ERPコンサルタントとは?仕事内容・年収・将来性などを徹底解説!
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じょう
ERPコンサルタントのキャリア興味を持っており、具体的にどのような職業なのか知りたいとお考えではないでしょうか。
ERPコンサルタントは、ERPパッケージ導入を通じてビジネス課題を解決する職業です。
この記事ではERPコンサルタントの仕事内容からはじまり、平均年収や将来性などをまとめて解説します。
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- 【この記事を読んでわかること】
- ERPコンサルタントとは、ERPに特化したコンサルタントのことで、クライアントのビジネス課題を明確にして経営課題や業務プロセスを改革する役割を担う
- ERPコンサルタントの平均年収は正社員で739万円、フリーランスで1,020万円、派遣社員で612万円と高収入
- ERPコンサルタントの需要は安定しており、SAP既存製品サポート終了の特需や、企業のデジタル化の取り組みの加速などにより将来性も明るい
ERPコンサルタントとは|ERPに特化したITコンサルタント
ERPコンサルタントとは、コンサルタントの中でもERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)に特化したコンサルタントのことです。
まずはじめに、「ERPコンサルタントの役割」「ERPコンサルタントとITコンサルタントの違い」を見ていきましょう。
ERPコンサルタントの役割
ERPコンサルタントは、ERPシステムの導入や改善に関するコンサルティングを行います。
役割を大別すると以下の2つです。
- クライアントの業務プロセスや経営課題を分析し、ERPシステムの導入や改善による解決策の提案
- ERPシステムの選定やカスタマイズ、導入の支援
ERPコンサルタントは、クライアントのビジネス課題を明確にして経営課題や業務プロセスを改革する役割を担うため、社内外で高いコミュニケーションスキルや論理的思考力が求められます。
ERPコンサルタントとITコンサルタントの違い
ERPコンサルタントとITコンサルタントは、両方ともITシステムの導入や改善に関するコンサルティングを行う職種です。
2つの職種の違いは、ERPコンサルタントが特定のERPシステムに特化し、一方でITコンサルタントはさまざまなITシステムに関わりIT活用によるビジネス課題の改善を目指します。
ERPコンサルタントが専門的に扱うのは、企業の基幹業務をサポートするERPシステムです。
ERPシステムは、比較的規模が大きく複雑な業務プロセスや経営課題を抱える企業が採用する傾向があります。
ERPコンサルタントが担うのは、クライアントに最適なERPシステムの提案や導入支援を行う役割です。
一方でITコンサルタントはセキュリティ対策やインフラ、CRMやBIなどの業務システム、AIやIoTをはじめとする先進技術などそれぞれの分野の専門家としてコンサルティングを行います。
ここまでは、ERPコンサルタントの役割をお伝えしてきました。
次では、ERPコンサルタントの仕事内容を解説していきます。
ERPコンサルタントの仕事内容|ERPで経営・業務課題を改善
ERPコンサルタントは企業の経営課題や業務プロセスの課題を理解し、最適なERPシステムを導入して業務効率化や生産性向上、コスト削減や法制度対応などを行います。
この章では、ERPコンサルタントの仕事内容を工程ごとにみていきましょう。
- 企画・提案
- 要件定義・設計
- 実装・テスト
- 運用・保守
それぞれ解説します。
1.企画・提案
企画・提案の工程では、クライアントの経営課題や業務プロセスを調査し、ERPシステムの導入や改善がどのような効果をもたらすかを検討します。
このフェーズで行われる作業を大別すると「分析」と「提案」です。
分析は、クライアントの経営層や現場担当者にヒアリングをかけて現状の課題認識やニーズ、予算に関する情報を集めます。
ヒアリングした情報にもとづいて、クライアントの経営課題や業務プロセスの課題を明確にします。
