合格率の高い・低い国家資格一覧!フリーランスで活躍できるものも解説
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資格取得者のみがおこなえる業務があるなど取得メリットが多い「国家資格」 どの国家資格が「合格しやすいか」や「難易度が高いか」が、気になる方も多いのではないでしょうか? 今回は各国家資格の合格率について、合格率の低い・高い資格を一覧で紹介します。
- 【この記事を読んでわかること】
- 合格率の低い国家資格には「司法試験」や「システム監査技術者」がある
- 合格率の高い国家資格には「ITパスポート試験」や「FP3級」などがある
- 資格を選ぶ際はニーズのある資格を選ぶなどポイントを押さえることが重要
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合格率の低い国家資格12選
合格率の低い国家資格として、以下の12選を紹介します。合格するのは簡単ではありませんが、取得すればその後の仕事の幅は大きく広がるでしょう。
また、フリーランスで活躍することもできます。
資格名 | 概要 | 合格率 |
---|---|---|
司法試験 | 裁判官・検察官・弁護士の法曹になるための国家資格 | 33.6%(2019年) |
司法書士 | 登記申請の代理など法的な手続きを代行できる国家資格 | 5.18%(2022年) |
社会保険労務士 | 社会保険の申請書類作成など社会保険や労務管理に関する業務を行える国家資格 | 5.3%(2022年) |
土地家屋調査士 | 不動産表示に関する登記申請の代理など、土地や建物に関する測量や調査を行うための資格 | 9.63%(2022年) |
弁理士 | 産業財産権の取得など特許取得に関する業務をおこなえる国家資格 | 6.1%(2022年) |
マンション管理士 | マンション管理に関する提案や指導をおこなえる国家資格 | 9.9%(2022年) |
測量士 | 土地の位置や面積・距離などの測量をおこなえる国家資格 | 14.4%(2022年) |
行政書士 | 行政への許認可申請書類の作成をおこなえる国家資格 | 12.13%(2022年) |
通関士 | 国際貿易における税関手続きなど税関業務をおこなえる国家資格 | 14.9%(2022年) |
FP1級 | 税金や保険などお金に関するサポートをおこなえる国家資格 | 10.38%(2023年1月) |
システム監査技術者 | 企業のシステムに関するリスクを把握・分析し評価できる国家資格 | 14.6%(2019年) |
ITストラテジスト | IT戦略の立案などシステム開発の上流工程を担当できる国家資格 | 15.4%(2019年) |
上記資格はどの資格も難易度が高く、合格のためには入念な準備が必要です。
司法試験
司法試験は、裁判官・検察官・弁護士の法曹になるための国家資格です。
2019年の司法試験合格率は33.6%程度と、非常に難易度の高い試験となっています。
司法試験では、法律の幅広い知識や法解釈能力、論理的思考力などが求められます。
法科大学院を修了する必要があるなど受験資格もハードルが高く、国家資格の中でも非常取得難易度の高い資格です。
司法書士
司法書士は登記申請の代理など法的な手続きを代行できる国家資格です。
2022年の司法書士試験合格率は5.18%となっており、難易度の高い試験となっています。
司法書士では、行政の各分野に関する知識や手続き、法律の解釈能力が必要です。
業務では正確な文章表現や顧客対応能力も求められます。
司法試験は誰でも受験できるものの、合格率が低いことから狭き門となっています。
社会保険労務士
社会保険労務士は、社会保険の申請書類作成など社会保険や労務管理に関する業務を行える国家資格です。
2022年の社会保険労務士試験合格率は5.3%となっており、司法書士と同様難易度の高い試験となっています。
社会保険労務士試験では、労働法や社会保障制度に関する広範囲の知識が求められます。
実際の業務では、法的な問題を解決する能力やクライアントとの信頼関係の構築も重要です。
受験資格として以下3つのいずれかを満たす必要があります。
- 学歴
- 実務経験
- ほかの国家試験に合格
受験資格もハードルが高く、総じて取得難易度の高い資格です。
土地家屋調査士
土地家屋調査士は、不動産表示に関する登記申請の代理など、土地や建物に関する測量や調査を行うための資格です。
2022年の土地家屋調査士試験合格率は9.63%と、難易度の高い試験となっています。
土地家屋調査士試験では、土地や建物の測量技術や法的な規制、不動産の評価などに関する広範囲の知識が求められます。
実際の業務では、精密な測量技術や地図を読む能力、解析力も重要です。
