初心者必見!iOSアプリの開発・収益化方法など徹底解説!
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iPhoneの国内シェアが広がり、プログラミング初心者の人にもiOSアプリ開発への関心が高まっています。本記事では、iOSアプリ開発についてさまざまな観点で解説していきます。iOSアプリ開発に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 【この記事を読んでわかること】
- iPhoneのシェアは国内トップ
- iOSアプリの多くはXCodeを利用して開発されている
- 主要開発言語は「Swift」や「C#」、「Object-c」
- iOSアプリ開発は個人でも開発可能
- アプリ内広告やアプリ内課金などiOSアプリの収益形態は豊富
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iOSアプリの基礎知識
スマートフォンOSであるiOSのアプリを開発するうえで、基礎知識として概要やできること、世界や日本でどれだけ利用されているのか理解することはとても重要です。
こちらでは、iOSアプリの基礎知識として、以下について解説していきます。
- そもそもiOSアプリとは
- iOSアプリでできること
- iOSアプリのシェア率
それぞれ詳しくみていきましょう。
そもそもiOSアプリとは
iOSアプリとは、Apple社が開発したスマートフォン向けの代表的なOSであるiOSを搭載したiPhoneやiPad、iPod touchなどのデバイス上で動作するアプリケーションのことをさします。iOSアプリは、元々端末にデフォルトでインストールされている場合や、App Storeからダウンロードすることで入手可能です。
WEBブラウザで動作するWEBアプリと異なり、アプリによってはインターネットへの接続が不要で、WEBサイトを経由せずすべての処理がiOS端末上で完結するアプリもあります。
おもに利用されるプログラミング言語は、Swift・C#・JavaScript・Dartなどで、そのほかにもAi開発の観点でも注目を集めている「Python」もiOSアプリ開発に利用されています。
iOSアプリでできること
iOSアプリにできることはさまざまで、できることの可能性は無限の可能性があると言えます。こちらでは、iOSアプリでできることの例をいくつかピックアップして紹介します。iOSアプリでできることの例は以下のとおりです。
- ゲーム
- SNS
- コンテンツプラットフォーム
- eコマース
- フィットネス
- ナビゲーション
- 教育
- コミュニケーション
- 写真や動画管理
上記は、iOSアプリでできることのほんの一部で、開発者ごとに独自のアイデアを実現するための開発ができます。
iOSアプリのシェア率
iOSアプリのシェア率として、国内・国外のシェア率を理解することが重要です。公正取引委員会が2023年2月に発表した「モバイルOS等に関する実態調査報告書」によると、2022年の日本におけるiOSシェアは利用端末台数ベースの調査で44.6%、ページビュー数ベースでの調査で67.11%となっています。
また、国内におけるApp Storeの売上高は、2021年で1兆5900億円となっています。これはGoogle Playよりも5,000億以上も高い金額です。そのため国内でのiOSアプリのシェア率は、Androidアプリよりも高い傾向にあることが分かります。
一方、世界のモバイルOSシェアでは、2018年以降iOSとAndroidのシェアがシェアのほぼ100%を維持していることが特徴です。その中でもiOSシェアは、2022年12月時点で28.37%と世界2位の高いシェア率をほこり、世界的に見た時にAndroidの方が大きなシェアを持っていることがわかります。
国内では、iOSの方がシェアは大きいですが、世界的にみるとAndroidのシェアが大きいです。それでも世界シェア2位を誇るため、iOSアプリ開発を目指すことは、国内外で活躍できる可能性を秘めていると言えるでしょう。次章では、実際にiOSアプリの開発手順について見ていきます。
参考:モバイルOS等に関する実態調査報告書|公正取引委員会
参考:Statcounter「Mobile Operating System Market Share Worldwide」(2022 年 12 月)
iOSアプリの開発手順