現状を分析することで、ERPシステムの導入がどのような効果をもたらし、問題を解決するかなどの考察が可能です。
次の提案の段階では、得られた分析結果をもとに最適なERPシステムの選択肢やカスタマイズ、導入計画などをクライアントに提案します。
ここで大切なのは、クライアントにERPシステムの価値やメリットを適切に伝えることです。
専門的な内容をわかりやすく伝えるため、ドキュメンテーションやプレゼンテーションのスキルも求められます。
分析と提案の両方において、ERPシステムに関する専門知識とクライアント業務の知識が重要です。
これにより、クライアントのニーズに合わせた効果的なソリューションを提案できます。
2.要件定義・設計
以前のコンサルタントは、おもに企画・提案の工程を担当していましたが、今ではコンサルティングファームを含む多くのコンサルタントが上流工程から導入までを一貫して対応するケースが増えています。
要件定義・設計工程でのERPコンサルタントの役割は、クライアントのニーズや予算にあわせ、ERPシステムの機能や仕様を具体化する作業のサポートです。
要件定義では、現在の業務プロセスとERPパッケージの差異を洗い出すFit & Gap分析がメインの作業となります。
Gapが見つかった業務プロセスに対しては、「業務をERPシステムに合わせる」か、「ERPシステムを業務に合わせる(カスタマイズ開発)」かの方針を検討します。
要件定義・設計は、ERPコンサルタントの仕事の中でも技術的な段階であり、ERPシステムの品質や効果に大きな影響を及ぼす重要な工程です。
3.実装・テスト
実装やテストの段階では、ERPパッケージの設定やカスタマイズ開発の進捗状況を把握し、問題が発生した際には適切な対応策を整理してサポートします。
これにより、ERPシステムの導入がスムーズに進むためのフォローもERPコンサルタントの重要な仕事です。
4.運用・保守
ERPコンサルタントは、ERPシステム導入直後の運用やトラブルが起きた場合の支援などが求められます。
さらにERPシステムの運用フェーズに入ると、ERPシステムの追加カスタマイズや他システム連携、バージョンアップ対応などのコンサルティングを依頼されることもあります。
このようにクライアントと長期間にわたり連携し、ERPシステムの企画から導入、そして運用サポートに至るまでをワンストップでサポートするのがERPコンサルタントの仕事です。
ERPコンサルタントに関連が高い職種として、ERPエンジニアがあります。
ERPエンジニアは以下の記事で解説していますので、興味がある人は読んでみてください。
▼ERPエンジニアを詳しく知りたい人はこちら
ERPエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性などをまとめて解説
ERPエンジニアに興味を持っており、具体的にどのような職業なのか詳しく知りたいとお考えではないでしょうか。この記事ではERPエンジニアの仕事
ここまでは、ERPコンサルタントの仕事内容をお伝えしてきました。
次では、ERPコンサルタントの年収を解説していきます。
ERPコンサルタントの年収相場は739万円
ERPコンサルタントは非常に高年収です。
以下の3つの視点でERPコンサルタントの年収を解説します。
- 正社員のERPコンサルタントの年収相場は739万円
- フリーランスのERPコンサルタントの年収相場は1,020万円(85万円/月)
- 派遣社員のERPコンサルタントの年収相場は612万円(51万円/月)
ひとつずつ見ていきましょう。
正社員のERPコンサルタントの年収相場は739万円
弊社が大手求人サイトの求人20件を調査したところ、ERPコンサルタントの正社員募集での平均年収は739万円でした。
システムエンジニアの平均年収が509万円、プロジェクトマネージャーの平均年収が646万円であることから、ERPコンサルタントの年収相場はIT関連職種の中でも高年収です。
フリーランスのERPコンサルタントの年収相場は1,020万円(85万円/月)
弊社が大手フリーランスサイトの案件20件を調査したところ、フリーランスのERPコンサルタントの年収相場は1,020万円でした。
