フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの特徴・選び方を解説
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おいとま
十河幸恵
フロントエンドエンジニアとバックエンジニアのどちらかを選ぶ上で、「どのような仕事内容なのか?」「どちらが自分に向いているのか?」が気になる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの特徴と選び方を、それぞれの仕事内容・向いている人の特徴・選ぶ上での注意点を通じて解説します。
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- 【この記事を読んでわかること】
- フロントエンドエンジニアは、Webサイトの見た目を担当
- バックエンドエンジニアは、Webサイトの裏側で動く処理を担当
- フロントエンドエンジニアに向いているのは、「好奇心旺盛でデザインに興味があり、クリエイティブな作業が好きな人」
- バックエンドエンジニアに向いているのは、「地道かつ安定的でコンピューターやシステムに興味があり、裏方での作業が好きな職人気質な人」
おいとま
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの違いとは?
まずは、役割や仕事内容の観点で、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの違いをみていきましょう。
十河幸恵
フロントエンドエンジニアは、Webサイトの見た目を担当
Webサイトの視覚的な部分(ユーザーが閲覧・操作できる箇所)を担当するのが、フロントエンドエンジニアです。
ショッピングサイトに例えると、「商品一覧・商品説明の画面表示」や「商品購入時のクリック動作」が当てはまります。
バックエンドエンジニアは、Webサイトの裏側を担当
Webサイトのシステム内部(ユーザーの目に見えない箇所)を担当するのが、バックエンドエンジニアです。
ショッピングサイトに例えると、会員登録時の「ユーザー情報の保存」やカード決済時の「個人情報の読み込み」が当てはまります。
それでは、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの、それぞれに求められるスキルと業務の流れについて解説していきましょう。
フロントエンドエンジニアに求められる代表的な5つのスキル
Webサイトを作るためのHTML・CSS・JavaScript・PHPといった言語をはじめ、アプリ開発のためのJavaScriptフレームワークのノウハウも求められます。
代表的な5つのスキルについて、解説します。
HTML
HTMLでは、Webサイトのタイトルやメタディスクリプション(概要を紹介する説明文)、表示する文字・画像などを設定します。
CSS
CSSでは、HTMLで作成した文字や画像における色・サイズ・配置などを設定します。
ちなみに、HTML・CSSは、厳密にはプログラミング言語ではなく、それぞれ「マークアップ言語」「スタイルシート言語」と呼ばれています。なぜなら、「複雑な計算やデータ処理を行う」ためのプログラミング言語とは用途が異なるからです。
マークアップ言語(HTML)は、「文書の構造をコンピュータに指示をする」ことが目的です。
そして、スタイルシート言語(CSS)は「文書(HTML)の表示形式(スタイル)を指定する」ことが目的となります。
JavaScript(jQuery)
JavaScriptでは、「ポップアップウィンドウを表示させる」「クリックした画像を拡大する」など、Webサイトでさまざまな動きを設定できます。
また、JavaScriptライブラリの一つであるjQueryを使えば、JavaScriptよりもはるかに短く、簡潔なコードでの実装が可能です。
PHP
フロントエンドにおけるPHPでは、WordPressによるWebサイト構築にて使用されます。
WordPressとは、世界シェアNo.1のCMS(Contents Management System)として有名で、企業サイト・ブログといった複数ページにわたるWebサイトを効率よく作成可能です。
JavaScriptフレームワーク
React・ Vue.js・AngularといったJavaScriptフレームワークについても、最近注目を集めています。
おもに、Webアプリケーションや大規模なWebサイトの開発で用いられます。
フロントエンド開発における業務の流れ
1.初期設計
クライアントの要望をまとめた仕様書や設計書をもとに、Webサイトの全体図を設計します。
2.コンポーネント定義
ヘッダーやフッター、ボタンなどの共通パーツを設定します。
3.アクション・レスポンス定義
画面遷移・応答の表示・反応速度などの動作を設定します。
1.~3.の業務は、エンジニアではなく、Webデザイナーが担当することが一般的です。
4.コーディング
Webデザイナーが作成した指示書(デザインカンプ)をもとに、HTML・CSSなど各言語を用いて実装します。
5.ブラウザ検証
ブラウザ上に表示して、想定どおりに表示・動作しているかをテストします。
