なぜSIerはやめとけと言われるのか?直面する問題と対応策を解説

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「SIer」を検索すると、”やめとけ”とサジェストが出てくるのを見かけたことはないでしょうか。

”デスマーチ”の影響か、IT業界をブラックと見る風潮はいまだに根強く、IT業界の代表であるSIerが矢面に立たされている格好です。

本記事ではそんなSIerの現状をつまびらかにし、本当にやめておいたほうがいいのか、真相を明らかにします。

これからSIerを目指す人、SIerで転職を考えている人は、ぜひこの記事からなにかを持ち帰ってもらえたら幸いです。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • SIerを一律でやめとけというのはナンセンス、価値観との一致度を確認すべき
  • SIerはクライアントとの力関係や業界構造からやめとけと言う人がいるのも一定理解はできる
  • 他方で1次請け案件比率や福利厚生など、優良なSIerを見分けるポイントも多数存在
  • 自分の価値観と照らし合わせてSIerを選択するかどうか決めるのが最善の方法
CTACTA

【結論】SIerはやめとけ?→価値観が合致し優良なSIerならアリ

まず結論ですが、SIerは優良な企業も多く、一概にやめておいたほうがいい業種ではありません。

総務省の情報通信白書によれば、SIerに類するソフトウェア業を営む企業は2018年度で約3,600社を数えます。

中には、労働集約型として過重労働を強いるブラック企業が含まれているのは確かでしょう。

しかし、現在は転職市場も活発であり、労働者が企業を選べる時代になっています。

SIerも、構造的な問題を抱えつつも労働環境の改善に努めており、やめとけと言われるほどの劣悪な環境は減少傾向です。

そのため自分にとってプラスになるかどうか、会社の価値観やビジョンに共感できれば、SIerは十分選択肢となりえます。

では、具体的にどういったポイントで判断していくべきなのか、まずはSIerの業務内容などを見ながら考えていきましょう。

SIerとは|企業概要・分類・仕事内容など

具体的にSIerがどういった存在なのか、以下の3つの観点から詳細を確認していきましょう。

  • SIerとは”システム開発の全工程を支援する”企業のこと
  • SIerのおもな仕事内容
  • SIerは大きく3つに分類される

SIerとは”システム開発の全工程を支援する”企業のこと

SIerとは”System Integrater”の略称で、直訳すると”システム統合者”です。

現在の日本において、SIerとは”システムを統合して業務を成り立たせるための支援を行う会社”、と理解するとよいでしょう。

ではそんなSIerが、各システム開発工程でどういった仕事をしているのか、掘り下げていきます。

  • 要件定義・基本設計
  • 詳細設計・実装
  • 検証・保守

要件定義・基本設計

SIerの主たる戦場は、上流工程である要件定義や基本設計工程です。

元請け企業と各種調整を行いながら業務部門とやり取りをし、意見を吸い上げてシステム化計画を立案するのもSIerの仕事となっています。

そのため、上流工程を推進できる人材はSIerからの評価も高く、求人募集も恒常的にかかっていることが多いです。

詳細設計・実装

詳細設計・実装フェーズもSIerが活躍できる領域です。

実際の開発部分は孫請けとなる外部ベンダーへの発注が多く、SIerはレビューや管理などが主業務になります。

SIerが実装を行うパターンも存在しますが、数としては少ないです。

ものづくりのコアとなる部分の品質を上げていくのがおもな役割となります。

検証・保守

検証や保守でもSIerは業務の担当者となりえます。

結合テストやUATの工程において、実際にテストケースを作っての検証実施もあれば、PMO的な役割で検証を支援するパターンもあるでしょう。

より業務ユーザーに近い立場でITやSTを行っていくのがSIerの役割となります。

どの工程においても、”システムが発注者の意図に沿って動くため”に仕事を遂行するのがSIerの役割といえそうです。

SIerのおもな仕事内容

SIerがどんな業務を実施しているのか、以下3つに分解して確認していきましょう。

