ミドルシニアのキャリアの棚卸について
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最近年功序列や終身雇用という日本型の雇用制度が終焉を迎える、といったニュースを数多く目にします。そうはいってもまだまだ日本型の雇用制度を継続している企業も多いのでピンと来ない人も多いかと思いますが、この流れは変えられないものだと考えられます。
この年功序列や終身雇用が崩れつつある現代では、ミドルシニア層にとって『キャリアの棚卸し』はきわめて大切だといえます。そこで今回は『ミドルシニアキャリアの棚卸し』について触れていきたいと思います。
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キャリアの棚卸とは
キャリアの棚卸しとは、これまで自分自身が行ってきた仕事を時系列に掘り下げて整理、言語化することを指します。その際には、目立った業務内容や特筆すべき成果だけでなく、普段の業務や経験を振り返り、言葉にすることが大切です。
具体的には以下のような観点で掘り下げることが多いです。
- 具体的に経験した仕事内容
- 仕事を通して築いた成果やスキル・知識
- 成果に対しての周囲からの評価や影響
- 仕事の経験を通して得られた学び
- 仕事を通して経験した失敗体験
- その仕事を行った際の心境や学び
- 自分の強み・弱み
- 今後目指したいキャリアの方向性
- 将来を考えるにあたって転職活動をはじめようと考えた時に、準備期間が短く済み、その結果すぐに行動ができる。
- ビジネスキャリアの過去の変遷などの納得感が得られ、自己理解が進み自身の強みや弱みを自覚できる。
- どんな成長をしてきたのかをあらためて実感でき、自信を持つことができる。
- 自身のキャリアを俯瞰することで、今後に向けて何が不足しているのか把握できる。
- 今後どのようなキャリアを歩みたいかを考える機会となり、場当たり的、他人任せなキャリアの選択が減る。
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普段はなかなかこういった観点で考える機会、言葉にする機会がないかと思いますが、上記のような観点で言葉としてまとめることをキャリアの棚卸と言います。
なぜミドルシニアにキャリアの棚卸が必要なのか
キャリアの棚卸を行うのは、なかなか手間のかかる作業だと感じたかと思いますが、なぜミドルシニアキャリアにとって棚卸が必要なのかを説明します。
ミドルシニアにとってキャリアの棚卸が必要なのは、
②ビジネスパーソンの労働期間が長くなる
③ミドル、シニアの多くの人はビジネスキャリアの前半を年功序列、終身雇用ベースで過ごしているが故に自身のキャリアについて真剣に考える機会が少なかった
という理由からです。
順を追って説明していきます。
①社会の変化がこれまでよりさらに激しくなってきている
社会の変化のスピードですがビジネスIT化、グローバル化が進むことにより、ビジネスサイクルのスピードも競争も日に日に激化しています。今後はAIやDXというテクノロジーも加わりさらに変化のスピードが加速することも想定され、新しい市場が生まれたり、一方でこれまでは別業界だったプレイヤーがある日突然競合になる、といった非連続な現象も起こってきます。社会の変化が激しくなってくると、仕事の進め方や必要なスキルも変わってくるため、これまでは強みだったスキルや経験が、いつの間にか陳腐化したり通用しなくなる、ということが起こり得ます。
②ビジネスパーソンの労働期間が長くなる
高齢化社会の最先端をいく日本では今後労働人口が減少することや年金問題の解決策として、この先70歳、先々は75歳まで働く人が増えていきます。そうなると40数年、もしかすると50年以上ビジネスパーソンとして働く人も増えてきます。
これまでだと自分自身はそろそろビジネス人生の後半を歩んでいると思っていた年齢でも、これからはまだ折り返し地点、という人も増えてくるのではないでしょうか。
一方で社会の変化が激しくなると企業の寿命は短くなってきます。一説によると今後の企業の平均寿命は20年になるとも言われています。仮にそうなると、40数年のビジネスキャリアの中で2~3社経験する計算となります。仮に企業が20年で終焉しなくても、環境変化にともない、事業のドメインや戦略を変更する必要は出てくるため、必要な人材要件は時代に合わせて変わっていくことになります。
このように環境に合わせて企業も生き残っていくために、その都度必要な人材を採用、育成する方針にシフトしており、その一つの形として終身雇用制度の終焉があります。
つまり、就職したらあとは何も考えなくてもあとは採用してくれた企業がなんとかしてくれう、という時代は終わり、転職するにしろ、しないにしろ、『自分は何者でどんな強みがあり、どんな方向に進みたいと思っているか』というアピールをすることが求められてきます。
③ミドルシニアの多くの人は自身のキャリアについて真剣に考える機会が少なかった
