SEの上流工程とは?仕事内容と下流工程との違いについて徹底解説
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おいとま
SE(システムエンジニア)の仕事は、上流工程と下流工程に分類されます。
この記事では、上流工程の仕事内容および下流工程との違いに加え、上流工程で特有の課題や解決方法を現場経験20年以上の現役PMが詳しく解説します。
- 【この記事を読んでわかること】
- SEが携わる上流工程とは『要件定義』『基本設計』『詳細設計』の作業工程であり、下流工程とは求められるスキルに違いがあります。
- SEが下流工程から上流工程へキャリアアップするには3つのステップがある。
- SEの上流工程と下流工程の平均年収の違いは174万程度あり、平均年収から見ても上流工程がおすすめである。
- SEの上流工程に向いていない人にはいくつか特徴があるが、SEになるために必要な4つのスキルがある。
- SEが上流工程で直面することが多い3つの課題があるが、その解決策もある。
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しーそー
SEの上流工程とは?下流工程との違い
yuko_tada
おいとま
かず
SE(システムエンジニア)と言えば、上流工程を想像するかと思います。
そもそも上流工程とは、なにを指しているのでしょうか?そして、下流工程とはどんな違いがあるのでしょうか?
以下の図は、ウォーターフォールモデルと呼ばれており、川の流れのように上から下に工程を順番に進めていく開発手法です。また、実装を中心とした場合、それより上の設計メインの工程を上流、それより下のテストメインの工程を下流と呼びます。
それを踏まえ、上流工程と下流工程は以下のとおり分類されます。
上流工程:要件定義~詳細設計
クライアントの要件を満たすためにシステム全体を俯瞰して設計する力、正しくクライアントの意図をくみ取るためのコミュニケーション力などが求められます。
下流工程:実装~システムテスト
設計書をもとに実装作業を行うため、プログラミングスキルが求められます。
また、テスト工程においては、システムを操作する側のクライアント目線や開発者目線での両方の視点でのテストを正確に実施できるスキルなどが求められます。
なお、テストエンジニアの詳細な内容については『テストエンジニアの年収事情は?|年収を上げる方法について徹底解説』をご参照ください。
テストエンジニアの年収事情は?|年収を上げる方法について徹底解説
テストエンジニアの平均年収は、406万円と言われています。ソフトウェア開発において最後の砦と言うべき重要な役割を担っているテストエンジニアで
それでは、SEが上流工程で担当するおもな仕事内容には、どんなものがあるのか見ていきましょう。
SEが上流工程で担当する主な仕事内容
しーそー
おいとま
SEが上流工程で担当するおもな仕事内容は以下のとおりです。
おいとま
かず
- 要件の分析と整理
- 見積もりの作成
- プロジェクトの計画
- 設計作業
それぞれ解説します。
要件の分析と整理
まずはじめに、クライアントからの要件を分析して、システムに対して盛り込むべき機能について以下の内容に沿って整理していきます。
- 誰が使うシステムなのか?
- どんな運用でシステムを使うのか?
- どんな情報を扱うシステムなのか?
- どんな機能が必要か?(機能に漏れがないか)
- 実現性は問題ないか?
整理することで、機能に漏れがないかどうかやシステム開発の実現性に問題がないかどうかも含め、あらゆる視点で検討した結果を要件定義書としてアウトプットします。
見積もりの作成
次に要件定義書をもとに見積もりの作成を行います。
見積もりは、WBS( Work Breakdown Structure)の見積もり手法を使うのが一般的で、細かく作業に分解してそれぞれ作業ごとに見積もりを行います。
作業ごとの見積もりは、設計書などの枚数やコード行数などが見積もりの根拠となるため、これまでの経験にもとづいて見積もりを行うことで見積もり精度を上げることができます。
また、プロジェクトによっては作業単位の見積もりではなく、工程単位で見積もりを行うこともあるでしょう。
プロジェクト計画
次にプロジェクト計画になります。
プロジェクト計画は要件定義書と見積もり内容をもとに必要な予算・リソース・スケジュールを検討し、プロジェクト実行に必要な情報を決めるとても重要な作業ですが、PMやPLと連携してすすめることも多いでしょう。
また、プロジェクトをすすめるにあたり、現時点で考えられる課題やリスクについても洗い出す必要があり、それぞれいつまでに誰がどう解決するかどうかも決めておくことが重要です。
プロジェクトの遅延や炎上という言葉を聞いたことがあると思いますが、ほとんどはこの作業での課題リスクの洗い出し不足や未解決のまま後工程にすすんでしまったことが要因であることが多いです。
設計作業
次にいよいよ設計作業です。
設計作業は、要件定義書をもとにシステムを使う人が実際に目にする部分を設計する基本設計と、必要なシステムの詳細を決めプログラムが作れるレベルまで、より詳細な処理の流れを決めていく詳細設計に分かれます。
基本設計では、基本設計書・画面設計書・画面遷移図などが成果物として作成され、詳細設計では、詳細設計書などが成果物として作成されます。