  • 要件定義・設計
  • 実装・検証
  • 運用・保守

要件定義・設計

まずは要件定義や設計です。

この工程ではクライアントの要望を詳しくヒアリングし、どのようにシステムに落とし込んでいくか俯瞰して考えていくのがメインの業務となります。

たとえば現状の業務がどのようになっているか、QA表を作成して現場メンバーにヒアリングをしたり、課題があればそれをどのように解消するか検討します。

ほかにも達成すべきサービスレベルの確認も重要です。

1時間に何件の処理をこなさなければいけないのか、1週間のうちメンテナンスなどで止まっていてよい時間はどれくらいなのかなど、細かなすり合わせを行います。

これらの情報を踏まえ、システムのどの画面でどんな処理をして、裏側で他システムとどのような連携をするか設計していく形です。

業務とシステム、その両方のデザインをしていくのがSIerの重要な役割となっています。

実装・検証

続いて実装や検証工程です。

まずは設計された内容をもとに、どうやってコーディングしていくか、技術方針や各種システム構成、具体的な連携プロトコルを決定していきます。

コーディングが完了したら、ブラックボックステストやホワイトボックステスト、境界値検証などシステム内での検証が必要です。

その後は連携している外部システムなどと、どのように検証を行うべきか検討・調整を実施し、上流から下流まで一貫しての結合テストを実施していきます。

検証ケースを作ったり実際に検証してみたりと、この工程でもSIerとして行うべき仕事は山積みです。

運用・保守

最後は運用保守の工程です。

システムが無事リリースされた後もSIerの仕事は終わりません。

本番環境で稼働するシステムの状態をチェックし、トラブルが発生したらその解消責任を負います。

このとき、ただクライアントの言い分を唯々諾々と受け入れるだけではSIerの名折れです。

SIerとしての単純な瑕疵なのか、それともクライアントが業務としてしっかりと仕様を提示できていなかったのか、責任の所在を確かにするのもSIerの重要な仕事となります。

どっちが悪いと追及していくのは多少気の重い仕事ですが、しっかりと原因の解明や対策のうち手を出せれば顧客からの信頼も獲得できることでしょう。

SIerは大きく3つに分類される

SIerはその成り立ちから大きく以下の3つに分類されます。

  • メーカー系
  • ユーザー系
  • 独立系

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メーカー系

メーカー系は、パソコンやサーバなどの機器も作っているSIerを指す言葉です。

おもな会社としては、富士通やIBM、日立製作所などが該当します。

機器の販売も行っていることから、大規模かつ有名な会社が多いのが特徴で、就職人気度としては比較的高めのランクに位置している企業群です。

ユーザー系

ユーザー系は、もともとはある会社の1部門だったのが独立・分社化した企業を指します。

具体的には、NTTデータや野村総研、日鉄ソリューションズなどが有名です。

その成り立ちから、グループ内向けの内販事業を取り扱っている企業が多く、またメーカー系と比較すると若干知名度が落ちるのが特徴となっています。

独立系

独立系とはその名のとおり、SIerとして興された企業をイメージするとよいでしょう。

具体的には、大塚商会やオービック、インターネットイニシアティブ(IIJ)などが、比較的知名度のある企業となっています。

独立系はメーカー系やユーザー系のようなしがらみがないことが特徴です。

販売する機器も自由に選ぶことができ、資本関係のある親会社の指示もない自由度がほかにない強みとなります。

SIerはその成り立ちにより、仕事のしやすさや構造的な問題にとらわれることがあるため、この点は意識しておくとよいでしょう。

以上、SIerの基本情報を3つの観点から解説しました。

続いて、SIerがなぜやめとけと言われてしまうのか、具体的な内容に踏み込んでいきます。

SIerが「やめとけ」と言われる4つの理由

SIerがなぜやめとけと言われるのか、その理由を以下の4つの側面からみていきましょう。

  • クライアントとの力関係ができやすい
  • 労働環境がクライアントのシステム開発理解度に依存する
  • ”中抜き”の業界構造
  • 管理業務が多く技術が身につきづらい

