COBOLのフルリモート案件はある?COBOLエンジニアが採るべき戦略とは
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プログラミング言語のCOBOL、若いエンジニアの人でその名前を知らない世代も徐々に表れ始めています。
COBOLを採用している企業は減少傾向にあり、人材の流動性も低下傾向です。
本記事ではそんなCOBOLエンジニアに向け、フルリモート案件や高単価求人の転職市場をつまびらかにします。
今後のキャリアをどのように築いていくか、ぜひ参考にしてみてください。
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- 【この記事を読んでわかること】
- COBOLのフルリモート案件は存在するが、完全に条件に合致するものを探すのは難しい
- COBOLエンジニアの年収相場は634万円、Java:721万円、Python:1,069万円と比較すると低め
- フルリモート条件と原則年収はトレードオフ、年収を上げたいなら新技術の習得か職種変更も視野に
COBOLのフルリモート案件・求人は少ないが「ある」
まずCOBOLのフルリモート案件の有無ですが、結論としては存在しています。
しかしPythonやJavaなどと比較するとどうしても数は限定されるため、その分競争率が高くなったり、もしくは条件面がほかの言語と比べて低くなる可能性が高いです。
全世界でのプログラミング言語利用率を集計しているTIOBEでは、全体のうちPythoが14%ほど、Javaが8%ほどなのに対し、COBOLは0.88%と10倍以上の差がついています。
当然採用している企業も少なく、単純に比較すれば求人数も10分の1以下になってしまうでしょう。
しかしシェアは低いものの、裏を返せば0.88%の利用者がいるのは確実です。
COBOLを取り巻く環境を理解するためにも、まずはCOBOLの特徴をみていきましょう。
COBOLの特徴と利用される業界
そもそもCOBOLとはどんな言語なのか、以下3つのポイントでおさらいしていきましょう。
- COBOLの成立
- COBOLの特徴
- COBOLが利用されている業界
それぞれ解説します。
COBOLの成立
COBOLは1959年にアメリカで開発されたプログラミング言語です。
「Common Business Oriented Language」(共通事務処理用言語)の頭文字を由来としており、2023年で成立から64年を迎える古式ゆかしい言語となっています。
国防総省の要請によって作成され、いまなお現役で稼働している稀有な言語のひとつです。
COBOLの特徴
そんなCOBOLですが、名前の由来のとおり大量の事務データ処理を得意としています。
また非IT人材でも簡便に使えるよう、自然言語である英語と同じように記述できるため、非常に可読性の高い言語として有名です。
複雑な処理は得意ではないものの、大量のデータを高速で処理する部分に強みをもっています。
COBOLが利用されている業界
そんなCOBOLですが、おもに活躍しているのは金融業界です。
金融業界は全国の支店で振込や引出・振替・為替・決済・送金など、膨大なトランザクションデータを扱う必要があります。
大量データの処理を得意とするCOBOLは、そんな金融業界のニーズを満たしていたため、多くの金融機関で採用されました。
金融機関のコア機能がCOBOLで記述されていることから、誕生から60年以上経った今もなお本番環境で稼働し続けているのが現状です。
以上、COBOLの特徴や利用されている業界を解説しました。
続いて、COBOLのフルリモート案件が少ない理由に迫っていきましょう。
COBOLのフルリモート案件・求人が少ない3つの理由
現役で活躍し続けるCOBOLの求人数は多くはありません。
その理由は以下の3点から説明できます。
- そもそも求人の絶対数が少ない
- セキュリティやコンプライアンス要求の高い業界での利用が多い
- 古い技術のため端末など環境制約が多くリモートアクセスができない
順番に解説します。
そもそも求人の絶対数が少ない
COBOLのフルリモート求人が少ない最大の理由は、そもそもの求人数が少ないことです。