以上、SEが担当する上流工程のおもな仕事内容について詳しく解説しました。
次に、SEの育成の流れとしてどのように下流工程から上流工程にキャリアアップしていくのか見ていきましょう。
SEは一般に下流工程から上流工程にキャリアアップしていく
yuko_tada
おいとま
かず
SEも新人当初は上流工程からではなく、下流工程から担当することが一般的です。
ITコンサルタントの場合、クライアントの課題解決が主体なので上流工程から担当しますが、SEの場合は以下の順番で下流から上流に向かってキャリアアップしていきます。
- STEP1:テスター
- STEP2:テストエンジニア
- STEP3:プログラマー
- STEP4:SE
SEにたどりつくまでの、それぞれのステップを順番に見ていきましょう。
STEP1:テスター
まず最初のステップは、テスターです。
テスターは、システム開発で製造したプログラムが正しく仕様どおりに動くことを、テスト計画書をもとに確認する業務になります。プログラミング未経験の人がシステムに慣れるために、最初のステップとして育成を兼ねて実施することも多いです。
テスターではシステムに慣れることは当然のことですが、プログラムをイメージをしながらテストを実施することでプログラマーにステップアップする際によりスムーズにシフトできます。
STEP2:テストエンジニア
次のステップは、テストエンジニアです。
テストエンジニアは、テスターと区別せずに一緒に育成することも多いですが、おもにテスト設計・管理・評価・改善などの業務を行います。
テストエンジニアではテスト設計という重要な役割がありますが、基本設計書から結合テスト計画書を作成し、要件定義書からシステムテスト計画書を作成します。
そのため、システムの仕様を把握し、どんなテストが効果的なのか導き出す力が必要です。
STEP3:プログラマー
次のステップは、プログラマーです。
プログラマーは、組み込みシステム開発の実装業務を専門としており、プログラミングスキルが必要になります。実践でスキルを磨いて新たなプログラミング言語を習得することで、先々の技術幅拡大に繋がるため、積極的に言語スキル習得に励むことをおすすめします。
以上、SEが下流工程からキャリアアップして上流工程にシフトする流れについて詳しく解説しました。
次に、SEの上流工程はマネジメントスキルが必要なことから、下流工程より年収が高いと言われています。実際にどれくらい違いがあるのか見ていきましょう。
SEの上流工程と下流工程での年収の違い
yuko_tada
それでは、SEの上流工程と下流工程での年収の違いについて見ていきましょう。
こちらは、『大手求人サイト』から4つの案件をピックアップして上から順に並べたものです。
- 下流工程(PG):年収280~350万円
- 下流工程(PG):年収322~462万円
- 上流工程:年収600~1100万円
- 上流工程:年収470~900万円
比較するとわかるとおり、下流工程と上流工程では、平均年収の相場にだいぶ開きがあることがわかります。
次に、『大手求人サイト』の『プログラマー』と『システムエンジニア』の正社員平均年収です。
『プログラマー』が342万円に対して『システムエンジニア』が516万円となっており、下流工程より上流工程の方が、平均年収で174万円高いことがわかりました。
以上、SEの上流工程と下流工程の平均年収の違いについてご紹介しました。
次に、上流工程に関わるSE以外の関係者とその役割について見ていきましょう。
上流工程に関わるSE以外の関係者とその役割
しーそー
SEと言えば上流工程ですが、SE以外にも上流工程に関わる関係者が存在します。
それでは、どんな関係者が関わって、その役割は何があるのか見ていきましょう。
- クライアント
- プロジェクトマネージャー
- プロジェクトリーダー
- ハードウェア担当者
それぞれ解説します。
クライアント
まず上流工程に関わる人は、要求元であるクライアントです。
SEは、システムを開発するにあたってクライアントから課題のヒアリングを行い、その後の細かい仕様の詰めなどをクライアントと行っていきます。
また、仕様や設計について検討事項が発生した場合も、都度クライアントと連携して決定しながら進めていきます。
プロジェクトマネージャー
次に上流工程に関わる人は、プロジェクトマネージャーです。
プロジェクトの責任者として、PLやSEと連携しながらプロジェクトを成功に導く役割があるため、高いマネジメント能力が必要とされます。
また、必要に応じてクライアントと折衝を行ったり、トラブルが発生した時など責任者としての行動が求められます。
プロジェクトリーダー
次に上流工程に関わる人は、プロジェクトリーダーです。
プロジェクトの規模によっては、プロジェクトリーダーを置かない場合もありますが、置く場合はプロジェクトマネージャーより社内寄りのマネジメントを行います。
おもに、SEやPGの進捗管理や工数管理などをとおして、プロジェクト進行を阻害するような問題が顕在化する前に対処する役割もあります。
ハードウェア担当者
おいとま
次に上流工程に関わる人は、ハードウェア担当者です。
こちらは組み込み系のシステム開発に限った話になりますが、組み込みシステム開発はハードウェアの変更が伴うことが多いため、企画検討から要件定義までハードウェア担当者とのハード面での仕様のすり合わせが必要になります。
