職所得控除額)×2分の1=退職所得金額(課税される金額)

このように控除額が自分のもらう退職金よりも多ければ、非課税となります。

退職所得額(課税される金額)を出すには、まず退職所得控除額を計算しなければなりません。
次項では、退職所得控除額の計算方法をみていきましょう。

退職所得控除額の計算方法

退職所得控除額の計算方法は、以下のとおりです。

勤務年数20年以下 勤続年数×40万円(80万円に満たない場合は80万円)
勤務年数20年を超える (勤続年数-20年)×70万円+800万円

勤続年数に端数がある場合は、わずか1日でも1年と計算します。
例えば15年と1日だった場合、勤務年数は16年です。
また、勤務年数は休職していた期間も含まれます。
ほかにも、障がいになったことが直接の原因で退職した場合は、上記に加えて100万円の控除が受けられます。

勤続年数別での所得がかからない退職金上限額(非課税枠)一覧表

前項の退職所得控除額計算を用いた、退職金非課税の上限額の一覧です。
一覧表の非課税枠以下の退職金の額であれば税金はかかりません。
ご自身の勤務年数に当てはめてみましょう。

勤続年数 非課税上限額 勤続年数 非課税上限額
1 40万円 21 870万円
2 80万円 22 940万円
3 120万円 23 1010万円
4 160万円 24 1080万円
5 200万円 25 1150万円
6 240万円 26 1220万円
7 280万円 27 1290万円
8 320万円 28 1360万円
9 360万円 29 1430万円
10 400万円 30 1500万円
11 440万円 31 1570万円
12 480万円 32 1640万円
13 520万円 33 1710万円
14 560万円 34 1780万円
15 600万円 35 1850万円
16 640万円 36 1920万円
17 680万円 37 1990万円
18 720万円 38 2060万円
19 760万円 39 2130万円
20 800万円 40 2200万円

ご自身の退職所得控除額(非課税枠)が算出できたあとは、以下の計算式に当てはめて課税額を確認します。

(退職金の総額-退職所得控除額)×2分の1=退職所得金額(課税される金額)

所得税と復興特別所得税の計算方法

(退職金の総額-退職所得控除額)×2分の1=退職所得金額(課税される金額)

上記の計算にて退職所得金額(課税される金額)があった場合には税金がかかります。
税金がかかる場合には、どのような計算をするとご自身が払うべき税金の額がわかるのか、みていきましょう。

所得税率は所得が高くなるほど税率も上がる累進課税制度です。
以下の所得税額表を用いて計算します。

課税退職所得額 税率 控除額
1000円~194万9,000円 5% 0円
195万円~329万9,000円 10% 9万7,500円
330万円~694万9,000円 20% 42万7,500円
695万円~899万9,000円 23% 63万6,000円
900万円~1,799万9,000円 33% 153万6,000円
1,800万円~3,999万9,000円 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

出典:国税庁「退職金を受け取ったとき」

所得税額表を下記の計算式に当てはめて計算すると、所得税額がわかります。

課税退職所得金額×税率-控除額=所得税額

退職金にかかる所得税と住民税は、給料やボーナスよりも税の負担が軽い特別な税率になっており、休職期間を含む勤続年数と受け取った退職金の額によっては税金がかからない場合もあります。

復興特別所得税

復興特別所得税は、所得税の金額がわかると計算ができるようになっており、下記の計算式にて算出します。

所得税額×税率2.1%

住民税の計算方法

住民税は課税退職所得の金額に関わらず一律10%(都道府県税4%、市区町村税6%)の住民税率を乗じて計算します。
計算に用いる課税退職所得金(課税される金額)は、所得税の計算式にて算出した課税退職所得金額と同額です。

