iOSエンジニアを目指すIT経験者が知りたい年収や仕事内容を解説
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今や生活に欠かせないスマートフォンですが、スマートフォンの利便性を高めているのが、アプリです。iOSエンジニアは、スマートフォンの中でも人気のiPhone向けにアプリを開発する技術者です。 この記事では、iOSエンジニアの仕事内容や年収相場、キャリア、将来性などを詳しく解説していきます。iOSエンジニアへの転職や転向に興味のある方は、ぜひご一読ください。
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- 【この記事を読んでわかること】
- iOSエンジニアには一般的な開発スキルに加えて、モバイルアプリ開発特有のスキルも必要
- iOSエンジニアの正社員の平均年収は約650万円で、IT関連の職種の中でも高水準
- 国内でのiPhone人気は高く、iOSエンジニアの将来性も高い
iOSエンジニアの仕事を知る
iOSエンジニアへの転職や転向を考えるうえで、仕事内容について詳しく知ることは欠かせません。スマートフォン向けアプリを開発するiOSエンジニアには、従来のPC向けアプリケーション開発とは異なるスキルも必要です。
ここでは、下記の5つについて詳しく解説していきます。
- iOSエンジニアとは
- iOSエンジニアが使用するプログラミング言語
- iOSエンジニアの役割と業務範囲
- iOSエンジニアの仕事の流れ
- iOSエンジニアに求められるスキル
iOSエンジニアとは
iOSエンジニアとは、Apple社が提供するモバイルOS「iOS」上で動作するアプリケーションを開発する技術者です。
iOSは、Apple社のスマートフォン「iPhone」とデジタルメディアプレーヤー「iPod touch」(現在は販売終了)に搭載されています。また、同社のタブレット「iPad」に搭載されている「iPadOS」や、スマートウォッチ「Apple Watch」に搭載されている「WatchOS」なども、iOSベースのOSです。iOSエンジニアは、これらApple社製のデバイス向けにアプリを開発します。
iPhoneは世界中で人気ですが、特に日本での人気が高く、国内のスマートフォン市場では3分の2以上のシェアを握っています。iPhoneはスマートフォンの代名詞としての地位を確立しており、今後もiOSエンジニアへの需要は高いでしょう。
日本 | グローバル | |
---|---|---|
iOS | 68.50% | 27.10% |
Android | 31.40% | 72.30% |
その他 | 0.10% | 0.60% |
スマートフォン向けのアプリ開発では、PC向けの開発と比べて画面サイズや操作性、端末性能に制約があるのが特徴です。そのためiOSエンジニアには、スマートフォンに特化したUI/UX設計やパフォーマンス・セキュリティ対策などの専門的なスキルが求められます。
参考:StatCounter(日本のシェア) /(世界のシェア)
iOSエンジニアが使用するプログラミング言語
iOSアプリ開発では一般的に、Apple社が開発したプログラミング言語である「Swift」または「Objective-C」が使われます。Swiftは、従来からあるObjective-Cの可読性や開発効率を高めた新しい言語です。そのため、新規のアプリ開発ではおもにSwiftが使われ、Objective-Cは既存アプリの改修などで使われます。両言語には互換性があり、スムーズに連携が可能です。
また、近年ではSwift、Objective-C以外の言語を使って、iOSとAndroidの両方で動作するアプリを開発できるクロスプラットフォーム環境も提供されています。代表的なフレームワークは「React Native」「Flutter」です。React Nativeは「JavaScript」を使ってiOSとAndroidの両方で動作するアプリを開発できます。Flutterは、Google社が開発した「Dart」言語でiOS、AndroidだけでなくWindowsやLinuxなどでも動作するアプリを開発可能です。クロスプラットフォーム開発によって、OSごとのアプリ開発が不要になりコストが抑えられるメリットがあります。一方、OS機能へのアクセス制限や、OSアップデートへの対応が遅れるのがデメリットです。
iOSエンジニアを目指す場合には、まずは基本となるSwiftを習得するのが良いでしょう。
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「ITスキルを身につけて年収をあげたい」とお考えなら、プログラミングスクールがおすすめです。
プログラミングスクールでは、将来の転職を見据えて実践的なカリキュラムや、転職活動のサポートも行っています。
