老後の仕事状況や仕事の探し方を解説

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「老後に年金だけで生活するのは不安」「老後に仕事をして社会との繋がりを持ちたい」など、シニアが働く理由はさまざまです。実際に年々働くシニアの数は増加傾向にあり、労働人口の減少からもシニアの雇用口も増えています。今回はシニアの就業状況などをふまえて、老後にできる仕事や仕事の探し方などをお伝えします。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • 老後に仕事することが一般化している
  • 老後の仕事は再雇用制度などの利用または再就職で見つける
  • 老後に未経験でできる仕事はたくさんある

老後も働くシニアは増えている

老後も働くシニアは増えている

総務省統計局の高齢者就業データによると、2020年の働く高齢者は960万人と過去最多に到達。高齢就業者は2004年以降、17年連続で前年と比べて増加しています。
まずは老後に働くシニアについて、内閣府「令和4年版高齢者白書」のデータを引用してみていきます。

労働力人口の約13%は65歳以上

令和3年の労働人口6,907万人のうち65〜69歳は410万人、70歳以上は516万人と、労働人口全体における65歳以上の割合は13.4%です。また、人口に占める労働力人口の割合は65〜69歳で51.7%、70〜74歳で33.2%と平成17年以降上昇傾向にあります。さらに、75歳以上は10.6%と平成27年以降上昇しており、近年の傾向ではとくに75歳以上の働くシニア層が増えていることがわかります。

65歳以上の就業率も上昇傾向にある

65歳以上の就業率は10年前と比較して、60〜64歳14.4%、65〜69歳14.1%、70〜74歳9.8%、75歳以上2.1%増加しています。男女別に見た就業率は、以下のとおりです。

男性 女性
60〜64歳 82.7% 60.6%
65〜69歳 60.4% 40.9%
70〜74歳 41.1% 25.1%

出典:内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」

65〜69歳では約半数が、70歳以上でも男性は約4割が働いています。また、内閣府調査によると60歳以上で収入がある人でも約4割が「働けるうちは働きたい」と回答。すべての回答を合計すると、約9割が高い就業意欲を持っている状況にあります。

老後の働き方

老後の働き方

では、老後はどのような働き方ができるのでしょうか。改正高年齢者雇用安定法により、再雇用や勤務延長制度の仕組みが整いつつあるため、会社員であればこうした制度を利用して老後に働くことができます。ここでは、老後の働き方を詳しくみていきます。

再雇用

再雇用は定年で一旦退職し、その後再度雇用契約を結んで就業する制度です。再契約後は正社員や嘱託・契約社員、パートやアルバイトなどさまざまな雇用形態があります。一度退職扱いとなるため退職金が受け取れる点がメリットですが、再契約にあたり給与水準が下がる可能性がある点がデメリットです。

勤務延長制度

勤務延長制度は、退職せずに70歳まで雇用が継続できる制度です。再雇用とは異なり雇用契約もそのまま継続するため、役職や業務内容、給与水準は大きく変わりません。退職金は定年時に一旦支給される、延長した雇用期間終了後に支給されるなど企業によって規定が異なります。

再就職

定年退職し、再雇用制度を利用しない場合は別の会社へ再就職します。老後に正社員で働くのは難しいと思われがちですが、近年は労働力が不足しているため定年後の人材でも需要が高まりつつあります。定年後の再就職では経験やスキルが求められるため、ご自身の力が発揮できる仕事を選ぶことがポイントです。

アルバイト・パート

アルバイトやパートのような非正規雇用で働くのも1つの手です。非正規雇用であれば好きな時間・頻度で働くことができるため、自分の時間も楽しみつつ仕事ができます。コンビニやスーパーなどシニアを積極的に採用しているところも多いため、求人を見つけやすい点がメリットです。

