ユーザー系SIerとは?特徴と強み、意外なメリットも解説

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いまユーザー系SIerは日本や海外で大きく活躍しています。

ISIDや野村総研は数千億もの売上を誇り、NTTデータに至っては3兆円を超えるなど市場での存在感は大きいです。

本記事ではユーザー系SIerの詳細を解説します。

ユーザー系SIerを志望している人、必見です。

  • 【この記事を読んでわかること】
  • ユーザー系SIerは一般企業の親会社を持ち、親会社への内販が主力事業
  • NTTデータや野村総研が主要プレイヤー、年収1,000万越えも可能な伸び盛りの業態
  • グループ社員と連携して大きな仕事を成し遂げたい人はユーザー系SIerに特に向いている

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ユーザー系SIerとは

ユーザー系SIerの詳細を知るために、まずユーザー系SIerとはなにかを以下の3つの観点で解説します。

  • SIerとは
  • SIerは大きく4つに分類される
  • ユーザー系SIerとは

詳しくみていきましょう。

SIerとは

SIerとは” System Integrater”の略称で、システム開発の各工程の支援業務を請け負います。

新しいシステムが欲しい一般企業などに対して、システムの設計や開発、運用保守のサポートを行うのがおもな業務です。

企業数は2018年時点で約3,600社の数を誇り、売上高の合計も18兆円を超える1大産業となっています。

現代の企業ではシステムは必須のツールとなっており、言い換えればSIerはどんな業種・サービスでも仕事を獲得できる業界横断的な見込み販路を持っている企業です。

SIerは今後も拡大が期待される業種となっています。

SIerには大きく4つの種類がある

SIerは、その企業の成り立ち方で大きく以下の4つに分類できます。

それぞれの特徴をかいつまんで紹介します。

  • メーカー系
  • ユーザー系
  • 独立系
  • 外資系

メーカー系

メーカー系SIerは”親会社がメーカーのSIer”のことです。

もともと親会社のシステム部など1部門であった企業が独立・分社化し、元のメーカーを親として持つようになった企業がメーカー系と言われます。

メーカー系は親会社もSI事業を行っている場合があり、その点が特徴的です。

ユーザー系

ユーザー系は”親会社が一般企業のSIer”を指します。

親会社のシステム部など1部門が独立・分社化した由来はメーカー系と同じですが、ユーザー系は親会社が一般企業なのが最大の相違点です。

ユーザー系の特徴は親会社と業務的なシナジーを創出しやすい点が挙げられます。

独立系

3つ目は独立系です。

メーカー系やユーザー系と異なり、SIerとして興された企業が独立系にあたります。

上記2つと対を成す概念として用いられる用語です。

独立系は、製品やサービスに縛られずにSI事業を行えるのが最大の特徴となっています。

外資系

最後は外資系です。

その名のとおり海外資本の企業にまつわるSIerで、外資系企業の日本法人がおもになっています。

日系と外資系に分類されるため、外資系の中にもメーカー系やユーザー系のSIerが存在している点は押さえておくべきです。

外資系のため本社との会議や製品仕様ドキュメントが英語であることが多く、海外志向のある人にとってはおすすめの業態となっています。

ユーザー系SIerとは

ユーザー系SIerは、”親会社とのシナジーで幅広いプロジェクトに携われる”点が特徴です。

親会社が広告系の企業であれば、広告を受注したタイミングでDXの提案につなげられるなど、ITに依らないさまざまなクライアントとのチャネルが持てる点は大きな強みとなっています。

またメーカー系と異なり、業務範囲が重複しない点もメリットです。

メーカー系は親会社もSI事業を展開していることが多く、場合によっては互いの売上を食い合ってしまうことも起きえます。

ユーザー系は親会社が広告や通信などメーカーでないことが特徴なため、いびつな競争が発生せず純粋な協力関係のもとサービスを販売していけるため業務も円滑に進められるでしょう。