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iOSエンジニアに求められるスキルの中で基本となるのが、アプリケーション開発スキルです。アプリケーション開発スキルには、下記のようなプログラミング言語やフレームワーク、ツールの知識と活用する力があります。
- プログラミング言語:Swift、Objective-C、JavaScript、SQL など
- フレームワーク:SwiftUI、React Native、Flutter など
- ツール:Xcode、Git/GitHub、CocoaPods など
こうしたアプリケーション開発の知識やスキルを身につけることで、開発工程はもちろん、設計やテスト、リリース後のトラブルシューティングなどでも品質確保に役立ちます。
データベースの知識
iOSアプリのデータ取得・更新処理を開発するためには、データベースの知識が必要です。iOSアプリの開発で用いるデータベースには、デバイス上でデータを保存するデータベースと、サーバー側で用いるデータベースの2種類があります。デバイス上のデータ保存には、「CoreData」や「Realm」「SQLite」などの専用データベースが用いられます。一方、サーバー側で用いるのは「MySQL」や「PostgreSQL」など一般的なデータベースです。iOSエンジニアはデータを適切に操作するため、こうしたデータベースを活用する知識・スキルが求められます。
コミュニケーションスキル
iOSアプリは、小規模なものであれば一人で開発することもありますが、多くの場合チームで開発を進めます。チームでの開発をスムーズに進めるためには、メンバー同士の円滑なコミュニケーションが欠かせません。エンジニアに求められるコミュニケーションスキルには、下記のようなものがあります。
- 相手の知識や理解に応じてわかりやすく伝える力
- 相手の要望や抱えている問題を適切に引き出す力
- チームメンバーの意見を聞き入れ、協力して問題に取り組む力
コミュニケーションスキルを身につけるには、セミナーや研修に参加してメソッドを習得し、開発現場で実践経験を積むことが重要です。
UXの知識
iOSエンジニアには、ユーザーが直感的で使いやすいアプリやサービスを開発するためのUXの知識が不可欠です。まず、ユーザビリティを高めるためのデザインパターンや、Apple社が提唱する「Human Interface Guidelines」を習得しましょう。それにより、iOSのガイドラインに沿ったデザインが可能になります。また、プロトタイピングやワイヤーフレームの作成、ユーザーテストの実施などにより、UXを高めていくことが重要です。リリース後にもフィードバックを活用し、アプリの改善を繰り返すことで、よりユーザー満足度の高いアプリを実現できるでしょう。
iOSエンジニアに向いている人とは
ここまで見てきたiOSアプリ開発の仕事内容を踏まえて、iOSエンジニアに向いている人の3つの特徴を紹介します。
- 新しい技術に関心がある人
- ユーザー目線で開発ができる人
- Apple製品が好きな人
新しい技術に関心がある人
iOSアプリをはじめとしたモバイルアプリ開発の世界は常に進化しており、新たな製品や技術が次々に生まれています。iOSエンジニアは常に最新の情報を取り入れ、新しい技術を積極的に習得することが大切です。例えば、最近のトレンドとしては、AIやAR(拡張現実)、VR(仮想現実)などが挙げられます。こうした技術を取り入れることによって、ユーザーの満足度を高め、より優れたユーザー体験を提供できるでしょう。
ユーザー目線で開発ができる人
iOSアプリは、ユーザーにとって使いやすく価値のあるものでなければなりません。iOSエンジニアには、開発者の都合ではなく、常にユーザー目線で開発することが求められます。ユーザー目線とは、ユーザーのニーズや要望を理解し、それを実現するためにアプリを設計することです。ユーザーがアプリで解決したい問題や期待する価値を、先回りしてアプリで実現することで優れたユーザー体験につながります。また、アプリへの評価やレビューを素直に受け止め、改善のためのアイデアを生み出す謙虚さと柔軟性も大切です。
Apple製品が好きな人
iOSエンジニアはApple社製品向けのアプリ開発を専門に行う技術者です。Apple製品に関心を持っている人は、最新の製品や技術について情報を収集していることが多く、自然と最新の技術に触れる機会が増えます。また、Apple社の哲学やブランドイメージに共感し、それを自身の仕事に反映させることもできるでしょう。ただし、iOSエンジニアが必ずしもApple製品好きである必要はありません。技術力や開発経験、コミュニケーションスキルなどを併せ持つことが重要です。
iOSエンジニアの気になる収入事情