※平均月収が85万円であったため、12ヶ月稼働した年収期待値を算出
フリーランスは実績やスキルで年収が異なりますが、ERPコンサルタントの場合だと平均値で年収1,000万円を上回ります。
派遣社員のERPコンサルタントの年収相場は612万円(51万円/月)
大手求人サイトの派遣社員の求人を調査したところ、年収相場は612万円でした。
※平均月収が51万円であったため、12ヶ月稼働した年収期待値を算出
国税庁の報告によると、民間企業に勤める会社員の平均年収は433万円であることから、ERPコンサルタントは非常に高年収な職種です。
※本章で解説した正社員・フリーランス・派遣社員の情報はそれぞれランダムに求人情報を20件抽出して平均値を算出(2023年8月時点の情報)
ここまでは、ERPコンサルタントの年収を解説してきました。
次では、ERPコンサルタントの需要と将来性をみていきましょう。
ERPコンサルタントの需要と将来性
ERPコンサルタントは需要が高く、将来性も期待できます。
そのおもな理由は、以下の3つです。
- 大手求人サイトでのERPコンサルタントの募集数が高止まり
- SAP既存製品サポート終了による特需
- 企業のデジタル化への対応が加速
それぞれ解説していきます。
大手求人サイトでのERPコンサルタントの募集数が高止まり
大手の求人サイトでERPコンサルタントの正社員の募集数を調べたところ、直近7日間で1,900件以上の新しい求人がありました。
また、2022年5月と2023年6月を比較すると、求人数は変わらずに推移しており、需要が安定していることがわかります。
ERPコンサルタントの需要は上昇トレンドではありませんが、市場ニーズは依然として高いです。
SAP既存製品サポート終了による特需
ERPコンサルタントについて調べている人は、「SAPの2027年問題」をご存じの人もいるのではないでしょうか。
世界で1位、国内でもトップシェアを持つSAPの既存製品「SAP ERP 6.0」が2027年に標準サポートを終了することにより、ユーザーは以下いずれかの対応が迫られています。
- 後継のSAP S4/HANAへ移行
- 既存のSAP ERP 6.0を継続利用(追加のサポート料金が必要)
- ほかのERP製品へ乗り換え
この問題は、国内に約2,000社以上のユーザーが関わっており、一斉に対応を迫られる状況です。
後継製品のSAP S4/HANAは、市場にあわせて機能強化されていますが、従来のSAP ERP 6.0と比較するとシステム構成などが大きく変更されています。
ERPは企業の中核をなすシステムであり移行に失敗は許されないため、製品提供元の方針により強制的にシステム刷新を迫られたと捉えたユーザーもいるでしょう。
このことから、SAP既存製品のユーザー2,000社の一部は、ほかのERP製品へ乗り換えることが見込まれます。
ERP製品乗り換えの際には、専門的な知識を持つERPコンサルタントが求められると予想されます。
企業のデジタル化への対応が加速
昨今のデジタル化の取り組みにおいても、ERPは重要な役割を果たすべき位置づけです。
ヒト・モノ・カネ・情報を一元管理して業務プロセスを効率化し、経営課題を改善するための仕組みがERPです。ERPで収集されたデータの利活用により、デジタル化に向けた業務改革にチャレンジする道が開けます。
デジタル化の加速によりERPの需要もさらに高くなるでしょう。
ここでは、ERPコンサルタントの需要や将来性をお伝えしてきました。
次では、ERPコンサルタントに必要なスキルや知識を解説していきます。
ERPコンサルタントに必要な4つの知識やスキル
ERPコンサルタントに必要な知識やスキルは、おもに以下の4つです。
- クライアント業務や経営に関する知識
- ERP製品に関する専門知識
- ロジカルシンキングのスキル
- コミュニケーションのスキル
ひとつずつ解説していきます。
クライアント業務や経営に関する知識
ERPコンサルタントにとって、クライアント業務と経営に関する知識は非常に大切です。
ERPコンサルタントはERPシステムを専門的に扱う職種ですが、システムではなく業務を中心に考える必要があります。
