支払サイトとは?一般的な支払いサイトや短縮する方法を解説

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支払いサイトとは、締め日から支払い日までの期間です。フリーランスにとって支払いサイトは生活に直結するため、契約に関わる重要な要素となります。本記事では、支払いサイトの基本的な知識や一般的な長さを解説し、クライアントとの交渉の仕方についても紹介しています。クライアントとの取引で不利にならないよう、ぜひ参考にしてください。

  • 【この記事を読んでわかること】
  • 支払いサイトとは締め日から支払日までの期間を指す
  • 一般的な支払いサイトは30日
  • フリーランスにとって支払いサイトは短いほうが良い

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支払サイトとは締め日から支払日までの期間

お財布を開こうとする手元

仕事を納品・完了しても、すぐに報酬を受け取れるわけではありません。


以下の図のように、ひと月の仕事を締日にとりまとめて請求額を確定し、契約した支払サイトをもとに報酬が支払われるのが一般的です。

支払いサイトの説明

締め日とは、ひと月の取引額を集計し確定する日を指し、「月末締め」「20日締め」など会社によって異なります。


あくまでも「締め日から支払日」であって「納品日」からではないことに注意しましょう。

一般的な支払いサイトはどのくらい?

並んで作業する男性2人

支払サイトは、30日〜60日が一般的です。

月末締め翌月末払い(支払いサイト30日)が多い

月末締め翌月払い(=支払サイト30日)は、多くの企業が採用している支払サイトです。


支払サイトの記述は、企業の締日によって異なります。「月末締め翌月末払い」だけでなく「15日締め15日払い」や「20日締め翌月20日払い」も、支払サイトは同様に30日となります。


フリーランスにとって、月末締め翌月末払いは適切な支払いサイトです。支払サイトが長すぎると、入金までの期間が空いてしまうため、資金繰りに苦しむ可能性があります。一方で、支払サイトが短すぎると、請求書作業や入金確認などの管理業務が多くなってしまいます。極端に言えば、毎日納品したものを毎日請求し毎日支払いがある場合には、請求書作成業務や入金確認を毎日しなければなりません。


クライアントと契約する際は、一般的な支払サイトである30日で契約するのが好ましいでしょう。

月末締め翌々月払い(支払サイト60日)が次に多い

月末締め翌々月払い(支払サイト60日)は、月末締め翌月払い(支払サイト30日)の次に多くの企業が採用しています。


しかし、支払サイト60日は下請法で定めた期間を超過するため、月末締め翌月払いに比べるとそこまで多くありません。


法律(下請法)では、納品日(役務提供日)から60日以内のできる限り短い支払期日を定めています。

下請法の支払いサイトの説明く

ただし、下請法の対象は資本金1,000万円を超える親会社との取引です。資本金1,000万円以下の企業は下請法対象外であるため、60日超である90日や120日を設定する場合もあります。


内閣官房日本経済再生総合事務局の調査によると、フリーランスの半数近くである41.6%が資本金1,000万円以下のクライアントと取引しています。「わからない」と回答しているフリーランスが32.3%であることを鑑みると、資本金1,000万円以下のクライアントと取引しているフリーランスがさらに多いと考えられます。

フリーランスの取引の実態

参考:「フリーランス実態調査結果 | 内閣官房日本経済再生総合事務局」

支払いサイトが90日や120日などと長期化する場合もある

前述したとおり、資本金1,000万円以下のクライアントとの取引は、下請法の対象とならず、支払サイトの厳格な定めがありません。また、支払方法が手形である場合は、支払サイトが90日や120日などと長期化する場合もあります。


手形とは、記載した記述までに支払うことを約束した有価証券のことで、手形を渡されても定められた期日まで現金化できません。手形支払いで契約した場合は、支払サイトと手形サイトを合算した期間が実際の支払サイトとなります。


支払いサイトの考え方(手形支払い)

トータルの支払いサイト=支払いサイト(30~60日)+ 手形の支払サイト(30~120日)