iOSエンジニアへの転職や転向を考えている方が気になる、年収相場を見てみましょう。「正社員」「フリーランス」「未経験」の3つに分けて紹介します。
正社員iOSエンジニアの年収相場は約650万円
求人サイト「求人ボックス」のデータによると、iOSエンジニアの平均年収は646万円です。国税庁の「民間給与実態統計調査」による全給与所得者の平均年収433万円よりも200万円以上高く、iOSエンジニアは高年収といえるでしょう。
続いて、代表的なIT関連の職種の平均年収と比べてみます。
平均年収 | |
---|---|
iOSエンジニア | 646万円 |
プログラマー | 433万円 |
システムエンジニア | 517万円 |
インフラエンジニア | 540万円 |
ITコンサルタント | 643万円 |
プロジェクトマネージャー | 644万円 |
iOSエンジニアの平均年収はITコンサルタントやプロジェクトマネージャーなどと同水準で、IT関連の職種の中でも高年収であることがわかります。
参考:求人ボックス(iOSエンジニア)
参考:国税庁「民間給与実態統計調査」
フリーランスiOSエンジニアの月収相場は30万円台~100万円以上
フリーランス向けの案件サイト「フリーランススタート」のデータによると、iOSエンジニアの平均月収は73.4万円です。月収のレンジは30万円台から最高150万円と約5倍の差があり、フリーランスはスキルや実績によって収入の幅が大きいことがわかります。
ほかのカテゴリのエンジニアとの比較は下記のとおりです。
カテゴリ | 平均月収 | 最高月収 |
---|---|---|
iOSエンジニア | 73.4万円 | 150万円 |
Androidエンジニア | 72.3万円 | 150万円 |
システムエンジニア | 64.7万円 | 200万円 |
インフラエンジニア | 67.8万円 | 200万円 |
同じモバイルアプリを開発するAndroidエンジニアとは同水準、システムエンジニアやインフラエンジニアと比べると高いという結果になっています。iOSエンジニアは、ITエンジニアの中でも高年収が期待できる職種といえるでしょう。
参考:フリーランススタート(iOSエンジニア) /(Androidエンジニア) /(システムエンジニア) /(インフラエンジニア)
未経験のiOSエンジニアの年収相場は300万円〜400万円
正社員やフリーランスの収入レンジから推測すると、未経験のiOSエンジニアの年収相場は300万円〜400万円程度と見込まれます。エンジニアの世界では、実務年数でスキルを評価されるのが一般的です。そのため、経験が浅いうちは収入が低めなのはやむを得ません。しかし、フリーランスの年収の幅広さからも分かる通り、スキルと実績を重ねれば、転職や独立によって高収入を得ることも可能です。
iOSエンジニアとしての収入水準を知るためには
ここまではiOSエンジニアの全体的な収入相場を見てきましたが、収入金額をより具体的に知りたい場合には、次の3つの方法がおすすめです。
- 求人情報や転職サイトを参考にする
- 転職エージェントや人材紹介会社を利用する
- 同業種の仲間や上司、採用担当者と相談する
求人情報や転職サイトを参考にする
求人情報や転職サイトで個別の求人の給与を確認することで、より具体的な収入を知ることができます。多くの転職サイトでは雇用形態やスキル、経験などの条件で絞り込みができるため、希望に合った求人の給与情報を手軽に調べる際に役立つでしょう。主なサービスに「DUDA」「求人ボックス」「Green」などがあります。
転職エージェントや人材紹介会社を利用する
自身のより詳しい市場価値を知りたい場合は、転職エージェントや人材紹介会社を活用するのがおすすめです。経歴やスキルを伝えることで、多くの求人の中から適切な案件を紹介してもらえて、より正確な収入水準を知ることができます。
収入水準は、弊社サービス「エイジレスフリーランス」でもご相談いただけます。
エイジレスフリーランスは、年齢不問の求人のみを扱い、キャリアコンサルタントがひとりひとりの経験やスキルに合わせて企業・案件を紹介するサービスです。
同業種の仲間や上司、採用担当者と相談する
自身の周囲にiOSエンジニアがいる場合には、収入について聞いてみるのも良いでしょう。また、iOSアプリ開発を行う部署の上司に相談するのも一つの方法です。さらに、企業内に求人情報や業界全体の収入事情に精通している採用担当者がいる場合には、相談してみると情報を得られるかもしれません。ただし、相手によっては収入を開示できない場合もあるため、情報収集は慎重に行う必要があります。
iOSエンジニアの役割と業務範囲
iOSエンジニアの役割は、iOSアプリの設計・開発や保守など多岐に渡ります。その中から、スマートフォン向けのアプリ開発で重要な3つの業務を解説します。
- UX設計
- フロント開発
- APIとの連携
UX設計
