40歳での転職はやめた方がいい？｜経験とスキルが転職成功の鍵
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おいとま
たかみ
現在、日本の労働市場を取り巻く環境は劇的に変化しており、あらゆる業種・業界で人材不足の問題が深刻化しています。
こうした状況を踏まえ、多くの企業は積極的に新しい人材を採用しようとしており、40歳の転職もその例外ではありません。
しかし実際に転職活動を始めてみると、多くの人が厳しい現実に直面し、「転職は簡単ではない」と感じているケースも散見されます。
この記事では、リアルな40歳の転職の現状と、成功へのカギとなるポイントを紹介します。
- 【この記事を読んでわかること】
- 40歳の転職の壁は、求人数の少なさ・技術やスキルの陳腐化・人件費の見え方・キャリアチェンジの難しさ・人的ネットワークの必要性の5つに分類可能
- 転職を成功させるためのポイントは、①40歳の採用に積極的な企業を探す ②ニーズのある技術・スキルを身につける ③待遇面の柔軟性を持たせる ④キャリアの軸を持つ ⑤人脈構築の5つ
- 実際に40歳で転職した人たちは、例外なく転職を成功させるためのポイントを押さえている
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40歳での転職は厳しい？40歳での転職のリアル
なぜ、40歳での転職が難しいと言われるのでしょうか。
20代や30代の転職と大きく異なる点として、以下の4つのハードルが立ちはだかります。
- 40歳OKの求人数が少ない
- 技術・スキルが陳腐化していることも
- 人件費が高く映る
- キャリアチェンジが困難
- 人的ネットワークが求められる
それぞれ解説します。
40歳OKの求人数が少ない
転職サイトの求人情報を見ても、35歳以下の年齢制限を設けた求人が多く、40歳を超えた場合はこれらの求人に応募できません。
慢性的な人材不足に陥っている企業ほど、若い世代を採用して長期にわたり活躍してもらいたいというニーズを持っており、それが40歳可の求人が限られてしまう理由となっています。
厚生労働省の「従業員を雇う場合のルールと支援策」には、原則として年齢を不問としなければなりません。
ただし、例外として年齢制限が認められる場合も記載されています。
たとえば、雇用期間が明確に定められていない・職務経験に関する要件が設けられていない・長期にわたるキャリア形成が求人の目的であるなどの条件を満たせば、年齢制限を設けることが認められます。
このような例外規定を援用して、若年層に的を絞って募集している企業も少なくないため、結果的に40歳可の求人数は多くありません。
技術・スキルが陳腐化していることも
スキルや知識は、放置すれば陳腐化してしまいます。
特に変化の激しい今日の人材市場では、過去に通用した技術・スキルが廃れてしまうリスクが大きいため、常に世の中で求められるトレンドを追求し、自己啓発を怠ってはなりません。
40歳の人が20代・30代に身につけたスキルが今でも通用するか、客観的に分析しましょう。
デジタル化が急速に進む現代では、新たな技術が次から次へと登場しています。
かつてはベテランの経験やスキルが高く評価されましたが、今では最新のスキルを持つ若手に瞬く間に追い越されてしまいます。
40歳の人にとっては競争が厳しい環境となっていますが、最新の技術や理論を学び続ける意識的な努力が不可欠です。
人件費が高く映る
多くの人が転職で年収アップを目指しますが、採用側の視点から見ると、40歳の人は若年層の転職と比べて人件費が高く見えてしまいます。
実際、厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、40〜44歳の転職において、賃金が増加した人は約38%にとどまり、残りの約62%は給与が変わらないか減少するというデータが示されています。
特にこれまでの経験やスキルを活かせない業界や職種への転職では、給与水準が低下する傾向に。
年収アップを目指す場合、自身の市場価値を把握し、選考プロセス中から交渉を検討することが重要です。
また転職を検討する前に、給与が下がっても転職したいかどうか、必ず検討しましょう。
キャリアチェンジが困難
企業の採用選考では、応募者の業務経験とスキルが重視されます。
20代の転職ではポテンシャルを評価して育成するケースもある一方、40歳の転職においては同業種同職種への転職が一般的であり、キャリアチェンジが困難です。
ただ、未経験者を受け入れる求人もゼロではありません。
特に不動産や生命保険会社の営業職、IT企業の技術職など、慢性的な人材不足に悩まされている業界では、40歳の未経験者も歓迎されることがあります。
