SIerとITコンサルの違いとは?両者を10の視点から徹底解剖!

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SIer勤めのエンジニアとITコンサルタント、両者の明確な違いを即答できる人は多くないでしょう。

同じIT業界に属する2つの職種ですが、それぞれが担う役割は重なる部分もあればまったく異なる部分も存在します。

本記事ではSIerのエンジニアとITコンサルタントの仕事内容や特徴を10の視点から比較し、得意分野や違いを明らかにしていきます。

SIerやITコンサルタントに興味がある人はぜひご一読ください。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • SIerは設計から保守運用、ITコンサルタントは戦略策定から要件定義と受け持つ役割が異なる
  • SIerは”言われたことを要領よくこなす固定報酬型”、ITコンサルタントは”泥臭く施策を提案する成果報酬型”
  • ”クライアントへの貢献”という同じ目的のもと、今後はより両者の垣根が低くなっていく見込み

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SIerとコンサル(ITコンサルタント)は役割が違う

SIerとITコンサルタントは、”クライアントのビジネスにITを用いて貢献する”という大目標は同じです。

では両者がその中でどういった領域を担当しているのか、それぞれ確認してみましょう。

  • SIer:設計や検証、運用など設計以降の工程を担当
  • ITコンサルタント:戦略策定や要件定義など超上流工程を担当

SIer:設計や検証、運用など設計以降の工程を担当

SIerは開発工程の上流から下流まで全般的に担当しますが、おもに設計以降のフェーズを担うことが多いです。

どんな風にシステム化するかという概念的なデザインができている状態で、より具体的にシステムを作りこんでいきます。

さらに作ったシステムがきちんと動くのか検証したり、実際に本番環境にリリースするのもSIerの役目です。

ITコンサルタント:戦略策定や要件定義など超上流工程を担当

ITコンサルタントは設計より前、戦略の策定や要件定義など、クライアントの抽象的な問題を解決可能な課題に落とし込んだり、解決策の提案を行うことを主業務とします。

”営業の数字が振るわない”など大きなクライアントの問題がある場合、なぜその問題が起こっているのか原因を探り、大方針とシステム化計画を策定するのがITコンサルタントの仕事です。

その後方針をもとにSIerなどに仕事を引き渡し、設計以降は彼らに任せるという役割分担が多くなっています。

システム開発の流れの中で、ITコンサルタントが決めた方針やハイレベルデザインをクライアントが利用できる具体的なシステムにしていくのが、SIerとITコンサルタントのおもな役割分担です。

SIerのエンジニアとITコンサルタントの職掌を理解したところで、次はSIerの仕事内容を確認していきましょう。

SIerの3つのおもな仕事内容

まずはSIerの仕事内容を確認していきましょう。

今回は以下3つの観点から掘り下げていきます。

  • システム設計
  • システム運用・保守
  • リプレース

システム設計

1つ目はシステム設計です。

業務ニーズをシステム化する計画策定が完了した次のステップとして、具体的にシステムをどのように作りこんでいくか設計する必要があります。

どんな画面を作ってどこにボタンや入力欄を配置するか、ほかのシステムとどういった項目を授受するインターフェースを作るのか、どんなライブラリを使って実装していくのかなどがおもな検討項目です。

ユーザーの利便性とシステムの作りやすさや保守性、さらには予算との兼ね合いを見ながら最適な設計をしていくのはSIerの本分となっています。

システム運用・保守

2つ目は運用保守です。

システムは作ってリリースして終わりではありません。

リリース後はインシデントを未然に防ぐため、サーバーやネットワークなどの各種係数を定期的に測定し、閾値を超えていないかなど定点観測が必要です。

また、インシデント以外にもいろいろな問題が発生します。

システムが使いづらい、挙動が遅い、急に落ちるなどユーザーから受け取る照会は多様です。

SIerではこういった運用や保守をよく担当します。

リプレース

最後はリプレースです。

サーバーやOSなどが保守期間を満了しようとした際、次の機器やソフトウェアに移っていくことをプレースといいます。

SIerはリプレースプロジェクト、その中でもアプリケーションに特に変更を加えない単純更改と呼ばれる案件を受注する場合が多いです。

単純更改は期限切れのものを挿げ替えるだけで戦略や要件は検討する必要がなく、SIerの担当領域内で仕事が完結します。

そのため、後継プロダクトと現行プロダクトの差異を洗い出し、サーバー更改であれば機器の接続や鍵交換など基盤部分の対応と検証を行えば対応完了です。

期限切れとともに、アプリケーションのレベルアップやプロダクト変更を行う場合はもっと対応が複雑になりますが、単純更改であればある程度簡易的な対応で済むのがリプレースとなっています。