不具合が見つかったら、再度コーディングを実施(修正)します。
6.リリース
不具合を全て解決できたら、Webサイトを公開します。
バックエンドエンジニアに求められる代表的な6つのスキル
システム開発するための「プログラミング言語」「フレームワーク」のみでなく、「データベース」「サーバー」「クラウド」「セキュリティ」など幅広い知識が求められます。
代表的な6つのスキルについて解説します。
プログラミング言語
バックエンド開発では、Java・PHP・Rubyなどが代表的な言語です。
それぞれの言語で同じようなシステムを開発できますが、使用している言語は企業や案件によって異なります。
また、Java・PHP・Rubyそれぞれの特徴は、以下の通りです。
Java
Webサービスのみでなく、IT・ロボットなど幅広い分野に対応し、世界で最も使われている・最も需要が高いプログラミング言語です。
しかし、その他の言語に比べて、学習難易度は高くなります。
PHP
WordPressなどWebサービスに強いことが特徴で、「フレームワークが充実している」「HTMLとの親和性が高い」などの理由で、学習しやすい傾向にあります。
しかし、「Web以外の分野にも挑戦したい」「大規模プロジェクトに携わりたい」といった方にはJavaがおすすめです。
Ruby
「まつもとゆきひろ」氏によって生み出された国産のプログラミング言語で、PHPと同じくWebサービスに強いという特徴があります。
「楽しい」に焦点を当て、初心者にもやさしく読みやすい言語としても有名です。
しかし、PHPに比べると、国内での求人数や世界でのシェアが下がる点に注意が必要です。
フレームワーク
「開発を効率よく進めるための枠組み」を表し、以下の特徴があります。
- コードの記述量が減ることで、「開発スピードの向上」「バグの減少」が期待できる
- 言語によって多種多様で、JavaならSpring Framework、PHPならLaravel、RubyならRuby on Railsがその代表
- 開発規模や用途に応じて使い分けられるため、さまざまなフレームワークを習得することで、対応できる案件の幅が広がる
おいとま
データベース
「データを集約・管理し、簡単に取り出せる箱」のことで、PostgreSQL・MySQL・Oracleなどがその代表です。
データベースを構築する上で、以下の用語を最低限押さえておきましょう。
- テーブル設計:データベースの種類ごとの単位を「テーブル」と呼び、膨大なデータをどのようにデータベース上に保管するかを定義する作業
- SQL:データベースにデータを集約・管理するために必要な言語
おいとま
サーバー
「ネットワーク上の他のコンピュータからの指示を受けて、情報や処理結果を提供するソフトウェア」のことで、フロントエンド側がApacheなどのWebサーバー、バックエンド側がTomcatなどのアプリケーションサーバーが該当します。
おいとま
クラウドサービス
「インターネット経由でサーバーなどの資源を提供するサービス」で、身近な例ではGmailやGoogleドライブなどが該当します。
近年では、「サーバーやネットワークなどのシステム構築をするための環境」を提供してくれるクラウドサービスも登場しています。
Amazonが提供する「AWS(Amazon Web Services)」や、Microsoft が提供する「Azure」が最も有名です。
セキュリティ
不正アクセス、情報漏洩などのトラブルを防ぐための手法として、認証・暗号化・秘密鍵などの知識・スキルが求められます。
バックエンド開発における業務の流れ
1.要件定義
どのようなシステムを開発するか、クライアントの要望を満たすために必要な業務フローや性能を明確にします。
2.基本設計
利用するハードウェアやソフトウェア、プログラミング言語、画面の構成など、大枠の完成図を固めます。
3.詳細設計
基本設計をもとに、プログラムを組むうえで必要となる詳細な仕様を設計します。
1.~3.の業務は、プログラマーではなく、システムエンジニアが担当することが一般的です。
おいとま
4.開発
設計書の指示をもとに、プログラムを実装します。
5.テスト
設計書どおりに動くかのテストを実行します。
プログラム単体での単体テスト、複数のプログラムを組み合わせた統合テストなど、さまざまな項目で動作確認を実施します。
6.リリース
不具合を全て解決できたら、システムを公開します。
7.保守・運用
リリース後においても、システムが安定して稼働できるように管理しなければなりません。
保守・運用における代表的な業務は、以下の通りです。
- システムのトラブル対応
- データのバックアップ
- システムの稼働確認
- 定期メンテナンス
ほかにも、クライアントからの要望に沿って、機能追加や機能改修などを行う保守開発作業にも対応する必要があります。
続いて、「フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアのそれぞれに向いている人の特徴」について、見ていきましょう。
おいとま
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアのそれぞれに向いている人とは?
