SIer業界の歩き方|分類やさまざまなランキングを通じて解説

※当サイトは人材関連サービスを展開する株式会社エイジレスが運営しています。本ページは自社および提携先のPRを含む場合があります。

これからSIerへの転職や就職を考えている人のなかには、SIerの業界地図や分類、ランキングが気になるのではないでしょうか。
そこで本記事では、SIerに関する基本的な知識や業界地図、SIer業界の将来性などを詳しく解説します。
本記事をとおして各SIerの立ち位置をつかみ、SIer選びの参考に役立ててください。

  • 【この記事を読んでわかること】
  • SIerはユーザー系・メーカー系・独立系・外資系の4つに分類される
  • 売上高・平均年収・従業員数などのSIerランキング
  • SIer業界の今後の展望は明るいので、自分に適性があるかの見極めが重要

おすすめの転職エージェント

転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです!

  • 大手:業界や職種にこだわらず自分に合った転職先を幅広く探る
  • 特化型:希望する業界や職種への転職を専門的にサポートしてもらう

さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。

大手転職エージェント
リクルートエージェント
支援実績No1の総合型。年代や職種を問わずまず登録しておくべきエージェントです。
【公式】https://www.r-agent.com/

特化型エージェント
社内SE転職ナビ
社内SE特化。業界最大級の社内SE求人数を保有しています。
社内SEはホワイトな求人も多いためおすすめです。
【公式】https://se-navi.jp/

ウズカレIT
IT未経験からの転職に特化。就職/転職支援のみならずIT学習のサポートを無料で受けられます。
【公式】https://uzuz-college.jp/

エイジレスエージェント
年齢不問求人/ハイクラス転職に特化。SIer・コンサル・大手SESなどの求人を多数保有しています。
約80%が平均年収150万円アップの実績あり。
【公式】https://agent.ageless.co.jp

CTACTA

SIerとは|日本のデジタル・トランスフォーメーションの主役

そもそもSIer(エスアイアー)とは、システムインテグレーター(System Integrator)の略称です。
一般企業や官公庁などのITシステムにおいて、コンサルティング・設計・開発・運用などを請け負う企業のことを指します。

アメリカと比較すると日本では、IT人材がユーザー企業よりもSIerに集中していることをご存じでしょうか。
そのため、顧客は自分たちだけでITシステムを作るのは難しく、SIerの支援が欠かせません。

特にユーザー企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む機運が高まっている今、SIerに求められる役割はいっそう大きくなっています。

SIerは大きく4つに分類される|それぞれの特徴を解説

SIerは、その会社の成り立ちによって、以下の4つに分類されます。

  • ユーザー系
  • メーカー系
  • 独立系
  • 外資系

それぞれ解説します。

ユーザー系|事業基盤の安定性と特定業種への強みが光るSIer

東証プライム市場に上場するような大企業が、自社の情報システム部門を分離・独立させた経緯を持つSIerを指します。

ユーザー系SIerは、親会社・グループ会社のシステム開発・運用・保守の引き合いをメインの事業としていることが多いため、事業基盤が安定している点が特徴です。
親会社・グループ会社との取引で長年培ったノウハウ・実績を有しているため、親会社・グループ会社が属する業種に強みがあるという点も見逃せません。

また親会社の人事制度を踏襲するケースが多いことから、福利厚生制度が充実していて年収レンジが高い傾向にあります。

メーカー系|ハードウェアから運用保守まで一気通貫で支援ができるSIer

もともと汎用機やコンピュータの開発・製造をになってきたハードウェア・メーカーが、その延長線上でシステム開発案件を手がけるタイプです。

その成り立ちから特にインフラ系の技術に秀でていて、インフラで効率的に稼働するアプリケーションの開発・運用まで、ワンストップで提供できる点が最大の強み。
手がけられる業務範囲が広範に及ぶことから、対象顧客や案件規模が大きい点も特徴です。
また他のSIerは、ハードウェアの調達が含まれる案件ではメーカー系SIerと協業しなければならないため、メーカー系SIerのビジネスの裾野は広いでしょう。

ほとんどが労働組合を持っていることから、福利厚生制度が充実しているため、安心感を持って働ける環境でしょう。

独立系|自由度が高く、独自の強みを持つSIer

ユーザー系・メーカー系と異なり、資本関係のある親会社も自社のハードウェアも持たないSIer群です。親会社とのしがらみや、特定のハードウェアに縛られることなく、自由度が高いシステム開発を提供できる点が特徴。