クライアントとの力関係ができやすい

SIerはクライアントとの力関係が明確になりやすいです。

SIerはシステム開発を発注してもらう側になるため、発注元であるクライアントの意向を尊重する必要があります。

建前上は対等な関係となりますが、選んでもらうSIerは数も多いため厳しい競争にさらされます。

ユーザー系など同じグループ内であればそこまででもないですが、独立系のSIerの場合は売上を上げるためにも発注してもらうことが重要です。

このような契約形態での上下関係や力学がはたらくため、SIerは御用聞きのようにクライアントのために無理をきかなければいけないことも多くなります。

こういったパワーバランスの偏りから、SIerはやめとけという人も一定数いるでしょう。

労働環境がクライアントのシステム開発理解度に依存する

クライアントのシステム開発理解度もSIerの労働環境に影響します。

システム開発は、数多くのプロセスやそれに応じた必要期間があります。

よく起きるのが、”帳票を1つ増やしてほしい、それくらいならすぐできるでしょ”などです。

クライアントとしては、ほかにも多数ある帳票をコピーして少しいじればできるだろう、くらいに思っている可能性が高いですが、SIerとしてはそうもいきません。

帳票の出力形式によってはミドルウェアが必要になる場合もありますし、帳票の項目設計やデータのマッピングの設計、画面へのボタン追加など各種の対応が必要です。

クライアント側の力が強く、かつシステム開発理解度が低い場合、上記の対応をリリース間際などに押しとおされると現場は一気に辛くなります。

SIerのクライアント依存度の高さを理由に、やめておけといっている人もいることでしょう。

”中抜き”の業界構造

SIerが属するIT業界の”中抜き”構造も難点です。

いわゆる発注元から子請け孫請けと、いくつも会社を経ていく構造的な問題があります。

発注元は500万円で子請けに発注し、子請けは300万円で孫請けに発注と連鎖していき、差額をマージンとして利ザヤを稼いでいる形です。

下にいくほど発注金額が下がっていき、下がった予算のなかでシステムを開発していく必要があるため労働環境が悪化しやすくなってしまいます。

発注サイクルの下流に位置しているSIerが、ブラックと呼ばれている可能性は高いでしょう。

管理業務が多く技術が身につきづらい

”中抜き”構造は発注サイクルの下流のみならず、上流にも”技術が身につきづらい”という弊害をもたらします。

中抜きは、言い換えれば開発依頼を横に流しているだけなので、子請けの会社では開発は行わずに稟議や予算管理など経理業務のようなものがメインとなります。

そのため、開発のスキルがほぼ身につかない点がSIerの問題点です。

さらにそれだけでなく、開発スキルが身についていないものの、上流にいることで下請けに対して強く出られるため、まるでその人自身の価値が高まったような錯覚に陥ることもあります。

こういった自身の市場価値を見誤る人が出やすい点も、SIerはやめておけといわれる原因のひとつでしょう。

以上、SIerがやめとけといわれる理由を4つ紹介しました。

続いてSIerの現場の声を確認していきましょう。

SIerの良い口コミ・悪い口コミを紹介

実際にSIerの現場に関する口コミを良い点、悪い点でそれぞれチェックしてみましょう。

良い口コミ

SIerで良かった点として、開発の上流にいる場合の労働環境の良さを挙げている人、転職時にとれる選択肢が増えたことを挙げている人がいました。

悪い口コミ

悪い口コミとしては、技術が身についていないにもかかわらず、出世してある程度の地位にいけることや、労働時間が長いことでワークライフバランスが下がっていることを挙げている人がいました。