ビジネスキャリアの前半を年功序列、終身雇用ベースで過ごしているが故に故に自身のキャリアについて真剣に考える機会が少なかったことが考えられます。
ミドルシニアの人が20代、30代の頃はまだ年功序列、終身雇用の色合いが濃く、就職した企業に「勤めあげる」という意識が大半を占めていたと思います。つまり企業の要望に応えていれば退職まで企業が面倒をみてくれる、という風潮が強く自身のキャリアを深く考えて描く必要性に迫られてこなかったのです。
つまり、キャリアは企業が用意してくれると信じ、これまであまり自身のキャリアについて自律的に考えてこなかった人達に対して、企業が「これからは色々変化も増えるし、定年も延びるので企業としても先が見えないため皆さんの退職までは面倒がみれないかもしれません」と言い出してきている、という状況なのです。だからこそ、ミドルシニアの人は今こそこれまで行ってこなかったキャリアの棚卸を行い、自分の今後の進む道を考えることが重要なのです。
自分自身を商品と捉えて差別化を図る
これからの時代にキャリアの棚卸が必要な背景を説明しましたが、たとえ話で説明を補足します。前述しましたがこれまでは、自分自身という商品を新卒で採用してくれた会社が定年まで活用してくれた、というのが日本での多くのケースでした。
しかし、これからは自分自身という商品が長持ちすることになった一方で、ユーザー側が長年は活用できなくなってきたので、次のユーザーに選んでもらうために、自分という商品のアピール材料を言葉にして差別化を図る必要がある、ということです。
「自分は物じゃないんだけど」と感じる人もいるかと思いますが、たとえば私たちが何か商品やサービスを購入する際には、意思をもって選択をしていることが多くあります。たくさん選ばれる商品サービスには「選ばれるため」の商品設計やアピールがされています。
これは転職をする際にでも、社内で積極的にアサインしてもらう場合も同じ仕組みだと思います。
つまりキャリアの棚卸は自分という商品が市場に出た時に「選ばれる商品」となるための差別化を行うための一歩なのです。
▼自分の市場価値を高めるには?答えがわかる記事はこちら
市場価値とは?価値を決める要素や高めるための方法7つを解説
「市場価値の高い人材は転職に成功しやすい」と言われます。市場価値の高い人材とは具体的にはどんな人で、なぜ転職に成功しやすいのでしょう
ミドルシニアがキャリアを棚卸しすることのメリット
ミドルシニアが棚卸しをしておくことのメリットは以下のとおりです。
転職活動を行う際のメリットも記載していますが、転職を現在考えていない人にとってもキャリアの棚卸は自己理解がすすみ、自信を持つことができ、今後のキャリアを考えるにあたっても、メリットは数多くあります。
おすすめの転職エージェント
転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです!
さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。
大手転職エージェント
≫リクルートエージェント
支援実績No1の総合型。年代や職種を問わずまず登録しておくべきエージェントです。
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特化型エージェント
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≫エイジレスエージェント
年齢不問求人/ハイクラス転職に特化。SIer・コンサル・大手SESなどの求人を多数保有しています。
約80%が平均年収150万円アップの実績あり。
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キャリアの棚卸の進め方
キャリアの棚卸は上記のようなメリットはありますが、これまでキャリアの棚卸などを行っていない人にとってはとても時間がかかるものです。ですのでいきなり一気にすすめるのではなく、定期的に棚卸しをしていくことで少しずつ整理が進んでいきます。
また、キャリアの棚卸といった自分と向き合い、言葉にするという作業は一人ではなかなかうまく進まないこともあります。そういった際は人材紹介会社のエージェントなどに相談に乗ってもらうことも1つの手です。
人材紹介会社のエージェントはキャリアに対しても精通している人が多いため、相談をすると「自分がどんな状況なのか」を客観的に判断をしてくれ、会話をしていく中で整理を進めてくれます。また、客観的な意見やアドバイスをくれることで自分ひとりでは気づかなかった自分らしさや強みを知ることができる可能性もあります。
まだ具体的に転職などを考えていない状態で、紹介会社に相談する、となるとハードルが高く感じることもあるかもしれません。ただ、転職にはリスクはありますが、転職活動を行うことはリスクはありません。それよりも自分だけでは気づかない自分らしさや、情報を得ることもあるので、気軽に一度相談してみるのも1つの選択肢だと思います。
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