個人事業主

老後に独立し、個人事業主として働く方法もあります。会社に雇われる働き方ではないため、仕事量などを自分でコントロールできる点がメリットです。ただし、仕事は自分で獲得しなければならないため、安定した収入を目指す人にはハードルが高いといえます。士業のような専門的な資格を持っている人は開業し、自分の事務所を持つのも良いでしょう。

老後に仕事するメリット

老後に仕事するメリット

老後に仕事をする理由は、人によってさまざまです。ここでは、老後に仕事するメリットを詳しくみていきます。

収入が増える

内閣府「令和4年版高齢者白書」によると、高齢者世帯の平均所得金額は312.6万円です。その他世帯は664.5万円となるため、現役世代でなくなると世帯所得は約半分に落ち込むことがわかります。総務省統計局「家計調査年報2021年 Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支」によると、65歳以上世帯の月の生活費は以下のとおりです。

65歳以上の夫婦のみ無職世帯 65歳以上の単身無職世帯
月平均額(円) 構成比(%) 月平均額(円) 構成比(%)
消費支出
(その他消費支出含む)
224,436 100.0 132,476 100.0
食費
住居
光熱・水道
家具・家事用品
被服及び履物
保険医療
交通・通信
教育
65,789
16,498
19,496
10,434
5,041
16,163
25,232
2
29.3
7.4
8.7
4.6
2.2
7.2
11.2
0.0
36,322
13,090
12,610
5,077
2,940
8,429
12,213
0
27.4
9.9
9.5
3.8
2.2
6.4
9.2
0.0
教養娯楽 19,239 8.6 12,609 9.5
その他消費支出 46,542 20.7 29,185 22.0
諸雑費
交際費
仕送り金
18,807
20,729
1,349
8.4
9.2
0.6
13,369
15,394
387
10.1
11.6
0.3
非消費支出 30,664 – 12,271 –
直接税
社会保険料
12,109
18,529
–
–
6,056
6,158
–
–
総合計 255,100円 144,747円

出典:総務省統計局「家計調査年報2021年 Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支」

1ヶ月で夫婦世帯で約25万円、単身世帯で約14万円の生活費が発生するのに対し、年金支給額は以下のとおりです。

出典:厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金支給額でちょうど単身世帯の生活費がまかなえるくらいであることから、年金だけで生活するのは難しいといえます。働けばその分収入が増えるため、生活費や生活費以外の娯楽にあてられます。

国民年金(円) 厚生年金(円)
(国民年金含む)
平成28年度 55,373 145,638
平成29年度 55,518 144,903
平成30年度 55,708 143,761
令和元年度 55,946 144,268
令和2年度 56,252 144,366
平均年金月額 55,759 144,587

社会との繋がりが持てる

社会との繋がりが維持できる点は、老後に仕事するメリットの1つです。老後は社会との繋がりがなくなってしまうことが多く、そのまま家に引きこもり状態になるとフレイルに陥りやすくなります。フレイルとは、高齢者が要介護状態になってしまうまでの中間的な段階のことです。その状態が続くと要介護状態や認知症リスクが増加してしまいます。働くことで社会との繋がりが維持できるためこうしたリスクを抑えつつ、お金面の不安も解消できます。

健康的な生活が送れる

仕事があることで規則正しい健康的な生活が送りやすくなります。何もせずに家にいるだけだと体力がどんどん低下してしまいますが、仕事で強制的に体を動かすことで体力も衰えにくくなるでしょう。さらに仕事で頭を働かせられるため、脳の活性化にも効果的といえます。

老後の仕事の探し方

老後の仕事の探し方

企業の再雇用制度や勤務延長制度を使わない場合は、再就職となります。しかし、シニアが働ける求人をどう探せば良いのか不安に感じている人もいるでしょう。ここでは、老後の仕事の探し方の特徴や各方法のメリットを解説します。