以上、SIerのおもな仕事内容を3つ紹介しました。

続いてはITコンサルタントの仕事内容に迫っていきましょう。

コンサル(ITコンサルタント)の3つのおもな仕事内容

ITコンサルタントのおもな仕事内容は以下の3点です。

  • ビジネス分析
  • IT戦略策定
  • PMO支援

順にみていきましょう。

ビジネス分析

1つ目はビジネス分析です。

クライアントが抱えている問題を正確に把握するためにさまざまな分析を行います。

”営業成績が振るわない”で考えるとそもそもアポイントを取れているのか、アポは取れているが受注率が低いのか、はたまた購入してもらえるがリピート率が低いのかなど考えられる原因はさまざまです。

仮に受注率が低いことが分かったとして、その原因がクライアント社内にあるのか、社外にあるのか、はたまたほかの要因なのかなど検討する必要があるでしょう。

こういったクライアントのビジネスの現状を、過去のデータをもとに子細に確認・分析するのもITコンサルタントの仕事の1つです。

IT戦略策定

続いてIT戦略の策定です。

ビジネス分析をした結果、”リピート率が低く単発購入で終わってしまう”ことがデータから分かったとします。

仮に購買後のアフターフォローができていないことを原因と仮定すれば、”CRMを導入して購買後も定期的に取引先と接点を持つようにする”のがITを用いた戦略策定です。

ほかにも、取引先が”機器の故障率が高い点を不満に感じている”ことがわかれば、工場にAIカメラを導入して検品精度を上げるのも別のIT戦略として考えられます。

クライアントの問題を解決可能な課題に落とし込み、それを効果的に解消する打ち手を示すのがITコンサルタントの真骨頂です。

PMO支援

最後はPMO支援です。

PMOはクライアントが抱えているプロジェクトの管理・推進を支援する仕事で、大規模な規制対応などで全社的にプロジェクトが並走する際など、関係者が多くなる場合によく用いられます。

ITコンサルタントにPMO案件の発注がよくかかりますが、これはITコンサルタントの保有スキルとPMO支援の親和性が高いためです。

PMOはプロジェクトを前に進めることが目的であり、なぜ課題が起きているのか、課題がどうやったら解消されるか交通整理をするのがおもな仕事となります。

ビジネス領域を知悉していなくとも対応でき、かつITコンサルタントとしての論理的思考力や課題解決力が評価されて案件受注数が増えているのは間違いないでしょう。

以上、ITコンサルタントのおもな仕事を3つ紹介しました。

次の章ではSIerとコンサルタントの違いを10の視点から細かく確認していきます。

SIerとコンサル(ITコンサルタント)の違いを10の視点でチェック

具体的にSIerとITコンサルタントでどんな風に違いがあるのか、10個の視点を表にまとめてみました。

少し極端に書いていますが、イメージをつかむ意味ではこの内容を押さえておけば問題ないでしょう。

それぞれ詳しく見ていきます。

分類SIerITコンサルタント
①専門領域の違い設計以降戦略策定、要件定義
②提供する成果物の違い設計書、アプリケーション提案書、要求仕様書
③顧客との関わり方の違い顧客から言われたことをやる顧客に”これをやろう”と提案する
④働き方の違い固定報酬型成果報酬型
⑤業界内でのプレゼンスの出し方数で勝負質で勝負
⑥年収の違い500~800万円900~1,200万円
⑦必要なスキルの違いプロジェクト管理能力ロジカルシンキング、課題設定力
⑧役立つ資格の違い応用情報、プロジェクトマネージャITストラテジスト、PMP
⑨向いている人の違い賢く要領よく働きたい人泥臭くなにかを成し遂げたい人
⑩その後のキャリアパスの違いスペシャリスト、ITコンサルタント事業会社、CxO