以上、SIerの基本情報と、そのなかでのユーザー系SIerの役割や立ち位置を解説しました。

続いてはユーザー系SIerのビジネスの内容を紹介します。

ユーザー系SIerのビジネスは大きく2つある

ユーザー系SIerはおもに以下の2種類のビジネスを展開しています。

  • 親会社・グループ企業向けのシステム開発(内販)
  • 外部企業向けのシステム開発(外販)

それぞれ見ていきましょう。

親会社・グループ企業向けのシステム開発(内販)

まずは内販です。

もともと親会社のシステム部門が独立した経緯を持つため、親会社のシステムの大半はユーザー系SIerが開発保守を行っています。

それらシステムのエンハンスやリプレースはユーザー系SIerが担当する場合が多いです。

親子関係といえども企業としては別になっているため、SIやプロダクトを提供する際は販売という形式になります。

内部向けに販売する、これが内販事業です。

外部企業向けのシステム開発(外販)

続いては内販の逆、外販です。

親会社システムの開発などで培った技術力やプロダクトを用い、外部企業への販売を意味します。

業種は違えども取り扱うサービスや業務は一般的なため、営業に使うSFAやCRM、人事・会計のERPなどは内部に閉じずに外部への販売も可能です。

内販では売上にも限りがあるため、昨今は外販事業に注力するユーザー系SIerも多くなっています。

以上、ユーザー系SIerの事業を2点解説しました。

続いてはユーザー系SIerのおもな仕事内容をみていきましょう。

ユーザー系SIerの3つのおもな仕事内容

ユーザー系SIerがどんな業務を実施しているのか、以下3つに分解して確認していきましょう。

  • 要件定義・設計
  • 実装・検証
  • 運用・保守

要件定義・設計

まずは要件定義や設計です。

この工程では親会社のユーザーから要望を詳しくヒアリングし、どのようにシステムに落とし込んでいくか俯瞰して考えていくのがメインの業務となります。

たとえば現状の業務がどのようになっているか、QA表を作成して現場メンバーにヒアリングをしたり、課題があればそれをどのように解消するか検討します。

ほかにも達成すべきサービスレベルの確認も重要です。

1時間に何件の処理をこなさなければいけないのか、1週間のうちメンテナンスなどで止まっていてよい時間はどれくらいなのかなど、細かなすり合わせを行います。

これらの情報を踏まえ、システムのどの画面でどんな処理をして、裏側で他システムとどのような連携をするか設計していく形です。

業務とシステム、その両方のデザインをしていくのがSIerの重要な役割となっています。

実装・検証

続いて実装や検証工程です。

まずは設計された内容をもとに、どうやってコーディングしていくか、技術方針や各種システム構成、具体的な連携プロトコルを決定していきます。

コーディングが完了したら、ブラックボックステストやホワイトボックステスト、境界値検証などシステム内での検証が必要です。

その後は連携している外部システムなどと、どのように検証を行うべきか検討・調整を実施し、上流から下流まで一貫しての結合テストを実施していきます。

検証ケースを作ったり実際に検証してみたりと、この工程でもSIerとして行うべき仕事は山積みです。

運用・保守

最後は運用保守の工程です。

システムが無事リリースされた後もSIerの仕事は終わりません。

本番環境で稼働するシステムの状態をチェックし、トラブルが発生したらその解消責任を負います。

このとき、ただクライアントの言い分を唯々諾々と受け入れるだけではいけません。

SIerとしての単純な瑕疵なのか、それともクライアントが業務としてしっかりと仕様を提示できていなかったのか、責任の所在を確かにするのもSIerの重要な仕事です。

どっちが悪いと追及していくのは多少気の重い仕事ですが、しっかりと原因の解明や対策のうち手を出せれば顧客からの信頼も獲得できることでしょう。

以上、ユーザー系SIerのおもな仕事を3つ紹介しました。

続いてはユーザー系SIer企業のランキングをみていきましょう。

ユーザー系SIerの売上高・平均年収ランキング一覧

