ネットワークエンジニアのやりがいとは?元大手企業ネットワークエンジニアが解説
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じょう
ネットワークエンジニアのキャリアに興味があるけれど、どのようなやりがいがあるのか気になっていませんか?
ネットワークエンジニアには困難なこともありますが、やりがいも大きく魅力的な職種です。
この記事では、ネットワークエンジニアの経験を持つ筆者が、やりがいを感じる瞬間や経験談を紹介します。
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- 【この記事を読んでわかること】
- ネットワークエンジニアがやりがいを感じるのは「専門性の高さ」「責任の大きさ」「チームとして一体感を持って働ける」などが挙げられる
- ネットワークエンジニアとしてやりがいを感じた経験談「はじめての稼働」「トラブル対応」「大規模プロジェクト」「多忙を乗り越えた後の給料」を紹介
- ほかのITエンジニア職と比較してやりがいを感じる点は「豊富なキャリアパス」、劣っていると感じる点は「ワークライフバランスが取りにくい」
ネットワークエンジニアはやりがいを感じにくい仕事?
じょう
ネットワークエンジニアとは、企業のネットワーク環境の構築や運用保守などの業務を担う技術者です。
企業内外のサーバーやパソコンなど、IT機器同士をつなぐ安定したネットワーク環境を整備し、安全なネットワークサービスを提供することがおもな役割です。
ネットワークエンジニアは物理的な設計から論理的な構造設計、ネットワーク関連のハードウェアやソフトウェア、最近ではクラウドやセキュリティ技術に関する幅広い知識が求められます。
通常の情報システムの開発者とは異なり、おもにルーターやスイッチ、LANケーブルなどの実機に触れる機会が多いのが特徴です。
ネットワークエンジニアの業務は、大きく上流工程と下流工程に分類できます。
工程分類 | 工程 |
---|---|
上流工程 | 要件定義・設計 |
下流工程 | 構築・テスト・運用保守 |
ネットワークエンジニアの仕事にやりがいを感じるかどうかは人それぞれですが、一般的には顧客と直接的なコミュニケーションが必要とされる上流工程は、責任が大きく相応のやりがいを感じやすい傾向があります。
一方で下流工程は、ネットワーク定義の作成やマニュアルに沿った監視業務などの単純作業が多く、やりがいを感じにくいという人もいるでしょう。
筆者は国内大手SIerで13年間の勤務経験があり、その中で2年間ネットワークエンジニアとして働いた経験を持っています。
この実体験をもとに、ネットワークエンジニアのやりがいを解説していきます。
次では、どのようなときにネットワークエンジニアがやりがいや魅力を感じるのかをみていきましょう。
ネットワークエンジニアがやりがいや魅力を感じる7つの瞬間
じょう
ネットワークエンジニアとして働いていて、やりがいや魅力を感じるのは以下の7つです。
- 専門性が高い職種だと実感する
- 責任が大きい仕事だと実感する
- 大規模なプロジェクトに携われる
- チームとしての一体感を得られる
- 先進技術に触れられる
- 将来性が明るいと感じる
- 高年収を目指せる
ひとつずつ解説します。
1.専門性が高い職種だと実感する
ネットワークに関連する仕事は、高度な専門知識が必要で「ネットワークスキルを持つ特定の人しかできない」という状況がよくあります。
ネットワークを構築し運用するには、ルーティングや帯域制御など、ネットワークに特化した知識が必要です。
また、通常はネットワークを頻繁に変更することはなく、障害が発生する頻度も低いことが一般的です。
このようにネットワークは専門的な知識が必要であり、ふだんの業務ではネットワークを意識する機会があまりないため、ITエンジニアの中でもネットワークエンジニア以外はネットワークに関してほとんど知識を持っていないこともよくあります。
ネットワークの構築・変更・トラブル対応は、その組織で特定の人しか対応できないことが多く、頼りにされるためやりがいを感じることでしょう。
2.責任が大きい仕事だと実感する
ネットワークは企業の業務に欠かせない重要なインフラです。
ネットワーク構築プロジェクトに関わると、企業におけるネットワークの役割の大きさを実感できます。
また、ネットワーク構築後の安定運用も非常に重要です。
運用中にトラブルが発生すると、ネットワークが使えなくなりユーザー業務に大きな影響を及ぼします。
トラブルが起きた際には、いかに正確で速やかに復旧できるかが重要になります。
ふだんネットワークを意識することはありませんが、実際には企業の業務システムを支えている生命線のようなものです。