iOSエンジニアには、操作の導線や画面のデザイン・配置、操作性、視認性などさまざまなことに気を配り、良質な体験をユーザーに提供する「UX設計」が求められます。UXとは「ユーザーエクスペリエンス」の略称で、ユーザーがアプリケーションやサービスの利用によって得られる「体験」を表す言葉です。似た用語にユーザーとの接点を表すUI(ユーザーインターフェース)がありますが、UXはUIを含めたユーザー体験全般を表します。若者から高齢者まであらゆる人が使うスマートフォン向けのアプリの開発では、誰もが直感的に操作できるように設計することが重要です。
フロント開発
アプリケーション開発には、デバイス上で動作する処理を作るフロント開発と、サーバー側の処理を作るバックエンド開発があり、iOSエンジニアはおもにフロント開発を担います。フロント開発はユーザーが直接操作する部分であるため、UI/UXを意識した開発が重要です。フロント開発では、さまざまなUIコンポーネントを組み合わせて画面を構成したり、タップの反応速度やスクロールの滑らかさの調整などを行ないます。最近は、より簡潔なコードでUIを実装できるSwiftUIフレームワークの利用も広がっています。
APIとの連携
APIとは「Application Programming Interface」の略称で、外部サービスとの間でデータや機能を共有するためのインターフェースのことです。iOSエンジニアはAPIを活用することで、高機能なアプリを効率的に開発できます。例えば、Googleが提供するGoogle Maps APIを使うことで、アプリ上に簡単に地図機能を実装可能です。iOSエンジニアには、API連携に必要なREST APIやJSON、XMLの知識や、エラーハンドリング、APIセキュリティ対策などのスキルが求められます。
iOSエンジニアの仕事の流れ
iOSエンジニアのアプリ開発の流れは、一般のシステム開発と大きな違いはありません。
おもな5つの工程について解説します。
- システム要件定義
- システム設計
- アプリケーション開発
- テスト
- 導入・運用
システム要件定義
システム要件定義では、開発の背景・目的やターゲットユーザーの明確化、競合アプリの分析などを行い、アプリに求められる要件を整理します。その際、予算や期限、技術的な制約などを踏まえ、実現可能な範囲の要件を設定することが重要です。システム要件定義のおもな成果物には、要件をまとめた「要件定義書」のほか、「機能仕様書」や「ユーザーストーリー」「ワイヤーフレーム」などがあります。システム要件定義は、アプリの品質や方向性を決める重要な工程です。iOSエンジニアには、クライアントやプロジェクトメンバーとコミュニケーションを密に取り、システム要件定義を進めることが求められます。
システム設計
システム設計は、iOSアプリの機能や動作を実現するための具体的な設計を行う工程です。システム設計では、目に見える画面やAPIなどを設計する外部設計と、それをインプットに内部処理を設計する内部設計・詳細設計を行います。システム設計では、機能の設計に加えて将来の拡張性や保守性、再利用性などの非機能要件の設計も重要です。また、iOSアプリの設計では、ユーザーに良質な体験を提供するため、プロダクトマネージャーやデザイナーと連携してユーザビリティやUXを高めることも求められます。
アプリケーション開発
システム設計が完了したら、続いてはアプリケーションの実装です。作成した設計書に沿って、SwiftやObjective-Cなどでコードを記述していきます。開発では、Apple社が提供する統合開発環境の「Xcode」や、簡潔なコードでUIを開発できる「SwiftUI」フレームワークなどを用いることで、効率的な開発が可能です。また、前述した「React Native」「Flutter」などのフレームワークを使って、SwiftやObjective-C以外でクロスプラットフォームのアプリを開発することもできます。
テスト
システム開発において、テストは品質を確保するために非常に重要な工程です。iOSアプリのテストには、プログラム単位でテストするユニットテスト、モジュールを連携してテストする結合テスト、アプリが要件を満たしていることを確認する機能テストなどの種類があります。テストは、Xcodeに搭載されている「XCTest」などのテストフレームワークを用いて自動化することで、効率的かつ正確に実施することが可能です。iOSアプリでは、直感的に操作できるUIが求められます。テストにおいても設計に縛られることなく、ユーザー視点で問題や不便を解消していく姿勢が重要です。
導入・運用
導入工程では、開発したアプリをリリースし、ユーザーに提供します。iOSアプリをApp Storeで公開する際は、Apple社による審査に1週間程度かかることを見込んでおきましょう。