ユーザー系SIerで活躍するプレーヤーのおもな数字をランキングで紹介します。

  • ユーザー系SIerの売上高トップ10
  • ユーザー系SIerの平均年収トップ10

それぞれ見ていきましょう。

ユーザー系SIerの売上高トップ10

まずは売上高TOP10の紹介です。

順位企業名売上高(単位:円)出典
1位NTTデータ3兆4,900億公式HP
2位野村総研(NRI)6,921億公式HP
3位伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)5,709億公式HP
4位SCSK4,459億23年3月期決算説明資料
5位日鉄ソリューションズ(NSSOL)2,916億公式HP
6位トヨタシステムズ1,753億公式HP
7位ユニアデックス1,383億公式HP
8位京セラコミュニケーションシステム(KCCS)1,379億公式HP
9位電通国際情報サービス(ISID)1,290億公式HP
10位キヤノンITソリューションズ1,095億公式HP

NTTデータが3兆円超えと桁違いのスケールを見せており、他の追随を許していません。

近年はグローバルに軸足を移していることもあり、今後の伸びも期待大です。

ユーザー系SIerの平均年収トップ10

続いては平均年収のランキングです。

順位企業名平均年収(単位:円)出典
1位野村総研(NRI)1,242万有価証券報告書
2位電通国際情報サービス(ISID)1,128万有価証券報告書
3位伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)1,028万有価証券報告書
4位三菱総研1,024万有価証券報告書
5位日鉄ソリューションズ(NSSOL)869万有価証券報告書
6位NTTデータ867万有価証券報告書
7位SCSK746万有価証券報告書
8位みずほリサーチ&テクノロジーズ676万
9位京セラコミュニケーションシステム(KCCS)604万
10位トヨタシステムズ575万
非上場企業はOpenworkの情報を参考にしています。

年収のトップを飾ったのは野村総研でした。

売上ではNTTデータに水をあけられ2位となっていましたが、年収ではNTTの約1.5倍と大きな差を見せつけた格好です。

以上、ユーザー系SIerを2つの視点でランク付けしてみました。

続いてはユーザー系SIerの代表的な企業を紹介していきます。

【業界別】ユーザー系SIerの代表的な企業

ユーザー系SIerで代表的なグループを表にまとめました。

ざっくりと全体感をつかむための参考にしてみてください。

業界親会社SIer会社名
通信NTTNTTデータ
NTTコムウェア
金融野村證券野村総研
三井住友銀行日本総研
三菱UFJ銀行三菱UFJインフォメーションテクノロジー
商社住友商事SCSK
伊藤忠伊藤忠テクノソリューションズ
広告電通電通国際情報サービス
鉄鋼日本製鉄日鉄ソリューションズ

ユーザー系SIerの親会社はいずれも著名な企業で、各業界のリーディングカンパニーだとわかります。

システム部門を1つの会社として分離・独立させられる規模だと考えれば、親会社もかなりのスケールになるのは自然なことでしょう。

特にNTT系は親会社も子会社も尋常ならざるスケールになっており、親会社のNTTで13兆円、子会社のNTTデータで3.5兆円、NTTコムウェアで2,500億円と3社で17兆円弱の売上を誇ります。

令和3年度の外食市場規模が16兆9,400億円と試算されており、NTTは3社だけで外食産業全体と比肩する売上を計上している形です。

NTTデータもこれからますます海外売上割合を増やしていくとみられ、この勢いは強まっていくことでしょう。

続いてはユーザー系SIerのデメリットを紹介します。

ユーザー系SIerは「やめとけ」ってホント?3つのデメリット

ユーザー系SIerのいいところばかりでなく、働くうえでのデメリットも紹介します。

  • 親会社やグループの業績、企業戦略の影響を受けやすい
  • 継続して仕事が降ってくるため競争意識が下がる
  • 古い技術を扱うことが多く、つぶしが効かなくなる

