40代女性の転職!未経験から目指せる業界や成功のポイントを解説
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40代の女性には、子育てが落ち着いたタイミングで転職を検討する人も多いのではないでしょうか。しかし、40代の女性が未経験から転職するのは、難しいといわれることもあります。そこでこの記事では、未経験からでも目指せる業界や職種、就職に有利になる資格、成功するためのポイントなど、転職に役立つ情報を解説します。
- 【この記事を読んでわかること】
- 40代女性が未経験からでも転職を目指せる業界や職種がある
- 転職に有効な資格を取得しておくのも良い
- 40代の女性が転職に成功するためにはポイントを抑えておくこと
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40代女性の転職は難しい
40代女性の転職は比較的難しい傾向にあります。厚生労働省の「2021年雇用動向調査」では、事業所が新たに採用した40代女性の割合は、40〜44歳で10.6%、45〜49歳で10.9%となりました。これは、50代と65歳以上に次いで低い割合です。
年齢 | 割合 |
---|---|
19歳以上 | 70.4% |
20〜24歳 | 37.3% |
25〜29歳 | 17.9% |
30〜34歳 | 14.7% |
35〜39歳 | 14.0% |
40〜44歳 | 10.6% |
45〜49歳 | 10.9% |
50〜54歳 | 10.0% |
55〜59歳 | 7.8% |
60〜64歳 | 10.4% |
65歳以上 | 7.2% |
※入職者とは、常用労働者のうち、調査対象期間中に事業所が新たに採用した者である。他企業からの出向者・出向復帰者を含むが、同一企業内の他事業所からの転入者は除く。
40歳まで14%以上ある入職者率が40歳を超えると大きく下がります。また、同調査の入職者に占めるパートタイム労働者の割合は、40〜44歳で53.4%、45〜49歳で61.6%であることから、正社員として働くのはさらに難しいと言えます。
40代女性の転職が難しいといわれる4つの理由
40代女性の転職が難しいといわれている理由は、4つあります。
- 40代向けの求人は多くない
- 扱いづらいイメージがある
- 安定した労働力が見込めない場合がある
- ポテンシャル採用が難しい
それぞれについて解説します。
1.40代向けの求人は多くない
そもそも40代向けの求人は多くないため、40代女性の転職は難しいと言われています。厚生労働省東京労働局の2022年12月の調査では、平均が1.26倍の有効求人倍率に対して、45歳以降の有効求人倍率が0.96倍と平均を下回りました。35〜44歳に関しても、1.37倍と平均よりは高いものの34歳以下の1.70倍より低い倍率です。
年齢 | 有効求人倍率 | 有効求人 |
---|---|---|
34歳以下 | 1.70倍 | 172,600 |
35〜44歳 | 1.37倍 | 79,181 |
45〜54歳 | 0.96倍 | 68,732 |
55歳以上 | 0.86倍 | 64,990 |
うち60歳以上 | 0.72倍 | 31,396 |
合計平均 | 1.26倍 | 385,503 |
参考:関東市場圏有効求人・有効求職年齢別バランスシート|東京労働局
また、34歳以下と35歳以降の有効求人は倍以上の差があることから、40代女性の転職は難しいと言われています。
2.扱いづらいイメージがある
2つ目の理由は、扱いづらいイメージを持たれることです。40代女性の中には、年齢とともに出産や育児、社会人経験などを積み重ねてきたことによってプライドを持つ人がいることもあります。
40代以降に転職した場合、年下の上司や先輩と働くことになる場合もあるため、お互いに気を使いながら働くことがストレスになる場合もあるでしょう。コミュニケーションや連携が上手くとれなければ、効率的に業務を進められません。
そのため、企業は40代の女性に対して転職後の環境の変化に対応できるのか、培った経験に基づくノウハウに固執しすぎないかなどを注視します。40代の女性が転職に成功するには、新しい環境に適応するコミュニケーション能力や柔軟性が必要です。転職活動の際、ポジティブに仕事へ取り組む姿勢と共にこうした能力をアピールしましょう。
3.安定した労働力が見込めない場合がある
子育てなどの家庭の事情から、安定した労働力が見込めないと企業に判断されることがあります。子供の体調不良や行事などの際には、仕事を休まなければならないためです。