大手求人サイトで検索してみると、”SE Java”では16,100件ヒットするのに対し、”SE COBOL”では1,083件と10分の1以下となります。
必然的に選択肢が減るため、フルリモート求人も当然減るでしょう。
COVID-19の影響も沈静化してきており、一般企業も出社傾向にあることを考えれば、COBOLのフルリモート案件が減ってきているのも当然の帰結と判断できます。
セキュリティやコンプライアンス要求の高い業界での利用が多い
COBOLがおもに金融業界で用いられているのも、フルリモートを少なくしている理由のひとつです。
金融業界は個人や法人の基本情報だけでなく、金融資産の情報や機微情報も幅広く取り扱います。
法人に対しての与信情報が外部に漏れてしまえば、企業の株価などにも影響しかねず、最悪の場合倒産させてしまうこともあるでしょう。
そのため個人情報の取り扱いに非常にセンシティブになっており、コードをひとつ本番環境にデプロイするのも数多くの申請や決裁を必要とします。
VPNなどセキュアなネットワーク技術も出てきていますが、社員が誤って公共のWiFiに接続してしまうなど、ヒューマンエラーが起これば大量のデータ漏洩事案にも発展しかねません。
コンプライアンス感度の高い金融機関で用いられている、これがCOBOLのフルリモート案件を減らしているのは間違いないでしょう。
古い技術のため端末など環境制約が多くリモートアクセスができない
運用ルールだけでなく、技術的な制約もCOBOLの自由度を下げています。
COBOLは現代でも利用されているため、統合開発環境などアップデートはされていますが、企業の環境はその限りではありません。
予算の制約などで古い環境を刷新できず、「専用の端末を使わないと開発やデプロイができない」「リモートでアクセスできない」、そんな環境構成となっていることも十分あり得るでしょう。
現場に行かないといけないとなにもできない、そんな環境が諸悪の根源となっているかもしれません。
以上、COBOLのフルリモート案件が少ない理由を3つの視点で解説しました。
数は少ないですが、存在しないわけではありません。
続いては実際のCOBOLフルリモート案件の紹介です。
COBOLのフルリモート案件・求人事例
COBOLのフルリモート案件にはどんなものがあるのか、3つ事例を紹介します。
- 【COBOL/DB2】既存システムの保守・改修+APM業務支援対応 | 単価65万円/月
- 「Java/COBOL」「SE」社会保険システムの刷新化対応の案件 | 単価52万円/月
- 【AWS】自動車業界向けのシステム開発 | 単価56万円
【COBOL/DB2】既存システムの保守・改修+APM業務支援対応 | 単価65万円/月
まずは生命保険会社のDB2改修案件です。
COBOLでのDB開発経験が5年以上あれば応募可能で、フルリモートで65万円を達成できる魅力的な求人となっています。
「Java/COBOL」「SE」社会保険システムの刷新化対応の案件 | 単価52万円/月
続いても保険会社の案件です。
社会保障システムのリホスト案件となっており、COBOLの開発経験や上流~下流からの一貫した工程経験を求められる内容となっています。
【AWS】自動車業界向けのシステム開発 | 単価56万円
3つ目は自動車業界の求人で、単価56万円の案件です。
メインフレームをAWSへ移行する案件のテスト障害対応要員としての求人であり、OpenCOBOLやAWSの知識を有する人であれば活躍できる案件となっています。
以上、具体的なフルリモート案件を3つ紹介しました。
続いては、COBOLエンジニアの年収相場を見ていきましょう。
COBOLエンジニアの年収相場|人気言語に比べて低め
COBOLのエンジニアはどれくらい稼げるのか、大手求人サイトを参考に弊社独自で調査した結果を以下3つの観点から解説します。
- COBOL / Java / Pythonの年収一覧表
- 正社員の平均年収は634万円
- フリーランスの単価相場は55万円 | 年収換算で660万円
それぞれ掘り下げていきましょう。
COBOL / Java / Pythonの年収一覧表
まずはCOBOLの年収を相対的に参照するため、企業での採用率も高いJavaとPythonの年収相場早見表を見てみましょう。
プログラミング言語 | 正社員年収 | フリーランス年収(※) |
