Unityでできることを徹底解説！自動車・医療業界などでの活用例も紹介
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Unityは、ゲーム開発に特化した機能を搭載しているマルチプラットフォーム対応のゲーム開発エンジンです。最近では、ゲーム領域以外のさまざまな領域でも活用されています。 この記事では、Unityでできることや活用例などを詳しく解説します。
- 【この記事を読んでわかること】
- Unityは、3D/2Dグラフィック描画・物理エンジンを活用したゲームやアプリケーション開発が可能
- 対応しているプログラミング言語はC#のみ
- 3D/2Dグラフィック描画や物理エンジンを活用したVRコンテンツは、自動車・建築・医療業界でも活用されている
- VR・AR・MRの進歩で今後もUnityの需要は下がる可能性は少ない
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Unityとは
この章では、Unityに関する以下の基礎知識について解説していきます。
- そもそもUnityとは
- Unityの特徴
- Unityを活用するメリット
- Unityを活用するデメリット
それぞれ詳しく見ていきましょう。
そもそもUnityとは
「Unity（ユニティ）」とは、ユニティ・テクノロジーズ社によって開発された、ゲーム開発に特化した統合開発環境です。ゲーム開発のプロセスを効率化するために必要な3D/2Dグラフィック描画・物理エンジン・サウンド再生・データ管理・データ作成ルールなどの機能が提供されています。
世界的に見てもトップシェアを誇るゲームエンジンとして有名で、家庭用ゲーム・PC・スマホゲームと幅広いゲーム開発に利用されていることが特徴です。Unityはグラフィックや物理エンジンに対応しているため、ゲーム以外にもVR・ARを活用して自動車・医療などのさまざまな分野で活用され始めています。
Unityの特徴
Unityの特徴は以下のとおりです。
- マルチプラットフォーム対応
- プログラミングなしでゲーム開発可能
- アセットストアの充実
それぞれ詳しく見ていきましょう。
マルチプラットフォーム対応
Unityで開発できるゲームは以下のように多岐にわたります。
- Swich・PlayStation 3/4/5・Xbox 360などの家庭用ゲーム
- Windows・Mac・LinuxなどのOSに対応したPCゲーム
- Android・iOSなどのモバイルOSに対応したスマホゲーム
- WEBブラウザ上で動作するブラウザゲーム
このようにマルチプラットフォームに対応しているため、Unityを使ったゲーム開発の需要は高いです。
主に使用されるプログラミング言語はC#であるため、C#の知識やスキルがあれば、基本的にどの端末でも動作するゲームを開発できます。
プログラミングなしでゲーム開発可能
Unityはプログラミングなしでゲーム開発できることも大きな特徴の1つです。
Unityに標準搭載されているビジュアルスクリプティング環境を活用することでプログラミングを使わずにゲーム開発ができます。
ビジュアルスクリプティング環境では、単一の機能をもつビジュアルノードをマウス操作などで接続するだけでロジックを組めるなど、プログラミング初心者でも開発できることが魅力です。
ただ、ノンプログラミングで開発するにも限界があり、より細かいロジックを実現したい場合はどうしてもプログラミングによるコーディングが必要になります。
アセットストアの充実
アセットストアとは、ユーザーが作成したプログラム・3Dモデル・キャラクターイラスト・音楽・エフェクト・プラグインなどの開発に利用できる素材を登録・販売ができるストアのことです。Unityは個人・法人問わず多くのユーザーが利用しているため、その分アセットストアも充実しています。
アセットストア上の豊富な素材をそのまま利用できるため、ゲーム開発初心者でも効率的に高いクオリティーのゲームを開発できます。
Unityを活用するメリット
Unityを活用するメリットは以下3つです。
- 初心者でも気軽に最先端のゲーム開発ができる
- 低コストでゲーム開発ができる
- 情報量が多く学習難易度が低い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
初心者でも気軽に最先端のゲーム開発ができる