手形支払いでの取引は減ってきてはいるものの、資金繰りに苦しまないためにも、契約時にしっかり確認しておきましょう。

フリーランスにとって支払いサイトは短いほうが良い

パソコンで作業する女性

フリーランスにとって短い支払いサイトの方が都合が良い理由は、以下のとおりです。

  • 入金が遅れると生活に支障が出る可能性がある
  • 入金の管理がシンプルになる

ひとつずつ説明します。

入金が遅れると生活に支障が出る可能性がある

フリーランスは、どんなに良い条件や金額で仕事を受けても、仕事の対価である現金が入ってこなければ意味がありません。


現金は生活に密接に関わっているため、入金が遅れると、家賃やクレジットカードの引き落としに間に合わないなど生活に支障が出てしまう可能性があります。


また、仕事を受けるだけでなく外注する場合もあるでしょう。売上金の入金が遅いと、外注先に支払えない状況に陥る可能性もあります。


資金繰りが厳しくなるほどの長い支払サイトは、フリーランスにとって不利であると考えられます。

入金の管理がシンプルになる

フリーランスは、締め日や支払日をしっかり把握し、自分で管理する必要があります。


支払サイトが長いと、請求から入金日までの期間が長くなるため、未完了の入金確認タスクを毎月抱えなければなりません。

支払いサイトが長くなるデメリット

また、多くのフリーランスは複数のクライアントと取引しているため、取引しているクライアントの数だけ入金管理をしなければなりません。すべての取引が同じ期間の短い支払サイトであることが理想的と考えられるでしょう。

クライアントにとっては支払いサイトが長いほうが良い

話し合う男女

クライアントにとっては、支払サイトが長いほうが有利です。


支払うまでの猶予ができるため、余裕をもって支払代金を準備できるうえ、その期間でうまく活用して資金を増やすことも可能です。


フリーランスにとって支払いサイトが短いほうが良いとはいえ、ビジネス上、クライアントの要望に対応すべき場面もあることを念頭に置いておきましょう。


ただし、前述のとおり、下請法で「納品より60日以内の支払い」が定められているため、長すぎる支払サイトを提示するクライアントには注意しましょう。

支払サイトを短縮する方法

ビジネスで握手する場面

フリーランスにとっての支払いサイトは、生活に大きく関わっています。もし現状で支払サイトが長いなら、支払サイトを短縮すべく以下の方法を実践しましょう。

  • 取引先と交渉する
  • ファクタリングサービスを利用する

取引先と交渉する

契約前に支払サイトを確認し、希望に沿わなければ交渉するのが理想的です。


しかし、契約したあとでも、クライアントと交渉できます。特に、支払サイトが60日以上あったり、支払方法が手形である場合は、積極的に交渉するべきです。


もし自分から交渉するのが難しければ、支払サイトを取引する際の手札と考えるのも手段のひとつです。「納期を早めて欲しい」「値引きしてほしい」などのクライアントの要望に応える代わりに「支払サイトを短くしてほしい」と申し入れてみましょう。

ファクタリングサービスを利用する

ファクタリングサービスとは、請求書(売掛金債権)を買取り、現金化してくれるサービスです。ファクタリングサービスを利用すれば、手数料はかかりますが、入金日を待たずに即日〜数日で現金が手に入ります。

2社間ファクタリング

なお、ファクタリングサービスには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあり、それぞれのメリットやデメリットは以下のとおりです。

2社間ファクタリング 3社間ファクタリング
関係者
  • 自分
  • ファクタリング業者
  • 自分
  • ファクタリング業者
  • クライアント
メリット
  • クライアントにバレない
  • すぐに現金化できる
  • 2社間ファクタリングより手数料が安い
  • ファクタリング業者が売掛金の回収を行う
デメリット
  • 3社間ファクタリングより手数料が高い
  • 支払われた売掛金をファクタリング業者に入金する作業が発生する
  • ファクタリングの承諾が必要
    (ファクタリングサービスを利用していることが知られる)
  • 現金化まで時間がかかる

ファクタリングサービスを利用していることをクライアントに知られたくない場合は、2社間ファクタリングサービスを選ぶと良いでしょう。クライアントによっては「資金繰りに困っている」「ほかに仕事がとれないような実力なのでは」などと、マイナスイメージを持たれてしまう可能性も否定できません。

まとめ

フリーランスは、どんなに良い条件や金額で仕事を受けても、仕事の対価である現金が入ってこなければ意味がありません。支払いサイトは、生活に直結する重要な要素であるため、契約前に支払サイトを必ず確認しましょう。すでに長い支払いサイトで契約している場合は、一般的な支払サイト(30日)への変更を交渉してみましょう。

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執筆者
エイジレスメディア編集部
エイジレス社会の専門誌として、すべての人が何歳でも豊かな暮らしを紡げるよう有益な情報を発信していきます。主に、エイジレスなビジョンを体現している人物や組織へのインタビュー記事を執筆しています。