iOSアプリ開発を勉強する上で、基本となる開発手順を理解することは重要です。iOSアプリの基本となる開発手順を理解することで、開発計画の設定しスケジュールを組む際に役立ちます。こちらでは、iOSアプリの開発手順について、各工程に分けて紹介していきます。
iOSアプリの開発手順は以下のとおりです。
- 開発環境の設定
- アプリのアイデアを設定
- プロトタイプ作成
- 開発
- テストとデバッグ
- リリース
- 運用
それぞれ詳しく見ていきましょう。
開発環境の設定
iOSアプリの開発を行う上で、まずは開発環境の設定を行います。iOSアプリの開発環境には、Appleが提供する統合開発環境であるXcode・AndroidやWebアプリにも対応したクロスプラットフォームであるFlutter・React Native・Xamarinなどもあげられます。
上記の開発環境の中でも、iOSの開発元であるApple社が提供するXcodeが特に一般的です。こちらでは、Xcodeを開発環境とした開発環境設定方法を紹介します。XcodeでiOSアプリを開発する上で必要な環境を設定するために、おもに以下の準備が必要です。
- パソコン(特にMac)を準備
- Xcodeのダウンロード・インストール
- iPhoneやエミュレーターの準備
それぞれ詳しくみていきましょう。
パソコン(特にMac)を準備
iOSアプリ開発に使用するためにパソコンの準備が必要です。iOSアプリ開発に利用できる開発環境はMacやWindowsどちらでも利用できるものがありますが、iOSアプリ開発に特化したXcodeは、Macでしか利用できません。そのためiOSアプリ開発を考えている場合は、準備するパソコンにはMacを選ぶことがポイントです。
Xcodeのダウンロード・インストール
Xcodeは、iOSの開発元であるApple社が提供する統合開発環境です。Apple公式の開発ツールのため、iOSアプリ開発に必要な機能がすべて備わっています。またコード補完機能などコーディングをしやすくする機能にも優れているため、初心者の人でも慣れると使いやすい仕様です。Xcodeは、App Storeなどからダウンロードができます。
iPhoneやエミュレーターの準備
iOSアプリ開発で重要なテスト作業を行う場合、Macだけでは行えません。そこでテスト用のiPhone実機やエミュレーターの準備が必要です。また実機でチェックすると要件通り動かない場合も珍しくありません。そのため、実機でのテストがおすすめです。
アプリのアイディアを設定
アプリのテーマを企画・設定するプロセスでは、どんなアプリを作るかのアイデアを設定するために、アイデアの洗い出し・市場調査・ターゲットユーザーの設定などさまざまな準備が求められます。こちらでは、アプリのアイデアを設定するために必要なことを解説していきます。
アプリのテーマを企画・設定するために重要な手順としては以下のとおりです。
- アイデアをリストアップ
- 市場調査と競合分析
- ターゲットユーザーを設定
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アイデアをリストアップ
iOSアプリのアイデアを設定するために、まずはどんなものでも良いのでアイデアを出してリストアップしていきます。個人や組織での開発に関わらず、アイデア出しの段階では、質よりも量を意識してアイデアを出すことがおすすめです。
ある程度アイデアを出したら、精査してテーマに見合うアイデアを決めて、アプリのメインテーマに設定します。
市場調査と競合分析
iOSアプリを含むスマートフォンアプリ市場は開発技術など日々進歩しており、ニーズの変化が激しいです。また、スマホアプリの売上高が年々上昇している影響で、多くの会社がさまざまなアプリをリリースしています。そのため、よほど革新的なアイデアのアプリでない限り似たようなアプリが開発されている可能性が高いです。
そのため、市場調査と競合分析を行わないと競合との対立が起きてしまいます。競合との対立を防ぐには、開発しようとしているiOSアプリの立ち位置を理解するために市場調査と競合分析は重要です。
ターゲットユーザーを設定
開発するアプリのターゲットユーザー次第で、アプリの機能やデザインは大きく変わってきます。そのため、企画段階で利用するターゲットユーザーを明確にすることは重要です。ターゲットユーザーを定めずに開発をしてしまうと、ユーザーニーズを満たさないアプリを開発してしまい誰にも使われない可能性があります。
確実にアプリを利用してもらうためにも、性別・年齢・ユーザーが困っていることなど具体的なユーザーのニーズを固めて、ターゲットユーザーを設定していきましょう。
プロトタイプ作成