ネットワークエンジニアの仕事は、日常で意識されることはない縁の下の力持ちの役割ですが、ネットワークが意識されないことは問題なく業務システムが使えているということです。
重要なインフラを支えていることをやりがいに感じる人も多いでしょう。
3.大規模なプロジェクトに携われる
ネットワークエンジニアとして働いていると、大規模プロジェクトに携わる機会もあります。
国税庁によると、ネットワーク機器の耐用年数は10年です。
また、ネットワーク機器メーカーは新しいモデルを次々とリリースし、古い機器は生産を終了して保守サポートも提供されなくなります。
多くの場合、機器は7〜10年ごとに経年劣化による障害を防ぐために交換され、大企業の場合は大規模プロジェクトになります。
データーセンターに設置している企業のコアとなるネットワーク機器の更新だけでなく、企業の各支店や拠点のすべてのネットワーク機器も更新する必要があるためです。
このようなネットワーク機器の一括更新プロジェクトは、数億円以上の大規模なものになることもめずらしくありません。
ネットワークエンジニアは、顧客や通信キャリアと連携しながら、大規模プロジェクトを成功に導く役割を果たします。
顧客や社会に大きな貢献をすることで、非常にやりがいを感じられます。
4.チームとしての一体感を得られる
ネットワークエンジニアのやりがいのひとつが、チームとしての一体感を得られることです。
IT関連の仕事はプロジェクト制が多く、チームで働くことはほかのITエンジニア職と同じです。
しかしネットワークの変更作業では、機器の交換や設定の更新に伴う再起動が必要で、一時的に通信が中断します。
そのため、作業を実施するのは、夜間や休日などユーザーが利用しない時間帯が多いです。
深夜作業は肉体的にも負担が大きく、さらにトラブルを引き起こした場合は影響が大きいため失敗は許されません。
プレッシャーを乗り越えて、作業やプロジェクトが完了したときには達成感を得られます。
チーム全体で連携し困難に取り組むことで、チームの一体感も高まり、大きなやりがいを見いだせるでしょう。
5.先進技術に触れられる
ネットワークエンジニアとしての仕事は、最新の先進技術に触れる機会もあり、技術に興味を持つ人にとって非常に魅力的です。
現在広く普及している先進技術は、ネットワークと密接に関連しているものもあります。
その例として以下が挙げられます。
- 5G:高速で高品質な通信規格
- IoT:インターネットを介したモノの連携
- M2M:機器同士の相互通信
これらの先進技術のベースはネットワーク技術です。
そのため、ネットワークエンジニアはこれらの分野で重要な役割を果たして顧客に大きく貢献できる可能性があります。
技術的な分野に関心が高い人にとって、ネットワークエンジニアとしての仕事は非常にやりがいを感じられるでしょう。
6.将来性が明るいと感じる
ネットワークエンジニアは、需要が高く将来性のある職種です。
とくに、クラウドの普及が大きな影響を与えています。
クラウドの普及により、従来の自社内にシステム環境を構築するオンプレミスの割合は減少しています。
一部の人はオンプレミスの減少がネットワークエンジニアの需要を減退させると考えていますが、実際にはそうではありません。
クラウド環境でも、ネットワーク設計や仮想ネットワークの作業など、ネットワークエンジニアのスキルと専門知識が必要です。
また、高いセキュリティや性能を求める企業や内部統制が必要な大企業など、一部のユーザーはオンプレミスを選択し続けるでしょう。
最近ではクラウドとオンプレミスを組み合わせて利用するハイブリッドクラウドの需要も増加しています。
技術の進歩にともない、企業のシステム利用形態の選択肢は多様化し、ネットワークに対する要求も高度化しています。
そのため、ネットワークエンジニアの需要が高まり続け将来性は明るいです。
市場価値の高い仕事に携わっている実感は、やりがいとして強く感じることでしょう。
ネット記事ではネットワークエンジニアは「オワコン」との意見を目にしますが、決してそうではありません。
以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある人は読んでみてください。
ネットワークエンジニアはオワコンなのか?需要や将来性を元超大手SIer勤務社員が真剣に答える
googleの検索で「ネットワークエンジニアオワコン」「ネットワークエンジニアやめとけ」などのキーワードをみて、この記事を読んでくださってい
7.高年収を目指せる
ネットワークエンジニアには高度な専門性が求められ、需要も高い職種であるため、高年収を目指せます。
弊社が大手転職サイトを調査したところ、正社員のネットワークエンジニアの平均年収は548万円です。