厚生労働省の出生に関する統計では、母親が第一子を出産する年齢平均は、30.7歳です。そのため、40代女性の第一子の多くは小学生であり、手がかかる可能性があります。
子供が生まれたばかりの20〜30代の女性より、子供がある程度成長した40代女性の方が家事や育児に時間を取られる割合が少ないでしょう。しかし、フルタイムで働いてくれる女性を希望する企業の場合、より安定した労働力が見込める独身女性や子育てが終わった50代の女性の方が採用しやすいため、40代女性の転職は難しいとされます。
4.ポテンシャル採用が難しい
40代女性の潜在能力や将来的な成長を見込み、ポテンシャル採用するのは困難です。ポテンシャル採用とは、成長性などスキルや経験以外の潜在的な能力を重視した採用方法です。 個人差はありますが、40代以降は加齢に伴う心身的な変化が顕著になります。40代女性特有の病気としては、乳がんや子宮がん、更年期障害が挙げられます。
未経験でも20代であれば、成長しながら働き続けることによって、将来的に企業へ貢献してくれる可能性はある一方、未経験の40代女性の場合は、退職までの期間が20代よりも短いため、企業は採用にしにくいと考えられるのです。
40代女性が未経験から転職を目指せる9つの業界や職種
40代女性が未経験からでも転職しやすい仕事はあります。内閣府男女共同参画局の女性雇用の調査によると、40代女性が主に活躍している仕事は、サービス職業、事務従事者、農林漁業、専門的技術的職業、生産工程・労務作業者でした。
40〜44歳 | 45歳〜49歳 | |
---|---|---|
専門的・技術的職業 | 45.4% | 47.1% |
管理的職業 | 10.3% | 7.8% |
事務従業者 | 59.4% | 56.9% |
販売従業者 | 31.7% | 38.0% |
サービス職業 | 71.6% | 73.4% |
保安職業 | 4.6% | 4.1% |
農林漁業 | 45.5% | 46.7% |
運輸・通信従事者 | 5.0% | 5.9% |
生産工程・労務作業者 | 32.2% | 35.0% |
表を参考に40代の女性でも転職を目指しやすい次の業界や職種について、それぞれ解説します。
- 介護士・介護助手
- 保育・幼稚園補助員
- 放課後児童補助員(学童指導補助員)
- サービス業
- 運送業
- 冠婚葬祭業
- 営業
- 事務職
- セラピスト
1.介護士・介護助手
介護助手は介護補助とも呼ばれ、介護福祉士が業務に専念できるようにサポートすると共に、要介護者を関節的にサポートするのが主な業務です。
介護助手は原則、食事や排せつ、入浴介助など要介護者の身体に触れる身体介護を行えません。一般的には掃除や食事の配膳、ベッドメイキングなどのサポートをします。身体介護を行うためには、「介護職員初任者研修」修了以上の資格が必要です。
とはいえ、介護福祉士とは違い、資格がなくても働けるため、40代女性で介護施設で働く人は多いです。介護労働安定センターの「2022年介護労働実態調査」によると、全体の年齢は「45歳以上50歳未満」が13.8%で最も高く、次いで「40歳以上45歳未満」が13.4%となりました。平均年齢は 47.7 歳です。
参考:令和3年度 介護労働実態調査結果について | 介護労働安定センター
人と接しながらサポートを行う介護助手は、コミュニケーションスキルや家庭で養った整理整頓、掃除などの手際の良さを活かして働けます。
2.保育・幼稚園補助員
保育士・幼稚園教諭として働くにはそれぞれ国家資格が必要ですが、いずれも補助員としてパートやアルバイトに従事する場合、資格は必要ありません。
保育補助員は乳児から小学校入学まで、幼稚園の補助員は満3歳から小学校入学までの幼児を保育・教育します。有資格者である保育士や幼稚園教諭のサポートをしながら、預かった子供の睡眠や食事など生活全般を支えて、基本的な生活習慣を身につけさせます。具体的には、園児の登園や降園の補助、教材、給食、おやつなどの準備と片付け、清掃、環境整備、寝かしつけなどに従事します。
40代の女性は、子育ての経験を活かして働けるでしょう。
3.放課後児童補助員(学童児童補助員)
放課後児童補助員(学童児童補助員)は、放課後等デイサービスや学童の施設で働く仕事です。放課後等デイサービスや学童施設では、放課後や夏休み、冬休みなどの長期休暇の間、保護者の代わりに小学生を預かり、生活の場や遊びの場を提供します。
ただし、学童と放課後等デイサービスは対象となる子供とその年齢、目的が異なります。学童は小学校下校後の子供を預かり、宿題をしたり遊んだりする一方、放課後等デイサービスは、障害を持つ小学生から高校生を預かり、療育を行います。また、有資格者を放課後児童支援員、資格を持たない人を放課後児童補助員と区別します。