企画・設計したテーマやアイデアを基に要件定義や設計書を作成後、プロトタイプを作成してアイデアの機能やデザインの検証を行います。
プロトタイプとは、開発初期に作成する試作品のことです。プロトタイプを作成することで、早い段階でアプリの問題点や改善点の確認ができます。早い段階で問題点や改善点に気づくことで、開発の手戻りを減らし、アプリ開発にかかる時間とコストを少なくできるでしょう。
特に、企画で設定したアイデアやデザイン、ユーザビリティの検証やテストにはプロトタイプのアプリが有効です。早い段階で頻繁にテストを行うことで、アプリの品質の向上につながります。iOSアプリの開発の場合は、実機やエミュレーターを活用してプロトタイプの検証やテストが可能です。
開発
プロトタイプの作成で、設定したアイデアやユーザビリティなどに問題がないと検証できた場合、アプリ実装に向けた本格的な開発を行います。複数人で開発を行う場合は、都度進捗を確認してスケジュールや品質に問題のずれを修正していくことが必要です。
iOSアプリの多くは、定期的にアップデートが行われます。そのため、コーディングの際にはその後誰がアップデートに携わっても対応できるよう、コメント記述などで見やすい状態にしておくことがおすすめです。
テストとデバッグ
iOSアプリ開発が完了後、次はテストとデバッグです。テストは、開発したiOSアプリのプログラムが設計書通りになっているかや不具合がないかをチェックします。デバッグはプログラムの不具合の原因を解析し、修正する一連のプロセスを指します。
iOSアプリ開発を含めた多くの開発現場において、不具合の起きないプログラムはほぼ存在しないと言っていいでしょう。そのため、綿密なテスト計画を立てて不具合や改善点を検知し、デバッグしていくことでiOSアプリの品質を担保しています。
テストとデバッグは、準備したiPhone実機やエミュレーターを活用して行いましょう。
リリース
テストやデバッグで改善点や不具合を修正して問題がなくなれば、iOSアプリをAppStoreにリリースします。AppStoreにアプリをリリースする場合、以下の手順で準備が必要になります。
- Apple Developer Programに登録
- Apple IDの作成
- App Store Connectに登録
- App Store Connectにアプリ情報を登録
- iOSアプリをApp Storeにアップロード
- アプリ審査
- リリース
Apple Developer Programを利用する際には、毎年99ドルの登録が必要になります。不具合などが審査時に検知されると審査に通らない可能性があるため、もし不具合やバグで審査に通らなかった場合は、再度テストとデバッグを行い提出しましょう。
運用
iOSアプリをストアにリリースしても、そこで開発業務終了ではありません。その後に不具合が発生しないようにアプリの運用・保守を行うことも開発手順の1つです。アプリの運用・保守を行う一環として、リリース後もユーザーニーズに合わせて適宜アップデートやバグが発生した場合の修正対応などを行います。
特にアプリゲームなどの場合は、週1や月1ペースでのアップデートは珍しくありません。そのため、iOSアプリ開発プロジェクトを行う場合は、リリース後の運用業務も重要です。次章では、iOSアプリの開発に必要な知識について解説していきます。
iOSアプリの開発に必要な知識
こちらでは、iOSアプリの開発に必要な知識やスキルとして、以下の4つを紹介していきます。
- プログラミング言語の知識
- 開発ツールの知識
- iOS公式UIガイドライン「Human Interface Guidelines」の知識
- その他デザインスキル
それぞれ詳しくみていきましょう。
プログラミング言語の知識
iOSアプリ開発において、プログラミング言語の知識は必要不可欠です。iOSアプリ開発に利用されるプログラミング言語としては以下があげられます。
- Swift
- C#
- Objective-c
それぞれ詳しく解説していきます。
Swift
Swiftは、Apple社が2014年に開発したオープンソースのプログラミング言語です。Apple社がリリースしていることもあり、iOSなどのApple製デバイスのアプリ開発において公式標準開発プログラミング言語に指定されています。後述するObject-c言語をベースに、iOSアプリ開発用に作られているためiOSアプリ開発初心者でも扱いやすい言語です。
特に、コーディングのシンプルさや処理スピードの速さ、高いエラーの検出能力など開発を手助けしてくれる特徴が多くあります。