たとえば企画フェーズでは、クライアントの経営課題や業務プロセスを分析し、最適なERPシステムの選択肢やカスタマイズ案を提案します。
しかし、業務や経営に関する知識がないと、正しい分析や提案が難しいです。
このように、クライアントの業務や経営に関する知識がなければ、ビジネス課題の改善提案が難しくなります。そのため、クライアント業務や経営に関する知識は不可欠です。
ERP製品に関する専門知識
ERPコンサルタントは、その名のとおりERPシステムに関する高い専門性も必要とされます。
ERP製品にはそれぞれ独自の機能や特徴があり、クライアントの要件に最適な製品を選定し、必要に応じてカスタマイズを行うためにはその製品に詳しくなる必要があるからです。
もしERP製品の知識やスキルがないと、適切な機能の選択やカスタマイズの提案などが難しく、結果としてクライアントの業務改善に貢献できない可能性があります。
ロジカルシンキングのスキル
ERPコンサルタントにとって、ロジカルシンキングは非常に重要なスキルです。
ロジカルシンキングとは、論理的に物事を分析し、原因と結果の関係を理解する能力です。
このスキルを持つことで、複雑な業務プロセスや課題を分析し、問題を解決するための着実な方法を見つけられます。
たとえば、クライアントが特定の業務プロセスに関する課題を抱えている場合、論理的に状況を整理してその課題の根本原因を特定します。
業務プロセスのどの部分がうまく機能していないのか、どのステップでミスが発生しているのかを論理的に分析することで、効果的な改善策の立案が可能です。
また、ERP導入に課題となる業務プロセスは複数の要素が絡み合うケースが多いです。ロジカルシンキングを駆使し、異なる要素がどのように影響しあっているのかを理解したうえで全体像を把握する能力が求められます。
コミュニケーションのスキル
ERPコンサルタントは、クライアントとのコミュニケーションを通じて要件や課題を正しく理解して適切な改善策を提案するため、コミュニケーションスキルが不可欠です。
たとえば、クライアントへのヒアリングでは、相手の話に耳を傾けて要望や懸念を正しく理解することが大切です。
クライアントの業務プロセスやニーズを深く追求することで、それに適した最善のERP戦略を提案できます。
技術的な専門知識を持っていても、それをクライアントに説明する際には、相手が理解できない専門用語を控えてわかりやすく伝える能力が求められます。
このように、コミュニケーションスキルはクライアントとの信頼関係を築くために非常に重要です。
ここまでは、ERPコンサルタントに必要な知識やスキルをお伝えしてきました。
次では、ERPコンサルタントのキャリアパスを解説していきます。
ERPコンサルタントの3つのキャリアパス
ERPコンサルタントの代表的なキャリアパスは以下の3つです。
- ERPコンサルタントのマネージャー
- 特定の分野に特化したERPコンサルタント
- フリーランスのERPコンサルタントとして独立
それぞれ解説していきます。
ERPコンサルタントのマネージャー
ERPコンサルタントの経験を積んだ後には、ERPコンサルタントをチームとして束ねるマネージャーとしてのキャリアパスがあります。
このキャリアパスでは、企業によって異なりますが、年収はおおよそ1,000万円から1,500万円程度が相場です。
ERPコンサルタントも、企業内でチームや部門として組織されることがあり、チームである以上はマネージャーが必要となります。
プロジェクトを横断的に統括し、より責任が大きい役割を担い活躍したい人に適したキャリアパスです。
特定の分野に特化したERPコンサルタント
ERPコンサルタントとして、特定の業務や製品に特化したスペシャリストを目指すキャリアパスもあります。
たとえば、会計や販売管理などの特定の業務領域や、SAPなどの特定の製品に対して専門性を高めながらキャリアを形成します。
前述した正社員のERPコンサルタントの平均年収は739万円ですが、これはあくまで平均の数字です。
特定の分野に特化して専門性を高めることで、年収1,000万円を上回ることも現実的です。