十河幸恵
「フロントエンドエンジニアに向いている人」「バックエンドエンジニアに向いている人」それぞれの特徴を紹介します。
一般的に「つらい」と言われる、覚悟するべきポイントについてもあわせて解説するので、フロントエンドかバックエンドのどちらを選ぶべきかの参考にしていただければ幸いです。
また最後に、フロントエンドとバックエンドの両方をマスターした「フルスタックエンジニア」についても紹介します。
フロントエンドエンジニアに向いている人の3つの特徴
フロントエンドエンジニアに向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 新しい技術を学ぶことが好きな人
- デザインに興味がある人
- クリエイティブな作業が好きな人
おいとま
それでは、一つ一つ解説します。
新しい技術を学ぶことが好きな人
発展途上のフレームワークなどの技術が多数あり、身につけた技術が古くなってしまうこともあります。
技術の進歩についていけるように、常に好奇心を持って新しいことを学ぶ意欲が必要です。
デザインに興味がある人
Webデザイナーと連携しながらコーディングを行うことから、コミュニケーションを円滑に行う上でデザインの知識を求められるケースがあります。
また近年では、UI(User Interface)やUX(User Experience)といった、「見やすさ」「使いやすさ」などのユーザー満足度に関する要素も重要視されています。
エンジニアもこれらの要素を意識・理解した上で、コーディングをしましょう。
クリエイティブな作業が好きな人
制作物が目に見えて出来上がっていく過程を楽しむことができるため、クリエイティブな作業が好きな人におすすめです。
また、ユーザーが実際に使う部分を作成することから「自分が担当した制作物をお客様に使ってもらっている」という実感を得やすいことも大きな魅力となります。
フロントエンドエンジニアが「つらい」と言われる3つのポイント
フロントエンドエンジニアを志す人は、以下の点を覚悟する必要があります。
- 新しい技術を学び続けなければならない
- 独学での習得も可能なため、競争率が高い
- ユーザーの目に触れることで、集客に影響を及ぼす
それでは、一つ一つ解説します。
新しい技術を学び続けなければならない
フロントエンドは、バックエンドに比べて技術の移り変わりが早いと言われています。
最新のトレンドについて、常に好奇心を持って前向きに学習を続けましょう。
独学での習得も可能なため、競争率が高い
HTML・CSS・JavaScript(jQuery)など、Webサイトを作るための基礎的なスキルは、独学でも2〜3ヶ月あれば習得可能です。
よって、バックエンドに比べると参入障壁が低く「転職活動の場合は、年齢の若さ」「フリーランスの場合は、高い営業力」など、スキル以外の要素が左右することがあります。
異業種での勤務経験で得たビジネス力や人脈などを活かして、周囲との差別化が大切です。
ユーザーの目に触れることで、集客に影響を及ぼす
「Webサイトの画面が崩れている」「ボタンを押しても反応しない」などといった不具合は、お客様からクレームを受けることになります。
サービスを正常に提供できないのみでなく、サービスを提供する会社のイメージ低下などにもつながるため注意が必要です。
確認作業を入念に行うことで、不具合を未然に防止しましょう。
バックエンドエンジニアに向いている人の3つの特徴
バックエンドエンジニアに向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 安定したスキルを身につけたい人
- コンピューターやシステムの仕組みに興味がある人
- 裏方での作業が好きな人
それでは、一つ一つ解説します。
安定したスキルを身につけたい人
フロントエンドのようにスキルの移り変わりが少ないため、一度スキルを身につければ、安定して仕事を進められるようになります。
難易度が高い分、競争率も低くなることから、転職・フリーランス市場において安定した高い需要が見込まれています。
コンピューターやシステムの仕組みに興味がある人
「コンピューターはどのように動いているのか」「システムはどのような処理をしているのか」など、知的好奇心がある人は、そうでない人に比べて圧倒的に理解が早くなります。
また、複雑な設計や構築を行うための論理的思考力や細かいミスを防ぐための集中力も必要となるでしょう。
裏方での作業が好きな人
ユーザーが直接見ることのない部分に関する作業が多く、裏方としてコツコツと安定的な仕事をしたい人におすすめです。