また、Swiftはプログラミング言語としての人気が高く、参考文献や情報の多さから、初心者でも学習のしやすい言語といえるでしょう。
C#
C#とは、マイクロソフト社が開発したプログラミング言語です。C++やJavaを基に開発されているため、オブジェクト指向をもったプログラミング言語で、文法もJavaに似ています。
統合開発環境のVisual Studioに対応しており、フォームにボタンやテキストボックスをドラッグアンドドロップで配置するなど、手軽にキレイなGUIアプリケーションの開発ができることがポイントです。
C#は、Xamarinなどにも対応しており、XamarinとC#を組み合わせることでAndroidやiOSなどのアプリ開発が可能になりました。Androidアプリ、iOSアプリの両方で活用できるため、今後も需要が高まるプログラミング言語といえるでしょう。
Objective-c
Objective-CはC言語をベースにオブジェクト指向化されたプログラミング言語で、Swiftが開発される前まで、Apple製デバイスやアプリの公式開発言語に位置づけられていました。Objective-cを分かりやすくしたプログラミング言語がSwiftとなるため、今から始めるという方は、Objective-cを選ぶと難しく感じるでしょう。ただ、Swift普及前は、Objective-cがiOSアプリなどの開発に特化していたため、Swiftに未反映だったり出来ないライブラリを活用したりすることができます。そのためiOSアプリ開発言語の勉強としてもおすすめです。
開発ツールの知識
iOSアプリ開発を行う上で、開発ツールの知識を理解することはとても重要です。iOSアプリ開発ができるツールはプログラミング言語や作りたいアプリの種類によっても異なりますが、こちらでは特に一般的なiOSアプリ開発ツールを解説していきます。iOSアプリ開発ツールとして一般的な例は以下のとおりです。
- Xcode
- バージョン管理システム(Git)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
XCode
XCodeは、2003年10月にAppleからリリースされた統合開発環境で、iPhone・iPad・MacなどのApple製デバイスで使用するアプリ開発に特化した開発環境です。ダウンロード方法は簡単で、App Storeから無料で行えます。ただし、XCodeはMacのみ対応しているため、iOSアプリ開発を考えている場合はMacの準備が必須です。
XCodeはプログラミング初心者でもアプリ開発しやすいように、コードエディター機能が充実しています。また、コーディングしなくてもボタンやラベルなどをドラッグアンドドロップで配置して画面を作成できるなどの機能も充実しています。後述のバージョン管理システム(Git)と連携することでソース管理も簡単になるため、iOSアプリ開発初心者の人は必見の開発ツールといえるでしょう。
バージョン管理システム(Git)
バージョン管理システム(Git)とは、プログラムの変更履歴を記録・復元などを容易にするための分散型バージョン管理システムです。開発したアプリのソースコードが格納された元フォルダを、ローカルフォルダにコピーして自由に編集ができることが特徴です。差し戻しが発生した場合でも、いつでも任意のバージョンに戻せます。
iOSアプリは、開発するアプリの分野によっては更新頻度が高い場合が多いため、バージョンが変わるたびに手動でバックアップをとることは効率的ではありません。バージョン管理システムを利用することで、更新頻度の多いiOSアプリ開発でも容易にリストアできます。
iOS公式UIガイドライン「Human Interface Guidelines」の知識
Human Interface Guidelines(HIG)とは、Appleがアプリ開発者向けにUXを高めるためのインターフェースデザインのポイントや、テーマなどをまとめたガイドラインです。iOSを含むApple製品の多くが、このHIGの考え方を基にデザインされています。
デザイン原則やテーマは、ユーザー主体の考え方が根底にあるため、Apple製品だけでなく、さまざまなWebコンテンツのデザインにも応用ができます。
HIGでは、アプリ開発におけるデザインテーマやデザインの原則などについて解説されていることが特徴です。HIGに置けるデザイン原則には、以下の6種類があげられます。
- Aesthetic Integrity(美的整合性)
- Consistency(一貫性)
- Direct Manipulation(直接的な操作感)