国税庁によると、一般的な会社員の平均年収は443万円のため、ネットワークエンジニアは高年収な職種に位置づけられます。
また、フリーランスのネットワークエンジニアの平均月収は71万円です。
12ヶ月稼働した場合の年収期待値は851万円にものぼります。
フリーランスは実績やスキルに応じて報酬が変わるため、独立すると、年収1,000万円以上も夢ではありません。
高年収を目指せることは、ネットワークエンジニアとして働く上でのやりがいと感じられるでしょう。
次では、ネットワークエンジニアとしてやりがいを感じた体験談をみていきましょう。
ネットワークエンジニアとしてやりがいを感じた体験談4選
じょう
筆者の体験談から、ネットワークエンジニアをやっていて嬉しかったことや、感動したエピソードを紹介します。
- はじめて設定したネットワーク機器が稼働した
- トラブル対応でユーザーから感謝された
- 大規模プロジェクトが無事に本稼働した
- 多忙な時期を乗り越えた後の給料が高かった
それぞれ振り返ります。
はじめて設定したネットワーク機器が稼働した
ネットワークエンジニアとしての経験が浅く、はじめて自分で設定したネットワーク機器が無事稼働したときは大きな喜びを感じました。
はじめて担当したのは、顧客の新規拠点を追加する案件で、新しいネットワーク環境が必要でした。
既存の拠点を参考にしながら作業を進めるとはいえ、ネットワークの物理設計や論理設計、設定作業は経験がないと難しいことが多く戸惑いながら進めた記憶があります。
新しい拠点を追加する際には、通信の対抗側であるデータセンターのネットワーク機器の定義変更も必要であり、夜間作業での対応となります。
はじめての夜間作業が終わり、翌営業日から顧客の業務が滞りなく進行できたときは達成感があり、大きなやりがいを感じました。
トラブル対応でユーザーから感謝された
速やかにトラブル対応を行い、ユーザーから感謝されるときにはやりがいを感じます。
ネットワークトラブルは通常、システムの利用停止や業務の中断など、影響が大きいことが多いです。
ネットワークエンジニアにトラブルの対応依頼があると、まずはトラブルの状況を把握するためにネットワーク監視システムをチェックし、現場のユーザーと連絡を取り状況をヒアリングします。
業務が滞っているため、ユーザーは非常に焦っていることもあります。
急いで新しいネットワーク機器を設定して現場に向かい、スピーディにトラブルを解決すると、現場のユーザーから大変感謝されたことがありました。
現場からの感謝の声を受ける瞬間は、大きなやりがいを感じます。
大規模プロジェクトが無事に本稼働した
大規模プロジェクトを順調に終えたとき、非常に大きな達成感を味わいました。
ネットワークの移行には、大きく「一括移行」と「段階的移行」の2つの方式があります。
一括移行は、システムを長時間停止する必要があるため、システムの停止が難しい場合には段階的な移行が選択されます。
ある大規模なネットワーク機器の経年劣化に伴う機器交換プロジェクトでは、データーセンターのコアネットワーク機器の移行を段階的に進めました。
結果的にトラブルは発生しませんでしたが、1ヶ月間、毎週末深夜に移行作業を行うと疲労困憊になります。
移行作業の最終日が無事に完了し、翌日も現場待機していましたが、緊急の連絡は一切なく一日を終えたときには達成感と充実感を強く感じました。
多忙な時期を乗り越えた後の給料が高かった
長時間残業が続く日々を乗り越えた後、収入が驚くほど増え、非常にやりがいを感じたことがあります。
当時、筆者はネットワークエンジニアとして顧客先に常駐していました。
常駐先ではネットワークエンジニアが筆者を含めて2人いたのですが、大企業であったため、2人では対応が追いつかず残業することが多かったです。
その忙しい時期に、同僚が体調を崩して仕事に来られなくなり、しばらくは非常にハードな日々が続きました。
顧客と自社の上司は状況を深刻に受け止め、ネットワークエンジニアの支援体制をとってくれましたが、支援要員が要領を得て現場がまわるまで筆者は深夜まで働く日が続きました。
この時期は非常に厳しいもので、会社をやめてしまおうかと考えたこともあります。
そのときの収入は、当時の年齢では考えられないほど高額で、結果的にはやりがいを感じていました。
収入が高かったことは素直に嬉しく、さらに困難を乗り越えた経験は自信につながります。
ここまでは、ネットワークエンジニアとしてやりがいを感じた体験談をお伝えしてきました。
次では、ネットワークエンジニアならではのやりがいを解説していきます。
ほかのエンジニア職と比べてのやりがい
じょう
ほかのITエンジニア職と比べて、ネットワークエンジニアがとくにやりがいを感じられる点、劣っていると感じる点は以下のとおりです。