①専門領域の違い

SIer:設計以降

SIerの専門領域は設計以降、本番運用保守までをテリトリーとしています。

上でも述べたとおりSIerはシステム開発の実行支援部隊です。

おおよそ具体的になったクライアントの要求をさらに精緻に言語化、システムデザインを行い、具体的な成果物に仕立てていきます。

そのため、先端技術やシステム言語、システムのデザインパターンからUX向上などの人間工学のような分野の知識があるとよいでしょう。

SIerは、さらに下請けに発注する場合もあるため、ベンダー管理の能力もあるとなおよいです。

下請けから提出されてきた成果物をレビューできる技術力を確保しつつ、システムを作り上げていく、そんな役割を担えれば1人前のエンジニアとなります。

ITコンサルタント:戦略策定、要件定義

ITコンサルタントは戦略策定、要件定義が主戦場です。

戦略策定では、クライアント自身もまだ認識できていない問題や課題を浮き彫りにしていきます。

ぼやっとしている問題を明瞭にする、もしくは個別最適やミクロすぎる課題は、1段抽象度を上げ少しぼやかすことでクライアントに気づきを促すことも多いです。

こうした経営上の課題をどのようにシステム化するか、要件定義ではシステム化要求事項をまとめていきます。

AsIs-ToBeでの業務フロー比較やGap分析を行い、予算や期間を算定できる設計可能な段階まで落とし込むのがITコンサルタントの仕事です。

PMO業務をITコンサルタントが実施する背景には、こういった課題の骨子を理解しているメンバーをそのまま中核に据えてシステム開発をしたいクライアントのニーズも垣間見えます。

②提供する成果物の違い

SIer:設計書、アプリケーション

SIerの成果物は設計書やアプリケーション、コンポーネントなどがあります。

システムの画面や機能設計をどのように実現するか、データをどうやって保持するか、他システムとの連携方式をどうするかなどシステムを作るための地図になるのが設計書です。