---|---|---|
COBOL | 634万円 | 660万円 |
Java | 721万円 | 876万円 |
Python | 1,069万円 | 1080万円 |
COBOLも決して低くはないですが、ほかの言語と比較するとやはりJavaやPythonのほうが優勢のようです。
正社員の平均年収は634万円
COBOLエンジニアの正社員年収相場は、上表のとおり634万円です。
日本の平均年収が458万円のため、約1.38倍の年収を稼げている計算になります。
金融機関での採用実績が多く、業務のコア機能に用いられていることから、まだまだ正社員雇用の需要も高いです。
しかし、募集内容を見るとAWSなどクラウドへの移行が散見されており、あと5~10年もするとかなり転職市場の状況は変動すると思われます。
もし30~40代くらいのエンジニアで、いままでCOBOLの開発のみ実施してきた人がいれば、今から今後のキャリアプランを戦略的に考えてみるのがよいでしょう。
フリーランスの単価相場は55万円 | 年収換算で660万円
COBOLフリーランスエンジニアの年収は660万円です。
月単価を単純に12倍しただけなので、ここから経費や所得税、国民健康保険料などの支払いを行っていくため総額としてはもう少し減額されます。
仮に年収の60%を手取り額とする場合、手取り総額は396万円です。
これは日本の平均給与から見る想定手取り額が約360万円となるため、おおむね同水準となります。
決して低くはないですが、東京に住んでいる場合は贅沢ができる経済状況とはいいがたいでしょう。
以上、COBOLエンジニアの年収相場をほかの言語と比較しながら確認してきました。
続いてCOBOLエンジニアが年収を上げるにはどうすればいいか、そのポイントを解説します。
COBOLエンジニアが年収アップする3つのポイント
COBOLエンジニアが年収を上げたい場合、以下3つのポイントを押さえるのがおすすめです。
- フルリモートにこだわらない
- ほかの言語や技術を身につける
- 上流工程やプロジェクトマネジメントの経験を積む
順番に解説します。
フルリモートにこだわらない
まずは、フルリモートの条件を緩和するのがよいでしょう。
上でも述べたとおり、COBOLはほかのプログラミング言語の求人と比較すると、フルリモートの実現が難しい条件が揃ってしまっています。
そのため、フルリモートにこだわると応募できる求人が限定的となり、案件獲得の機会を損失する可能性があります。
リモートは週に1~2日程度とすると、求人の幅も広げられることでしょう。
また、もしあなたがCOBOLエンジニアとして十分な知識や経験を積んでいるならば、実際に出社して後進の育成に励むのも良いかもしれません。
リモートよりも対面の方が伝達できる知識量は多くなるため、新しい観点を備えて求人を探してみるのは有効でしょう。
ほかの言語や技術を身につける
COBOL以外の言語や技術を身につけるのも年収を上げるのに有効です。
JavaやPythonの技術を身につければ、ぐっと応募できる求人は増えます。
特に、Pythonは高年収を得やすいためおすすめです。
Pythonはデータ分析のライブラリが豊富であり、多くのデータサイエンティストが好んで用いています。
データ分析は大量に分析できる形へと整形する準備プロセスがあり、ここでCOBOLの特性を活かした大量事務処理を行わせることも可能でしょう。
既存の経験と新たな知識は加算ではなく乗算です。
新しい武器を手に転職市場に果敢に挑んでいきましょう。
上流工程やプロジェクトマネジメントの経験を積む
プログラミングスキル以外の経験を積むのもおすすめです。
システム開発工程全体に目を向ければ、言語に限定されない汎用的なスキルも多数存在します。
要件定義や設計などに深く関われば、プログラマーからビジネスアナリストに鞍替えも可能ですし、プロジェクトマネジメント経験があればプロジェクトマネージャーとして活躍できるでしょう。
日本のIT業界では上流工程に行くほど平均年収が高くなるデータもあるため、年収アップを実現するには職種を変えてみるのも非常に有効な方法です。
以上、COBOLエンジニアが年収を上げるためのコツを3つ紹介しました。
とはいえ、さまざまな事情でフルリモート案件でなければ働けない、そんな境遇の方もいらっしゃるでしょう。