以上、SE以外の上流工程に関わる人について詳しく解説しました。
次に、SEの上流工程に向いてる人と向いていない人について見ていきましょう。
SEの上流工程に向いてる人、向いていない人
しーそー
誰しもSEになれるわけではありません。
もちろんSEに向いてる人、向いていない人がいますので、ここでは向いていない人の特徴について見ていきましょう。
- 論理的思考が苦手な人
- 人とコミュニケーションを取ることが苦手な人
- 学び続けることが苦痛な人
それぞれ解説します。
論理的思考が苦手な人
まず1つ目は、論理的思考が苦手な人です。
前述したとおり、SE以外で上流工程に関わる方が多数いるため、さまざまな人と会話することがあります。たとえば、クライアントから課題をヒアリングする際に認識齟齬がないように、クライアントの意図をくみ取る必要があります。
また、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーへの状況報告やプログラマーへの作業指示が必要な際は、論理立てて正しく伝える必要があるでしょう。
もし論理的思考が苦手な人だと相手に間違って伝わる可能性があり、それにより仕様漏れなどのトラブルに発展することもありえます。
人とコミュニケーションを取ることが苦手な人
2つ目は、人とコミュニケーションを取ることが苦手な人です。
SEは、上から下へと情報を正しく伝える役割やプロジェクトを円滑にすすめるための情報共有など、積極的にプロジェクト内の風通しを良くする役割もあります。
コミュニケーションを取ることが苦手な人は、極力そういったコミュニケーションを避けようとする傾向があるため、情報伝達遅延・情報共有不足などによりトラブルに発展する可能性があります。
学び続けることが苦痛な人
3つ目は、学び続けることが苦痛な人です。
SEは、あらゆるシステム開発の上流工程を担う必要があるため、IT業界での幅広い知識と最新の技術トレンドをある程度把握しておく必要があります。
そのため、学び続けることが苦痛に感じる人は向いていないと言えるでしょう。
以上、SEに向いていない人の特徴について詳しく解説しました。
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上流工程を担うSEになるために必要な4つのスキル
しーそー
上流工程を担うSEですが、下流工程を担うPGやテスターのスキルに加えて、以下4つのスキルが必要とされています。
おいとま
- マネジメントスキル
- 設計スキル
- コミュニケーションスキル
- メンタル
それぞれ解説します。
マネジメントスキル
1つ目は、マネジメントスキルです。
上流工程と言えばまず最初に挙げられるスキルですが、プロジェクトの成功はマネジメントスキル次第だと言えるでしょう。
エンジニアは結構ストレスを抱える人も多いことから、体調面だけでなくメンタル面も気を配る必要があります。プロジェクトメンバーのメンタルケアも行いつつ、開発の進捗状況を押さえてクライアントと折衝しながら円滑にマネジメントしていく必要があります。
そういった意味でも、SEにとってマネジメントスキルはとても重要なスキルです。
設計スキル
2つ目は、設計スキルです。
要件定義書に整理された各機能を実現するにあたり、システムを設計するスキルが必要です。IT全般の知識を有しており、さらにアーキテクチャ、データベース、ネットワークなどを理解し使いこなせる必要があります。
またこれからの時代は、最新の技術トレンドも押さえ、場合によってはシステムに活用するなどの知識やスキルも必要でしょう。
コミュニケーションスキル
3つ目は、コミュニケーションスキルです。
上流工程は、クライアントの要件を漏れなくヒアリングし、システム開発のインプットとなる要件定義書を作成する重要な役割があります。
その中で、クライアントと打合せなど会話することが多いため、SEにとってコミュニケーションスキルは欠かせません。
メンタル
最後に4つ目はメンタルです。
これは結構重要で、SEは社内の上と下およびクライアントに挟まれて仕事することが多いため、メンタル面での負担は絶えません。
逆にプロジェクトメンバの体調面やメンタル面のケアをする必要があるため、自身がメンタルでつぶれている場合ではないでしょう。
以上、上流工程を担うSEになるために必要なスキルについて詳しく解説しました。
次に、SEが上流工程で直面することが多い課題について見ていきましょう。
SEが上流工程で直面することが多い3つの課題とその解決策
しーそー
上流工程でミスが発生した場合、大きなトラブルに繋がりかねないため、ミスが起きないように対応する必要があります。
そこで、SEが上流工程で直面することが多い課題とその解決策について見ていきましょう。
上流工程で発生する課題として多いものを3つ挙げました。
- 要件定義漏れによるトラブル
- 見積もりミスによるコスト増大
- 仕様変更多発によるトラブル
それぞれ解説します。
要件定義漏れによるトラブル
要件定義書をもとに見積もりを行い予算・リソース・スケジュールを確保しますが、そもそもの要件に漏れがあった場合は、予算・リソース・スケジュールの前提が崩れてしまいます。
それらの前提が崩れるとどんなことが起きるのか?