Unityには、プログラミング初心者の人でも気軽にゲーム開発ができる機能が多く搭載されています。前述したノンプログラミング開発や充実したアセットストアの他にも標準搭載されている2D・3Dデザインツールや物理エンジンなどを組み合わせるだけで容易に開発できます。
低コストでゲーム開発ができる
Unityは、前述したゲーム開発に役立つ機能を含めて無料で利用できるため低コストでの開発ができます。
Unityには以下4つのプランが用意されています。
- Unity Personal
- Unity Plus
- Unity Pro
- Unity Enterprise（法人のみ）
Unity Personalはアプリによる年間売上金額が10万ドル以下のユーザーを対象に無料で利用可能です。
無料プランの場合、アプリ起動時にUnityのロゴが表示されるため、法人としてアプリ開発する場合は有料プランの利用がおすすめです。
情報量が多く学習難易度が低い
Unityは2005年にリリースされてから現在まで多くの人に利用されており、参考書や学習サイトなど情報量が豊富で学習難易度が低いです。
また、ノンプログラミングでの開発により、複雑なスキルを学ぶ前にひとまずゲーム開発して実践経験を積むことができます。
Unityを活用するデメリット
Unityは以下2つのデメリットがあります。
- 比較的動作が重い
- 大規模な開発に向いていない
Unityはクロスプラットフォームに対応しているため、各プラットフォームに合わせて画像形式を変換する必要があります。その処理によってUnityエディタ内で使用される画像の枚数が増えてしまうことが主な原因です。
動作が重くなってしまうため、現状大規模な開発にも向いていません。
Unityがゲーム領域でできる3つのこと
Unityがゲーム領域でできることは以下の3つです。
- ゲーム開発における基本的な作業
- C#による拡張機能の実装
- VR・AR・MRコンテンツの開発
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ゲーム開発における基本的な4つの作業
Unityは、ゲーム開発に特化したゲームエンジンとして以下4つ基本的な作業ができます
- 2D・3Dグラフィックの作成
- 画像・文字の描画
- ゲーム内空間の3Dモデルリング
- ゲーム内で再生する音楽の設定
また、物理エンジンも搭載されているため、3Dゲームなどで重要になってくる呪力や物理の概念の実装も容易です。
C#による拡張機能の実装
UnityではC#を用いた拡張機能を実装することが可能です。
C#の知識が必要ですが、基本機能だけでは実装できない独自の処理を実装できるため、オリジナリティのあるゲームが作成できます。
VR・AR・MRコンテンツの開発
Unityは、VR（仮想現実）・AR（拡張現実）・MR（複合現実）を用いたコンテンツの開発も可能です。
VRとは、専用のゴーグルに設置されたモニターで360度対応した映像コンテンツを再生することで仮想世界を体験できる技術です。
ARとは、スマートフォンやタブレット端末を使ってCGを現実世界に投影する技術です。現実世界にCGキャラクターを投影するゲームなどが開発されています。
MRとは、VRのような専用のゴーグルを装着して、CGを現実世界に投影する技術です。こちらはまだ発展段階で体験の機会は少ないですが、将来的に現実世界に投影して遊ぶゲームの開発が予測されます。
Unityを使った有名なゲーム・アプリ
Unityで開発されたゲームやアプリの例を7つ紹介します。
- ポケモンGo（スマホゲーム）
- ドラゴンクエストウォーク（スマホゲーム）
- 白猫プロジェクト（スマホゲーム）
- ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君（スマホゲーム）
- ホロウナイト（Swich）
- 原神（PS4/PS5）
- Fall Guys（PS4/PS5、Windows）
上記以外にもUnityで開発された有名ゲームは多く、各プラットフォームで人気が出た後に別プラットフォームでリリースするケースが見受けられます。現在も人気のアプリが多くあるため、Unityのゲーム開発需要は今後も高まっていくでしょう。
Unityが活用されているゲーム領域以外の5つの領域
Unityの物理エンジンやモデリング機能などを活用して、ゲーム領域以外の以下5つの領域でも活用されています。
- 自動車業界
- 医療業界
- 建築・不動産業界
- 製造業界
- 宇宙産業