未経験分野への転職を検討する場合、年齢に関わらず必要とされる業界や、希望の職種で「未経験可」と記載された企業を探すことが重要です。
人的ネットワークが求められる
40歳の転職においては、相応の人脈やコネクションが求められる点も見逃せません。
営業職での転職を目指すのであれば、担当顧客のキーマンについて知悉していることが求められますし、システムエンジニアでの転職を志す場合であっても、担当顧客が属する業界や組織に土地勘が求められます。
また転職先における顧客という観点以外にも、転職先企業の中にも人脈を持っていた方が、転職活動を有利に進められますし、入社後のミスマッチを未然に防ぐことが可能です。
転職における人脈やコネクションは、情報共有やサポートだけでなく、予期せぬ機会や仕事の紹介につながることもあるため、非常に重要です。
おいとま
ここまでは、40歳での転職の厳しい側面を詳しく解説しました。
次では、40歳での転職を成功させるためのポイントを見ていきましょう。
40歳での転職を成功させるための5つのポイント
40歳での転職を成功させるコツとは、どのようなものでしょうか。
このパートでは、具体的なポイントを5つ解説します。
- ポイント①｜40歳の採用に積極的な企業を探す
- ポイント②｜ニーズのある技術・スキルを身につける
- ポイント③｜待遇面の柔軟性を持たせる
- ポイント④｜経験とスキルが活かせるキャリアの軸を持つ
- ポイント⑤｜キャリアにつながる人脈を構築する
それぞれ解説します。
ポイント①｜40歳の採用に積極的な企業を探す
40歳の採用に積極的な企業を絞り込む具体的な方法が、2つあります。
第一の方法は、今後、転職者の採用に意欲的な業界・職種を見極めること。
厚生労働省の令和2年転職者実態調査の概況によると、「転職者を優先して採用したい」産業は「運輸業、郵便業」が55.6%でもっとも高く、次いで「鉱業、採石業、砂利採取業」が51.6%、「サービス業」が50.7%となっています。
第二の方法は、現時点ですでに人材不足が顕在化している産業へのフォーカスです。
厚生労働省の令和5年8月の労働経済動向調査によると、もっとも人材が不足している業界は「医療、福祉」、次点で「建設業」、3番目が「運輸業、小売業」となっています。
これらの統計情報を手がかりに、40歳であっても採用に前向きな企業を探すのが効果的でしょう。
ポイント②｜ニーズのある技術・スキルを身につける
40歳での転職において、世の中に求められる技術やスキルを習得することは、とりわけ重要です。
特に40歳ともなると、企業は即戦力として活躍できる能力を、よりいっそう重視します。
そのため、自分の希望の転職を実現するためには、対象の業界・職種でニーズのある技術・スキルを身につけることが欠かせません。
もし応募企業に即戦力と見なされる技術・スキルが不足している場合は、いたずらに転職をせず、スキルが身につくまで転職のタイミングを見合わせる選択も必要となります。
40歳以上の転職者は、技術・スキルのアップデートを通じて変化の絶えない環境に適応し、新しいキャリアの機会を勝ち取るために重要な役割を果たします。
自己投資を怠らず、市場のニーズに合致するスキルを習得していきましょう。
ポイント③｜待遇面の柔軟性を持たせる
希望条件を検討する際、優先順位をつけつつ、過度に理想を追い求めるのは避けましょう。
40歳ともなると家庭を持つ人も多く、勤務地や年収などに強いこだわりを持つ人もいるかもしれません。
しかし専門職や管理職の経験がある人でもない限り、理想の条件に100%合致する求人を見つけるのは、至難の業です。
そのため40歳からの転職では、事前に許容できる条件を見直し、受け入れる範囲を拡げることも重要です。
柔軟性を持って選択肢を広げておけば、転職活動が窮屈にならず、スムーズに進められるでしょう。
ポイント④｜経験とスキルが活かせるキャリアの軸を持つ
転職活動を成功させるためには、自分自身が優先したいキャリアの軸を明確に設定することが肝要です。
たとえば給与・労働時間・業務内容・キャリアパス・業界・職種・企業カルチャーなど、最も重視するポイントをあらかじめ明確化することで、求人情報を絞り込みやすくなります。
一度立ち止まって、自分の希望や目標を立ち止まって書き出して、「以前の経験を活かす仕事がしたい」「昇進の機会が欲しい」「キャリアパスが明確な企業で働きたい」など、考えを素直に言語化してみましょう。
ただし優先事項が増えすぎると、先に解説したポイント③に抵触しかねません。
したがって優先順位を明確にして、最も重要な要素に焦点を当てることが重要です。
