経理の役割とは?仕事内容や業務上の注意点を徹底解説
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「経理にはどのような役割があるのか」「やりがいを持って働きたい」と思う人は多いのではないでしょうか? 実は、経理は経営に欠かせない重要なポジションです。 この記事では経理の仕事内容や、仕事を進める上での注意点について詳しく解説します。
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- 【この記事を読んでわかること】
- 経理の役割は企業規模や立場によって異なる
- 経理の役割は基本業務をこなすことが大切
- 経理の注意点は書類の保管期限と書類の整理
経理の役割は「お金の管理」「情報の数値化・経営層への提供」
経理の役割とはお金の管理だけではなく、組織全体の情報を数値化し、経営層に提供することです。加えて、組織の情報把握や収益性を明確にし、リスクや変化をいち早く把握することも大切です。
そのため経理には、経営層の意思決定をサポートする重要な役割もあるといえます。
経理の中でも、経理経験を積み、マネージャーや部長になった際は役割が異なります。
マネージャーに求められる役割とは、会社の事業戦略を深く理解し、チームの教育や指導、進捗管理などの業務を円滑に進めることです。
自身の業務を把握することはもちろん、チーム全体を把握して生産性を高めていく必要があります。
経理部長の役割は多岐にわたり、深い専門知識、経営管理能力、優れたコミュニケーションスキルが求められます。会社の全経理業務を監督する業務や、必要な情報を経営陣に報告する業務があり、ときにはアドバイスもおこないます。資金・業績管理を含む財務管理も、会社経営の軸となる重要な役割です。
また予算管理においても、経費の動向を把握し、経営陣に情報を提供します。
さらに、経理全体の業務が円滑に進行するよう管理し、従業員の成長を支援することで、働きやすい環境を提供する役割も担っています。このように経理全体を把握することが経理部長の役割だと言えるでしょう。
経理の基本業務は「出納業務」「記帳業務」「集計業務」「給与計算」
経理の基本業務は、おもに以下4つです。
業務 | 説明 |
---|---|
出納業務 | 現金での経費精算や各種の支払い、残高の管理を含む業務です。さらに、銀行での預金と引き出しの一連の過程も監視し、適切に記録します。 |
記帳業務 | お金の動きを正確に追跡し、文書化する業務です。売上伝票を作成し、現金出納帳や総勘定元帳といった会計帳簿に記録します。これらは企業の財務状況を明確に理解するために必要な業務です。 |
集計業務 | 帳簿のデータを基に試算表や決算書などの財務報告書を作成し、経営者へ報告する業務です。これにより、経営者は企業の財務状況とパフォーマンスを評価できます。 |
給与計算 | 社員の勤務時間、各種手当、社会保険、住民税等を考慮して給与を計算する業務です。このような作業により、適正な給与支払いが可能となります。 |
経理の基本業務は企業で発生するあらゆるお金の情報を収集して、帳簿に記帳することは基本であり、重要な業務といえるでしょう。
また企業の規模や業種により、経理の基本業務は大きく異なります。子会社や関連会社がある大企業では、連結財務諸表の作成や持分法による評価が必要となり、業務が複雑化するでしょう。
大企業でも子会社や関連会社がない、または上場企業などでは四半期財務諸表や有価証券報告書の作成が求められます。
中小企業では、総務や労務に関わる業務や来客対応も含まれることが多いです。
業種によっても経理業務は変わります。たとえば小売業では仕入管理や棚卸・製造業では原価計算・建設業では工事会計基準など、業種によっては経理の基本業務に専門的な業務が加わります。
このように経理の基本業務は、企業の規模や業種によっても異なるといえるでしょう。
次項では、経理の役割の1つとなる、基本業務を詳しく解説します。
経理の日次・月次・年次業務
経理業務では、毎日行う「日次業務」、1ヶ月のうちに行う「月次業務」、1年間のうちに行う「年次業務」があります。それぞれ解説します。
日次業務
日々の経理業務は売上や支払い、交通費など、会社の運営に関連するすべての金銭の管理業務です。現金や銀行の入出金を監視し、関連する請求書や領収書を発行、または確認します。
このような情報をもとに、適切な会計伝票を作成し、帳簿に記録します。日々の業務が年次決算書作成の基礎となるため、すべての領収書や請求書の詳細を慎重にチェックし、不明点があれば解消することが重要です。
月次業務
毎月のおもな業務は、請求と支払いといった以下の業務です。
- 売掛金の管理
- 買掛金の管理
- 給与計算
「売掛金の管理」では、顧客の支払い期日や方法を把握し、支払いが適切にできていることを確認します。
「買掛金の管理」では、仕入先からの請求に対して内容を確認し、適切な支払い手続きをします。
「給与計算」は、各種項目を正確に計算する業務です。特に生活環境の変化による給与の変動や税金の金額変更があった場合、見逃さないようによく確認する必要があるでしょう。給与計算された情報は、試算表や損益計算書として経営者に報告され、経営判断の基礎となります。