システムも建物と同じで、実際に作るとなると考えたり作りこまなければいけない箇所が多岐に渡ります。

こういった詳細を設計書として著し、実際に開発するときや将来的な保守に向けた資産としての管理が必要です。

これらの設計書をインプットとし、本番で稼働するアプリケーションが作られていきます。

ITコンサルタント:提案書、要求仕様書

ITコンサルタントは提案書や要求仕様書を作成します。

どうやったら課題を解決できるか、自身や自社の知見と洞察をもとに作成するのが提案書です。

現状手に入れられるデータや手がかりをもとに仮説を立てて検証し、その実証性が確かめられたらアクションプランを練り上げます。

課題・背景・対策を、提案書という虎の巻に落とし込み経営方針を決定してもらうのがITコンサルタントの仕事です。

見事提案が受け入れられれば、業務をいかにシステムに落とし込み開発してもらうか、その仔細を記載するのが要求仕様書となっています。

③顧客との関わり方の違い

SIer:言われたことをやる

SIerはクライアントからの指示を遵守するのがメインです。

大方針やコンセプトは固まっているため、クライアント側にも明確なイメージが存在しています。

そのイメージどおりにシステムを作り上げていくのがSIerの仕事です。

クライアントが発注側であり元請けとなるため、クライアントがパワーバランスの上位に立つ形になります。

担当する業務領域の性質、およびヒエラルキーの力学がはたらいた結果SIerは言われたことをやる状態になることが非常に多いです。

ITコンサルタント:”これをやろう”と提案する

ITコンサルタントの仕事はクライアントの課題の解消です。

その課題は明確になっているものもあれば、クライアント自身が気づけていない潜在的なものまで数多く存在します。

ITコンサルタントはこういったあいまいな状態を分析し、どうしたら最短経路で課題を解消できるか考え抜く職種です。

クライアントと同じ目線を持ちながら、持ちうる知見で最良のソリューションを提案する、この作業を繰り返していくことで信頼を獲得していきます。

自分の頭で考え抜くことが、ITコンサルタントとして最低限のラインと心得るのがよいでしょう。

④働き方の違い

SIer:固定報酬型

SIerは固定報酬型の働き方です。

毎月決まった基本給をベースに、残業時間や各種手当が上乗せされていくのが固定報酬型で、いわゆるサラリーマンがこの働き方をしています。

固定報酬型は自分やチームがどういった功績を成し、どれくらいクライアントに貢献したかはあまり問われず、加点も減点もされづらいのが特徴です。

自分がどれだけ頑張ろうともそれに応じた評価を獲得するのは難しいですが、逆に図抜けた成果を出さずとも緩やかに昇給・昇進していけるのがメリットとなります。

従来の日本的な働き方が固定報酬型であり、SIerはこの報酬体系をとっていることが多いです。

ITコンサルタント:成果報酬型

他方でITコンサルタントは成果報酬型の仕組みをとっています。

固定報酬型とは異なり、”自身がどれほどの価値を生み出したか”によって報酬が決まるのがこの形態です。

年次や形式にとらわれず、クライアントに貢献できたかどうかを指標とする実力主義と考えるのが適当でしょう。

外資系コンサルティングファームでいう”アップオアアウト”の概念にも通じます。

どれだけ長時間労働をしようが成果を出せていなければ評価されず、週に1時間しか働いていなくともクライアントに貢献できている人間が昇進するのが成果報酬型です。

実力で勝負したい、若くして上昇志向のある人は成果報酬型が向いています。

⑤業界内でのプレゼンスの出し方

SIer:数で勝負

SIerは人員の頭数で勝負をする場合が多いです。

システム開発において人員数は、上流から下流に行くにつれてピラミッド的に裾野が広がっていきます。

本番環境で稼働するようなシステムは数万~数百万ステップのコードになることもあるため、実装や検証フェーズでは開発規模に応じて相応の人員が必要です。

SIerはこういった需要に食い込んでいき、大量のコーダーやテスターを投入して薄利多売のような形でクライアントに価値を提供します。

人員が多くなるため背負う責任の量も少なくて済む点が、エンジニアとしてはメリットとなるでしょう。

ITコンサルタント:質で勝負

ITコンサルタントは数よりも質に磨きをかけています。

携わる領域が戦略や要件定義のため、どうしたらクライアントが市場で勝ち残れるような価値を提供できるか、その検討に腐心するパワーが必要です。

こういった場合は平均的な能力の人が10人いるよりも、能力値の高い2~3人の人員で臨んだほうが、提案の質や意思決定の速度が格段に上がります。

必然的にひとりひとりに掛かる負荷や責任は高まりますが、提案がクライアントから受け入れられ、さらに価値まで創出できたらこれ以上ないやりがいを感じられるでしょう。

個やチームとして質を高め、大きな価値を提供するのがITコンサルタントです。

⑥年収の違い

SIer:500~800万円

SIerの年収帯はおおよそ500~800万円です。

経済産業省の調査によれば、プログラマーやエンジニアなどがこのくらいのレンジとなっており、データベースやネットワークなどの個々の専門性を磨くことで年収が上がっていきます。

日本人の平均年収が約460万円のため、エンジニアは平均同等よりも少し稼いでいる人が多い職種となっています。

大手メーカーなどを親会社に持つSIerであれば、資格手当や海外MBA取得支援など、年収以外でも手厚い福利厚生の恩恵を受けられることが多いことは覚えておくとよいでしょう。