IT業界の構造的な問題に起因して功罪明らかとなっているようです。

では、実際にどんなSIerならやめておいたほうがいいのか、具体例を次でみていきましょう。

「やめとけ」と言われるSIer企業の4つの特徴

入社を1度考え直した方がよいSIerの特徴は以下の4つです。

  • 多重下請け構造の下位に位置するSIer
  • 営業が開発に疎い
  • 法令やエンジニアの権利を守らない体質
  • 研修や資格取得サポートに乏しい

順番に掘り下げていきます。

多重下請け構造の下位に位置するSIer

1つ目は、発注サイクルで下流に位置するSIerです。

上でも述べたとおり、IT業界は中抜きを是とする構造的な問題があります。

そのため、下にいけばいくほど案件として獲得できる総額が低くなり、低単価になりやすいです。

低額で受注している経営態度に問題がありますが、この場合は現場のエンジニアたちにしわ寄せがいく可能性が非常に高まります。

1次請けの案件割合がどれくらいかなど、業界のどこに位置しているのかを確認するようにしましょう。

営業が開発に疎い

2つ目は、営業担当者がシステム開発の知識をあまり持っていない会社です。

システム開発案件も営業の人がいろいろな企業を回り、開発案件が受注できないか奔走しています。

このとき営業担当のシステム理解度が低い場合、無茶な納期や単価で案件を受注する可能性があります。

営業担当も、自身の売上目標があるためある程度仕方ありませんが、この場合も開発現場が無理をして帳尻を合わせる必要がでてしまいます。

営業担当へのシステム研修や、営業時にエンジニアがプリセールスとして同行しているかなど、案件受注の方式にも目を光らせておきましょう。

法令やエンジニアの権利を守らない体質

3つ目は、法令や権利を軽く見ている企業です。

労働基準法や36協定を無視した常態的な長時間労働、休日出勤の強制、有給消化をさせつつ勤務させるなどが挙げられます。

法律は人権を守り、人間が人間らしく生活するためのセーフティネットです。

この点を軽視している企業はこれからの転職時代を勝ち抜いていけるはずがありません。

完全週休2日制かどうか、会社全体での残業状態がどうかなどは確認しておくべきでしょう。

研修や資格取得サポートに乏しい

最後は会社のサポート体制です。

エンジニアは職務給の代表的な職種であり、技術を磨いてこそ個人や企業の価値を上げてくれる存在です。

それにもかかわらず、会社としてエンジニアの資格取得を助けたり、充実した研修を用意していなかったりするのはあまり良い態度ではありません。

ベンチャーなど成長途上の企業でもない限り、企業の社員サポート体制がどの程度整っているかは、労働環境を測る物差しとなることを覚えておきましょう。

以上、SIerの危険度を察知するための指標を4つ紹介しました。

いずれも、入社前の段階ですべてを推し量れるものではありませんが、いずれか1つでも疑わしい要素が出てきたら要注意です。

各種口コミサイトなどでのチェックを怠らないようにしましょう。

避けるべきSIerの特徴を学んだ次は、優良なSIerを見分ける方法を紹介していきます。

ブラックなSIerばかりじゃない|優良なSIerを見つけるポイント

SIerは負の側面ばかりではなく、当然優良な企業も存在しています。

そんな企業を見つけるポイントは以下の4つです。

  • 雇用されていた人の口コミや評判
  • 企業の公式SNS
  • 受注している案件の比率
  • 充実した福利厚生やサポート制度

雇用されていた人の口コミや評判

優良な会社を見きわめる最大のポイントは、”実際に働いていた人の声”です。

これにまさるものはありません。

口コミサイトや転職サイトなどを見れば、おおむねほとんどの企業の口コミの参照が可能です。

有名企業であればなおさらで、その人が働いていたときの労働時間や人間関係、給与や転職先などの情報を事細かに得ることができます。

これから入社を検討しているSIerがある場合、口コミのチェックは必ずするようにしましょう。

企業の公式SNS

続いて、企業のSNSをチェックするのもポイントです。

最近では公式のSNSアカウントを開設し、そこから情報発信を行っている企業も多くなってきています。

公式ではないものの、アカウント名に社名を掲げて情報発信している人も多いため、こういった人たちの情報をチェックしておくのもよいでしょう。

このとき、SNS上の活動を少しくだけた感じでやっている企業よりも、ちょっとつまらないなぁくらいの堅い感じで運用している企業のほうが会社としての信頼度は高いかもしれません。