年次業務
年次業務は、企業の一年間の財務状況を反映した決算書の作成に集中する業務です。
この業務は決算日から2ヶ月以内に集計業務を完了し、税務署への申告をしたあと、納付期限までに納税します。
また株主総会が予定されている場合、決算日から3ヶ月以内に開催されます。
経理部門のほかにも財務部門や会計部門がありますが、すべて同じ役割をもっているわけではありません。
次項で詳しくみていきましょう。
経理の役割は財務や会計とは異なる
「経理の役割」と聞くと、財務や会計も同様の役割だと思ってしまう人も多いでしょう。
経理の役割は前述したとおり、日々のお金をまとめ、管理する業務です。
しかし、財務や会計にはそれぞれ別の役割があります。
詳しく解説します。
財務部門
財務部門における「財務」という概念は、資金運用の計画立案と実行を指します。
具体的には、融資や新株発行による資金調達、資産運用のためのM&Aや投資、予算管理などです。財務部門は経理部門から提供される試算表や決算書をもとに、必要な資金を調達し、企業の将来的な資金運用計画を立案します。
財務部門は役割を果たすために、財務部門は経営層と緊密に連携し、金融機関との交渉を通じて経営判断をします。
会計部門
「会計」は、全体的なお金の出入りを記録・管理する役割があります。会計の記録にもとづいて、総勘定元帳や決算書を作成するのが経理です。
会計業務はおもに「財務会計」と「管理会計」の2つに分けられ、「財務会計」は外部への情報開示が目的、「管理会計」は内部の意思決定支援が目的です。
管理会計は国内でルール化されているわけではないため、企業ごとに取り組み方が異なります。そのため経理がいる部署ではなく、経営戦略部門で行っているケースや会計部門を導入していないケースもあります。
経理に関係する業務はほかの部門でも行っていることがわかりました。
では次に経理の仕事について注意すべき点をみていきましょう。
経理の仕事における3つの注意点
経理の仕事における3つの注意点は、以下のとおりです。
- 経理書類の保管
- 書類を勘定項目ごとに整理
- 給与計算の確認
それぞれ詳しく解説します。
経理書類の保管
企業の経理に関わる帳簿書類やインターネットなどで電子取引した場合、電子データは事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から、7年間保管しなくてはならないと法人税法で定められています。
保存する必要がある帳簿は、以下のとおりです。
- 売掛金元帳
- 買掛金元帳
- 仕訳票
- 現金出納帳
- 売上帳
- 仕入帳
- 固定資産台帳
- 総勘定元帳など
保存する必要がある書類は、以下のとおりです。
- 損益計算書
- 注文書棚卸表
- 契約書
- 領収書賃借対照表など
帳簿の保存は原則紙による保存をします。PCで作成されたデータであっても、原則は紙に印刷をして保存することとなっています。ただし税務署長に申請し承認を受けることでデータ保存が可能です。
書類を勘定科目ごとに整理
経理業務をするうえで、書類を勘定項目ごとに整理しておくことは重要です。
日々の業務で生じる膨大な書類は、勘定科目ごとにきちんと整理することで、後から必要な情報を簡単に取り出すことが可能になります。
また書類がきちんと整理されていないと、紛失リスクが増大し、正確な損益計算の障害になる可能性も少なくありません。
さらに税務調査の際にも、書類の整理が適切に行われているかどうかが、調査官の評価に影響します。整理が行き届いている企業は、調査官に対して信頼性の高い印象を与えるでしょう。
整理された書類は情報をすぐに取り出せることに加えて、企業の経営効率を向上させるため、日々の業務の中で書類の整理を怠らないことが重要です。
給与計算の確認
給与計算とは、給与の総支給額と控除額、手取り額を計算し、従業員および各関係機関に給与を支払う業務です。給与計算で特に注意しておくべき点は以下4点です。
- 残業代
- 家族の扶養範囲の変更
- 情報漏えい
- 税金の払い漏れやミス
給与計算のミスが発生すると、税務調査や労働基準監督署の立ち入り調査が実行される可能性があります。
勤怠管理や社会保険料、控除などさまざまな計算が必要となる業務ですが、ミスがないように確認することが重要です。
まとめ|経理の役割を果たすとやりがいを感じられる
この記事では以下のことがわかりました。
- 経理の役割は企業規模や立場によって異なる
- 経理の役割は基本業務をこなすことが大切
- 経理の注意点は書類の保管期限と書類の整理
経理の役割は、経営に直接関与するため重要なポジションといえるでしょう。しかし社内環境から役割を果たせず、経理のあるべき姿になれない担当者もいるかもしれません。
役割を実現できない原因には、スキル不足や人員不足、業務過多などが挙げられます。しかし近年は先端テクノロジーの普及などもあり、業務量が軽減できる可能性も高くなりました。
そのため、企業全体の業績アップや経営状況の把握ができる、経理のあるべき姿を目指せる環境が整ってきたといえるのではないでしょうか。
経理の役割に深く理解を持つと、業務を通じてやりがいを感じられるでしょう。
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