その反面、安定して大型案件を獲得できる顧客基盤に乏しいため、常に自力でビジネスを獲得・維持する必要があります。
同時に安定した事業基盤を作りあげるために、自社で開発したパッケージソフトウェアや独自のサービスを提供していることも。

待遇面は成果に連動する度合いが大きく、活躍すれば高収入を期待できますが、逆に成果が出なければ待遇面で劣るリスクがあります。

外資系|グローバル・スタンダードを武器に効率的に事業展開するSIer

世界中で事業を展開するIT企業が、日本法人を設立してシステム開発事業を展開しているSIerを指します。
自社開発のハードウェア・ソフトウェアを持っているSIerもあれば、戦略・ITコンサルティング事業の延長線上にシステム開発案件を手掛けているSIerもあり、世界で通用する強みを持っている点は共通。

また常に海外株主から効率的な経営を求められていることから、顧客企業規模・取引実績によって直接取引かパートナー企業を介した取引か、明確に線引きされています。
そのため所属部署によって、携われる案件規模や業務範疇が大きく異なるでしょう。

尚、これまで解説してきたどのSIerのタイプよりも実力主義が浸透しており、成果によって大きく報酬が伸びる余地があります。

ここまで、SIerの分類とその特徴について解説しました。次では、SIer業界を理解するうえで知っておきたいことを確認していきましょう。

SIer業界を理解する上で知っておきたい3つのこと

SIer業界への理解を深める上で、押さえたいポイントは以下の3つです。

  • SIer業界は多重下請け構造
  • SIerのエンジニアは客先常駐や持ち帰り開発する
  • SIerとSES・自社開発企業との違いと関係

それぞれ解説します。

SIer業界は多重下請け構造

SIer業界は、受注する案件規模が大きければ大きいほど、ピラミッドのような多重下請け構造を持っています。
ピラミッドの頂点に位置するのが、顧客から直接案件を受注する「一次請けSIer」です。
※「元請け」「プライムベンダー」とも呼びます。

案件を受注した一次請けSIerが、案件に必要な工程を細分化して、ピラミッドの下に位置する二次請け・三次請け以下のSIerに再発注して、各工程の進捗をコントロールします。
こうしてピラミッドの層が多重になることから、多重下請け構造と呼ばれています。

なお、案件に必要な工程は、一般的に以下の5つに分類される点も押さえておきましょう。

  1. 要件定義
  2. 基本設計
  3. システム開発・実装
  4. テスト
  5. 運用・保守

一次請けSIerは、要件定義や基本設計に携わり、それ以外の工程は二次請け・三次請けに依頼することが多い傾向があります。
そのため、自分が取り組みたい工程がどこに該当するか、チェックすることが欠かせません。

SIerのエンジニアは客先常駐や持ち帰り開発する

一般的に、ユーザー系SIer・メーカー系SIer・外資系SIerは自社に持ち帰ってシステム開発するのに対し、独立系SIer・二次請け以下のSIerは顧客先に常駐してシステム開発を行うケースが多いのが実態です。
情報産業労働組合連合会の2018年の調査によると、SIerの「8割を超える社員が客先常駐者として勤務している」ことが分かりました。

客先常駐の場合、さまざまなシステム開発案件に携わることができ、客先で他社のエンジニアとの交流ができる点がメリットです。
一方、持ち帰り開発の場合、慣れ親しんだ自社の環境で業務に取り組むことができ、上司が近くにいるケースが多いため正当な評価を受けられる点がメリットです。

SIerとSES・自社開発企業との違いと関係

SIerとよく混同される業態として、SESと自社開発企業が挙げられます。
SESはSystem Engineering Serviceの略称で、SIerを含めた顧客に対して技術者を提供する業態のことです。
SIerがシステム納品までの完成義務を負うのに対して、SESは顧客との契約内容に沿った業務を実施し、その業務の遂行の対価として報酬を受け取ります。

また自社開発企業は、自社で抱えるエンジニアによって、自社が提供・運用しているシステムを開発する形態を指します。
SIerが顧客(他社)のシステム開発を手がけるのに対して、自社開発企業は自社のシステム開発を手がける点を押さえましょう。

ここまで、SIer業界を理解する上で知っておきたいを3つの観点から解説しました。次では、SIerの業界地図をランキング形式でみていきましょう。

【総合】SIerの業界地図|大手SIerをランキング形式で紹介

ここでは、売上高・平均年収・平均勤続年数・従業員数の4つの切り口で、大手SIerをランキング形式で紹介します。
日本の株式市場に上場している企業は、直近の有価証券報告書で公表されている情報に基づいています。外資系SIerは、推定値となっている点、ご注意ください。