求人サイト

一般的な求人サイトでは、希望の職種や条件から幅広い求人が探せます。しかし、業種や職種によってはシニアが採用されにくい求人も出てきます。そのため、求人サイトを利用する場合は中高年向けの求人サイトの活用がおすすめです。中高年向けの求人サイトであれば、シニア層を求めている求人のみ掲載されているため、採用率もぐんとアップします。一般の求人サイトでも「高齢者歓迎」などのキーワード、条件設定することでシニア向けの求人が探せるでしょう。

ハローワーク

ハローワークであれば、職員のサポートを受けながら仕事を探すことができます。お住まいの地域を管轄するハローワークに「生涯現役支援窓口」があれば利用がおすすめです。生涯現役支援窓口であればシニア向けの求人の紹介だけでなく、履歴書の書き方や面接の受け方など再就職支援も受けられます。ハローワークは地域に根ざした求人を紹介してもらえるため自宅近くで働きたい、サポートを受けながら仕事探しをしたい場合におすすめです。

シルバー人材センター

シルバー人材センターは、高齢者が仕事を通して生きがいを得るとともに地域社会の活性化に貢献することを目的にした都道府県知事の指定を受けている民間機関です。市区町村単位でセンターを構えており、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づいて事業を行っています。シルバー人材センターで仕事の紹介を受けるには、年会費と会員登録が必要です。「稼ぐ」よりも「生きがいを得るための就業」を目的としているため、社会的な繋がりなどを目的に仕事したい人におすすめです。

人材紹介会社(転職エージェント)

人材紹介会社は、いわゆる転職エージェントです。シニアに特化した人材紹介会社も多くあり、コンサルタントに希望条件を伝えることで適性に合った求人の紹介が受けられます。応募書類や面接の対策などのサポートも受けられるため、希望条件にあった仕事を見つけたい、自分の経験やスキルが活かせる仕事を見つけたいと考えている人におすすめです。

派遣会社

派遣会社に登録すれば、希望条件にあった求人の紹介が受けられます。正社員よりもハードルが低くなるため、希望条件にあった仕事が見つけやすい点がメリットです。経験・年齢不問の求人も多く、非正規雇用なので体力的にも無理なく働ける仕事が見つかるでしょう。自分にあった非正規雇用の仕事を見つけたい、適度にできる仕事がしたい人におすすめです。

知人の紹介

現役時代のコネや知人の紹介で再就職することも可能です。自分の適性などを把握している知人からの紹介であれば、企業や仕事内容とのミスマッチが起こるリスクが少ない点でメリットがあります。また現役時代の経験やスキルが評価されれば、役員や顧問など待遇の良いポストに就けるチャンスにも期待できるかもしれません。

おすすめの転職エージェント

転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです!

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さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。

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未経験OK!老後に人気の仕事8選

未経験OK!老後に人気の仕事8選

未経験から始められる、老後に人気の仕事8つをご紹介します。

①警備

警備は経験・年齢不問の求人が多い仕事です。商業施設や学校、駐車場やイベント会場などでさまざまな場所で人や車両の誘導、巡回などを行います。特別なスキルや資格、経験がなくても就業でき、年齢不問の求人も多いため、シニアにおすすめです。ただし、仕事中は立ち続ける・歩き回ることも多いため体力や忍耐力が必要な仕事です。

②ドライバー

普通自動車免許があれば、ドライバーとして働くことができます。シニアにおすすめのドライバーは、タクシー運転手や配送ドライバーなどです。とくに配送ドライバーは需要が高いため、シニアでも採用率は高めの傾向にあります。ドライバーは正規雇用や非正規雇用、個人事業主などさまざまな雇用形態で働けます。運転スキルや体力に自信がある、運転が好きな人におすすめの仕事です。

③マンション管理人

マンション管理人はマンションの清掃や点検など、居住者の生活をサポートする仕事です。適度に体が動かせ、シニアの対応力や社会経験が豊富な点が評価されやすい点が特徴です。また体力の必要な業務が少ない点でシニアでも無理なく続けられ、かつ雇用形態が幅広いためライフスタイルに合わせて柔軟な働き方ができる点がおすすめポイントです。無資格・未経験でも働くことはできますが、シニア層に人気の仕事であるため倍率は高めといえます。