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自動車業界
近年自動車業界では、車のデザイン設計や従業員の教育のためにVRを活用する企業が出てきました。実際に、アウディやトヨタなどでは、Unityで開発したVR空間やシュミレーター上での車のデザインが進められています。
車をデザイン・設計する際には、実機を使ったシュミレーションが必要です。低コストでシミュレーションできるUnityの物理エンジンなどを活用したVR空間が注目されています。
医療業界
医療業界では、Unityを活用して人間の骨格や肉体を3Dモデリングで再現し、医療教育や手術前のシュミレーションなどに活用されています。
物理エンジンで細かい設定をしてリアルな動きを再現し、実際の手術で起こりうる事象を事前に把握し、必要であれば手術プランを修正します。
東京大学医学部脳神経外科医局で、脳外科手術のVRシュミレーションをUnityで開発している事例もあります。
参考：CGWORLD.jP｜Unityを駆使する脳神経外科医が語る、医療現場での3DCG活用例とその可能性～Unite Tokyo 2018レポート（3）～
医学生の手術の演習などにVRコンテンツの活用が促進されており、今後医療業界でもUnityを使ったVRコンテンツの導入が進むことが予測されます。
建築・不動産業界
建築・不動産業界では、Unityを活用して建築モデルを設計し、VRによる内見を実現しています。
2018年に、建築モデルの保存ができるBIM（Building Information Modeling）を手軽に活用するためにUnity BIM Importerがリリースされました。
製造業界
Unityで開発したVR・AR・MRコンテンツを製造業界のモノづくりに活用する動きも進んでいます。
Unityのリアルタイム3Dを活用することで現実世界の条件下でのプロトタイプ作成やシュミレーションを行い、製造時にかかるコストや時間の削減に成功した企業もあります。
またVRやARを活用することで没入型のセールス体験などを提供することで消費者からの関心を高めるためにも利用されています。
宇宙産業
ロケットの部品製造はミリ単位以上の精密性が求められ、設計書を常に確認して正確に製造する必要があります。Unityで正確な3Dモデルを作り、ARとして投影しながら製造することで常に正しい形を確認することで、製造工程の生産性の向上効果が期待できます。
また、宇宙飛行士の訓練にVRサービスが使用されることもあり、特に複雑な精密機器の操作方法の学習に大きく役立っています。
Unityができない2つのこと
Unityができないことは以下の2つです。
- 対応言語以外での開発
- 音声の編集
それぞれ詳しく見ていきましょう。
対応言語以外での開発
従来は、JavaScript・C#・Booの3種類がUnity開発に利用できましたが、現在は新規作成できるスクリプトはC#のみとなっています。
JavaScriptファイルを読み込ませてプログラムを実行できますが、Unityを今から学習する人は無難にC#の学習を始めるとよいでしょう。
音声の編集
Unityでは、音声の編集ができません。そのためUnityで開発されるゲームなどのBGMは、基本的にUnity外で制作された音声ファイルを取り込んだものとなります。
ゲーム開発で音にもこだわりたい場合は、別途音声制作用アプリケーションのスキルが必要となります。
Unityエンジニアに求められる5つのスキル
こちらではUnityエンジニアに求められるスキルとして、以下の5つのスキルについて解説していきます。
- Unityに関する知識・開発経験
- C#の知識・プログラミングスキル
- デザインスキル
- UI/UXの知識
- 関わる業界の知識
Unityに関する知識・開発経験
Unityに関する知識や開発経験は必須です。オブジェクト操作やアセットストアで購入した素材のインポートなどの基本操作から、スクリプトの書き込み・シェーダープログラミングと幅広い知識が必要です。
C#の知識・プログラミングスキル
Unityでより複雑なゲームを開発する場合には、C#の知識やプログラミングスキルが必要です。
Unityを用いた開発案件の多くはこのC#を活用した拡張機能の実装が前提となっている場合が多いです。
デザインスキル
実際の開発プロジェクトでは、基本的にデザイナーなどの担当者がいるため、Unityエンジニア自身が1からデザインする機会は多くないでしょう。
ただし、デザインスキルを理解することでデザイナーに具体的なイメージを共有することができるため、効率的な開発が可能となります。