売上高トップ10

ランキング 企業名種別直近年間売上高(億円
1位株式会社NTTデータグループユーザー系34,902
2位日本電気株式会社メーカー系33,130
3位富士通株式会社メーカー系31,765
4位株式会社日立製作所メーカー系23,890
5位パナソニックコネクト株式会社メーカー系11,257
6位株式会社大塚商会独立系8,610
7位株式会社野村総合研究所ユーザー系6,922
8位伊藤忠テクノソリューションズ株式会社   ユーザー系5,709
9位TIS株式会社独立系5,084
10位日本アイ・ビー・エム株式会社外資系・メーカー系 4,686

ユーザー系SIerは母体となる親会社の企業規模に比例して、メーカー系SIerは事業の裾野が幅広いことから、ランキング上位を占めています。
また売上高が大きいSIerは一次請けの案件が占める割合が高く、またシステム開発規模も大きくなる傾向があります。

平均年収トップ10

ランキング企業名種別平均年間給与(円
1位株式会社野村総合研究所ユーザー系12,421,000
2位株式会社電通国際情報サービスユーザー系11,282,000
3位日本オラクル株式会社外資系11,269,806
4位伊藤忠テクノソリューションズ株式会社ユーザー系10,287,919
5位株式会社三菱総合研究所ユーザー系10,248,577
6位株式会社オービック独立系10,056,000
7位株式会社日立製作所メーカー系9,159,908
8位日本アイ・ビー・エム株式会社外資系・メーカー系9,120,000
9位パナソニックコネクト株式会社メーカー系9,087,894
10位富士通株式会社メーカー系8,789,575

就職先選びの際、もっとも気になるのが企業の平均年収ではないでしょうか。
親会社の給与体系の影響が色濃く反映されるユーザー系SIerが、上位にランクイン。
同時に、経営効率の高い外資系SIerも、大きな存在感を放っています。

平均勤続年数トップ10

ランキング企業名種別平均勤続年数(年
1位BIPROGY株式会社独立系20.9
2位株式会社日立製作所メーカー系19.3
3位富士通株式会社メーカー系19.1
4位都築電気株式会社独立系19.0
5位アビームコンサルティング株式会社独立系18.5
6位SCSK株式会社ユーザー系18.4
7位パナソニックコネクト株式会社メーカー系18.3
8位日本電気株式会社メーカー系18.1
9位株式会社大塚商会独立系17.5
10位日本アイ・ビー・エム株式会社外資系・メーカー系15.3

実際に転職や就職を成功させたあと、腰をすえて業務に打ち込めるかどうかの指標になるのが、平均勤続年数。
老舗の独立系SIerやIT業界を黎明期から支えてきたメーカー系SIerが、上位に目立ちます。
さまざまなキャリアパスを描ける企業も多いため、入社後も選択肢を残したい人には魅力的でしょう。

従業員数トップ10

ランキング企業名種別従業員数
1位株式会社日立製作所メーカー系322,525
2位株式会社NTTデータグループユーザー系195,100
3位富士通株式会社メーカー系124,000
4位日本電気株式会社メーカー系118,527
5位パナソニックコネクト株式会社ユーザー系29,500
6位TIS株式会社独立系21,946
7位アクセンチュア株式会社外資系18,000
8位富士ソフト株式会社独立系17,819
9位株式会社野村総合研究所ユーザー系17,394
10位SCSK株式会社ユーザー系15,328

SI事業以外にも主力事業を抱えているメーカー系SIerや、連結子会社を多く抱えるユーザー系SIerが、ランキング上位を占めています。
従業員数が多いということは、システム開発に投じる人的リソースが潤沢にあることを意味します。
大規模なプロジェクトに携われるチャンスが多く、また幅広くシステム開発工程を経験できるでしょう。

ここまでは、大手SIerをランキング形式で解説しました。次では、SIerの売上高を確認してみましょう。

【分類別】SIerの売上高トップ5

ここでは、SIerの分類ごとに売上高トップ5を解説します。
興味があるSIerの分類が絞り込めている場合は、各企業の現在の立ち位置を把握するためにも参考にしてください。

ユーザー系|1位は株式会社NTTデータグループ

ランキング企業名直近年間売上高(億円
1位株式会社NTTデータグループ34,902
2位株式会社野村総合研究所6,922
3位伊藤忠テクノソリューションズ株式会社5,709
4位SCSK株式会社4,459
5位日鉄ソリューションズ株式会社2,917