- Feedback(フィードバック)
- Metaphors(メタファーの利用)
- User Control(ユーザによる制御)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Aesthetic Integrity(美的完成度)
Aesthetic Integrity(美的完成度)のデザイン原則では、アプリのインターフェースはただ配置するのではなく、アプリの目的や機能とマッチしたデザインが求められます。アプリデザインをする上で、アイコンやボタンは多すぎても少なすぎてもUXを損なわせてしまうため、バランスを考えたデザインが必要です。
アプリの目的と機能にマッチした美的完成度の高いデザインをすることで、視覚的美しさをユーザーに与えて長時間の利用に対するストレスを軽減してくれます。
Consistency(一貫性)
Consistency(一貫性)の原則では、ユーザーのアプリ機能理解を支援するために、インターフェースのデザインに一貫性を持たせることが求められます。インターフェースに一貫性を持たせることで、アイコンをみただけでその機能が何を意味するのかをユーザーが予期しやすいです。
Direct Manipulation(直接的な操作感)
Direct Manipulation(直接的な操作感)の原則では、ユーザーが画面上のコンポーネントを直感的に操作できるようなデザインとして、画面操作への理解を促すことが求められます。たとえば、ファイルなどのコンテンツを操作するために、アイテムをタップしたりドラッグアンドドロップをしたりすることで、視覚的に操作している感覚をユーザーに与えるデザインがよく利用されています。
Feedback(フィードバック)
Feedback(フィードバック)の原則では、ユーザーの画面操作の結果を視覚や聴覚、触覚などへのフィードバックを通して実現することが求められます。たとえば、Apple課金画面では、支払い処理時に音やバイブレーション機能を活用して決済が完了したことをユーザーに理解させています。このように、視覚や聴覚、触覚を活用してユーザーの行動の結果がどうなったのか明確にすることでUXの向上につながるでしょう。
Metaphors(比喩の活用)
Metaphors(比喩の活用)の原則では、ユーザーが経験したことのある比喩を用いてアプリ理解へのハードルを下げることが求められます。たとえば、ボタン・スイッチ・スクロールバーなど実際に現実にあるモノをモチーフにデザインされているアイテムは、どのように動作するのか一目でユーザーに理解させることが可能です。
現実にあるモノの比喩を活用することで、簡易的かつ理解されやすいデザインにできるため、積極的な利用が勧められます。
User Control(ユーザによる制御)
User Control(ユーザによる制御)の原則では、アプリに関する意思決定の権利は常にユーザーにあるという考え方です。サイトやアプリへのiOS機能利用許可やアプリ機能終了時など、望ましくない結果を伴う場合も含めて明確にユーザーに伝達し、意思決定してもらうデザインや動作が求められます。
その他デザインスキル
iOSアプリ開発では、機能のコーディングだけでなく多くの人に利用してもらうためのデザインも重要です。そのためiOSアプリ開発に携わりたいと考えている場合、デザインへのスキルや知識が求められます。こちらでは、iOSアプリ開発に求められるデザインスキルを解説していきます。
- UI/UXデザイン
- マテリアルデザイン
- デザインツール
それぞれ詳しく見ていきましょう。
UI/UXデザイン
UIとは、User Interface(ユーザー・インターフェイス)の略称で、サービスやプロダクトとユーザーの接点を意味します。UXとはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略称で、サービスやプロダクトを通して得られるユーザーのすべての体験を意味します。そのためUIはUXの要素の1つと言えるでしょう。
このUI/UXデザインを考えるうえで、重視したいポイントがいくつかあります。これらを意識して、UI/UXデザインをアプリに取り入れられるようにしましょう。UI/UXデザインを考えるうえで重視したいポイントは以下のとおりです。
- ユーザー視点に立ってデザインすること
- ターゲットユーザーを設定すること
- UI/UXデザインの目的を明確にすること
- 競合サービスとの比較をすること
日々、さまざまなiOSアプリがリリースされる中で、ユーザー視点に立ったUIやUXが求められるようになりました。このUI/UXデザインスキルを活用して、ユーザー視点に立ったアプリのデザインをしていきましょう。