順にみていきましょう。

親会社やグループの業績、企業戦略の影響を受けやすい

ユーザー系SIerはなんといっても親会社やグループからの影響を受けやすいです。

とくに業績悪化にともなう人事制度や福利厚生の改悪はほぼ100%の確率で降りかかってきます。

より成果主義を強める人事制度になるのはまだマシで、職位と基本給の上昇を下げるために昇格要件が厳しくなることもあるでしょう。

いままで出ていた家賃補助が半額になったり、テレワーク手当などの細かい手当が撤廃されることもよくあります。

自社の売上がよくてもグループ全体として足並みを揃えられるため、ユーザー系SIerにいる以上避けられないのが親会社からの影響です。

継続して仕事が降ってくるため競争意識が下がる

ユーザー系SIerにいると競争意識を養う場面がありません。

親会社が大きいため継続してシステム開発のニーズがあり、望まずとも仕事が降りてくることが多いです。

そのため努力して成果を出して次の案件も勝ち取る、そんな独立系SIerのような仕事をする場面が皆無であり、必然的に競争意識は培われません。

相対するシステムユーザーも同じグループの社員であることが多く、大きな枠での仲間に属するため必要以上に厳しい人も少ないです。

こういったある種の温室で仕事を遂行するため、誰かと競ったりする力が醸成されないのはユーザー系SIerに勤めるデメリットでしょう。

古い技術を扱うことが多く、つぶしが効かなくなる

ユーザー系SIerでは新しい技術を身につけるチャンスに乏しいです。

親会社が歴史のある会社の場合、いまだに1990年代に開発したシステムが現役で動いていることもあり得ます。

金融機関ではこの傾向が顕著であり、いわゆるCOBOLやPL1などの古の言語で記述されたシステムも稼働中です。

プログラミング言語や技術は日進月歩で進化しているため、COBOLの技術で現在の転職市場に打って出ようとするとなかなか厳しい戦いを強いられるでしょう。

古いシステムは周辺のシステムと密かつ複雑に結合していることが多く、意外と開発機会が多いこともあり、業務をとおしてほかの言語を学ぶタイミングもなかなかとれません。

レガシーシステムを担当する必要があるのもユーザー系SIerのつらいところです。

以上、ユーザー系SIerに勤めるデメリットを3つ紹介しました。

続いて良い面もしっかりと確認していきましょう。

ユーザー系SIerは働きやすい?3つのメリット

ユーザー系SIerに勤めることで得られるメリットも当然存在します。

ポイントは以下の3点です。

  • 親会社の経営が安定している
  • ユーザーと近い位置で仕事ができる
  • スケールの大きい仕事がしやすい

それぞれ解説します。

親会社の経営が安定している

ユーザー系SIer最大のメリットは盤石な経営基盤です。

親会社が巨大企業であることが多く、そこから継続的な開発案件が降ってくるため仕事がなくなることがありません。

さらに現在は経済も成長基調であり、親会社が成長するにつれてユーザー系SIerも仕事が増え、好循環をまわすことが可能です。

経営が安定していればその分腰を据えてひとつのことに取り組むことができ、自身のスキルや会社内での地位も高めていきやすくなります。

会社がつぶれてしまうかも・・・なんて心配をしなくていいのはユーザー系SIerに勤める魅力です。

ユーザーと近い位置で仕事ができる

システムを使うユーザーと近い位置で仕事ができるのもユーザー系SIerのメリットです。

ここでいう”位置”は場所などの物理的なものでなく、精神面を指します。

たとえば独立系SIerであればシステムユーザーは完全に別会社の従業員であり、下手な粗相をすると1発で契約を切られる関係から、真の意味でのパートナーシップを結ぶのはかなりハードルが高いです。