1位のNTTデータグループは、2022年に日本最大の通信会社・NTTの海外事業と統合したことも手伝って、海外の売上が全体の54%を占める点も特色。

次点となった野村総合研究所(通称:NRI)は、SIerの中でもっとも平均年収が高く、コンサルティングなどの付加価値の高いシステム開発の上流工程に強みを持っています。

また3位に食い込んだ伊藤忠テクノソリューションズ(通称:CTC)は、親会社(伊藤忠商事)の商社の特性を活かして、外資系ベンダーの競争力のあるソフトウェア・ハードウェアを幅広く手掛けています。

メーカー系|1位は日本電気株式会社

ランキング企業名直近年間売上高(億円
1位日本電気株式会社33,130
2位富士通株式会社31,765
3位株式会社日立製作所23,890
4位パナソニックコネクト株式会社11,257
5位日本アイ・ビー・エム株式会社4,686

首位の日本電気(通称:NEC)は、自社ハードウェア製品を土台として、全業種を幅広くカバーしており、隙がありません。

2位の富士通は、スーパーコンピューター「富岳」をはじめとする高性能なハードウェア製品群を武器に、あらゆる業種に一気通貫でSIサービスを提供できる点が魅力です。

次に位置する日立製作所は、日本を代表する複合企業です。SI事業の売上高のみを切り出して3位のため、事業基盤の安定性は抜群でしょう。

独立系|1位は株式会社大塚商会

ランキング企業名直近年間売上高(億円
1位株式会社大塚商会8,610
2位TIS株式会社5,084
3位BIPROGY株式会社3,399
4位ネットワンシステムズ株式会社2,097
5位富士ソフト株式会社1,923

1位の大塚商会は、SI事業に加えてサービス&サポート事業を展開しており、オフィス用品の通販サイト「たのめーる」の自社サービスで有名です。

2位のTISはクレジットカード業界向けに、3位のBIPROGYはWindows系のシステム開発に、そして4位のネットワンシステムズはネットワークのインテグレーションに強みを持っています。

このように独立系SIerは、それぞれ得意とする業種や技術を持っていることが多いため、携わりたい技術領域が明確なエンジニアの人に向いているでしょう。

外資系|1位は日本アイ・ビー・エム株式会社

ランキング企業名直近年間売上高(億円
1位日本アイ・ビー・エム株式会社4,686
2位アクセンチュア株式会社3,620
3位日本オラクル株式会社2,269
4位日本ヒューレット・パッカード合同会社2,181
5位デロイト トーマツ コンサルティング合同会社1,455

首位の日本アイ・ビー・エム(通称:IBM)は数ある外資系SIerの中でもっとも日本での業歴が長く、ビジネスコンサルティングからシステム開発、アウトソーシングまで幅広く手掛けています。

次点となったアクセンチュアは世界最大級のコンサルティング企業の日本法人で、プロジェクト単位でシステム開発に携わるため、若いうちから幅広い業種の案件を経験できるのが特徴。

3位の日本オラクルは、外資系の中で唯一日本市場にも上場しており、特にデータベースやミドルウェア製品に競争力があり、その高い利益率から平均年収が1,000万円超と高い点が見逃せません。

ここまでSIerの売上高を分類別に解説しました。次では、SIer業界の需要と将来性についてみていきましょう。

SIer業界の今後の需要と将来性|DX需要拡大による成長期待が旺盛

総務省の2021年情報通信業基本調査によると、SIerが属する情報サービス業の売上高は、2016年度の16.7兆円から2020年度の18.8兆円まで、実に12%も伸びています。

出典:2021年情報通信業基本調査|総務省情報流通行政局

この高い成長率の背景には2つの大きな追い風があり、1つ目の追い風はDXの需要拡大、2つ目の追い風はエンジニアの慢性的な不足です。
DXはデジタルトランスフォーメーションの略称。富士キメラ総研のDX関連の調査によると、2030年のDX国内市場は6兆5,195億円と予想されており、2022年度(2兆7,277億円)の2.8倍に及ぶと見られています。

出典:2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/ベンダー戦略編|株式会社富士キメラ総研

また、独立行政法人情報処理推進機構のDX白書2021によると、国内・IT企業のIT人材の「量」に対する過不足感と「質」に対する不足感は慢性的に満たされていません。