リリース後の運用フェーズでは、アプリの利用状況やエラーログなどの情報を収集し、パフォーマンスの改善や不具合の修正などを行なっていきます。また、ユーザーの満足度向上のため、App StoreやSNSなどに寄せられる評価や口コミから改善点を把握し、迅速にアップデートしていくことが重要です。
iOSエンジニアに求められるスキル
iOSエンジニアとして開発業務を行うために身につけておくべき、代表的なスキルは下記の3つです。
- アプリケーション開発スキル
- データベースの知識
- コミュニケーションスキル
- UXの知識
アプリケーション開発スキル
iOSエンジニアのキャリアを考える
iOSエンジニアへの転職や転向を考える際に知っておきたい、働き方やキャリアアップの方法などを見てみましょう。
iOSエンジニアの多様な働き方
国内のiPhone人気は高く、さまざまな企業や組織でiOSアプリが開発されています。多くの需要があるiOSエンジニアは、自身のスキルや希望に合った働き方を選ぶことが可能です。
- 会社員エンジニア
- 派遣エンジニア
- フリーランスエンジニア
会社員エンジニア
会社員エンジニアは、iOSアプリ開発を行う企業に所属するエンジニアです。会社員エンジニアは自社製のアプリを開発したり、他社からの受託案件に参画したりします。会社員エンジニアは、安定した収入や福利厚生、研修制度などがある一方、仕事内容や働く時間・場所などの自由度は高くありません。安定した環境で腰を据えて開発に取り組み、キャリアアップを図りたい人に向いている働き方です。
派遣エンジニア
派遣エンジニアは人材派遣会社に所属し、iOSエンジニアを求める企業に派遣されて開発を行うエンジニアです。派遣エンジニアは、多くの企業のプロジェクトに参画できるため、幅広いスキルを身につける機会が得られます。一方で、一般にプロジェクト単位で契約するため安定性に欠け、派遣先ごとに業務の習得や人間関係構築が必要になる点がデメリットです。派遣先での実績が評価されれば、正社員として採用されるケースもあります。一つの企業に縛られず、さまざまな企業でスキルを高めたい人に向いている働き方です。
フリーランスエンジニア
フリーランスエンジニアは、自らの技術力や経験を活かして個人事業主として活躍するエンジニアです。フリーランスのiOSエンジニアとして働く場合は、アプリの開発や改修を独力で行えるだけの技術力が求められます。フリーランスエンジニアは、働く時間や場所の自由度が高く、実力次第で高い収入が得られる点がメリットです。一方、収入が不安定な点や、開発以外にも案件探しや条件交渉、契約なども自身で行わなくてはならない点がデメリットといえるでしょう。高いスキルと豊富な実績を持ち、自ら進んでスキルアップを図れる人に向いた働き方です。
iOSエンジニアがキャリアアップする手段
iOSエンジニアが収入や市場価値を高め、キャリアアップするために有効な3つの方法を紹介します。
- プロジェクトマネジメントやリーダーシップのスキルを磨く
- 技術スキルを磨く
- 資格を取得する
プロジェクトマネジメントやリーダーシップのスキルを磨く
iOSエンジニアに限らず、エンジニアのキャリアは一般に、下流工程から上流工程、そしてプロジェクトを束ねるマネジメントへとシフトしていきます。マネジメントの役割は、下流工程や上流工程を担うメンバーを取りまとめてプロジェクトを円滑に進めることです。そのためには、プロジェクト推進の専門知識やメンバーを統率するリーダーシップが求められます。これらのスキルを身につけるには、知識や理論の習得に加えて、開発現場での経験が重要です。自らリーダーやマネージャーの役割を引き受けることで、実践力を身につけることができるでしょう。
技術スキルを磨く
モバイルアプリ開発の世界は、技術の進歩やトレンドの変化が早く、エンジニアとしての競争力を維持するためには常に最新の技術を習得することが欠かせません。新しい技術を習得することで、従来よりも優れた提案や、より価値の高いアプリの開発が可能になります。また、最新のツールなどをいち早く取り入れることにより、生産性や品質の向上も期待できます。こうした開発への貢献は、iOSエンジニアとして評価を高め、将来的な昇級や収入増などのキャリアアップにつながるでしょう。
資格を取得する
iOSエンジニアのキャリアアップには、資格取得も有効です。資格を取得することで自身の知識やスキルを客観的に証明でき、社内での評価向上や転職時のアピールに役立ちます。
iOSエンジニアに関連した資格として、Apple社が認定する「App Development with Swift」があります。Swift言語の特徴からXcodeなどのツールの使い方、iOSアプリの開発スキルなどが問われる試験です。国内の複数の会場で受験できますが、英語での試験のみのため英語力が必要です。
未経験のiOSエンジニアが技術を磨く方法