④介護

ミドル層の多い介護職は、40代以降を中心にシニア層も活躍している職業です。介護職は人材不足が深刻であったり、未経験・無資格でも働けるため、老後でも就職しやすい傾向にあります。親の介護経験がある人や家事スキルを活かして働きたい人に向いています。

⑤清掃

清掃も、未経験・無資格から始められる仕事です。シニアを積極的に採用している企業も多いため、定年後でも就職しやすいといえます。雇用形態も幅広く、プライベートに合わせて柔軟に働ける点がおすすめポイントです。

⑥事務

デスクワークの事務は、体力的負担がかからない点でシニアにおすすめの仕事です。WordやExcelなどを扱える、事務職の経験がある人であれば採用されやすいでしょう。未経験可の求人もありますが事務職は倍率が高いため、再就職のハードルが高い可能性があります。

⑦家事代行

とくに女性におすすめの仕事が、家事代行です。家事代行はお客さまの家に出向き、掃除や洗濯、料理などの家事を行います。主婦経験が活かせる仕事であり、家事経験の豊富なシニアの需要は高いでしょう。適度に体を動かせるため、健康面でもメリットがある仕事です。

⑧軽作業

軽作業とは梱包や検品、ピッキングや仕分けなどの簡単な作業です。筋力・体力をあまり必要としない作業が多いため、老後の仕事に向いています。雇用形態も幅広いため、プライベートに合わせて柔軟な働き方ができます。単純作業や同じ作業の繰り返しが苦にならない人におすすめです。

老後の仕事選びで失敗しないためのポイント

老後の仕事選びで失敗しないためのポイント

老後の仕事選びは、下記のポイントを押さえて仕事を探してみましょう。

仕事でどのくらいの収入を得たいかを把握しておく

収入目的で老後に仕事する人は、どれだけ収入を得たいかを把握しておくことがポイントです。年金受給額や月の生活費を大まかに算出し、どれだけ収入をプラスすべきか目処を立ててみましょう。収入の計画が立てられれば、必要な月収から雇用形態や時給、週の労働日数・時間などの条件から最適な仕事が見つけやすいといえます。

定年前から計画を立てておく

今勤めている企業で再雇用などの制度を利用するのか、別の企業や雇用形態で再就職するのかを定年前から検討しておくと良いでしょう。早くから老後の仕事をどうするか考えておくことで、余裕を持って計画的に老後の仕事がスタートできます。まったく新しい仕事にチャレンジしたい、より専門的な仕事に就きたい場合、必要なスキルや資格を身につけておくこともおすすめです。

自分に合った仕事を見つける

老後は体力的にも無理なく働くことが大切です。まずは体力的に問題ないか、次に自分のスキルや経験が活かせるか、ライフワークバランスを考えて働けるかなどを考えて、自分に合った仕事を選びましょう。そのためにも、仕事に求める譲れない条件や妥協できる条件を明確にしておくと仕事選びのミスマッチが減らせます。

老後にできる仕事はさまざま!自分に合った仕事を見つけて充実した老後を送ろう

老後にできる仕事はさまざま!自分に合った仕事を見つけて充実した老後を送ろう

全体的に労働力が不足していることから、シニアを積極的に採用している企業も増えています。年齢不問、未経験・無資格OKの仕事も多くあるため、自分に合った老後のキャリアを築きやすいでしょう。働き方や仕事の探し方、老後にできる仕事の種類はさまざまです。働く目的や仕事で実現したいことを明確にし、自分に合った老後の仕事を見つけてみましょう。

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執筆者
エイジレスメディア編集部
エイジレス社会の専門誌として、すべての人が何歳でも豊かな暮らしを紡げるよう有益な情報を発信していきます。主に、エイジレスなビジョンを体現している人物や組織へのインタビュー記事を執筆しています。