住民税=課税退職所得×住民税率10%

退職金のシミュレーションをしてみる

非課税枠がいくらなり、いくら手元に残るのか実際に計算してみると、退職金の使い道や計画を立てやすくなるのではないでしょうか。

下記の記事で実際に退職金2000万円のシミュレーションをしているため、合わせて読むと具体的な金額がわかります。

エイジレスメディア「2000万円の退職金にかかる税金はどれくらい?計算方法を簡単解説」

退職所得の確定申告

退職金にかかる所得税と住民税に関しての確定申告は、会社員であれば「退職所得の受給に関する申告書」を記入し勤務先に提出すれば良いため、確定申告の手続きは不要です。

しかし申告書を提出し忘れてしまった場合には、一律20.42%の所得税が差し引かれるため、確定申告が必要です。

確定申告すると払いすぎた所得税が還付金として戻ります。
また住民税は申告書を提出し忘れた場合でも、受け取った退職金に課税退職所得があると一律10%が引かれます。

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退職金を年金形式で受け取る雑所得の非課税枠

雑所得の非課税枠

退職金は「一時金」と「年金」の2種類の受け取り方があり、以下のように所得の種類や課税対象が異なります。

一時金 年金
所得 退職所得 雑所得
課税方式 申告分離課税(ほかの所得と分離して計算される) 総合課税(ほかの所得と合算して計算される)
確定申告 「退職所得の受給に関する申告書」を記入し勤務先に提出すれば不要 非課税枠を超えなければ不要

年金形式で退職金を受け取る場合にかかる雑所得の非課税枠は、以下2つを満たす必要があります。

  • 公的年金等の収入金額が400万円以下
  • 公的年金等にかかる雑所得以外の所得が20万円以下
  • 上記を超えた場合には雑所得が発生し確定申告が必要です。

国税庁「公的年金等の課税関係」

一時金の退職所得は、ほかの所得と分離して税額が計算される申告分離課税となっており、退職所得のみの計算ができます。
しかし年金形式で受け取る場合は総合課税となるため、退職金だけでなく、ほかの所得も一緒に計算しなくてはなりません。

雑所得とは一般的に名称のつかない所得

雑所得とは以下のいずれにも当たらない所得です。

  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 給与所得
  • 退職所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得

雑所得に該当する収入は以下のとおりです。

  • FXでの収入
  • ネット販売での収入
  • 公的年金の収入
  • 印税、講演料
  • 非営業用の貸付利子
  • iDeCo(確定摘出年金)や個人年金等の年金を分割して受け取る場合

公的年金以外の雑所得に必要経費がある場合には「収入-必要経費」として差し引いたものが雑所得となります。

雑所得の計算式

雑所得は総合課税の対象となり、ほかの収入と合計額で税率が決まります。
雑所得には3つの種類があり、それぞれ控除や経費を差し引いた額が所得金額となります。

雑所得 計算式
公的年金等の雑所得 収入金額-公的年金等控除額(60~64歳までは60万円、65歳以上は110万円)
業務にかかる雑所得 総収入金額-必要経費
そのほかの雑所得 総収入金額-必要経費

雑所得の計算方法は「所得税と復興特別所得税の計算方法」の項目内の「所得税額表」と同様となり、雑所得も所得税額表に当てはめて計算します。
所得金額には上記の収入から経費を差し引いた額を当てはめましょう。

所得金額×税率-控除額=所得税額

所得税額が公的年金等の収入金額が400万円以下、かつ公的年金等にかかる雑所得以外の所得が20万円以下であれば税金がかかりません。

退職金を年金形式で受け取ると所定利率で年金の原資が運用されるため受取総額は一時金受け取りよりも高くなります。
しかし、公的年金などと合算されて所得が高くなるため、課税対象の所得が増えると税負担も増えてしまいます。
また所得が増えると社会保険料も増える可能性があります。

よく検討せずに年金形式にした場合、手元に残る金額が少なくなってしまう可能性があるため、一時金と年金形式それぞれの非課税枠の確認をしてから、どちらで受け取るか選択するとよいでしょう。

ほかにも、企業によっては一時金と年金形式を併用できます。
併用できる場合は退職所得の退職控除額(非課税枠)を上限まで利用し、上限額以上を年金形式で受け取る方法をとると無駄なく非課税枠の利用が可能です。

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役員は役員報酬ではなく退職金として受け取ると非課税枠が使える

役員報酬と退職金

役員は役員報酬として受け取る方法と、退職金として受け取る方法がありますが、退職金で受け取った場合には、退職所得控除の計算で受け取れるため、従業員と同様に非課税枠が使えます。