他方でユーザー系SIerの場合、相対するユーザーは同じグループの人間であり、同じ共同体に属する仲間である意識を醸成しやすい関係性にあります。

そのため心理的安全性も高まりやすく、闊達なコミュニケーションから良いものを作り上げるシナジーも生まれやすいでしょう。

ユーザーと精神的な位置が近い、この点に魅力を感じる人は多いのではないでしょうか。

スケールの大きい仕事がしやすい

スケールが大きい仕事に携われるのもユーザー系SIerのメリットです。

親会社が大きくなるほど海外展開していることも多く、日本だけでなく海外のユーザーも巻き込んだ開発プロジェクトが多くなります。

必然的に関係する人数や金額が増え、さらに海外の法規制も勘案しながらプロジェクトを推進する必要があるため、難易度はかなり高くなるでしょう。

しかし複雑さとやりがいは比例関係にあることがほとんどであり、こういった経験は転職市場など第3者からも評価される実績となります。

世界をまたにかけるようなプロジェクトができる、ユーザー系SIerにはそんな魅力もあります。

以上がユーザー系SIerに勤めるメリット3選です。

続いてはユーザー系SIerにはどんな人が向いているのかみていきましょう。

ユーザー系SIerに向いている人・向いていない人の特徴

ユーザー系SIerに向いている人と向いていない人、それぞれどんな特徴があるか、メリデメを踏まえて2点ずつ解説します。

  • 【向いている】特定の業界や業種に興味がある人
  • 【向いている】安定した企業でじっくりとキャリアアップしたい人
  • 【向いていない】若くして急成長したい人
  • 【向いていない】新しいことにチャレンジしたい人

順番にみていきましょう。

【向いている】特定の業界や業種に興味がある人

ある業界に強く興味がある人はユーザー系SIerを検討してみるのがよいでしょう。

広告に興味があればISID、鉄鋼に興味があればNSSOLなどが対象になります。

親会社にいけばいいのでは、と指摘がありそうですが、たとえば大学で情報系を専攻していたり、営業がある会社で全国転勤を避けたいのであればSIerは良い選択肢です。

SIerはほとんどが東京もしくは関東周辺に存在しているため、その業界やサービスに興味はあるけど関東を離れたくない、そんな人にはうってつけでしょう。

またSIerといえども業務の内容を知らなければ効果的なシステムは作れないため、業界の仕事に携わっている実感も強く得られます。

親会社本体を選ばないことで得られるメリットがユーザー系SIerにあると覚えておきましょう。

【向いている】安定した企業でじっくりとキャリアアップしたい人

じっくりと自身のキャリアを積み上げていきたい人にもユーザー系SIerはおすすめできます。

親会社がしっかりとした経営実績の場合、子会社であるSIerも安定して成長し経営が危ぶまれる場面も少ないです。

そのため会社の行く末を心配せず、目の前の仕事にしっかりと打ち込めるようになります。

その企業でこれから先どんなふうに成長していきたいか、何年目にどんなスキルを手に入れていたいか、そういった長期的な戦略が組みやすい環境です。

ひとところに腰を据えてじっくりと成長する、そんな性質の人はユーザー系SIerに向いています。

【向いていない】若くして急成長したい人

若くして急成長したい人は、あまりユーザー系SIerに向いていないでしょう。

若年時からいろいろな経験を積めるのは間違いありませんが、監督者付きかつ裁量や決裁権が大きいわけではありません。

若くして成長したい場合、その根源に据えるべきは何事もやり抜ける決意と強い責任感です。

ユーザー系SIerでは周囲のお膳立てや意思決定フロー、責任の分担が明確になっており、いわばある種の”ぬるま湯”のようになっています。

裁量も持てず責任も自分で負わない環境では、なかなか仕事を自分事として捉えられず、成長のチャンスへのコミットメント度合いが下がる可能性が高いでしょう。

急激な成長を望む人にとって、ユーザー系SIerは刺激の少ない環境に感じられるかもしれません。

【向いていない】新しいことにチャレンジしたい人

新しいことに次々とチャレンジしていきたい、そんな人はあまりユーザー系SIerに向いていないかもしれません。

親会社からの方針や指示に従うことが多いため、これがやりたい!と思っても実際に実行できるチャンスは少ないです。

新しい開発環境やソフトウェア、ツール類の導入も結構ハードルが高く、部長などセキュリティ管理者やコンプライアンス部門にお伺いを立てたうえでやっと利用可能になります。