予算オーバー・リソース不足・スケジュール遅延など、プロジェクトのトラブルにつながりそうな事象が多数発生してしまいます。そのため、要件定義の精度がプロジェクトの成功の鍵を握っているといっても過言ではないでしょう。
ではどうやったら、要件定義の精度が上げられるのか?
まずは、要件定義のフォーマットがないのであれば、要件定義のフォーマットを作成しましょう。そして、過去に要件漏れが発生した時にどういう観点で漏れが発生したのか可能な限り分析して、観点を抽出しましょう。
その観点を要件定義のフォーマットに盛り込み、要件定義を作成する際に必ずその観点での調査を促すような仕組みを設ければ、同じ観点で要件漏れが発生することはなくなるでしょう。
見積もりミスによるコスト増大
ここでは、要件定義に漏れがない前提で、見積もり精度が悪いことによるコスト増大の課題についてです。
見積もりは、前述しているWBSの見積もり手法を活用して細かく作業に分解してそれぞれ作業ごとに見積もりを行います。
作業ごとの見積もりは、設計書などの枚数やコード行数などが見積もりの根拠となるため、これまでの経験にもとづいて見積もりを行うことで見積もり精度を上げることができます。
一方で見積もり精度が悪くコストが想定より増えてしまうと、クライアントから追加費用がもらえない可能性が高く、採算が取れないトラブルプロジェクトになるでしょう。
また、未経験の作業は経験にもとづいた見積もりができず見積もり精度が悪くなる懸念があるため、経験を積んだエンジニアにチェックしてもらうのが良いでしょう。
仕様変更多発によるトラブル
おいとま
こちらは私が組み込み系開発に長年携わってきた経験をもとにしているため、組み込み系開発に特化した内容ですが、次に多いのが開発途中でのクライアントからの仕様追加・変更の多発です。
ここでは要件定義書に漏れがない前提での課題について触れていきますが、実際にテストを行ってシステムを動かしてみると動かないといったことも多々あります。
要件定義に漏れはないものの、ハードウェア側の仕様と認識齟齬があり、いざ動かしてみるとエラーが発生したりなどさまざまな問題が発生する可能性があります。それにより、仕様の追加・変更が発生することで、予算・リソース・スケジュールなどに少なからず影響を及ぼすこともあるでしょう。
その場合の解決方法としては、上流工程に戻って再見積もりをして、リソースやスケジュールの見直しをさせていただくのがベストです。
以上、上流工程で発生しやすい課題とその解決方法について詳しく解説しました。
次では、SEが上流工程を担当するうえでのやりがいや厳しさを、具体的に見ていきましょう。
SEが上流工程を担当することのやりがいと厳しさ
しーそー
SEが上流工程を担当することのやりがいと厳しさは、それぞれ2つずつあります。
- やりがい:将来のキャリアパスにつながるスキルが身につく
- やりがい:チームの仲間と達成感が得られる
- 厳しさ:チームの進捗遅れに振り回される
- 厳しさ:開発に携わる機会が減る
それぞれ解説します。
やりがい:将来のキャリアパスにつながるスキルが身につく
SEはIT業界の中で幅広い知識が必要があり、最新の技術トレンドを常に把握することで市場価値の高い人材に成長できます。
また、マネジメントスキルやコミュニケーションスキル、ドキュメント作成スキルなどの将来のキャリアパスにつながるスキルが身につくことはSEのやりがいといえるでしょう。
やりがい:チームの仲間と達成感が得られる
プロジェクトは1つの大きなチームです。
1つのシステムをチームの仲間と苦労して作り上げ、無事に納品できた日には大きな達成感が得られるでしょう。そのためには、あなたがSEとしての役割を果たしマネジメント力やリーダーシップも発揮できれば、きっとプロジェクト成功の道が拓けるはずです。
それを繰り返すことで、SEとしてもさらに成長させることが出来るでしょう。
厳しさ:チームの進捗遅れに振り回される
SEとしてチームの進捗遅れに振り回されるのは仕方のないことですが、SEの厳しさを感じるポイントの1つでしょう。
納期に間に合わせるために急遽深夜作業になることがたまにありますが、SEがつきそって一緒に対応することが一般的です。
また、稼働中のシステムのリプレイスプロジェクトなどの場合、トラブルなどで営業時間内にシステムの入れ替えができないこともあります。そういった場合は、長期の休みなどを使って一定期間のシステム停止にあわせ、リリース・移行作業をするケースもあります。