特定分野の専門性を高めることで、「この分野ではこの人しかいない」という信頼を得ることができ、自身が所属するチームやクライアントに貢献できます。
ERPスペシャリストとしての活躍を希望する人におすすめのキャリアパスです。
フリーランスのERPコンサルタントとして独立
ERPコンサルタントの需要は高く、フリーランスとして独立する道もあります。
前述したフリーランスのERPコンサルタントの平均年収は1,020万円(85万円/月)です。
ERPの需要は高いですが、導入費用は高額なため、中堅以上の企業の導入ケースが多いです。
さらに、ERP製品ベンダーが提供するトレーニングも高額で、個人が独学で知識を身につけて実績を積むのは現実的ではありません。
参入障壁が高いからこそ、現在ERPコンサルタントとして働いている人は独立しやすいとも考えられます。
フリーランスは、営業や事務作業などのすべてを自分自身で対応する必要があるという点や、収入が安定しない可能性などのデメリットがあることは事実です。
一方で、自身が伸ばしたい分野の案件を選べるためスキルアップしやすく、リモート対応可能など柔軟な働き方ができる案件もあります。
さらにERPコンサルタントの収入は、平均でも1,000万円を上回るほどの高収入です。
フリーランスは、自己管理能力が高く柔軟な働き方を望む人に向いているキャリアパスです。
ここまでは、ERPコンサルタントのキャリアパスをお伝えしてきました。
次では、ERPコンサルタントにおすすめの資格を紹介します。
ERPコンサルタントにおすすめの4つの資格
「未経験からERPコンサルタントを目指す」「ERPコンサルタントの年収アップに役立つ」という観点から、おすすめの資格を4つ紹介します。
- 未経験に役立つ①|応用情報技術者試験
- 未経験に役立つ②|簿記検定
- 年収アップに役立つ①|SAP認定コンサルタント
- 年収アップに役立つ②|ITストラテジスト
未経験に役立つ①|応用情報技術者試験
未経験からERPコンサルタントを目指す際に役立つ資格は、応用情報技術者試験です。
この資格は、ITに関する幅広い知識に加えて、企業が抱えるビジネス課題に対するIT戦略や管理の知識を習得できます。
情報技術者試験の試験区分1〜4のうち「レベル3」の位置づけで難易度はやや高く、近年の合格率は25%ほどです。
試験の合格には、ITの基礎知識を有する人でも約200時間ほどの勉強が必要と言われています。
ERPコンサルタントは企画や要件定義など上流工程がメインの業務領域となるので、応用情報技術者試験はERPコンサルタントを目指す人にも役立つでしょう。
未経験に役立つ②|簿記検定
簿記検定は、日商・全経・全商の3種類がありますが、最も知名度が高い日商簿記がおすすめです。
ERPコンサルタントとして転職や案件獲得に活かしたいのなら、企業活動の適切な会計処理に求められるレベルとされている2級以上の取得が望ましいでしょう。
日商簿記2級の難易度はやや高く、直近の合格率は20%ほどで、勉強時間は200から250時間ほどが目安です。
ERPプロジェクトでは会計分野の機能を導入するケースが多いうえ、会計分野はほかの業務領域と関係性も深いため、必然的に会計や簿記の知識は重宝されます。
そのため簿記検定を取得しておくと、未経験からERPコンサルタントを目指す際に役立ちます。
年収アップに役立つ①|SAP認定コンサルタント
年収アップに役立つ資格として、SAP社が公式にSAPソリューションに関する知識の保有を認定するSAP認定コンサルタント資格があります。
この資格制度は、アソシエイト・スペシャリスト・プロフェッショナルの3段階のレベルに分類されますが、年収アップのためにはスペシャリスト以上の取得が求められるでしょう。
2023年8月時点で提供されているSAP認定資格はアソシエイトが128種類に対して、スペシャリストが9種類、プロフェッショナルが5種類でした。
各試験の合格率は非公開ですが、7割程度の正解率が合格ラインと言われており、スペシャリスト以上の認定は実際のSAPプロジェクトや業務に関する実践的な知識が問われます。
スペシャリストやプロフェッショナルの認定は、対象分野で専門家としての高い評価を得られるので、年収アップにつながる可能性もあるでしょう。