役員退職金の損金算入は適正金額であれば可能

役員退職金は所定の手続きを経て支給し、適正な金額の範囲内であれば全額損金に算入できます。
適正な金額とは勤続年数、退職理由、類似する他社の役員退職金の金額などで判断した金額です。

役員退職金の支給は、原則として株主総会の決議が必要です。
株主総会では支給金額や支給日など細かく決めることもできますが、通常は取締役会に一任する決議をしたあとに、具体的な内容を決定します。
そのため、事前に役員退職金規定を作成しておくことが重要です。

役員の場合には支給規定を早めに作成する

被相続人が経営者であった場合、自社株も相続財産の対象となります。

死亡退職金を未払い退職金として計上すると、会社の純資産が減少し自社株の評価額が下がるためです。
ただし、在籍年数や構成倍率など、考慮する必要があるため専門家のアドバイスを受けたほうがよいでしょう。

相続対策では事前に支給規定を作成する必要があるため、早めの対策が重要といえます。

役員年数によって計算式が異なる

平成25年以降、勤続年数が5年以下の役員が受ける累進緩和措置が廃止になりました。
そのため課税所得の計算式において、退職金総額から退職金所得控除を差し引いた残額を半分(1/2)にできなくなり、勤続年数5年以下の役員退職金は大幅な増税となりました。

また、役員6年以上であれば、通常の退職所得と同様の計算となります。

勤続年数によって控除額が大幅に変わるため、退職金をもらうタイミングをよく確認しましょう。

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死亡退職金にかかる相続税の非課税枠と弔慰金

死亡退職金

従業員、役員ともに死亡退職金を相続する場合法定相続人の数×500万円が非課税限度額となります。
課税される金額を算出するための計算式は、以下のとおりです。

相続人が受け取った退職手当金等の金額-(非課税限度額)×(相続人が受け取った退職金等の金額÷すべての相続人が受け取った退職金等の合計額)=相続人の課税される金額

死亡退職金の場合、課税される金額に所得税はかかりません。
しかし、遺産として扱われるため「みなし相続財産」として相続税の対象となります。
みなし相続財産は死亡退職金のほかに、生命保険や死亡前3年間で贈与された財産などが該当します。

また死後3年経過後に死亡退職金を受け取る場合は、所得税(一時所得)となり、特別控除額50万円を控除できます。
そのため年間50万円以下であれば確定申告は不要です。
年間50万円を差し引いたのち、給与所得やほかの所得などの金額と合計して総所得金額を計算します。
(総収入金額-経費-特別控除額×1/2)

国税庁「相続税の加算対象になる死亡退職金」

弔慰金は限度額まで原則非課税

弔慰金とは、生前の勤め先から遺族を慰める意味で送られる金品です。
弔慰金は香典とは異なり、花輪代や葬祭料などが弔慰金となります。
弔慰金は原則非課税ですが、非課税枠を超える分に関しては相続税の対象となります。

また、弔慰金の非課税枠では業務上の死亡、あるいは業務外の死亡かで非課税枠が異なります。
それぞれの非課税枠は、以下のとおりです。

業務上での死亡

月額給与×36ヶ月=弔慰金の非課税枠

業務外での死亡

月額給与×6ヶ月分=弔慰金の非課税枠

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まとめ:退職金は受け取り方で非課税の税目も変化する

まとめ

退職金は、一般的な退職所得に加えて、さまざまな受け取り方があります。

受け取り方が違うと税目も変わり、非課税枠の計算も異なるため、ご自身が受け取る退職金はどのような受け取り方が良いのか確認するとよいでしょう。

非課税枠の計算ができると自分の手元に残る退職金がわかり安心できます。

退職金の非課税枠を確認して老後のプランをたてるのもよいのではないでしょうか。

▼退職金と税金に関連する記事はこちら

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執筆者
エイジレスメディア編集部
エイジレス社会の専門誌として、すべての人が何歳でも豊かな暮らしを紡げるよう有益な情報を発信していきます。主に、エイジレスなビジョンを体現している人物や組織へのインタビュー記事を執筆しています。