土地家屋調査士は資格取得後、補助者として土地家屋調査士のサポートを行い、経験を積みます。
補助者として実務の経験を積んだ後、土地家屋調査士の登録を行い、独立する流れが一般的です。
参考:法務省「令和4年度土地家屋調査士試験の最終結果について」
弁理士
弁理士は、産業財産権の取得など特許取得に関する業務を行える国家資格です。
2022年の弁理士試験合格率は6.1%で、非常に難易度の高い試験となっています。
弁理士試験では、法律や知的財産権制度に関する深い知識、特許出願や審査手続きの実務的な理解、論理的思考力が求められます。
合格するためには、以下3つの試験をすべて合格する必要があり、試験範囲も非常に広いことが特徴です。
- 短答式試験
- 論文式試験
- 口述試験
マンション管理士
マンション管理士は、マンション管理に関する提案や指導をおこなえる国家資格です。
2022年のマンション管理士試験合格率は9.9%で、非常に難易度の高い試験となっています。
マンション管理士試験では、建物の管理法や運営ルール、修繕計画の策定などに関する幅広い知識が求められます。
実際の業務ではトラブル解決能力、コミュニケーションスキルも重要です。
試験方法はマークシート方式で、4択から回答を選ぶ選択式です。
現在マンションの需要増加にともない、マンション管理士の雇用需要も伸びています。
参考:公益財団法人マンション管理センター「令和4年度マンション管理士試験の結果について 」
測量士
測量士は、土地の位置や面積・距離などの測量をおこなえる国家資格です。
2022年の測量士試験合格率は14.4%で、非常に難易度の高い試験となっています。
測量士試験試験では、測量機器の操作や地図読み、測量法や法的な規定に関する知識が求められます。
実際の業務では、精密な測量技術や問題解決能力、コミュニケーションスキルなども重要です。
測量士は受験資格はなく誰でも受験可能ですが、記述式と択一式の2試験で合格点数を取る必要があります。
また、試験内容も幅広い測量知識や法律から出題されるため、合格には相当な学習量が必要です。
参考:国土交通省「令和4年測量士・測量士補試験の実施状況等について」
行政書士
行政書士は、行政への許認可申請書類の作成をおこなえる国家資格です。
2022年の行政書士試験合格率は12.13%で、非常に難易度の高い試験となっています。
行政書士試験では、行政手続きや法令に関する幅広い知識が求められます。
実際の業務では、法的な問題解決能力やクライアント対応も重要です。
受験資格は特にありませんが、法令5科目と一般知識3科目の計8科目に取り組む必要があるため、かなりの勉強時間が求められます。
参考:一般社団法人行政書士試験研究センター「令和4年度行政書士試験/都道府県別試験結果一覧」
通関士
通関士は、国際貿易における税関手続きなど税関業務をおこなえる国家資格です。
2022年の通関士試験合格率は14.9%で、非常に難易度の高い試験となっています。
通関士試験では、関税法や輸出入規制に関する広範囲の知識、貿易手続きや関税評価の理解が求められます。
実際の業務では、国際的な貿易ルールや通関手続きの実務的な知識も重要です。
試験はマークシート式であるものの、試験3科目ですべて合格点を取る必要があり、取得難易度は非常に高い資格です。
FP1級
FP(ファイナンシャル・プランナー)は、税金や保険などお金に関するサポートをおこなえる国家資格で、その中でも1級は最も難易度が高い資格です。
2023年1月実施のファイナンシャルプランニング技能検定合格率は10.38%でした。
ファイナンシャルプランニング技能検定では、個人や法人の資産運用・保険・税金・相続などファイナンシャルプランニングに関する幅広い知識が求められます。
実際の業務では、クライアントのニーズを分析し、適切な提案を行う能力やコミュニケーションスキルも重要です。
受験にはFP業務の実務経験やFP2級の資格が必要です。
参考:一般社団法人金融財政事情研究会「[種目別試験結果]ファイナンシャル・プランニング技能検定」
システム監査技術者
システム監査技術者は、企業のシステムに関するリスクを把握・分析し評価できる国家資格です。
システムのリスク評価には高度な知識が求められるため、非常に取得難易度が高く、令和元年度実施の試験合格率は14.6%です。
選択式と記述式の試験を計4つ受験し、それぞれの試験で合格基準をクリアする必要があります。
ITストラテジスト
ITストラテジストは、IT戦略の立案などシステム開発の上流工程を担当できる国家資格です。
システム開発を事業戦略から組み立てていく必要があるため、ITだけでなく経営に関する専門的な知識も求められます。
取得難易度は非常に高く、令和元年度実施の試験合格率は15.4%です。
システム監査技術者同様、選択式と記述式の試験を計4つ受験し、それぞれで合格点を取る必要があります。