目立つものを作って世間的な評価を得るよりも、技術力を武器に、高性能・高信頼なシステムを作りたいといった職人的な「こだわり」を持った人も存分に力を発揮できるでしょう。
バックエンドエンジニアが「つらい」と言われる3つのポイント
バックエンジニアを志す人は、以下の点を覚悟する必要があります。
- 専門性が高く、範囲が広い
- 難易度が高く、独学での習得が難しい
- システム全体のベースを担うため、責任が重い
それでは、一つ一つ解説します。
専門性が高く、範囲が広い
プログラミング言語のスキルのみでなく、「サーバー」「ネットワーク」などシステム全体に対する幅広い知識が求められます。
一つ一つの分野が奥深いため、開発現場によっては「サーバーサイドエンジニア」「ネットワークエンジニア」「インフラエンジニア」といった形で細分化されるケースも多々あります。
可能な限り早い段階で、自分の好きな分野・得意な分野を見つけ、自分の専門分野を持つことがおすすめです。
難易度が高く、独学での習得が難しい
JavaやPHPなどのプログラミング言語の習得難易度は、フロントエンドで使用するHTML・CSS・jQueryなどに比べると圧倒的に高くなります。
プログラミングスクールに通ったとしても、最低でも3ヶ月は必要だと言われています。
挫折しないための入念な学習計画・適切な学習環境の選択が必要です。
システム全体のベースを担うため、責任が重い
小さな不具合でも「システム全体が使えなくなる」「顧客データが流出する」といった、重大なトラブルにつながる恐れがあります。
また、「システムが24時間稼働している」「早期の復旧が求められる」といった理由から、緊急対応や夜間対応を求められるケースも多々あります。
スキルのみでなく、心身のタフさが求められる仕事であることを頭にいれておきましょう。
フルスタックエンジニアを目指す
フルスタックエンジニアとは、フロントエンド・バックエンド問わず、システム開発のすべてを一人で担当できるエンジニアのことです。
フロントエンド・バックエンドそれぞれの知識やスキルを活かして、要件定義から設計、開発から運用まですべての業務に対応する能力が必要です。
よって、エンジニアとしての知識やスキルのみでなく、リーダーとしての素養や経験が求められる場合もあります。
また企業にとっては、「コストを削減できる」「開発の全工程を行える人材が少ない」といった特徴があることから、人材の取り合いが行われています。
フルスタックエンジニアは、市場価値が非常に高いことから、平均年収の大幅アップも期待できるでしょう。
フロントエンド・バックエンドのいずれかからスタートし、一定期間の経験を積んだら、もう片方のスキルを学習し、フルスタックエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか?
次は、フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアのキャリア支援サービスを紹介します。
おいとま
フロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニアの相談はエイジレスにお任せ
十河幸恵
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おいとま
まとめ|フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの特徴の違いを押さえよう!
おいとま
十河幸恵
本記事を通して以下のことがわかりました。
- フロントエンドエンジニアは、Webサイトの見た目を担当
- バックエンドエンジニアは、Webサイトの裏側の処理を担当
- フロントエンドエンジニアに向いているのは、「好奇心旺盛でデザインに興味があり、クリエイティブな作業が好きな人」
- バックエンドエンジニアに向いているのは、「地道かつ安定的でコンピューターやシステムに興味があり、裏方での作業が好きな職人気質な人」
IT業界における人手不足の影響で、フロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニアともに需要が高く、将来的にも安定的な発展が見込まれます。
よって、年収などの条件よりも、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニア両方の特徴を理解した上で、自身の適性にあった職種を選ぶことをおすすめします。
そして、「もっと年収や役職をアップさせたい」と思った人は、両方を使いこなせる「フルスタックエンジニア」を目指してみるのも一手でしょう。
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