マテリアルデザイン
マテリアルデザインとは、2014年にGoogleが提唱し推奨しているデザイン手法のガイドラインです。おもに、Androidアプリを含むGoogleが提供するサービスのデザインが、このマテリアルデザインの考え方で作成されています。iOSアプリで活用することは少ないですが、デザインの基礎や参考にできるため、こちらではマテリアルデザインについて紹介していきます。
マテリアルデザインは、現実世界の物理法則をルールに取り込んだデザインを基礎として、基本的な操作性とユーザビリティを重視していることが特徴です。具体的なルールとして、紙やインクのルールがあげられます。
紙のルールでは、現実世界で紙を複数枚重ねて浮かした状態にすると影ができることが特徴です。そのため、画面上でも同様にボタンやアイコンが重なる場合に枠に影をつけることで、立体感を出します。インクのルールでは、影をつける際の色の濃さやコンテンツの階層に合わせた配色など印刷物と同じルールをデザインに落とし込むことがポイントです。
マテリアルデザインの考え方を理解することで、iOSのデザインを考える手助けとなります。
デザインツール
iOSアプリやWebアプリのUIデザインを作成する際に、デザインツールの利用が有効です。特にUI製作に特化したUIデザインツールの知識やスキルを持っていることは、iOSアプリ開発において大きなメリットになりえます。
UIデザインツールの種類は幅広く、またそれぞれで強みや特徴などが異なることがポイントです。そのため自分の作業環境や目的に合わせたUIデザインツールを選択しましょう。おもなUIデザインツール例として、以下の5つがあげられます。
- Adobe XD (※公式サポート終了)
- Figma(フィグマ)
- Sketch(スケッチ)
- InVision Studio
- Framer (フレーマー)
無料プランの利用可能なデザインツールもあるため、自分に合っているかお試しで利用してから決めることができます。もし業務として本格的に利用したい場合は、月額契約も視野に入れておくと良いでしょう。次章では、iOSアプリ開発におすすめの開発環境について紹介していきます。
iOSアプリ開発でおすすめの開発環境
初心者がiOSアプリ開発を行う際に、開発環境選びはとても重要です。開発環境などによっては、初心者でも開発しやすくするエディターなどが組み込まれていることが少なくありません。こちらでは、iOSアプリ開発初心者や上級者に向けておすすめの開発環境を解説していきます。
初心者におすすめの環境
iOSアプリ開発初心者におすすめの環境としてあげられるのが「XCode」です。こちらでは初心者向けiOSアプリ開発環境のXCodeを解説していきます。
XCode
XCodeは、Appleが提供している統合開発環境でiPhoneやiPad、MacなどのApple製デバイスで使用するアプリ開発に特化した開発環境です。C言語やC++・Objective-C・JAVA・AppleScript・Swiftなどさまざまなプログラミング言語開発に対応しています。
その中でもiOSアプリ開発に特化したSwiftやObjective-Cとの相性が良く、App Storeにリリースされているアプリの多くがこのXCodeで開発されていることがポイントです。iOSアプリ開発に特化しているため、プログラミング初心者の人でも気軽に開発できるための機能がたくさん搭載されています。
文字を入力するとコードの候補を表示してくれるコードエディター機能や、iOSアプリ開発でコードやツールに分からないところが出てきてもツール上からすぐに調べられるドキュメント検索機能などが搭載されていることがポイントです。初心者の人でも安心して利用できることが魅力です。
上級者におすすめの環境
iOSアプリ開発は、XCodeだけでなく他の開発環境でも対応しています。XCodeではiOSアプリしか開発できませんが、幅広いユーザーを取り込む場合、Android版の開発も視野に入れることが重要です。そのためAndroid・IOSどちらも1つの環境で開発ができる開発環境を利用することで、Androidアプリ開発時に別言語・別環境で作り直す必要がなくなります。その分XCodeと比較しても上級者向けの開発環境となるため、iOSアプリ開発に慣れてきたら、切替を検討してみてもよいでしょう。こちらでは、上級者向けのおすすめiOSアプリ開発環境としてのXamarinについて解説していきます。
Xamarin