次では合格率の高い国家資格を見ていきましょう。
合格率の高い国家資格10選
国家資格は難易度の高いものが多いですが、合格率が比較的高い国家資格も存在します。
たとえば、以下の資格は合格率も高く、取得難易度は低いものが多いです。フリーランスで働くために簡単なものから取得しておくという人もいます。
資格名 | 概要 | 合格率 |
---|---|---|
歯科技工士 | 歯科医師の指示書にしたがって入れ歯、歯の被せ物、歯の詰め物、矯正装置などの作成や加工、修理を行える資格 | 94.8%(2023年2月) |
歯科衛生士 | 歯科診療の補助などをおこなえる国家資格 | 93.0%(2023年3月) |
製菓衛生師 | 製菓技術や衛生知識が身についていることの証明となる国家資格 | 81.3%(2022年) |
FP3級 | 税金や保険などお金に関するサポートをおこなえる国家資格で、FP1級よりも簡易的な知識が求められる | 50.95%(2023年1月) |
視能訓練士 | 小児の弱視や斜視の視能矯正や視機能の検査をおこなえる国家資格 | 89.3%(2023年2月) |
建築設備検査員 | 換気設備などの定期的な検査をおこなえる国家資格 | 63.65%(2022年) |
食品衛生管理者 | 食品や添加物を製造・加工する施設で、食品の衛生を管理できる国家資格 | 講習受講で資格取得可能 |
栄養士 | 専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理をおこなえる国家資格 | 指定の栄養士養成施設を卒業すると取得可能 |
ITパスポート試験 | ITに関する基本的な知識があることを証明できる国家資格 | 54.3%(2019年) |
情報セキュリティマネジメント試験 | 情報セキュリティに関する基本的な知識を証明できる国家資格 | 49.4%(2019年) |
歯科技工士
歯科技工士は、歯科医師の指示書にしたがって入れ歯・歯の被せ物・歯の詰め物・矯正装置などの作成や加工、修理を行える資格です。
2023年2月実施の歯科技工士国家試験合格率は94.8%でした。受験するためには、歯科技工士養成機関で所定の課程を修了する必要があります。
資格取得後は、歯科技工士として日本全国にある歯科技工所に就職するケースが一般的です。
参考:厚生労働省「令和3年度歯科技工士国家試験の合格発表について」
歯科衛生士
歯科衛生士は、歯科診療の補助などを行える国家資格です。2023年3月実施の歯科衛生士国家試験合格率は93.0%でした。
国家試験を受験するためには、歯科衛生士養成の専門学校や短期大学に通い、教育課程を修了する必要があります。
資格取得後は、歯科クリニックや病院などの医療機関で歯科衛生士として就職するケースが一般的です。
参考:厚生労働省「第32回歯科衛生士国家試験の合格発表について」
製菓衛生師
製菓衛生師は、製菓技術や衛生知識が身についていることの証明となる国家資格です。
2022年の製菓衛生師試験合格率は81.3%で、洋菓子店や製菓企業でお菓子作りを行うのに必要な資格です。
受験するためには、製菓衛生師養成施設で養成課程を修了する必要があります。
洋菓子店や製菓企業への就職、製菓学校や菓子・パン教室の講師など多岐に渡るキャリアがあります。
参考:関西広域連合「令和4年度 調理師試験・製菓衛生師試験結果について」
FP3級
FP3級は、税金や保険などお金に関するサポートをおこなえる国家資格で、FP1級よりも簡易的な知識が求められる資格です。
2023年1月実施試験の合格率は50.95%でした。難易度は比較的低いものの、試験対策を十分に行うなどそれなりの勉強時間は必要です。
銀行・証券などの金融業界をはじめ、不動産や弁護士などあらゆる業界で資格取得者が存在します。
参考:一般社団法人金融財政事情研究会「[種目別試験結果]ファイナンシャル・プランニング技能検定」
視能訓練士
視能訓練士は、小児の弱視や斜視の視能矯正や視機能の検査をおこなえる国家資格です。
2023年2月実施の視能訓練士国家試験合格率は、89.3%でした。試験受験には、指定の養成校(大学、専門学校)などで学び、必要課程を修了する必要があります。
資格取得後は、眼科を有する病院・クリニックに就職するケースが一般的です。
建築設備検査員
建築設備検査員は、換気設備などの定期的な検査をおこなえる国家資格です。2022年の建築設備検査員講習合格率は63.65%でした。
4日間の講習を受け、修了考査で合格点を取ることで資格の取得が可能です。
なお、建築設備業界での経験があるなど特定の条件を満たせば、講習を受けずに試験を受験できます。
参考:一般社団法人日本建築設備・昇降機センター「令和4年度 国土交通大臣登録「建築設備検査員講習」合否判定について」