自分の子供が小学生にあたる40代の女性は少なくありません。自分の子供と近い年齢の児童と接する放課後児童補助員は、40代女性の経験を活かして働ける仕事だと言えます。
4.サービス業
40代女性の就業者割合で最も多いサービス業は、転職しやすいでしょう。サービス業には、飲食業で接客や調理を行うスタッフ、コールセンターのスタッフ、清掃員、家事代行のスタッフなどさまざまな仕事があります。
それぞれの仕事についての特徴や求められる能力などを解説します。
接客業
接客業とは、店舗や施設で顧客対応を行う仕事です。 コンビニ・アパレルショップなどの販売員や飲食業のホールスタッフのほか、ネイリスト、エステティシャン、ホテルのフロントスタッフなどさまざまな職種があります。
接客業で働くには柔軟な対応が必要なため、コミュニケーションスキルが必要です。自分の趣味や得意なことを活かして働くといいでしょう。
調理スタッフ
調理スタッフは、居酒屋や食堂、カフェ、レストラン、ホテル、ケーキ屋など多様な飲食業界で調理を務めます。家庭での料理や食器洗いなど、家事で身に着けたスキルを活かして働けます。
調理をスピーディかつスムーズに行う手際の良さが必要です。職場によっては、訪れた客の反応を直接感じられるため、やり甲斐を求める人や食に興味がある人に向いています。
コールセンター
コールセンターは、企業の中で顧客との電話対応を行います。自ら電話をかけるアウトバウンドと、顧客からの電話に対応するインバウンドの2つの業務に大別されます。アウトバウンドでは、顧客や見込み客に電話をかけて商品やサービスの案内、アンケート調査を行うのが一般的です。一方、インバウンドでは、顧客からのサービスに対する問い合わせや受付、受注などを行います。
中には、クレーム対応などを行う仕事もあるため、落ち着きのある話し方ができて、なおかつコミュニケーションスキルの高い人は能力を活かして働けるでしょう。
清掃員
清掃員は、商業施設やオフィスビル、病院、ホテル、公共施設、個人宅などの清掃を行います。資格を持たない未経験でも働ける仕事で、40代の女性でも転職しやすいでしょう。綺麗好きで、掃除をすることにやりがいを感じる人は、清掃員を検討するのも良いでしょう。
家事代行
掃除や炊事、洗濯など家事全般を代行するサービスです。高齢者や忙しい共働き家庭、単身者などが増えているため、需要は拡大すると予想されています。野村研究所の調査では、2017年時点で約698億円だった市場規模は、2025年に少なくても2,000億円程度、最大で8,000億円程度にまで拡大する可能性があると推計されています。
参考:野村総合研究所「家事支援サービス業を取り巻く諸課題に係る調査研究」
日常から家事をこなす40代女性の経験を活かして働けます。
5.運送業
普通自動車免許があれば、40代女性でも未経験から運送業で働けます。運送業とは、定められた場所まで人や物を運ぶ仕事です。タクシードライバーや代行ドライバーとして働く40代女性も存在します。体力に自信がある、体を動かしたい人はセールスドライバーとして働くのもいいでしょう。ちなみに、2017年3月12日以降の普通自動車免許で乗車できるのは、最大積載量2t未満、車両総重量3.5t未満に限られます。
運送業では、男女を問わず未経験を歓迎する求人も少なくないため、車の運転が好きであれば免許を活かして働くのも1つの手段です。
6.冠婚葬祭業
冠婚葬祭業は主に、結婚式や披露宴、葬儀を執り行います。結婚式の演出やサポートに携わるブライダルスタッフ、葬儀の進行や遺族のサポートを行うセレモニースタッフなどの職種があります。資格がなくても働けるため、40代女性が未経験から転職を目指しやすいといえます。
ブライダルスタッフやセレモニースタッフに転職したい場合、未経験でも結婚式場やホテルあるいは葬儀場などのアシスタントとして働けます。式場の準備や利用者の案内、掃除などさまざまなサポートが主な業務です。仕事にやりがいを求める人、人生経験が豊富で細かい点まで気を配れる人に向いています。
7.営業職
営業職は、企業のサービスや商品をアピールして、受注につなげるための営業を担当します。大きく、法人営業と個人営業に分けられます。法人営業は企業に対して営業を行うため、ビジネスマナーやプレゼンテーションスキルが必要です。一方、個人を対象とする個人営業は、生活に直接関わるサービスや商品を取り扱うのが一般的なため、40代女性が生活する上での経験を活かして働くこともできるでしょう。人当たりのよさやコミュニケーションスキルが高さは、営業に役立ちます。
不動産や保険、ウォーターサーバー、オール電化などさまざまなサービスに関わる営業がある中、近年はさまざまな営業手法が活用されています。訪問販売やテレアポのほか、主に非対面で顧客育成などの営業を行うインサイドセールスなど、多様な営業方法があるため、自分に合った営業職を選択しましょう。