ポイント⑤｜キャリアにつながる人脈を構築する
40歳の転職においては、人脈やコネクションが重要な役割を果たすことは疑いの余地がないでしょう。
社内外の人のつながりやSNS、閉じたコミュニティなどを通じて、興味がある企業の情報収集や求人情報の入手、具体的なアドバイスを得ることが可能だからです。
現職の関係性や人的ネットワークを活用して、自分の転職活動をサポートしてくれる人々とのつながりを構築することは、新たなキャリア形成において非常に有益です。
人脈を活用することで、求人ニーズや市場の動向を正確に捉えることが可能になりますし、実際に転職するシチュエーションでは企業とのミスマッチを防ぐことにもつながります。
転職における人脈やコネクションは、単純に求人企業の情報を入手するだけでなく、Webサイトでは知りえない転職のチャンスや企業カルチャーへの理解を深めるといった、副次的な効果も期待できるでしょう。
おいとま
ここまでは、40歳での転職を成功させるためのポイントを5つ紹介しました。
次では、実際に40歳で転職した人たちの体験談を見ていきましょう。
実際に40歳で転職した人たちの体験談
転職で致命的な失敗を避けるため、できることなら実際に同じ年代で転職した人たちの体験談を知りたいもの。
このパートでは、40歳で転職を実現した人たちの体験談を、以下5つ紹介します。
- 体験談①｜年齢がネックになるも、粘り強い活動の末、転職成功
- 体験談②｜経験を活かした転職で、年収アップを実現
- 体験談③｜年収の幅を持たせて、希望の社内SEに
- 体験談④｜スキルアップの限界を感じ、興味のある業種へ転職
- 体験談⑤｜元上司からの誘いで、スムーズに採用
それぞれ見ていきましょう。
体験談①｜年齢がネックになるも、粘り強い活動の末、転職成功
40歳・男性・営業マネージャー
- 業界・職種：IT・営業
- ポジション：営業マネージャー→営業マネージャー
- 年収：850万円→1,500万円
- こだわり条件：もっとお客様の課題を解決できる仕事に就きたい
- 応募社数：27社
- 応募から内定までの期間：6ヶ月
転職のポイント
営業マネージャーとして、年齢が足を引っ張って書類の段階で振り落とされながらも、最終的に年収アップを果たしたケースです。
当初、営業職からコンサルティング職へのキャリアチェンジを志向していましたが、年齢と経験のミスマッチから軌道修正。
営業としての経験を活かせる外資系SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービスを提供している会社)にシフトし、スキル・経験が企業側のニーズと合致し、内定獲得に至りました。
体験談②｜経験を活かした転職で、年収アップを実現
40歳・女性・ITコンサルタント
- 業界・職種：コンサル・ITコンサルタント
- ポジション：プロジェクトマネージャー→ITコンサルタント
- 年収：550万円→700万円
- こだわり条件：これまで積み重ねてきたプロジェクトマネージャーとしての経験を十分活用できる環境、年収アップ
- 応募社数：5社
- 応募から内定までの期間：3ヶ月
転職のポイント
プロジェクトマネージャーからITコンサルタントへ役割を変え、これまで蓄積した経験が評価されたケースです。
年齢の割に応募社数が少なく、転職活動を成功裡に終えられた要因は、面接前後の転職エージェントのサポートとのこと。
転職先のコンサルティング会社の最終面接官が外国の人でしたが、転職エージェントが過去のインタビューで聞かれた質問などをアドバイスした結果、万全の準備で臨めたようです。
体験談③｜年収の幅を持たせて、希望の社内SEに
40歳・男性・社内SE
- 業界・職種：IT・社内SE
- ポジション：プロジェクトマネージャー→社内SE
- 年収：650万円→600万円
- こだわり条件：現職の組織縮小に伴い、より安定した事業基盤で落ち着いた働ける環境
- 応募社数：7社
- 応募から内定までの期間：5ヶ月
転職のポイント
プロジェクトマネージャーとして精力的に働いていたところ、会社都合で組織縮小に。
より安心して働ける環境に身を置くために、待遇面を柔軟に検討して社内SEに転身したケースです。
自発的な転職ではなかったため、どれだけ応募企業に対して興味を持てるか、また離職期間を空けないためにも年収に幅を持たせられたことが成功要因とのこと。
優先したい条件と譲歩できる条件とのバランスが絶妙な、転職の成功事例です。
体験談④｜スキルアップの限界を感じ、興味のある業種へ転職
40歳・女性・セールスエンジニア
- 業界・職種：通信キャリア・セールスエンジニア
- ポジション：プリセールス→セールスエンジニア