そのため顧客は自身でシステム開発するエンジニアが足りず、SIerに頼らざるを得ない状況がいっそう進行するでしょう。

出典:DX白書2021|独立行政法人情報処理推進機構

ここまでは、SIer業界の今後の需要と将来性について、様々な参考情報をもとに解説しました。次では、SIer業界で働くメリット・デメリットをみていきましょう。

SIer業界で働くメリットとデメリット

ここではSIer業界で働くメリットとデメリットに関して、代表的なポイントを解説します。
大事な転職・就職先選びに際して、良い面と悪い面、双方を網羅的に確認することは欠かせません。
それぞれ見ていきましょう。

SIer業界で働くメリット

  1. 大規模なシステム開発案件に携われる
    一次請けSIerの場合、企業規模を活かして、大規模なシステム開発案件に携われるのが大きなメリットです。
    とりわけ中央省庁や金融業界の社会インフラを担うシステム開発は、資本金が充実していて過去に納入実績のあるSIerしか請け負えません。
    大規模プロジェクトならではの開発プロセスを学んだり、誰もが利用する基幹システムに取り組むチャンスが多く、やりがいも感じられるでしょう。
  2. 年収水準が相対的に高い
    外資系SIerを筆頭に、大企業が親会社であるユーザー系SIer、もともと企業規模が大きいメーカー系SIerなど、年収水準が相対的に高いのも見逃せないメリット。
    外資系SIerでは日本オラクルが平均年収1,100万円を超え、野村證券を母体に持つ野村総合研究所は平均年収1,200万円を超えます。
    独立系SIerであっても、大手であれば平均年収1,000万円以上になることも珍しくありません。
  3. 特定の業種や技術領域でスキルアップが可能
    SIerは、顧客が要求するシステムを開発するため、必然的に顧客が属する業種に特化した専門的な知識を得られます。
    またWindows系のシステム開発が得意なBIPROGYや、ネットワーク領域で競争力のあるネットワンシステムズなど、特定の技術領域に強みを持っているSIerも多く存在します。
    そのような会社で働けば、キャリア形成上有利になるスキルアップも可能です。

SIer業界で働くデメリット

  1. システム実装スキルを磨くチャンスに乏しい
    一次請けSIerは、要件定義・基本設計などの上流工程のみを自社で行い、開発・テストなどの下流工程は協力会社に依頼するケースが多いです。
    そのため、プログラミングなどの実装スキルを身につけることが難しいのは、SIerで働くエンジニアのデメリットでしょう。
  2. 最新技術へのキャッチアップが難しい
    大規模なシステム開発案件に携われる反面、規模が大きいほど失敗が許されないシステムであるため、すでに導入実績のある枯れた技術が採用される傾向にあります。
    そのため、SIerでは最先端の技術をシステムに採り入れる機会が少なく、結果として最新技術の動向に後れを取るリスクが大きくなります。
  3. SIer業界の多重下請け構造に起因する制約
    前述のとおり、SIer業界には多重下請け構造があることから、同じSIer業界であっても、企業によって業務内容や収入に大きな差があります。
    また多重下請け構造ゆえに作業工程ごとに細かく分業となるため、エンジニアとして担当できる範囲が限られてくることも。

SIer業界で働くメリット・デメリットを、具体的にイメージできたのではないでしょうか。次では、SIer業界において自分にあった企業を選ぶための秘訣を紹介します。

自分にあったSIer企業を選び、成功するための4つのポイント

数あるSIer企業の中から自分にマッチするSIerを選び、そこで成功するために重要なポイントを見ていきましょう。
以下4つの観点で、解説します。

業務の観点|携われる特定の業種やシステム開発の工程をクリアにする

自分が経験したい業種に強いSIerか、自分がスキルアップしたいシステム開発工程を担えるSIerか、クリアにすることが欠かせません。
ランキングで解説したとおり、SIerごとに得意としている業種や担当するシステム開発の工程が異なるためです。
上場しているSIerであれば、IR資料に業種カットでの売上の分布や強みを持っているシステム開発工程の情報が記載されていることも多いので、必ずチェックするようにしましょう。

技術スキルの観点|プロジェクトで必要となる技術スキルを身につける

自身が持っている技術スキルが活かせるSIerかどうかも、重要な視点です。
各SIerが競合他社と差別化を図るため、なんらかの技術領域に特化していることが多いため、その技術領域で自分のスキルを活かせる・伸ばせる環境かがポイント。
また中長期的な視座に立って、その技術スキルが広範に普及しそうか、将来性も見極められると良いでしょう。