8.事務職
サービス職業の次に就業者割合が多いのが事務職です。ITサポート事務や経理事務、営業事務、医療事務、貿易事務、建設事務など幅広い業界の仕事があります。電話や来客対応、データ入力、資料作成、備品管理などの庶務や人事、調査、企画、会計に関する事務対応全般に従事します。WordやExcelの操作など、事務用機器の操作を行うための基本的なパソコンスキルが求められます。
資格がなくても働けるため、地道な作業が好きな人、処理能力が高い人は検討するといいでしょう。
9.セラピスト
セラピストとは、専門的な知識や技術に基づいた手法で心身を癒す仕事で、療法士や治療士とも呼ばれます。 一般的には医療や美容、メンタル、リラクゼーションに分けられます。整体師やエステティシャン、マッサージ師などは資格がなくても働けるため、40代女性が未経験から転職を目指せます。
ただし、提供するサービスによっては国家資格が必要な場合もあり、あん摩マッサージ指圧師や理学療法士、公認心理士などの国家資格のほかにも、エステティシャンやリフレクソロジストなどの民間資格があります。相手の気持ちを汲み取って接することができる人は、セラピストとして働きながらキャリアアップを目指すのもいいでしょう。
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40代女性の転職に有効な資格4つ
転職できるかどうか不安な場合は、資格を取得しておくのもひとつの方法です。40代女性の転職に有効な資格は、次の4つです。
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
- 日商簿記1・2級
- ITパスポート
- 介護職員初任者研修
4つの資格それぞれの特徴やどのような職種へ転職に役立つのかを交えて解説します。
1.MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)は、WordやExcelなどマイクロソフト製品の活用スキルを証明できる資格です。国際資格として認められており、日本だけでなく海外の企業でも一定の評価が得られます。
パソコン作業に携わる事務職はもちろん、営業職ではパワーポイントを使ったプレゼンテーションや報告などさまざまな業務に役立つでしょう。
受験資格はないため誰でも取得できます。受験方法は全国一斉試験と随時試験の2種類があり、全国一斉試験は毎月1、2回、随時試験はほぼ毎日開催されています。
2.日商簿記1・2級
日商簿記は、財務情報や経営成績を適切に管理する能力を証明できます。企業だけでなく個人事業主の経理や財務管理に役立つでしょう。営業や総務、人事、貿易、大学、建設、医療など幅広い業種に対応する基礎知識が身につくため、転職先を検討する際の選択肢が広がるだけでなく、独立や起業する場合にも、確定申告や決算書に必要な帳簿の作成がスムーズに行えるようになります。
税理士事務所や会計事務所などの職場でも直接活かせるため、転職したい仕事がなかなか見つからない人は、とりあえず取得しておくのも1つの手段です。
1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級の5種類で構成される日商簿記は、3級から受けるのが一般的ですが、求人では2級以上が応募資格となっていることが多いため、2級以上の資格を目指すといいでしょう。
日商簿記検定1級は、通常、年2回(6月・11月)、2級は年3回(6月・11月・2月)実施されます。
3.ITパスポート
ITパスポートは、ITの基礎知識が証明できる国家資格です。テクノロジ系(IT技術)やストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、などの知識が身につき、情報処理能力の向上につながります。
年々進化するIoTやAI、ビッグデータなどの最新技術や手法、マーケティング、セキュリティに関しての知識も証明できるため、IT業界全般やIT系の事務職などに就職する場合に役立ちます。加えて、フリーランスとしてWeb業界で働きたい人も役立つ資格です。
試験は、コンピュータを利用して実施するCBT(Computer Based Testing)で開催されるため場所を問わず、随時受験できます。
4.介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の基礎知識を証明できる資格です。介護職員を目指す人や家族を介護する人に役立つ知識が身に付きます。資格がなくても介護職員として働けますが、取得することによって身体介護が行えるようになります。そのため、転職に有利になるでしょう。
