55歳からの転職!難しいとされる理由と成功のコツ・求人状況を解説
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55歳からの転職を検討するものの、年齢を理由に「仕事探しは難しい」「求人が少ない」と聞き、次の一歩を踏み出せない方は多いのではないでしょうか。この記事では、55歳からの転職が難しいとされる理由と成功のコツ、求人状況などを解説します。年齢に関係なく働き、評価を得たいとお考えの方に役立つ内容です。
- 【この記事を読んでわかること】
- 55歳からの転職の現状
- 55歳からの転職に必要なスキル
- 未経験の55歳でも転職しやすい業種
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55歳からの転職が難しい2つの理由
55歳からの転職は難しいと言われているのはなぜでしょうか。55歳以上の転職状況が確認できるデータを交えて、その理由を解説します。
55歳以上を対象にした求人数が少ない
55歳以降の求職者に対しての求人数は、他の年代と比較し少ないです。2019年の厚生労働省東京労働局の調査によると、年齢が上がるにつれて有効求人倍率は低くなっています。
年齢 | 有効求人倍率(2019年4月) |
24歳以下 | 1.05 |
25〜34歳 | 1.06 |
35〜44歳 | 1.20 |
45〜54歳 | 1.04 |
55歳以上 | 0.76 |
55〜59歳 | 0.62 |
60〜64歳 | 0.62 |
※有効求人倍率は数値が低いほど就職しにくくなる
上記の表からわかるように、特に55歳以上は、大きく有効求人倍率が下がります。これにより、55歳以上で転職に成功する可能性が低いことがわかります。
50代の転職や入職率は比較的低い
50代の転職入職率は、20代や30代よりも低い傾向があります。
転職入職率とは、在籍者に対する転職入職者の割合です。転職入職者数とは、入職者のうち、入職前1年間に就業経験のある者をいいます。転職入職率の計算方法は次の通りです。
・転職入職者数/1月1日現在の常用労働者数×100=転職入職率
転職入職率が高いほど入職者が離職者よりも多いことを表します。年齢別の転職入職者率は以下の表を確認してください。
年齢 | 転職入職者率 |
〜24歳 | 11.8% |
25〜29歳 | 13.4% |
30〜34歳 | 9.2% |
35〜39歳 | 8.2% |
40〜44歳 | 6.8% |
45歳〜49歳 | 6.1% |
50〜54歳 | 5.3% |
55〜59歳 | 5.9% |
60〜64歳 | 10.2% |
65歳〜 | 4.0% |
また、同調査では、転職希望者に対する実際に転職をできた者の割合は、40~59歳の中高年層において低い傾向が見られます。
これらのデータによって、55歳の転職は難しいことがわかります。
55歳以上が採用されにくい理由3つ
55歳からの転職を目指したとき、採用されにくいとされる理由は主に3つあります。
- 扱いづらいイメージがある
- 採用条件が厳しい
- 高額な人件費がかかる
それぞれについて解説します。
1.扱いづらいイメージがある
55歳という年齢によって扱いづらいイメージを持たれることがあります。55歳まで会社員として勤め続けているれば重要なポジションや役職に就いていることがあり、前職での経験や実績にプライドを持つ人もいるからです。
特に、年功序列制度や終身雇用制度など、年齢や勤務歴を重ねることによって評価するシステムが慣例となっている企業では、自己評価が公正ではない場合があります。また、スキルや知識が社内での評価に反映されにくく、社内評価と市場評価のずれが生じることも少なくありません。その結果、自身の評価を見誤り、プライドが高くなっていることもあります。
多くの企業は、社員に対し、プライドではなく柔軟性を求めていることが多いです。転職後、前職とは仕事の進め方が異なることはもちろん、上司や先輩が年下である場合も少なくありません。
環境の変化に対応するには、プライドの高さよりも柔軟性が重要です。経験に比例してプライドが高くなりがちな55歳以降の人材は扱いづらいイメージを持たれやすく、転職は難しいとされています。
2.採用条件が厳しい
55歳以上の人材を採用する際、企業は厳しい条件を設けるケースがあります。55歳以上の人材を採用する際に求めているのは、即戦力となるスキルや知識、人脈などです。前述の通り、企業は、55歳以上の人材に対し、将来的な期待はしていません。