なぜこのアカウントはこういった情報を発信しているのか、その背景を想像する視点を持つと、より有意義なSNS巡回ができるでしょう。

受注している案件の比率

受注案件の比率を確認するのもおすすめです。

具体的には、1次請けの案件がいくつあるのか、この点に尽きます。

ユーザー系やメーカー系などであれば1次請け比率がほとんどです。

逆に独立系や、ベンチャーで起業間もない会社などは、まずは2次請けや3次請けなどの案件で実績を積もうとしている場合があります。

もちろん、3次請けだから絶対にブラックというわけではありませんが、1次請けに比べて可能性が高まる可能性は高いです。

1次請けを多く獲得している企業のチェックはしっかりと行いましょう。

充実した福利厚生やサポート制度

最後は福利厚生やサポート制度です。

これは、社員をいかに尊重しているかを示す企業の態度にほかなりません。

家賃補助や子ども手当て、持株制度や確定拠出年金制度、生理休暇やアニバーサリー休暇などの休暇制度などが該当します。

また、これらがただ存在しているだけでなく、実際に利用されているかも重要です。

株主や求職者に向けた外向きのハリボテではなく、社員の人たちがきちんと利用している血の通った制度かどうか確認するのもよいでしょう。

社員を大事にしている会社はそれだけで在籍する価値があります。

以上、優良SIerを見分けるポイントを4つお伝えしました。

もちろんこれ以外にも、財務諸表などをはじめとして確認すべきポイントは多いです。

しかし、手軽にある程度の確度をもった情報をSNSなどで探せる時代でもあるため、全体感や全体の中での企業の立ち位置や雰囲気をつかむのに、上記は有益な手がかりとなることを覚えておいてください。

続いてはSIerに向いている人の特徴を紹介します。

SIerで働くのもアリ|SIerに向いている人の3つの特徴

SIerに向いている人の特徴を以下3つ紹介します。

  • 業種にとらわれずにシステム開発を経験したい人
  • 新卒でとにかくシステム開発の仕事をやってみたい人
  • いろいろな人とのコミュニケーションが苦じゃない人

順番にみていきましょう。

業種にとらわれずにシステム開発を経験したい人

さまざまな業界やサービスでシステム開発をしたい人にSIerはおすすめです。

システムは、どんな業界でも使われる普遍的なサービスとなったため、SIerはいろいろな方面で活躍しています。

ユーザー系など親会社の領域に特化したSIerもありますが、独立系などは手広くさまざまな業界の案件を受注していることも多いです。

まだまだ自分のやりたいことがわからないから、とりあえずいろんな業界でシステム開発経験を積みたい、そう考えている人にとってSIer以上にふさわしい会社はありません。