思い立ったらすぐ新しいことに挑みたい、そんな性質の人はユーザー系SIerにマッチしない可能性が高いです。

ユーザー系SIerに向いている人、向いていない人の特徴を2つずつ解説しました。

続いてはメーカー系SIerを選ぶ際に注目すべきポイントを紹介します。

ユーザー系SIerの将来性|ビジネス展望は明るい

ユーザー系SIerの将来性はかなり明るいと考えてよいでしょう。

IT業界はDXが活況で市場規模も拡大傾向であり、AIの台頭でその勢いは強まる見込みです。

AIを活用したビジネスの拡大は親会社にも大きな影響を与え、業容拡大するチャンスとして各社躍起になっています。

こういった背景から引き続きユーザー系SIerの仕事は増えていき、業界全体のパイも増えていくことでしょう。

AIによるビジネス変革は大きなうねりとなっており、ユーザー系SIerもその波にのってどんどんと拡大していくことが見込まれるため、将来性は明るいです。

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ユーザー系SIerへの転職を成功させるための3つのポイント

ユーザー系SIerに転職したい人は以下のポイントに気を付けてみてください。

  • 親会社やグループの業績や戦略をよく調べる
  • なぜ親会社ではなくSIerなのか、その理由を深堀りする
  • IT業界に強いエージェントを活用する | エイジレスにご相談ください

それぞれ解説します。

親会社やグループの業績や戦略をよく調べる

親会社やグループ企業の業績、戦略は転職するうえで欠かせない情報です。

自分がどんなことをやりたいのか自己分析したうえで、就職したいユーザー系SIerや属するグループの方針と照らし合わせてみましょう。

たとえば就職したい先の業界全体が尻すぼみになっており、親会社やグループ全体も縮小傾向にあるならばなるべく違う企業を選んだ方が無難です。

逆に親会社が採ろうとしている戦略が自身の性質にマッチする場合、そのグループに属すれば大きく恩恵にあやかれることでしょう。

ユーザー系SIerは良くも悪くも親会社やグループに強く影響されます。

この特性を頭に入れるためにも、震源地である親会社を徹底的に調べるのがおすすめです。

なぜ親会社ではなくSIerなのか、その理由を深堀りする

親会社の戦略との適合を確かめたら、なぜSIerなのか理由を固めていきましょう。

戦略が合うのであれば親会社に行けばいい、そう考える人は少なくないです。

専攻が情報系、前職がSIerなどであれば理由をつけるのも難しくないですが、そうでない人はここで理論武装を欠かさないようにしましょう。

上で述べたようにAIを活用した事業展開に興味があり、ITを活用しての事業拡大の現場を最も体感できるのがSIerだと思った、そんなことが言えれば一定の説得力があるかもしれません。

自身のこれまでのキャリアを下敷きとして、企業戦略との整合性やなぜその会社に自身がフィットするか、そしてなぜユーザー系SIerなのか掘って掘って掘りつくしてください。

考え抜いた人にこそ良い転職結果が訪れることでしょう。

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CTACTA

ユーザー系SIerに転職するためのコツを3つ紹介しました。

最後にまとめをみていきましょう。

まとめ | ユーザー系SIerは盤石の経営基盤で長期的なキャリア形成が可能

この記事をとおして、以下のことがわかりました。

  • ユーザー系SIerは一般企業の親会社を持ち、親会社への内販が主力事業
  • NTTデータや野村総研が主要プレイヤー、年収1,000万越えも可能な伸び盛りの業態
  • グループ社員と連携して大きな仕事を成し遂げたい人はユーザー系SIerに特に向いている

ユーザー系SIerは機動力や先進性などはあまりありませんが、安定と成長の観点で多くの人にまっちする業態です。

大企業と一緒に働けるため、大きな仕事をしたい人や自身への権威付けにも向いています。

長期にキャリアを形成し、市場価値を高められる土壌がユーザー系SIerの強みです。

ぜひエイジレスに転職のサポートをさせていただけるとうれしいです。

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執筆者
shin_zo
大手銀行システム会社で9年のシステムエンジニア歴を経てITコンサルタントへ。2023年3月よりライター業をスタート。金融市場商品、特に外国為替予約(FX)とリーブオーダーに強み。IT領域では要件定義からリリース・保守まで各工程を一貫して経験。金融やITの記事を得意とし、株やETF、投資信託などの資産形成方法も楽しく勉強中。特技はドラム、趣味は愛猫と遊ぶこと。