年収アップに役立つ②|ITストラテジスト
ITストラテジスト試験は、高度なITの知見を活用して企業が抱える課題の明確化や業務効率化、IT戦略の立案などを行う高度IT人材を認定する国家資格です。
情報技術者試験の試験区分1〜4のうち、最も難易度が高い「レベル4」に位置しており、近年の合格率は15%ほどです。
IT知識の保有レベルによって変わりますが、資格の取得には200時間ほどの勉強時間が必要とされています。
ITストラテジスト試験は、クライアントの経営課題や業務プロセスを改善するためのIT戦略を立案するERPコンサルタントの業務に直接的に役立ちます。
ここまでは、ERPコンサルタントにおすすめの資格を紹介してきました。
次では、ERPコンサルタントに向いている人の特徴を解説していきます。
ERPコンサルタントに向いている人の3つの特徴
ERPコンサルタントに向いているおもな特徴は、以下の3つです。
- 顧客が抱える経営課題や業務課題への関心が高い
- 責任ある仕事を引き受けられる
- 地道な仕事を丁寧に対応できる
それぞれ解説します。
顧客が抱える経営課題や業務課題への関心が高い
ERPコンサルタントの役割は、ITを活用して顧客のビジネス課題を改善することです。
そのため、経営や業務に対する興味関心の高い人がERPコンサルタントに向いています。
ERPシステムの知識を持っていても、顧客の経営や業務の課題に興味を持たなければ、システムの機能と業務の紐づけが難しくなります。
顧客の経営や業務の課題に対する関心を持つことは、ERPコンサルタントにとって非常に大切な要素です。
責任ある仕事を引き受けられる
ERPコンサルタントの仕事は、高い報酬と引き換えに期待される成果も大きいため、責任感を持って仕事に取り組みたい人に向いています。
大きな責任や成果を追求するのが苦手な人には、ERPコンサルタントのような責任が大きな役割は、プレッシャーに感じて精神的な負担になります。
逆にいえば、責任感を持って仕事を進めることに関心の強い人がERPコンサルタントに向いています。
地道な仕事を丁寧に対応できる
ERPコンサルタントの仕事は、業務プロセスの課題を丁寧に整理して改善策を考えるため、地道に論理立てて物事を考えられる人向きの職種です。
地道なヒアリングや事実確認ができないと、課題を正しく理解できず、効果の薄い改善策を提案してしまう可能性があります。
ひとつずつ地道に物事を進められることは、EPRコンサルタントにとって重要な要素です。
ここまでは、ERPコンサルタントに向いている人の特徴をお伝えしてきました。
次では、ERPコンサルタントになるためのステップを解説します。
未経験からERPコンサルタントになるための3つのステップ
未経験からERPコンサルタントになるためのステップは、以下の3つです。
- 業務ソリューションの経験を積む
- 実際にERP製品導入の経験を積む
- ERPコンサルタントとして活躍できるポジションに身を置く
1.業務ソリューションの経験を積む
未経験からERPコンサルタントになるためには、ERPが適用できる業務領域の専門知識を身につける必要があります。
そのため、まずは以下のような企業の基幹業務ソリューションを扱うポジションに身を置くことが重要です。
- 財務・会計管理
- 販売管理
- 人事・給与管理
- 生産管理
- 購買管理
- 資産管理
- 債権・債務管理
これらの業務ソリューションの経験を積むことで、ERPを適用する業務領域の専門知識や、IT技術者としてのスキルを磨けます。
2.実際にERP製品導入の経験を積む
業務知識やIT技術者としてのスキルを身につけたら、実際にERP製品の導入や運用に携わり専門性を磨きましょう。
そのためには、部署異動や転職により、ERP製品を実際に扱う仕事に携わることが大切です。
現場経験を通じ、机上の知識だけでは身につけられない実践的なスキルが身につきます。
3.ERPコンサルタントとして活躍できるポジションに身を置く
ERP製品導入の経験をとおしてERPシステムの導入や運用を行う実務スキルを身につけたあとは、ERPプロジェクトに上流工程から携わり、ERPコンサルタントとして活躍できるポジションでキャリアを積みましょう。