Xamarinとは、旧Xamarin社が開発したアプリケーション開発環境です。現在はMicrosoft社に買収されたため、Microsoft社の開発環境であるVisual Studioの一機能として提供されています。IOSだけでなく、AndroidやWebアプリ開発にも対応しており、C#を共通言語として開発が可能です。Visual Studioの一部となるため、その他Visual Studioの機能を活用して開発できます。
ここまではおすすめの開発環境を説明してきました。次ではiOSアプリの収益化に関して見ていきましょう。
iOSアプリの収益化方法
iOSアプリを含むスマホアプリは、有料アプリ以外は、アプリをリリースしてユーザーにダウンロードしてもらうだけで収益は発生しません。個人や企業でアプリ開発する場合、利益を求めるために開発するアプリの収益化モデルを設定する必要があります。こちらでは、iOSアプリの収益化方法を解説していきます。
iOSアプリのおもな収益化方法は、以下の3通りです。
- アプリ内広告
- スポンサーシップ
- アプリ内課金
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アプリ内広告
アプリ内広告は、アプリ利用時に表示される広告のことです。表示された広告の表示回数やクリック数、広告からの購入数などによって広告料を得る収益化方法です。基本的に、無料インストールができるアプリで収益を得る手段として手軽な方法と言えます。
ただし、アプリ内広告を過度に行うとユーザーにストレスを与えてしまい継続利用者を出しにくくなってしまうため注意が必要です。
またアプリ内広告には、さまざまな種類があり、種類によって単価に特徴があることがポイントです。こちらではアプリ内広告の収益形態を解説していきます。アプリ内広告の主な収益形態の種類は以下の3通りです。
- インプレッション型広告
- クリック型広告
- 成果報酬型広告
それぞれ詳しく見ていきましょう。
インプレッション型
インプレッション型の広告は、広告がユーザーに表示された回数に応じて料金が発生する形態の広告です。インプレッション型の相場は、1,000回の広告表示につき10円〜数百円程度と言われています。表示された回数が収益となるため、達成条件が比較的簡単で管理もしやすいですがその分単価は低くなります。
クリック型
クリック型の広告は、アプリ内広告をクリックした回数だけ収益が発生します。1回のクリックで発生する収益の相場は100円〜200円程度です。インプレッション型と比較しても単価が大きいことが特徴です。ユーザーにクリックしてもらう必要があるため、アプリのデザインもユーザーがクリックすることを考慮することが求められます。
成果報酬型
成果報酬型は、アプリ内の広告を経由して商品やサービスが購入された場合に収益が発生する形態の広告です。相場は広告ごとに異なり、100円程度のものから数万円のものまであります。広告経由で商品やサービスを購入してもらわなくてはいけないため、ハードルも高く開発するアプリの形式によっては適さない場合が多いです。
スポンサーシップ
スポンサーシップは、開発したアプリと関連のある企業とスポンサー契約により収益を得る方法です。アプリ内広告とは異なり、スポンサー契約した企業の広告やロゴのみを表示させるため広告の少ないアプリを提供ができ、UXをほとんど損なわないデザインでアプリ開発ができます。
アプリ開発におけるスポンサーシップは、比較的新しいビジネスモデルで、発展途上です。スポンサー契約ができる企業を見つけるために実績や、アプリの品質を上げることが重要です。開発時からスポンサー契約を結ぶ場合もありますが、アプリをリリースしてからある程度運用してスポンサー契約を行う場合もあります。
スポンサーシップは、そのほかの収益化方法と組み合わせることが容易です。アプリゲームで企業やブランドとコラボすることで、新規ユーザーを引き込みアプリ内課金を促すこともスポンサーシップの一例です。
ハードルが高い分、スポンサーシップが結べた場合は、安定的に高い収益が見込めます。
アプリ内課金
アプリ内課金は、アプリ内で直接コンテンツを販売する仕組みの収益形態です。アプリの収益形態の中でも特に一般的で、多くのアプリで実装されています。アプリ内課金では、iOSアプリのコンテンツや追加機能・各種サービスの販売が可能です。一方で実物の商品やサービスなどは、通常の決済方法では販売が出来ず、クレジットカード決済システムを利用する必要があります。