例えば、建設業の企業の場合、豊富な施工管理経験や建築士、建築施工管理技士などの資格を持っていたり、業務に必要なノウハウを持っていることが条件となることが多いです。また、不動産会社の場合、不動産業界で数年以上の営業経験や普通自動車免許(第一種運転免許)や宅地建物取引士の資格などが必要です。
20〜30代の年齢が若い人であれば、業界・業種未経験であっても人柄や素養などを重視して採用することもあります。しかし、55歳以上の場合、企業に役立つスキルや知識、資格、経験、人脈などを満たしていなければ、転職は厳しいと言えるでしょう。
3.人件費が高額
企業が55歳以上の人材を雇う場合、高額な人件費がかかります。特に年功序列制度を採用している企業の場合、年齢の分、給与設定が高くなるためです。
厚生労働省の調査によると、特に55〜59歳は賃金が高いことがわかります。
年齢階級 | 賃金(千円) |
年齢計 | 307.4 |
〜19歳 | 182.5 |
20〜24歳 | 213.1 |
25〜29歳 | 246.2 |
30〜34歳 | 275.8 |
35〜39歳 | 305.0 |
40〜44歳 | 328.0 |
45〜49歳 | 344.3 |
50〜54歳 | 366.2 |
55〜59歳 | 365.5 |
60〜64歳 | 292.8 |
65〜69歳 | 259.8 |
70歳〜 | 243.3 |
20代との賃金の差は100万円以上になります。その差を埋めるだけのスキルを持ち合わせておくことが転職を成功させる鍵となります。
このほか、同じ中途入社の社員でも、若い年代なら将来に渡り企業に貢献してくれる望みはありますが、定年退職まで10年を切っている55歳以上には望めません。
また、企業によっては55歳を定年年齢にしている場合があります。定年年齢が60〜65歳に設定された企業の場合、若い年代なら長きに渡り貢献してくれる望みはありますが、55歳では定年まで5年しかないことも、理由の1つとして考えられます。
55歳から転職するメリット2つ
以上のような理由から55歳以上の転職は難しいとされていますが、能力次第ではさまざまなメリットを受けられる可能性があります。ここでは、55歳で転職するメリットを2つ紹介します。
- 新たなポジションで働ける
- モチベーションの維持や向上が図れる
1.新たなポジションで働ける
転職先企業では前職とは違った新たなポジションで働ける可能性があります。人材を募集する段階で職務内容を定義し採用するジョブ型の企業では、年齢に関係なく重要なプロジェクトを任せることがあるからです。
例えば、スタートアップ企業への転職に成功し、これまでのノウハウを活かし、プロジェクトリーダーを任せられることもあるでしょう。
責任ややりがいを感じて役職に就いていた社員が、55歳で役職定年を迎え、その後も企業で働き続けるのは難しい場合があります。そんな場合はジョブ型の企業への転職がおすすめです。WebエンジニアやWebデザイナーなどIT系の企業には、ジョブ型雇用が広く採用されています。
役職はなくとも、やりがいのある仕事を任せる企業もあるため、向上心を持って働きたい55歳に転職はおすすめです。
2.モチベーションの維持や向上が図れる
年齢や社歴に関わらず、仕事そのものを評価する企業へ転職できれば、モチベーションの維持や向上が望めます。前職と比べても、遜色ない質の職務内容や環境、立場で責任を持って働けるからです。
責任ある立場から外れたこと、または年下が上司になることによってモチベーションが低下することもあります。「定年まで働かせてもらえるなら」と、モチベーションが低下したまま働き続けるのは難しい場合もあるでしょう。
そのため、年齢に関わらず評価してくれる企業を慎重に検討し、転職に成功できれば55歳でもモチベーションを維持して働けます。
55歳以上で転職するデメリット
55歳以上で転職すると次のようなデメリットがあります。
- 給与が減る可能性が高い
- 転職活動の期間が長引く可能性がある
それぞれについて解説します。
給与が減る可能性が高い
55歳以降に転職すると、給与は減少する割合は大幅に増えます。2021年の厚生労働省の雇用動向調査によると、転職後の給与が減少する割合は、55〜59歳が最も高いです。
増えた | 減った | 変わらない | |
40〜44歳 | 39.9% | 22.6% | 36.4% |
45〜49歳 | 34.1% | 30.4% | 34.4% |
50〜54歳 | 32.2% | 31.3% | 35.4% |
55〜59歳 | 22.6% | 51.1% | 25.8% |
給料は、役職に就く50歳頃までは上がり続けることが多いです。それは、役職定年を迎えたあと下がることを意味します。