これからiOSエンジニアとしての技術を本格的に身につけていこうという方には、下記の4つの方法がおすすめです。
- 学習サイトで学ぶ
- 実際にアプリケーションを開発する
- オープンソースへの貢献
- ハッカソンやコンテストへの参加
学習サイトで学ぶ
iOSアプリ開発の主要な言語であるSwiftを基礎から学ぶには、Apple社が提供する学習ツール「Swift Playgrounds」がおすすめです。Swiftプログラミングを手軽に学べるように設計されており、初心者が楽しく学べます。基礎を学んだら、ネットの学習サイトで知識を深めましょう。「Udemy」や「ドットインストール」などの動画教材なら、動画と音声でよりわかりやすく学ぶことが可能です。Swiftは比較的新しい言語であるため、JavaやC言語などと比べるとネット上の情報は多くありませんが、徐々に充実してきています。
実際にアプリケーションを開発する
学習で身につけた知識を試すには、実際にアプリケーションを開発するのが効果的です。Swiftは、Apple社の公式サイトから無償で入手できるXcodeをインストールするだけで開発環境が構築できます。なお、Xcodeを使うためにはMacOSのPCが必要です。
最初は簡単なアプリやゲームの開発で基礎的な処理やUI作成の方法を学び、徐々に複雑な開発に挑戦していくと良いでしょう。素晴らしいアイデアと技術力があれば、開発したアプリをApp Storeで一般に公開することも可能です。
オープンソースへの貢献
自身の環境でアプリケーションを開発して実践力を身につけたら、GitHubやGitLabなどで公開されているオープンソースプロジェクトを覗いてみると良いでしょう。公開されているコードを読むことで、新しいアイデアや技術に触れることができます。もし、興味のあるプロジェクトがあれば積極的に参加してみましょう。ほかのエンジニアからのフィードバックを受けたり、コードレビューに参加したりすることで、より良いコードを書くスキルを身につけることができます。また、オープンソースプロジェクトへの貢献は自身の実績にもなり、キャリアアップにつなげることも可能です。
ハッカソンやコンテストへの参加
技術力に自信がついたら、ハッカソンやコンテストなどに参加してみるのもおすすめです。ハッカソンとは、プログラマーやSEなどが短期間で開発の成果を競うイベントです。ハッカソンやコンテストに参加することで、技術やスキルを試したり、ほかの参加者とアイデアを出し合ってスキルを高めたりできます。自身のスキルレベルや興味に合致するイベントを見つけたら、積極的に参加すると良いでしょう。
iOSエンジニアの転職ノウハウ
iOSエンジニアへの転職を成功させるための3つのポイントを紹介します。
- 履歴書や職務経歴書の作成・更新
- ポートフォリオの作成
- 転職サイトや人材エージェントの利用
履歴書や職務経歴書の作成・更新
転職にあたって、履歴書や職務経歴書は自己PRのもっとも基本的なツールです。履歴書や職務経歴書は、応募者の能力や適正に関する最初の評価に使われるため、丁寧に作成しましょう。例えば、内容が素晴らしくても、誤字脱字や誤記が多ければ「仕事でもミスの多い人なのだろう」という印象を持たれるかもしれません。
また、採用担当者に刺さる履歴書・職務経歴書を作るには、企業が求める人材像をしっかりと理解して、それに合った経験や実績を強調することが大切です。使い回しではなく、応募先の企業に合わせてカスタマイズすることが、好印象につながります。
ポートフォリオの作成
ポートフォリオは、自身が参画したプロジェクトや開発したアプリなどについて詳しくまとめたものです。履歴書や職務経歴書では表現しきれない、より具体的なスキルや実績をアピールするのに役立ちます。
iOSアプリは小規模なものであれば個人でも簡単に開発可能です。自身のアイデアやスキルを詰め込んだアプリを作り、画像や動画にまとめたり、実際にiPhoneでアプリを使ってみせたりして企業にアピールできます。また、ポートフォリオは個人のブログやSNS、GitHubで公開することも可能です。ポートフォリオが企業の目にとまれば、企業側からアプローチがあるかもしれません。
転職サイトや人材エージェントの利用
企業探しをする際は、転職サイトや人材エージェントを活用すると効率的に進められます。転職サイトは多くの求人情報の中から、希望の条件にあった企業を探してコンタクトが取れるサービスです。エンジニア向けのサイトでは、開発言語やスキルによる検索もできます。
人材エージェントは、転職のプロが企業探しや転職に関する手続きなどをサポートしてくれるサービスで、実績や希望の働き方などを登録すると、適した企業を紹介してくれます。転職サイトに公開されていない企業に出会えるのも魅力です。
おすすめの転職エージェント
転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです!