はじめはベテランのERPコンサルタントの補助としてプロジェクトに参画し、徐々に役割を広げていくことが理想的です。
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≫リクルートエージェント
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年齢不問求人/ハイクラス転職に特化。SIer・コンサル・大手SESなどの求人を多数保有しています。
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ERPコンサルタントが活躍する企業の実例3つ
ERPコンサルタントが活躍する企業の例は、以下の3つです。
ここで紹介する企業は、大手求人サイトの実際の求人情報から選びました(2023年8月時点)。
- コンサルティングファーム|デロイトトーマツリスクアドバイザリー株式会社
- SIer|富士通株式会社
- 事業会社|ENEOS株式会社
コンサルティングファーム|デロイトトーマツリスクアドバイザリー株式会社
デロイトトーマツリスクアドバイザリー株式会社は、デロイトトーマツグループの一員で、おもにIT分野を中心としたコンサルティングを行う会社です。
特に会計分野の業務改革支援に注力しており、高度な専門性を持つERPコンサルタントを積極的に採用しています。
年収は500万円から1,200万円ほどで、実務経験やスキルによって決まります。
SIer|富士通株式会社
富士通株式会社は、国内トップクラスのSIerです。
昨今のSIerはシステム構築な運用などの実務の工程だけでなく、IT戦略立案や企画などの上流工程も積極的に手掛けており、今回の求人情報の調査では製造業向け会計領域のERPコンサルタントを募集していました。
富士通で働くERPコンサルタントの年収は、700万円から1,000万円ほどです。
事業会社|ENEOS株式会社
ENEOS株式会社は、国内エネルギー業界のリーディングカンパニーです。
ENEOSの基幹業務システムはERPを採用しており、関連プロジェクトの企画立案や推進のためにERPコンサルタントを採用しています。
ENEOSで働く場合のERPコンサルタントの年収は、600万円から1,000万円ほどです。
ひとつの事業会社で業務改革を推進するポジションに魅力を感じる人に適しています。
ここまでは、ERPコンサルタントが活躍する企業の求人例を紹介してきました。
次では、ERPコンサルタントのキャリア形成をサポートするサービスを紹介します。
ERPコンサルタントの独立や転職はエイジレスにお任せください
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「エイジレス」では現在ERPコンサルタントとして就業されている人や、これからERPコンサルタントを目指したい人向けに、キャリアカウンセリングやフリーランス案件を紹介しています。
転職をサポートする「エイジレスエージェント」は、以下の2点が特徴です。
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- 40代以上のベテランIT人材の大幅年収アップ事例多数
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まとめ|ERPコンサルタントは高い専門性が必要で高収入な職種
この記事では、以下3つのことがわかりました。
- ERPコンサルタントとは、ERPに特化したコンサルタントのことで、クライアントのビジネス課題を明確にして経営課題や業務プロセスを改革する役割を担う
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ERPコンサルタントは、クライアントの業界や経営、業務に関する知識とIT技術やERPシステムの知識など高く幅広い専門性を求められる職種です。
難易度が高く責任も大きい職種ですが、それに見合って高い収入を得られます。
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