企業の観点|年収・働きやすさ・事業の安定性など優先順位づけを行う

SIerの立ち位置やタイプによって、平均年収や働きやすさ、事業の安定性に優位の差があります。
一般的に平均年収が高いほど、多くのプレッシャーにさらされるため、働きやすさとの両立は難しいでしょう。
また、安心して働きたい人にとって事業の安定性は重要ですが、相対的に年功序列の名残があるため、早い段階での高年収は期待できません。
このようにすべての希望条件をかなえるのは現実的ではないため、自分が企業を選ぶ際の優先順位を明確化することが必須となります。

社風の観点|企業カルチャーにフィットするか点検する

意外に見落としがちなのが、企業カルチャーにフィットするかという視点です。
システム開発プロジェクトでは、顧客や協力会社など、多くの人と関わっていくため、社風になじめるかどうかは極めて重要です。
若手にも積極的に権限移譲する文化か、上下関係問わず意見が言える風通しの良さがあるかなど、自分が大事にしている価値観と共通項が見出せるかを確認しましょう。

SIerへの転職をお考えならエイジレスにご相談ください

ひと口に「SIer」と言っても、その立ち位置や得意領域はさまざまなので、自分ひとりで調べるのも大変です。
そのようなときにSIer業界動向やSIerごとの強み・弱みを熟知しているプロに相談できたら、心強いと思いませんか。

「エイジレスエージェント」では、以下の特長を持った転職エージェントサービスなので、頼もしい相談相手になります。

  • 年齢不問の求人のみ取り扱い
  • 大手SIer企業様と信頼関係があるから高い面談/内定率
  • 年収大幅アップでの内定実績多数

特に、年齢を気にせずにSIerへの転職を実現させたい人には最適なサービスです。
エイジレスでは、年齢に関係なく働ける持続可能な社会の実現を目指し、年齢不問案件のみを取り扱う業界唯一のエージェントです。

CTACTA

おすすめの転職エージェント

転職エージェントは大手1社と、特化型1~2社の活用がおすすめです!

  • 大手:業界や職種にこだわらず自分に合った転職先を幅広く探る
  • 特化型:希望する業界や職種への転職を専門的にサポートしてもらう

さまざまな転職エージェントがありますが、結論として以下から選んでおくと、希望に沿った求人を逃すリスクを軽減できるでしょう。

大手転職エージェント
リクルートエージェント
支援実績No1の総合型。年代や職種を問わずまず登録しておくべきエージェントです。
【公式】https://www.r-agent.com/

特化型エージェント
社内SE転職ナビ
社内SE特化。業界最大級の社内SE求人数を保有しています。
社内SEはホワイトな求人も多いためおすすめです。
【公式】https://se-navi.jp/

ウズカレIT
IT未経験からの転職に特化。就職/転職支援のみならずIT学習のサポートを無料で受けられます。
【公式】https://uzuz-college.jp/

エイジレスエージェント
年齢不問求人/ハイクラス転職に特化。SIer・コンサル・大手SESなどの求人を多数保有しています。
約80%が平均年収150万円アップの実績あり。
【公式】https://agent.ageless.co.jp

まとめ|成長期待の大きいSIer業界で、自分に合ったSIerを探そう

この記事を通して、以下のことがわかりました。

  • SIerはユーザー系・メーカー系・独立系・外資系の4つに分類される
  • 売上高・平均年収・従業員数などのSIerランキング
  • SIer業界の今後の展望は明るいので、自分に適性があるかの見極めが重要

SIer業界はさまざまなタイプ・特徴を持ったSIerで構成されており、今後も大きな成長が期待されています。
今回紹介したランキングで上位のSIerに就職すれば、年収を上げられる可能性も高いでしょう。

SIer業界に関心のある人は、メリット・デメリットを天秤にかけて、自分のやりたい業務や希望する技術スキルが身につけられるかを確認するのがおすすめです。
その際は自分ひとりだけで悩むのではなく、エイジレスエージェントに相談されてみてはいかがでしょうか。

アバター画像
執筆者
たかみ
メーカー系SIerの法人営業を皮切りに、外資系ITベンダーのアカウント・エグゼクティブとして長年ソリューション営業に従事。現在は日本のパートナー向けプログラムの企画・運用やパートナーとの共同ソリューションの開発を担当。より効率的・効果的に自社製品を拡販すべく、パートナーとの協業を推進している。趣味はトレイルランニングと読書で、心身ともにリフレッシュすること。