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iOSエンジニアの求人や案件
iOSエンジニアに転職する場合、どのような企業が候補になるのでしょうか?
iOSエンジニアを求めるおもな企業と、フリーランスが案件を見つける方法を紹介します。
iOSエンジニアを求める企業
業界、業種を問わず幅広い企業がiOSアプリを提供しており、iOSエンジニアを求める企業は多岐に渡ります。その中から、代表的な3つの企業を見てみましょう。
- Sier・SES
- メディア企業
- IT通信企業
Sier・SES
SIer(システムインテグレーター)とSES(システムエンジニアリングサービス)はどちらも、多くのエンジニアが所属し、ほかの企業のシステム開発を支援するビジネスを行っています。両者の違いは、SIerがシステム開発を一括して請け負うのに対して、SESは、エンジニアが不足している企業へエンジニアを提供する点にあります。SIer、SESともに、所属するエンジニアはさまざまな企業の案件に関わってスキルアップを図れるのが特徴です。下流工程から上流工程、マネジメントへとキャリアアップを図りたい人はSIerが向いています。一方、自身のスキルを磨いてスペシャリストを目指したい人は、SESで開発を極めるのも良いでしょう。
メディア企業
メディア企業は、ニュースやエンターテイメント、スポーツなどさまざまなジャンルのコンテンツを提供する企業です。メディア企業では、多様な情報を提供するためのWEBサービスやアプリの開発を行います。近年はメディア媒体としてスマートフォンの重要性が高まっており、iOSエンジニアへの需要は豊富です。
メディア企業で働くiOSエンジニアには、アプリ開発の技術に加えて、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを提供するためのクリエイティブなアイデアやスキルも求められます。また、メディア企業は新しい技術やトレンドに敏感なため、iOSエンジニアも常に新しい情報にアンテナを張り、積極的に取り入れる姿勢が重要です。
IT通信企業
IT通信企業は、情報通信技術を活用して通信インフラの整備やシステムの開発・運用、クラウドサービスやセキュリティサービスの提供などを行なっている企業です。IT通信企業ではさまざまなモバイル向けサービスを提供しており、iOSエンジニアが多く活躍しています。開発をSIerなどに委託するケースも多く、経験を積んだエンジニアは上流工程やマネジメントの枠割が求められます。
また、インフラ構築やクラウドサービス提供などには大きな資本が必要なため、IT通信企業には大手企業やそのグループ会社が多いのが特徴です。そのため、社内教育や外部研修などスキルアップのためのサポートが充実している企業が多いのも魅力といえるでしょう。
iOSエンジニアが業務委託案件を見つける方法
フリーランスのiOSエンジニアは自身で案件探しをしなくてはなりません。業務委託案件を見つけるための3つの方法を紹介します。
- 求人サイトで探す
- フリーランスエージェントに登録する
- SNSを活用する
求人サイトで探す
求人サイトの中にはフリーランス向けの業務委託案件が掲載されているサイトも多くあります。エンジニア向けの案件サイトなら、単価や勤務先といった一般的な条件に加えて、プログラミング言語やフレームワーク、開発分野などでも検索できるため、自身のスキルや希望にあった案件を簡単に探せます。
フリーランスエージェントに登録する
案件探しをプロに任せたい方は、フリーランスエージェントへの登録がおすすめです。フリーランスエージェントとは、多くの企業案件を抱えたエージェントが、登録した経験やスキルにあった案件を紹介してくれるサービスです。求人サイトには掲載されていない好条件の案件に出会える可能性も高いでしょう。さらに、企業との条件交渉や契約手続きも代行してくれるため、開発業務に集中できるのもメリットです。
iOSの案件をお探しの方は、弊社の「エイジレスフリーランス」にご相談ください。
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SNSを活用する