プラットフォームによっても求められるデザインスキルが異なることに注意しましょう。
例えば、Androidアプリを開発する場合は、「マテリアルデザイン」というGoogleが提供するデザインガイドラインの知識が必要で、iOSの場合はiOS公式UIガイドラインである「Human Interface Guidelines」の知識が必要です。その他にも、UI/UXデザインやグラフィックデザイン、サウンドデザイン、レベルデザインなどのデザインスキルもあるとUnityエンジニアとしての業務の幅が広がります。
UI・UXの知識
多くのユーザーに継続的に利用してもらえるようなコンテンツを開発する上で、UI・UXの知識は必要不可欠です。
より魅力的なコンテンツを作りUnityエンジニアとしての評価を上げるためにもUI・UXの知識を高めましょう。
関わる業界の知識
Unityエンジニアを目指す場合は、志望する業界の知識について事前に抑えることが重要です。
例えば、自動車業界の場合は、自動車の構造や仕組みなどの基本的な知識が求められ、建築業界の場合は、建築工学や建築デザインなどの知識が求められます。Unityエンジニアとして高い評価を受けるためにも、携わる業界の知識を事前に身につけましょう。
Unityのおすすめな学習方法2つ
Unityのおもな学習方法は以下2つです。
- 実際にアプリケーションを開発する
- 書籍・学習サイトで学ぶ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
実際にアプリケーションを開発する
実際にアプリケーションを開発することは、Unityを学習する上で有効な方法の1つです。実際の開発で操作感なども学習しつつ、開発時に発生するバグや課題を見つける力を磨くことができます。
書籍・学習サイトで学ぶ
書籍や学習サイトで学ぶことも有効な学習方法の1つです。
Unityは、人気のゲーム開発エンジンであるため、初心者から上級者向けまで参考書籍の種類は多くあります。
ただし、Unityは定期的にアップデートされているため、書籍を選ぶ際は、最新のバージョンに対応しているかの確認が大事です。
また、Unity公式のドキュメントやチュートリアルなどの学習サイトもおすすめです。その他にもUnity公式の学習用プラットフォームであるUnity LearnやUnityの使い方を動画で解説してくれるUdemyなどさまざまです。
無料で利用できる学習サイトも多くありますが、中には有料のものもあります。
自分に合った学習サイトを見つけて挑戦してみましょう。
Unityの将来性
Unityは、昨今では特にVR・AR・MRコンテンツの開発に活用されており、今後も発展していく将来性のあるツールといえるでしょう。
Unityが提供する可能性
スマートフォンの普及や家庭用ゲーム機などのハードウェアの進化によって発展が見込まれるゲーム市場において、Unityはゲーム開発エンジンとして大きな役割を担っています。
また、前述の通り、ゲーム業界以外にも自動車・建築・医療など幅広い分野で活用の可能性が広がっています。
そのため、Unityが提供する可能性は幅広く、今後もさまざまな業界で活用されていくことが予測されます。
今後の展望
今後より一層盛り上がりが予測されるのが、VR・AR・MRを活用したコンテンツです。
これらは、ゲーム業界だけでなく、幅広い業界で業務に活用する動きが進んでいます。特に昨今は、VR機器の普及やVR技術の向上によってメタバース（仮想空間）への注目が高まっており、メタバース開発案件におけるUnityの活用が求められるようになると予測されます。
また、Unityは今後もアプリケーション開発やゲーム開発での需要が維持し続けることも予測されます。
まとめ
本記事において、以下のことが分かりました。
- Unityは、3D/2Dグラフィック描画・物理エンジンを活用したゲームやアプリケーション開発が可能
- 対応しているプログラミング言語はC#のみ
- 3D/2Dグラフィック描画や物理エンジンを活用したVRコンテンツは、自動車・建築・医療業界でも活用されている
- VR・AR・MRの進歩で今後もUnityの需要は下がる可能性は少ない
ゲーム領域以外でのUnityの活用も進んでいるため、Unityを学ぶことで幅広い業界やプロジェクトで活躍することが可能となります。
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