現職で管理職についている人が転職後に役職に就かない場合、就役職手当がもらえなくなるため、収入が下がる可能性があります。転職するなら、最も求人が多いとされる2〜3月の時期がおすすめです。新卒が入社する4月に間に合うように採用して、一緒に研修をスタートできるためです。教育コストの削減にもつながります。
転職活動をする期間が長引く可能性がある
55歳以上で転職を目指す場合、転職活動の期間が長引く可能性があります。
2020年の厚生労働省の転職者実態調査によると、直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの55〜59歳における期間割合は次の通りです。
直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの50〜59歳における期間別転職者割合
年齢 | 離職期間なし | 1ヵ月未満 | 1ヵ月以上2ヵ月未満 | 2ヵ月以上4ヵ月未満 | 4ヵ月以上6ヵ月未満 | 6ヵ月以上8ヵ月未満 | 8ヵ月以上10ヵ月未満 | 10ヵ月以上 | 不明 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
55〜59歳 | 22.0% | 29.0% | 16.0% | 11.2% | 4.2% | 3.5% | 1.2% | 5.7% | 7.2% |
離職期間なしで転職できる人が20%以上いる一方、転職するまでに10ヵ月以上かかる人も5.7%います。55歳以上での転職は、すぐに転職先が決まらず長期化するリスクがあるとわかります。
特に、企業から評価を得られやすい実績やスキル、所有資格がない場合や、希望する企業の競争率が高い場合は、転職活動が難航する可能性が高いです。離職後、ブランクを作りたくないなら、在職中から転職活動を始めておくべきです。
55歳以上で転職する際に求められる能力
厚生労働省の令和2年転職者実態調査の概況によると、55歳以上の求職者に対して多くの企業が、経験を活かし即戦力になること、専門知識や能力があることを求めています。
55歳から転職を目指す場合に求められる能力には、以下の2点が挙げられます。
- プロジェクトを任せられるマネジメントスキル
- 専門知識や専門のスキル、人脈
それぞれ解説します。
1.プロジェクトを任せられるマネジメントスキル
マネジメントスキルがあると、55歳以上でも企業に採用されやすいです。プロジェクトの統括や新人の指導など、通常業務以外に幅広い仕事を任せられます。
しかし、プロジェクトを円滑に運営するためには、プロジェクトの計画や進捗、要員、予算などの管理に加えて部下の指導や育成も行わなければならず、担当できる人はそう多くありません。そうした人材を育成するには多くの時間がかかるため、55歳以上でマネジメントスキルがある人は企業に採用されやすいと言えます。
2.専門知識や専門スキル、豊富な人脈
専門知識や専門スキル、あるいは豊富な人脈があれば、企業の即戦力として採用されやすいです。企業にとって、業績の維持や事業拡大に役立つためです。
前職で築いた多くのキーパーソンとの信頼関係はもちろん、時間をかけて得た知識やスキルは、20代や30代の若手にはないものです。経験を活かし質の高い業務を遂行できるため、キャリア採用を積極的に行っている職種もあります。そのため、能力次第では55歳以上の人材が優遇される場合もあります。
55歳からの転職の失敗例
この項目では、55歳からの転職の失敗例を紹介します。失敗例から注意すべき点を学び、転職活動を有利に進めましょう。
- 役職や給与にこだわりすぎた
- 面接対策が不十分だった
- 転職後の職場環境に馴染めなかった
役職や給与にこだわりすぎた
前職で就いていた役職や給与へのこだわりによって、転職に失敗する場合があります。前述したように、転職入職者の賃金変動状況は55〜59歳がもっとも減少する割合が高いです。
多くの企業が、55歳の転職者に対して前職以上の待遇を提示していない中、前職と同程度、あるいはそれ以上の待遇で採用されるのは困難です。高待遇で採用されるにはノウハウや実績などさまざまな要素が求められます。
前職では重要な役職を任されていた人でも、役職なしから入社する場合もあります。こうした状況の中、役職や給与に固執すると、長期に渡って転職先が決まらないこともあります。
転職する際、譲れない部分と譲れる部分をしっかり区分し、明確にしておきます。想定していた待遇と異なる場合、条件を設けて段階的に上げてもらえるよう交渉するなど、契約時に協議すると良いでしょう。
面接対策が不十分だった
面接対策が不十分で採用されない場合があります。例えば、自己PRで前職の実績を語るだけでは、面接担当者に良い印象は伝わりません。