介護職員初任者研修の取得後、パートやアルバイト、正社員として実務経験を積むことによって、介護福祉士やケアマネジャーの受験資格を得られます。キャリアアップを実現したい人は取得を目指すといいでしょう。
介護職員初任者研修の資格の取得には、約130時間の講義と演習で構成される研修の受講と、全課程修了後の修了試験に合格する必要があります。
40代女性が転職で成功するために重要なポイント
40代女性が転職で成功するために重要なポイントは6つあります。
- 目的とキャリアプランを明確にする
- 転職希望先の幅を広げる
- 需要の高い業界や職種を探す
- 同業種・同職種に転職する
- キャリアの棚卸しを行い、強みを積極的にアピールする
- 転職エージェントと転職サイトに複数登録してサポートを得る
それぞれについて解説します。
目的とキャリアプランを明確にする
なぜ転職するのか、転職したあとどうなりたいのかを明確にしておきます。目的を定めることによって、転職先の選択肢が定めやすくなることに加えて、転職したあとも高いモチベーションで働けるからです。
生活資金を稼ぐ、あるいは実務経験を通してスキルを取得するなど、人によって目的はさまざまでしょう。子育てをしながら働く場合、勤務日数や勤務時間など柔軟な雇用形態の企業に絞られます。仕事にやりがいを重視しキャリアを形成していきたい場合は、40代女性の未経験からでも、資格の取得や実務経験を重ねることによって、重要なポジションを任される介護士や営業職、IT系の技術・専門職などに転職するといいでしょう。
40代以降、転職できるチャンスはそう多くはありません。目的とキャリアプランを明確にして、自分自身が楽しみながら長く活躍できる仕事を選びましょう。
転職希望先の幅を広げる
なるべく早く転職したいなど期間が限られている場合、転職希望先の幅を広げることによって成功しやすくなります。40代女性は求人数は多くないうえ、待遇の良い求人には人気が集中する可能性があります。
具体的には、業界や職種にこだわらず、希望する給与や雇用形態などそれぞれ必要最低限の条件に見合った企業に積極的に応募します。その中から理想の転職先が見つかる可能性もあるでしょう。
需要の高い業界や職種を探す
需要の高い業界や職種なら転職で成功しやすいです。厚生労働省の「2022年12月の一般職業紹介状況」では、医療・福祉、卸売・小売業、製造業、建設業などの求人数が多い結果となりました。
産業 | 新規求人数 |
---|---|
医療・福祉 | 218,274人 |
卸売・小売 | 97,933人 |
製造業 | 85,658人 |
建設業 | 76,230人 |
特に、医療・福祉では20万人以上もの求人があり、人材不足が起きています。介護職員初任者研修の資格を取得することによって、転職に成功しやすくなるでしょう。
同業種・同職種に転職する
勤務してきた企業と同じ業種や職種であれば、転職に成功しやすいでしょう。ポテンシャル採用する20代とは違い、企業が40代以降の人材に求めるのは即戦力となるスキルです。同業種であれば培ってきた経験やスキルが評価され、即戦力として企業に貢献できます。初めから良い待遇で採用されることもあるでしょう。
未経験の業種に挑戦する場合は、ポータブルスキルを身につけておくと転職の際に評価されます。ポータブルスキルとは、専門技術や専門知識、仕事のやり方、人との関わり方で構成される、業種や職種が変わっても通用する持ち出し可能なスキルのことです。
現状把握や課題の設定、計画の立案、課題の遂行、状況への対応など、全ての仕事に通じる能力を身につけると、異業種への転職にも役立ちます。
キャリアの棚卸しを行い、強みを積極的にアピールする
これまでのキャリアの棚卸しを行い、転職活動の際に強みをアピールします。キャリアの棚卸しでは、仕事や私生活を通して培った経験を振り返り、時系列で掘り下げます。子供が2人いながら飲食業でパートを続けてきた40代女性であれば、家事や育児の経験で養った子供と接するコミュニケーションスキルや、飲食業での調理スキルなどが強みとなります。もちろん、それ以前のスポーツや趣味などを通してアピールできる強みもあるでしょう。
特筆した成果や実績ではなくても、子育てをしながら重ねてきた勤務歴などが評価されることもあるため、細かく経験を振り返ることが重要です。
自分では気付けない能力も発見できることに加えて、職務経歴書の記入の仕方や面接での対応が不安な場合も、キャリアの棚卸しによって発見した長所を活用すれば、上手く対処できるようになります。