- 年収：900万円→1,050万円
- こだわり条件：常に最新の技術に触れられ、スキルアップができる環境
- 応募社数：19社
- 応募から内定までの期間：4ヶ月
転職のポイント
事業会社のSEとして、プリセールス・システム構築に従事していた人が、内製化しており実務面に携われるものの、スキルアップの限界を感じて転職したケースです。
スキル・経験が魅力的で転職先の選択肢が豊富にあっただけに、自身の希望条件に応募企業が合っているかの綿密な確認が鍵だったようです。
体験談⑤｜元上司からの誘いで、スムーズに採用
40歳・男性・戦略企画
- 業界・職種：IT・戦略企画
- ポジション：営業→戦略企画
- 年収：1,200万円→1,300万円
- こだわり条件：収入の浮き沈みが穏やかなポジションで中長期的に働きたい
- 応募社数：1社
- 応募から内定までの期間：2週間
転職のポイント
前職で上司だった人からの紹介で、見事に自分が希望する転職を実現したケースです。
外資系IT営業の職種は成果報酬の部分が大きく、収入の変動が大きかったため、転職を検討。
以前から懇意にしていた前職の上司に相談したところ、偶然にも戦略企画のポジションが新設されたとの情報を教えてもらい、とんとん拍子で内定まで進んだとのこと。
知り合いがいる会社という事情もあり、実際に入社した後も大きなミスマッチも感じなかったとのことです。
おすすめの転職エージェント
転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです！
- 大手：業界や職種にこだわらず自分に合った転職先を幅広く探る
- 特化型：希望する業界や職種への転職を専門的にサポートしてもらう
さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。
大手転職エージェント
≫リクルートエージェント
支援実績No1の総合型。年代や職種を問わずまず登録しておくべきエージェントです。
【公式】https://www.r-agent.com/
特化型エージェント
≫社内SE転職ナビ
社内SE特化。業界最大級の社内SE求人数を保有しています。
社内SEはホワイトな求人も多いためおすすめです。
【公式】https://se-navi.jp/
≫ウズカレIT
IT未経験からの転職に特化。就職/転職支援のみならずIT学習のサポートを無料で受けられます。
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年齢不問求人/ハイクラス転職に特化。SIer・コンサル・大手SESなどの求人を多数保有しています。
約80％が平均年収150万円アップの実績あり。
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まとめ｜40歳での転職でも工夫次第で希望の転職を実現できる
おいとま
この記事を通して、以下のことがわかりました。
- 40歳の転職の壁は、求人数の少なさ・技術やスキルの陳腐化・人件費の見え方・キャリアチェンジの難しさ・人的ネットワークの必要性の5つに分類可能
- 転職を成功させるためのポイントは、①40歳の採用に積極的な企業を探す ②ニーズのある技術・スキルを身につける ③待遇面の柔軟性を持たせる ④キャリアの軸を持つ ⑤人脈構築の5つ
- 実際に40歳で転職した人たちは、例外なく転職を成功させるためのポイントを押さえている
40歳の転職のハードルは年々下がっているものの、20代・30代と比較すると競争率が高く、転職難易度が上がることに疑いの余地はありません。
本記事で紹介した40歳で転職を成功させる5つのポイントや、実際に40歳で転職した人たちの体験談を参考に、前もってしっかりと準備をすれば、希望の転職を実現する可能性は飛躍的に高まります。
年齢が上がれば上がるほど転職の門戸が狭まってくるため、関心のある企業や業界・職種がある人は、ぜひ早めにアクションを起こし、転職にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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40歳の転職を成功させるために考慮すべきポイントが多岐に及ぶため、自分ひとりで情報収集するのが難しい場合もあるかもしれません。
また、自分の経験・スキルがどのような企業に求められるのか、企業が40歳の求職者も受け入れているか、第三者の視点から客観的な評価も必要でしょう。
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