実績を語る際、内容は具体的かつ簡潔に伝えることが重要です。設定した目標に対する課題や解決するための取り組み、効果などをわかりやすく伝えます。加えて、謙虚に面接に望むと良いでしょう。
55歳以降の就職活動では、面接官が自分より年配である場合は多くありません。面接官の年齢に関わらず、謙虚に受け答えや振る舞いができれば、好印象を与えられます。
また、面接の際、「役職定年で待遇が悪くなるから転職を希望している」といった後ろ向きな発言は控えます。転職先の企業でどのように貢献したいのか、具体的な内容まで用意しておくと、意欲が伝わり成功につながります。
転職後の職場環境に馴染めなかった
転職後、新しい仕事に対応できない、または職場での人間関係がうまくいかず辞めてしまうことがあります。転職後は仕事のやり方も人間関係も全てが変わります。
培ってきた自分のノウハウや考え方に固執したり、前職での役職などを持ち込んだりすると、新たな職場環境に馴染めません。転職先では新人という立場をわきまえて、仕事のやり方を受け入れ謙虚にコミュニケーションを図ると、新しい職場環境に馴染めるでしょう。
55歳以上の転職を成功させるポイント4つ
この項目では、55歳の転職に成功するポイントを4つ紹介します。
- キャリアの棚卸しの実施
- 職務経歴書や履歴書の添削
- 転職先のターゲットを広げる
- 50代以上に強い転職エージェント利用する
1.キャリアの棚卸しの実施
自身のキャリアの棚卸しをします。キャリアの棚卸しでは、これまで行ってきたことを時系列でリストアップします。
実績のほか、過程やエピソードを盛り込むと具体的な能力を可視化できます。重要なポジションでの活動や、活動を通じて信頼関係を構築してきたキーパーソンを加えるといいでしょう。
これまでの経験や実績を記憶だけで振り返るのは困難なため、過去に記載してきた業務報告書を活用するといいでしょう。業務報告書には、成し遂げてきた日々の業務が記録されており、その当時の仕事の進め方や成果を正確に確認できます。加えて、同僚に当時の仕事ぶりを確認すると、自分では気付けないような長所を見つけられるかもしれません。
転職活動を始める前にはキャリアの棚卸しを行い、自分の魅力をわかりやすく伝えられるようにしましょう。
2.職務経歴書や履歴書の添削
転職エージェントを利用して、職務経歴書や履歴書を添削してもらうといいでしょう。職務経歴書や履歴書などの書類選考は、面接や面談につながる第一歩ですから、非常に重要です。
転職エージェントでは、キャリアアドバイザーによるヒアリングや未公開求人の紹介に加えて、応募書類の添削まで行っている場合もあります。添削してもらった職務経歴書や履歴書をもとに、各企業の採用ニーズに合った内容を盛り込み、ブラッシュアップします。
3.転職先のターゲットを広げる
転職を有利に進めるには、転職先のターゲットを広げるべきです。55歳以上を対象にした企業の求人は少ないため、希望を優先しすぎるとマッチする転職先が見つからず、転職の成功率は必然的に下がります。
業界や職種によっては人材不足が起きており、年齢制限をかけずに募集している企業もあります。
ただし、各企業で競争率は異なるため、業界や職種だけでなく、自分が持つスキルや経験の需要が高い企業を見極めることが重要です。蓄積したノウハウやキャリアを活かせる、最良の再就職先を見つけましょう。
4.50代以上に強い転職エージェントを利用する
50代以上の転職に強い転職エージェントを活用すると、転職の成功率が上がります。
転職エージェントでは、転職希望者と採用を検討している企業のマッチングを支援しています。転職希望者は、エージェントのキャリアアドバイザーから、求人の動向や転職に関するノウハウなどのサポートを受けられます。これにより、転職活動を効率的に行えます。
50代以上の転職ならエイジレスに相談を
エイジレスでは、年齢にかかわらず活き活きと働きたい50代以上の人材と、経験豊富な人材を求める企業とをマッチングする転職エージェントサービスを展開しています。キャリアの棚卸しや自己分析はもちろん、キャリアコーチングによってセカンドキャリアの形成をサポートします。転職のことでお悩みの50代は、株式会社エイジレスにご相談ください。
おすすめの転職エージェント
転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです!
- 大手:業界や職種にこだわらず自分に合った転職先を幅広く探る
- 特化型:希望する業界や職種への転職を専門的にサポートしてもらう
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