ITコンサルタント:900~1,200万円

ITコンサルタントは、900~1,200万円くらいの年収がボリュームゾーンです。

取り扱う業務の性質から、多少なりとも心身に負荷がかかる仕事であり、背負うべき責任も通常のエンジニアと比較すると重くなりやすいです。

また、業務を通じて個人のソフトスキルなどもしっかりと身についていくため、転職市場などから評価を得やすくなります。

ITコンサルタントという職種が負う責任、それを実現する能力を鑑みてSIerよりも少し高めの年収になっている状態です。

⑦必要なスキルの違い

SIer:プロジェクト管理能力

SIerではプロジェクト管理能力を持っていると評価されやすいです。

SIerではシステムの開発や検証部分を担うことが多く、システムが大きくなるほど参画する人員も増加します。

さらに、プロジェクトで忘れてはいけないのがリリース日という納期です。

リリース日に向かってシステムの品質を上げながら、多数の人員をいかにコントロールしていくかSIerは常に問われています。

さまざまな不確定要素を抱えながらもプロジェクトをしっかりと推進できる、そんなエンジニアはSIerに行ったら間違いなく重用されるでしょう。

ITコンサルタント:ロジカルシンキング、課題設定力

ITコンサルタントの武器はロジカルシンキングと、それに基づく課題の設定力です。

どんな大きな問題でも、精緻に見ていけば解決可能な課題に分解することができます。

こういった場合は”こうしたら解決できるかもしれない”という論理的な仮説を立て、自分なりに課題を設定して検証する力が必要不可欠です。

このサイクルを繰り返していくことで、課題の中核を掘り当てることができるようになります。

正しい課題設定は大きな価値を生み出す源泉です。

抽象的な問題を取り扱うITコンサルタントにとって、ロジカルシンキングと課題設定力は強力な武器となるでしょう。

⑧役立つ資格の違い

SIer:応用情報、プロジェクトマネージャ

SIerにとって有用な資格は、応用情報やプロジェクトマネージャが挙げられます。

システム開発を行っていくうえで、PMBOKやITILなどの集合知やルール、さまざまな技術を構成する要素の詳細を押さえておく必要があります。

また上でも述べたとおり、SIerはプロジェクト管理の確かな推進も必須スキルです。

IPAが発行する上記2つの資格はSIerにうってつけであり、取れるときに取っておくと後々の自分の助けになります。

若年時など、時間のあるときに取っておくのがおすすめです。

ITコンサルタント:ITストラテジスト、PMP

ITコンサルタントには、ITストラテジストやPMP(Project Management Professional)が有用です。

ITストラテジストは前述の2つと同じくIPAが発行する国家資格で、経営の課題をITを用いて解消する力が問われる、まさにITコンサルタント向けの資格となっています。