次の章ではフルリモート案件の探し方を紹介します。
COBOLエンジニアがフルリモート案件・求人を見つける3つの方法
COBOLエンジニアがフルリモート案件を探す具体的なソリューションは、以下3つに集約されます。
- 転職サイトやフリーランスマッチングサイトで探す
- 職場の知人やエンジニア仲間を介して紹介を受ける
- COBOL案件が豊富な転職エージェントを活用する
それぞれ解説します。
転職サイトやフリーランスマッチングサイトで探す
最もポピュラーなのは、転職サイトやフリーランスマッチングサイトでじっくりと求人を探す方法です。
自宅にいながら数多くの公開求人にアクセスでき、条件面でのマッチング度合いを測ることもできます。
正社員であれば福利厚生や各種制度の充実度合いも一定参照できますし、フリーランスであれば週3日稼働したいなどの条件を加えて検索も可能です。
また、最近ではCOVID-19の影響もあり、オンライン面談が可能な企業も多くなっています。
自宅にいながら選考を受けられ、さらに会社に行かずとも採用されて働き始められるのはフルリモート希望者にとって非常に魅力的です。
フリーランスのマッチングサイトも最近は多くなっているため、このあたりもしっかりと活用していきましょう。
職場の知人やエンジニア仲間を介して紹介を受ける
続いては、フリーランスの場合に最も多く活用されている、人づてに案件を紹介してもらう方法です。
職場の知人や取引先、エンジニアコミュニティの同志から案件を紹介してもらうのは、いろいろなメリットがあります。
知人を介していることで、発注元も自身も安全性や信頼感をベースとした交渉が可能です。
また信頼性から実力への疑念なども生じにくく、ドキュメントやコードに対してのレビューでも重箱の隅をつつくような些末なものが発生しにくいなど、実務面でのメリットもあります。
デメリットとしては、なにか問題が発生した場合、紹介してくれた知人にも悪影響が及ぶ点です。
メリットも大きいですが、デメリットが存在する点にも留意しておくのがよいでしょう。
COBOL案件が豊富な転職エージェントを活用する
最後は転職エージェントの活用です。
転職サイトは数が多かったり、募集元の企業がブラックな働き方を強いてこないか分からない、そんな不安を感じる人もいます。
また知人紹介もデメリットが存在するため、なるべくなら避けたいという心理が働くこともあるでしょう。
そんなときは転職エージェントの活用が最適解です。
転職エージェントは無料で多くのサービスが利用でき、仲介者として募集元の企業の安全性もしっかりと確認してくれます。
また、応募者に対しても丁寧にヒアリングを行い、応募者の現状や今後のキャリアを見越したアドバイスをしてくれるエージェントも存在します。
エンジニアに特化した転職エージェントもあるため、自分1人で悩まずにまずはエージェントに相談してみるのもおすすめです。
以上、COBOLエンジニアがフルリモート案件を見つけるための3つのおすすめ方法を解説しました。
次の章では、おすすめの転職エージェントを紹介します。
COBOLのフルリモート案件をお探しならエイジレスにご相談を
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まとめ | COBOLのフルリモート案件を探すのはコツが必要、エージェント利用に活路
この記事をとおして、以下のことがわかりました。
- COBOLのフルリモート案件は存在するが、完全に条件に合致するものを探すのは難しい
- COBOLエンジニアの年収相場は634万円、Java:721万円、Python:1,069万円と比較すると低め
- フルリモート条件と原則年収はトレードオフ、年収を上げたいなら新技術の習得か職種変更も視野に
COBOLは今もなお企業で活躍している現役の言語であり、それを扱えるエンジニアも市場で需要があります。
しかし案件の絶対数は多くないため、希望の条件と合致するものを探すのはなかなか難しいです。
そんなときは自分1人の力ですべて達成しようと思わず、転職エージェントなど外部のサービスを使うのも効果的な手法となります。
エイジレスにお声がけいただければ全力でサポートさせていただくので、ぜひ頭の片隅に留めておいてください。