新卒でとにかくシステム開発の仕事をやってみたい人

新卒でシステム開発をすぐにでもやりたい、そんな人はSIerを受けてみるのがよいでしょう。

SIerは”人月商売”といわれるように、多くのエンジニアを多くの開発案件で稼働させることで利益の拡大を狙うのが普通です。

そのため、SIerは採用数も相応にあり、若年時からクライアント先に常駐して開発する経験を積むこともできます。

また近年は開発作業の内製化も進んでおり、クライアント先だけでなく社内で利用するシステムの開発や、1次請けとしてシステム開発力を強化しようとする機運も高いです。

とりあえずなんでもいいからシステム開発に手をつけたい、そんな人はSIerの門を叩きましょう。

いろいろな人とのコミュニケーションが苦じゃない人

コミュニケーションを強みにしている人もSIer向きです。

SIerは、クライアントやSIerの社内各部署、子請けの営業担当や開発リーダーなど、さまざまな人との接点があります。

それらの人々と折衝や調整を行いながら、クライアントが望むシステム成果物を納入するのがSIerの仕事です。

親切な人も多いですが、力関係を振りかざしてくるクライアントや、職人気質で気難しい子請けのエンジニアも一定数存在します。

いろいろな人の多様性を受け入れながら物事を前に進めていける、そんな高いコミュニケーション能力を持っていればSIerでやっていける可能性は高いでしょう。

以上、SIerに向いている人の特徴を3つ紹介しました。

続いてはSIerを選ぶうえで大切な考え方を確認してみましょう。

SIer以外の選択肢も考えることが重要

SIerを受けるにあたって、SIer以外の選択肢も持つようにしましょう。

具体的には以下3つが挙げられます。

  • 自社開発企業
  • SES
  • フリーランス

自社開発企業

まずは自社製品開発を行っている企業です。

SIerはシステム開発を支援する企業ですが、それに対して特定のプロダクトを持っている会社が相当します。

具体的には、勘定奉行でおなじみのオービックや、家計簿や財務管理で同名のアプリケーションを提供するマネーフォワードなどです。

自社開発企業の強みは、なんといっても”唯一無二のプロダクトを持っている”点です。

会社としてのウリを持っているとエンジニアはその開発を行い、全社的にもプロダクトを中心としてまとまりや帰属意識を醸成しやすくなります。

プロダクトを起点とした開発や、愛社精神をもって働けるのは、SIerにはない大きなメリットとなるでしょう。

SES

SESも検討すべき会社業態です。

SIerと似ている面も多いですが、SIerがシステム開発工程全般を支援するのに対し、SESは局所的に開発を行うことが多くなります。

たとえば、SIerは設計からリリースまで担当し、SESは実装から単体テストまでエンジニアを3人だけ契約するなどです。

そのため、エンジニアとして扱える言語や経験など、個人のスキルセットや開発力がそのまま単価に反映されます。

自分の力量がそのまま売上になる、ある種の実力主義を感じたい人にとって、SESは魅力的に映るのではないでしょうか。

フリーランス

最後はフリーランスという働き方です。

SESと同じく、個人の力量が売上を決める働き方ですが、フリーランスは企業にも属さずその身1つで働くことになります。

企業という後ろ盾を失いますが、その分自分にとって気持ちのいいやり方ができたり、自分の頑張りがそのまま売上になっていくのは会社員では得られない経験です。

自分の道は自分で切り開いていく、そんな性格の持ち主はフリーランスこそ最適な生き方なのかもしれません。

以上、SIer以外の選択肢を3つ紹介しました。

なにかを選ぶとき、そのもの以外の選択肢や視点を持つことは非常に重要です。

ほかの業界ではあたり前のことができていない、などの欠点を見つけられたり、その業種でしか得られない経験を理解できます。

みずから情報を獲得し、吟味して最終的な決断を下せれば、そうでないときと比較して間違いなく人生や選択の納得感が高まります。

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今後どういったキャリアを考えているにせよ、多くの案件を見ておくことは確実にプラスにはたらきます。

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まとめ | SIerはやめとけを鵜呑みにするのは浅慮、自分なりに熟考する過程を大事にしよう

この記事をとおして、以下のことがわかりました。

  • SIerを一律でやめとけというのはナンセンス、価値観との一致度を確認すべき
  • SIerはクライアントとの力関係や業界構造からやめとけと言う人がいるのも一定理解はできる
  • 他方で1次請け案件比率や福利厚生など、優良なSIerを見分けるポイントも多数存在
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SIerはやめとけと言われてしまう理由と、なぜそんな風に言われるのか成り立ちや背景を解説してきました。

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エンジニアとしてSIerは自分に向いている働き方なのか、SIerに勤めるのが本当に正解なのか、新卒者や転職者は不安になることも多いと思います。

しかし、そうやって不安になっているときこそ、しっかりと考えるチャンスがきたと考えてみてください。

あまたある情報を比較検討し、自分が納得できるまで嚙み砕いて腹落ちさせ、勇気をもってその企業に飛び込んでみる、このプロセスが人生を豊かにするのは疑いようのない事実です。

これからの人生を実りあるものにするためにも、しっかりと悩みぬいてみてください。

エイジレスがその一助となれれば幸いです。

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執筆者
shin_zo
大手銀行システム会社で9年のシステムエンジニア歴を経てITコンサルタントへ。2023年3月よりライター業をスタート。金融市場商品、特に外国為替予約(FX)とリーブオーダーに強み。IT領域では要件定義からリリース・保守まで各工程を一貫して経験。金融やITの記事を得意とし、株やETF、投資信託などの資産形成方法も楽しく勉強中。特技はドラム、趣味は愛猫と遊ぶこと。