近年は、SNSを活用した案件探しも盛んです。SNSでの案件獲得には、大きく2通りの方法があります。一つは、自身で開発したアプリなどをSNSで発信してスキルや実績をアピールする方法です。企業の目にとまれば、案件の依頼につながります。もう一つは、SNS上でフリーランスエンジニアを募集している企業にコンタクトを取る方法です。気になる企業がある場合には、フォローしてこまめにチェックすると良いでしょう。
iOSエンジニアの将来性
iOSエンジニアの開発の舞台であるスマートフォン向けOSの市場は、iOSとAndroidの2強状態が続いています。Androidがトップシェアを持つグローバル市場とは逆に、日本国内ではiOSがおよそ3分の2のシェアを握りトップです。この傾向は10年以上に渡り変わっていません。
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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iOS | 64.1% | 66.0% | 69.8% | 67.4% | 68.8% | 69.3% | 63.5% | 66.5% | 65.9% | 67.2% |
Android | 35.0% | 33.2% | 29.2% | 31.7% | 30.8% | 30.4% | 36.3% | 33.3% | 34.0% | 32.2% |
その他 | 0.9% | 0.8% | 0.9% | 0.9% | 0.4% | 0.3% | 0.2% | 0.2% | 0.1% | 0.7% |
現状、モバイルアプリを開発する場合には、iOS向けとAndroid向けの両方を開発するケースが大半です。将来もこの状況が続く確証はありませんが、近い将来にiOSとAndroidの2強状態が崩れることは考えにくいでしょう。つまり、今後もiOSエンジニアへの高い需要は続くものと見込まれます。
参考:StatCounter
今からiOSエンジニアを目指すべき?
iOSエンジニアへの転職や転向は、下記のような理由から将来性の高い選択肢といえるでしょう。
- 求人数が多い
- 担当業務が多数ある
- フリーランスで働くことができる
求人数が多い
前述したとおり国内でのiPhone人気は高く、iOSエンジニアには今後も高い需要が予想されます。iOSエンジニアとして活躍するにはSwiftのスキルや、UI/UXの知識が必要です。Swiftは2014年に生まれた比較的新しい言語であるため、JavaやC言語などに比べると扱えるエンジニアの数は多くありません。また、モバイルデバイスに特化したUI/UXの知識を持ったエンジニアの数も限られます。そのため、豊富な需要に対してiOSエンジニアの供給が足りておらず、高いスキルを持つ人材は高待遇が期待できるでしょう。
担当業務が多数ある
今やスマートフォンは、若者から高齢者までほぼすべての人が保有しています。スマートフォン向けアプリも、ゲームや便利ツール、ニュース配信、動画閲覧などのコンシューマー向けから、企業向けの専門的なビジネスアプリまで、その種類は多種多様です。iOSアプリの市場は広く、さまざまな業界、業種の企業で開発のチャンスがあります。このように、iOSエンジニアには幅広い担当業務があるのが魅力の一つです。
フリーランスで働くことができる
iOSアプリ開発の高いスキルと実績があれば、フリーランスとして高収入を得ることも可能です。iOSアプリ開発は、企業システムの開発などに比べると比較的小規模なものが多く、リモートワークも導入しやすいため、フリーランスに委託しやすい特徴があります。そのため、多くの案件の中から希望にあった案件を選ぶことが可能です。ただし、フリーランスは案件を受託できなければ収入が途絶えるため、常にスキルアップを続ける必要があります。
まとめ:iPhone人気に支えられ、iOSエンジニアへの需要は高い
iOSエンジニアは、iPhoneに搭載されているiOS向けのアプリを開発する技術者です。iPhoneは世界的に人気ですが、国内での人気は特に高く、スマートフォン市場の3分の2のシェアを持っています。iPhone人気に支えられ、iOSエンジニアへの需要も豊富です。
高い需要のあるiOSエンジニアの年収は、ほかのIT関連の技術者と比べて高水準で、収入面でも魅力のある職種といえるでしょう。
スマートフォンは人々の生活に深く浸透しており、アプリ開発を担うiOSエンジニアの将来性は高いと考えられます。iOSエンジニアへの転職や転向に興味のある方は、スキルを身につけて実務経験を磨いていきましょう。