厳しさ:開発に携わる機会が減る
SEは基本上流工程を担当し下流工程はPGやテスターが行うため、開発に携わることはほとんどありません。ただ、プロジェクトの規模や案件によっては、PGやテストまで一緒に担当する可能性はあります。
いずれにしても、上流ではなくどうしてもプログラミング開発がしたいという人にはSEになることはおすすめできません。
以上、SEが上流工程を担当することのやりがいと厳しさについて詳しく解説しました。
次は、SEが上流工程のスキルを磨くための資格について見ていきましょう。
SEが上流工程のスキルを磨くために役立つ資格3選
しーそー
SEがさらに上流工程のスキルを磨く方法として資格の取得があると思いますが、おすすめの資格を3つ挙げました。
- 応用情報技術者試験
- システムアーキテクト試験
- プロジェクトマネージャー試験
それぞれご紹介します。
応用情報技術者試験
項目 | 内容 |
---|---|
資格の概要 | 情報処理技術者試験のひとつで、情報処理推進機構(IPA)が主催する国家試験です。 高度IT人材に必要な応用的知識とスキルを問われます。 |
難易度 | 合格率:25% ※出題範囲が広いため、実務経験を積んだ人でも対策なしで合格するのは困難 |
想定される勉強時間 | 初学者 500時間 |
なぜSEのスキルアップに役立つのか | 技術から管理・経営まで幅広い知識と応用力が身につき、 システム開発やIT基盤構築などの局面で、SEとして高いパフォーマンスを発揮できます。 |
システムアーキテクト試験
項目 | 内容 |
---|---|
資格の概要 | システムアーキテクト試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験の一部で、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験よりも難易度が高い試験です。 |
難易度 | 合格率:15% ※高度情報技術者試験の中でも難易度が高い |
想定される勉強時間 | 初学者:100〜200時間 |
なぜSEのスキルアップに役立つのか | システムの開発工程においては、要件定義からシステム構造設計とともに、開発担当者を主導するスキルが身に付きます。 |
プロジェクトマネージャー試験
項目 | 内容 |
---|---|
資格の概要 | IT関連の国家資格の分類の中で「レベル4」の高度情報処理技術者試験に分類されており、最も難易度が高い資格です。 |
難易度 | 合格率:12~15% ※情報処理技術者試験の中で最高難度 |
想定される勉強時間 | 初学者:150~300時間 |
なぜSEのスキルアップに役立つのか | プロジェクトマネジメントに関する十分な知識が身に付きます。 |
つづいては、エンジニアの案件を豊富に取り扱っている、弊社エイジレスのサービスを紹介させていただきます。
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しーそー
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まとめ|上流工程を担うSEを目指すには下流工程からキャリアアップ
しーそー
この記事を通して、以下の5つのことがわかりました。
- SEが携わる上流工程とは『要件定義』『基本設計』『詳細設計』の作業工程であり、下流工程とは求められるスキルに違いがあります。
- SEが下流工程から上流工程へキャリアアップするには3つのステップがある。
- SEの上流工程と下流工程の平均年収の違いは174万程度あり、平均年収から見ても上流工程がおすすめである。
- SEの上流工程に向いていない人にはいくつか特徴があるが、SEになるために必要な4つのスキルがある。
- SEが上流工程で直面することが多い3つの課題があるが、その解決策もある。
これまで解説したように、SEの上流工程を目指すには下流工程からのキャリアアップがおすすめです。そのため、上流工程を担うSEになりたいと考えている人は、積極的に就職・転職することをおすすめします。
また、IT転職や独立の際には、IT業界に詳しいエージェントの活用がおすすめです。
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