一方でPMPは、プロジェクトマネージャと類似したプロジェクト管理の資格です。

ITコンサルタントはPMOを担当するケースも多いため、プロジェクト管理能力は必携のスキルとなっています。

PMPやはアメリカ発祥の資格であり、昨今の市場環境のグローバル化を受けてより実務的な資格と評価が上昇傾向です。

そのため、ITコンサルタントはプロジェクトマネージャよりも、こちらを取得しておいたほうがよいでしょう。

⑨向いている人の違い

SIer:賢く要領よく働きたい人

仕事も要領よくこなしたい、コスパやタイパを意識する人にとってSIerは楽園かもしれません。

SIerは請け負う職務や価値創出の考え方の関係上、個人が背負う責任範囲がそこまで大きくないのが特徴です。

人員も相応に用意されているため、割り当てられるタスク量も比例して少なくなりやすく、働き方改革の追い風も受けてSIerの残業時間は減少傾向にあります。

大手のSIerであるSCSKでは、残業が20時間強と良好な数字です。

要領よく稼ぎたい人、空いた時間を余暇に充てたい人にとって、SIerはおすすめの企業かもしれません。

ITコンサルタント:泥臭くなにかを成し遂げたい人

ITコンサルタントには覚悟を持って物事をやり遂げる、ある種の執着を持っている人が向いています。

ITコンサルタントは、見えない答えをどうにか形にするのが仕事です。

そのため、仮説をひねり出した後は、それを補強する材料を探すために時間を忘れて没頭します。

しかし、せっかく見つけた情報が仮説と食い違っていることも多く、そんなときは徒労感や無力感に苛まれることもしょっちゅうです。

苦しい状況下でもみずからの力を信じ、クライアントに貢献するために動き続けられる人はITコンサルタントに向いています。

若いうちから鍛えられる環境で働きたい、そんな人はITコンサルタントの門を叩くべきでしょう。

⑩その後のキャリアパスの違い

SIer:スペシャリスト、ITコンサルタント

SIerはスペシャリストやITコンサルタントに転向する人が多いです。

エンジニアとして技術に特化していきたい人は、たとえばデータベーススペシャリストやネットワークスペシャリストなど、特定の技術に活路を見出して特化していきます。

また、SIerにいると”本当はもっとこうしたいのに・・・”というクライアントへの”提案欲”が出てくることも多いです。

よりビジネスに近い立ち位置でクライアントをもっと良くしていきたい、しかしSIerでは限界がある、そんな風に感じ、ITコンサルタントを志す人も多く存在します。

SIerで積んだ経験はITコンサルタントでも確実に活きるため、キャリアパスの親和性が高いのが特徴でしょう。

ITコンサルタント:事業会社、CxO

ITコンサルタントは、事業会社やベンチャー企業のCxOになる人が相当数存在します。

ITコンサルタントはプロジェクト稼業であり、ドキュメントやシステムなどの成果物もクライアントに帰属するケースがほとんどです。

プロジェクトも数カ月ほどで終了して転々とするため、ひとところに腰を据えてなにかを生み出していきたい、そう考える人が出てくるのも無理からぬことでしょう。

プロジェクトで参画して魅力を感じた事業会社に転職したり、会社の創立メンバーになってCxOとして経営に参与するキャリアパスをとる人も多く存在するのにはこういった背景があります。

ITコンサルタントと経営は親和性が高いので、CxOなどのキャリアパスを選択できるのはITコンサルタントの強みでしょう。

以上、SIerとITコンサルタントを10個の視点から比較解説してきました。

分かりやすさを重視して誇張している面もありますが、両者の特徴としては大きく外してはいないでしょう。

次に両者の近年の傾向を紹介します。

近年はSIerとコンサル(ITコンサルタント)の境界はあいまい

SIerとITコンサルタントをそれぞれの軸で解説してきましたが、近年ではその境界はかなりあいまいになってきています。

SIerが経験知を活かしてITコンサルティング事業を展開する場合もあれば、ITコンサルティング会社が社員代替の形でSIer業を請け負うケースも多いです。

ITと経営戦略が密接に関わるようになっており、SIerとITコンサルタントははっきりとした線引きではなくグラデーションのような境界をイメージするとよいでしょう。

互いに得意や苦手分野などはあるものの、今後両者はさらにその境目を越えて良い競争相手になっていくことは間違いありません。

互いの強みを理解しながら、より自身の価値を上げられるよう情報をキャッチしていくのが得策となりそうです。

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今後どういったキャリアを考えているにせよ、多くの案件を見ておくことは確実にプラスにはたらきます。

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まとめ | SIerとITコンサルタントは役割は違うが、目的は同じ”顧客貢献”

この記事をとおして、以下のことがわかりました。

  • SIerは設計から保守運用、ITコンサルタントは戦略策定から要件定義と受け持つ役割が異なる
  • SIerは”言われたことを要領よくこなす固定報酬型”、ITコンサルタントは”泥臭く施策を提案する成果報酬型”
  • ”クライアントへの貢献”という同じ目的のもと、今後はより両者の垣根が低くなっていく見込み

SIerやITコンサルタントは担当している業務領域や役割が異なるっていることで比較しやすく、対立軸で語られることも多いです。

しかし、受け持つ役割は違えど、達成すべき目標は同じ”クライアントへの貢献”にほかなりません。

近年は互いの類似性から業務領域も明確ではなくなってきており、今後は人材交流もより活発になっていくでしょう。

互いによい刺激を与え続けながら、IT業界の発展やクライアントの価値創出に携わっていける、それがSIerとITコンサルタントの関係性です。

エイジレスは両者に転職したい人へのサポートを惜しみません。

ぜひ一緒に業界を盛り上げていきましょう。

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執筆者
shin_zo
大手銀行システム会社で9年のシステムエンジニア歴を経てITコンサルタントへ。2023年3月よりライター業をスタート。金融市場商品、特に外国為替予約(FX)とリーブオーダーに強み。IT領域では要件定義からリリース・保守まで各工程を一貫して経験。金融やITの記事を得意とし、株やETF、投資信託などの資産形成方法も楽しく勉強中。特技はドラム、趣味は愛猫と遊ぶこと。