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40代女性が転職時に注意すべきこと
転職は必ずうまくいくとは限りません。希望する企業が人気で競争倍率が高ければ、なかなか転職に成功できないこともあります。40代女性が転職する際は、次の点に注意しましょう。
- 転職活動期間は長めに想定しておく
- ブランクは応募書類や面接でリカバリーする
- アルバイト・パートから働き始める
- ワークライフバランスを考慮する
それぞれについて解説します。
転職活動の期間は長めに想定しておく
転職活動期間は長めに想定し、早めに始動します。転職活動を始めてから採用されるまでに時間がかかる場合があります。2020年の厚生労働省の転職者実態調査によると、直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの40代における期間割合は以下のようになります。
年齢 | 40〜44歳 | 45〜49歳 |
---|---|---|
離職期間なし | 27.2% | 30.0% |
1ヵ月未満 | 30.1% | 30.6% |
1ヵ月以上2ヵ月未満 | 14.7% | 11.5% |
2ヵ月以上4ヵ月未満 | 9.8% | 9.9% |
4ヵ月以上6ヵ月未満 | 2.8% | 5.4% |
6ヵ月以上8ヵ月未満 | 2.1% | 2.9% |
8ヵ月以上10ヵ月未満 | 2.5% | 0.9% |
10ヵ月以上 | 3.7% | 4.1% |
不明 | 7.1% | 4.7% |
このように、離職期間なしで転職できる人が20%以上いる一方、10ヵ月以上かかる人もおよそ4%以上います。離職期間を設けたくない場合、転職活動は在職中に始めておくべきだといえます。
離職してから急いで転職活動を始めると、毎月の収入を得られなくなり、不安や焦りが生じることもあります。結果的に条件を妥協したり判断を誤ったりして、自分の希望の企業に就けない可能性もあるため、時間の余裕を持って転職活動を行いましょう。
ブランクは応募書類や面接でリカバリーする
離職してから就職活動をするまでのブランクがある場合、応募書類や面接でリカバリーします。企業から懸念される可能性のある離職してからのブランクを、応募書類や面接でカバーできれば、転職の成功につながります。
ブランクの理由は人によってさまざまです。例えば、就職に役立つ資格の勉強をしていた、フリーランスとして働いていたなど、応募先の企業の仕事と関連がある理由の場合、スキルの衰えなどの懸念を払拭できます。また、家族を介護していたというケースも事情を汲んだもらえることもあります。
ブランクをただの空白とせず、できる範囲で評価につながるような準備をしておきましょう。
アルバイト・パートから働き始める
正社員にこだわりがなくできるだけ早く就職したい、または余裕を持って働きたい場合は、アルバイトやパートとしての働き方を検討しましょう。アルバイトやパートであれば、正社員ほど責任は重くなく、労働時間も調整しやすいため余裕を持って働けます。
正社員になれば責任は増し、基本的にはフルタイム勤務になるため、長期間労働から離れている人にとっては辛く感じるでしょう。
長期間のブランクがある40代を正社員で雇用するのは難しくても、アルバイトやパートであれば時間を調整しながら雇用できます。後々、正社員として働きたい場合、アルバイトやパートからの正社員登用があるかを事前に確認しておくといいでしょう。
ワークライフバランスを考慮する
個人差はありますが、40代は心身的な体力が低下し始める年齢です。無理して働くと体調を崩し、生活に影響する場合があるため、注意が必要です。
転職して他業種へチャレンジする場合、慣れない業務への対応が必要になるため、疲れやストレスを多分に感じることも少なくありません。また、同業種に転職する場合でも、人間関係の構築などの新しい環境への対応に疲れることもあるでしょう。
仕事と生活のバランスを考慮し、柔軟な勤務ができる企業を選択するのも1つの手段です。近年、短時間勤務制度やフレックスタイム制度、テレワークなど、労働者に配慮した制度を導入する企業は増えています。転職活動時は、各企業が導入している制度も併せて確認しておきましょう。
40代女性は転職エージェントを活用しよう
40代の女性は、求人数が少ないことや扱いづらいイメージなどの理由によって転職が難しいといわれています。しかし実際には、未経験でも介護助手や保育補助員、サービス業、事務職など、幅広い業界で働いている人は少なくありません。転職に有効な資格を取得することによって、採用されやすくなるでしょう。
また、転職エージェントの活用によって、転職を有利に進められます。
転職活動に不安がある場合は、ぜひ、エイジレスにご相談ください。