食品衛生管理者
食品衛生管理者は、食品や添加物を製造・加工する施設で、食品の衛生を管理できる国家資格です。受験資格を満たせば、1日講習を受けることで資格を取得できるため、取得難易度は低いです。
乳製品・食肉製品などを扱う業種等で、施設ごとに食品衛生管理者を配置する必要があります。
そのため、食品加工業や食品メーカーなどで取得者の多い資格です。
栄養士
栄養士は、専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理をおこなえる国家資格です。
指定の栄養士養成施設を卒業することで、各都道府県知事に免許交付の申請をすると資格を取得できます。
そのため、特に試験を受ける必要はありません。
ただし、疾病を患う人を対象とした栄養指導を行う「管理栄養士」の資格を取得するためには、「管理栄養士国家試験」を受験する必要があります。
ITパスポート試験
ITパスポート試験とは、ITに関する基本的な知識があることを証明できる資格です。
国家資格ではあるものの、基礎知識を問う試験内容であるため、比較的合格率の高い試験となっています。
令和元年度実施のITパスポート試験合格率は54.3%です。受験資格は特になく、全100問からなる選択式問題で構成された試験となっています。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティに関する基本的な知識を証明できる資格です。
情報セキュリティの管理・対策、関連する法規から基礎的な知識を問う問題が出題されるため、比較的試験難易度は易しめです。
令和元年度実施の情報セキュリティマネジメント試験合格率は49.4%となっています。
受験資格は特になく、2科目の選択式試験に合格することで資格を取得できます。
合格率だけではなく取得する資格を選ぶポイント
合格率が気になるのはもちろんですが、資格を取得するポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- ニーズがある資格を選ぶ
- 世の中の評判だけを参考にしない
- 資格取得を目的にしない
ニーズがある資格を選ぶ
資格を取得する際に重要なポイントは、ニーズがある資格を選ぶことです。
自分の興味や得意分野だけでなく、求人市場や産業の動向を分析し、需要が高く将来性のある資格を選びましょう。
ニーズのある資格を取得すれば、就職やキャリアアップのチャンスが広がります。
たとえば、IT業界ではプログラミングやデータ解析に関する資格のニーズが比較的高いです。また、介護や福祉業界では高齢化社会の影響で介護士やケアマネージャーの需要が増加しています。
自分の関心や適性に加えて、社会的なニーズを踏まえて資格を選ぶことが大切です。
世の中の評判だけを参考にしない
資格を選ぶ際には、世の中の評判だけにとらわれることなく、自分自身の興味や適性にも目を向けることが重要です。
確かに一部の資格は社会的な評価が高く、就職やキャリアの面で有利になるかもしれません。
しかし、自分の進みたいキャリアに関係なければ活用機会がなく、資格が無駄になってしまいます。
また、自分が本当に興味を持ち、熱意を持って取り組める資格であれば、モチベーションを高く保ちながら学習に取り組めるでしょう。
資格取得を目的にしない
資格を取得すること自体が目的ではなく、それを活かしてどのようなキャリアや成果を追求するのかを考えることが大切です。
資格はあくまで手段であり、それを活かして案件獲得や仕事の成果に繋げましょう。
たとえば、英語の資格を取得することが目標ではなく、英語力を活かして国際的な仕事に挑戦したい、海外で活躍したいという具体的なビジョンを持つことが重要です。
資格を取得した後にどのようなキャリアパスを歩みたいのかを明確にし、資格を取得する意義や方向性を見極めましょう。
まとめ
- 合格率の低い国家資格には「司法試験」や「システム監査技術者」がある
- 合格率の高い国家資格には「ITパスポート試験」や「FP3級」などがある
- 資格を選ぶ際はニーズのある資格を選ぶなどポイントを押さえることが重要
国家資格には難易度の高いものから比較的取得しやすいものまで、さまざまな資格があります。
資格選びのポイントは、ニーズがある資格を選ぶことや世の中の評判だけにとらわれないことなどが挙げられます。
これらのポイントを意識しながら資格を取得することで、将来的なキャリアパスや成長に繋がる選択ができるでしょう。
自分自身の目標や興味に合わせた資格を選べば、モチベーションを保ちながら学び、自己成長を遂げられます。
自分のキャリアにふさわしい資格を取得し、案件獲得や仕事の成果向上に繋げましょう。
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