- やりがいを感じる点:豊富なキャリアパスがある
- 劣っていると感じる点:ワークライフバランスが取りにくい
それぞれ解説します。
やりがいを感じる点:豊富なキャリアパスがある
ネットワークエンジニアは豊富なキャリアパスがあるため、努力した分だけ選択肢が増えるように感じます。
ネットワークエンジニアの代表的なキャリアパスを挙げると、以下の4つです。
- ネットワークエンジニアのスペシャリスト
- ネットワークエンジニアを束ねるマネージャー
- 専門領域を広げてインフラエンジニアへキャリアチェンジ
- フリーランスとして独立
ネットワークエンジニアは重要なインフラを担当する役割であり、需要が高く将来性も明るいため、ネットワークの専門性を磨き続けるスペシャリストの選択肢があります。
また、ネットワークエンジニアもチームとして働く以上、メンバーを束ねるマネージャーが必要です。
リーダシップを発揮して活躍したいという人にはマネージャーとしてのキャリアパスも良いでしょう。
ネットワークエンジニアには、サーバーエンジニア・クラウドエンジニア・セキュリティエンジニアなど専門領域を広げてインフラエンジニアとして幅広い業務を担うキャリアパスもあります。
ネットワーク技術やセキュリティの知識は、ネットワークエンジニア以外の職種でも活かせるシーンが多く、現実的な選択肢です。
ネットワークエンジニアは専門性が高い職種であるため、フリーランスとして独立する選択肢もあります。
フリーランスは会社員と比べて福利厚生がないことや、収入が安定しないなどのデメリットがあることも事実です。
しかし、フリーランスは収入が高く、自分が伸ばしたい分野の案件を選べるため自律的なキャリア形成が可能です。
専門性を磨き続けることで、多様なキャリアパスの選択肢を広げられることは、ネットワークエンジニアにとって大きなやりがいになります。
劣っていると感じる点:ワークライフバランスが取りにくい
ネットワークエンジニアの仕事は、ほかのITエンジニアの職種と比較して、ワークライフバランスをとりにくい特性があります。
理由は以下の4つです。
- 専門性が高く属人化しやすい職種なため多忙になりやすい
- ネットワークの変更作業はユーザーの業務時間に実施する
- ネットワークは不測のトラブルに備えて現地対応が基本
- ネットワークトラブル発生時には緊急対応を要する
ネットワークエンジニアの仕事は高度な専門知識が必要なため、一部のエンジニアしか対応できない属人化の状況に陥りやすいです。
この属人化が作業のシェアを難しくし、多忙な状況を招く原因となります。
また、ネットワークの変更や更新作業は通常、ユーザーの業務時間外に行われます。
これはネットワークの停止や中断が必要な場合が多いためです。
ネットワークに関する作業をリモートで実施した場合、ミスが発生すると接続できなくなる可能性があります。
現地だと実機に直接つないで作業することが可能なため、データセンターや顧客の拠点などの遠地での作業も多い傾向があります。
さらに、ネットワークにトラブルが発生すると、ユーザーの業務が滞ることがあるため即対応が必須です。
これらの特性は、ネットワークエンジニアがワークライフバランスを取りづらくする要因となっています。
次では、ネットワークエンジニアのキャリア形成を支援するサービスを紹介します。
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じょう
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まとめ|ネットワークエンジニアはやりがいを感じられる魅力的な仕事
じょう
この記事を通じて、以下の3つのことがわかりました。
- ネットワークエンジニアがやりがいを感じるのは「専門性の高さ」「責任の大きさ」「チームとして一体感を持って働ける」などが挙げられる
- ネットワークエンジニアとしてやりがいを感じた経験談「はじめての稼働」「トラブル対応」「大規模プロジェクト」「多忙を乗り越えた後の給料」を紹介
- ほかのITエンジニア職と比較してやりがいを感じる点は「豊富なキャリアパス」、劣っていると感じる点は「ワークライフバランスが取りにくい」
ネットの記事では、ネットワークエンジニアは「きつい・やめとけ・オワコン」などのネガティブな意見を目にすることがあります。
しかし、ネットワークエンジニアは需要が高く将来性もあり、やりがいを感じられる魅力的な職業です。
どのように感じるかは人それぞれですが、キャリア形成には理解を深めることが重要です。
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