iOSアプリのアプリ内課金は、App Store Connectでアプリのページを作成し課金アイテムを追加することで実装可能です。アプリ内課金で得た収益の内、15%〜30%が手数料として引かれます。詳しい手数料は、年間収益が100万ドル以内の事業者が15%、それ以外が30%です。
iOSのアプリ内課金にはいくつか種類があり、それぞれに特徴があります。こちらではアプリ内課金の種類を解説していきます。アプリ内課金の種類はおもに以下の3通りです。
- 消費型
- 非消費型
- サブスクリプション型
それぞれ詳しく見ていきましょう。
消費型
消費型は、文字通りアプリ内で消費するコンテンツやサービスを購入するためのアプリ内課金の種類となります。ゲーム内で利用できる通貨やアイテムなどが代表的です。特にゲーム内通貨や、アイテムでガチャを引いて消費するなどの収益モデルが多くのアプリで導入されています。
非消費型
非消費型は、永続的に利用できるアプリ内コンテンツを購入するためのアプリ内課金の種類です。アプリ内広告を非表示にする機能や、ゲームの追加コンテンツなどに活用されるアプリ内課金となります。
サブスクリプション型
サブスクリプション型は、定額料金を払うことでアプリのコンテンツやサービスを一定期間利用が可能になるアプリ内課金の種類です。自動更新されるアプリとされないアプリがあり、自動更新される場合は解約手続きをしない限り継続的に料金が支払われます。自動更新されない場合は、利用期間が終了すると対象サービスの利用ができなくなり、再度購入することで利用が再開できる仕組みです。
自動更新されるサブスクリプション型の例としてはアマゾンプライムやNetflixなど月額料金で利用できるサービスがあげられ、非自動更新サブスクリプション型の例としては、ゲームのシーズンパスなどがあげられます。
昨今では、動画や音楽などさまざまなジャンルでサブスクリプション型のサービスが展開されており、アプリの質を上げて継続利用者を増やせば安定して収益が見込めます。次章では、そんなiOSアプリの成功事例について見ていきましょう。
iOSアプリの成功事例
iOSアプリ開発において、成功事例の研究を行うことはとても重要です。成功事例から、アイデア・デザインの特徴・ユーザーニーズの満たし方などを読み取り、自身のiOSアプリ開発に活かせます。こちらでは、iOSアプリ開発の成功事例を紹介していきます。
事例1:SlideStory
SlideStoryは、2013年10月のリリースから1年とかからずに150万以上のダウンロードを達成した動画系アプリのパイオニア的存在のスマホアプリです。このアプリは、好きな写真を選択してお任せでスライドショーを作成してくれるため、リリースされてから約10年たった現在でも利用されています。
優れたアプリ開発スキルとユーザー目線の高さ、儲けを意識しないスタンスをとっていることがポイントです。UXの質を高めることができ、多くのユーザーに利用されるアプリへと成長を遂げました。
事例2:計算脳トレHAMARU
計算脳トレHAMARUは、暗算や計算、算数の能力を鍛える脳トレアプリです。時間内に次々と出題される計算式の答えを暗算で解いていき、スコアを稼ぐというゲームとなります。システムとしては単純ですが、そこに美しい光や気持ちの良い音の演出を加えることでUXを上げて、ユーザーをアプリに没頭させる仕組みです。
ゲームに夢中になっているうちに算数の能力向上も図れることから、認知症予防に良いとしてテレビでも紹介された実績があります。またAppStoreにはカテゴリごとにランキングがあるのですが、本アプリは教育ランキングで1位を獲得し、80万ダウンロードを達成しました。デザインや演出次第で、シンプルなゲームアプリでも多くの人にダウンロードしてもらうことが可能です。次章では、iOSアプリ開発の最新動向について見ていきます。
iOSアプリ開発の最新動向
iOSアプリ開発を行う上でトレンドや最新動向を調査することは、開発するアプリのダウンロード数を増やすうえでも重要です。こちらでは、iOSアプリ開発の最新動向としてハイブリッドアプリ開発について解説していきます。
ハイブリッドアプリ開発
ハイブリッドアプリとは、Webアプリとネイティブアプリの2つの要素を持ったアプリのことです。Webアプリのマルチプラットフォームで利用できる利点と、ネイティブアプリのデバイス固有のネイティブ機能を活用できる利点がハイブリッドアプリでは受けられます。
iOSのネイティブアプリを開発した後に、WebアプリやAndroidアプリを開発したいと考えた場合、それぞれのアプリに合わせて開発をしなくてはいけません。ハイブリッドアプリの場合は1つでWeb・Android・IOSに対応できるため開発やメンテナンスのコストを抑えることが可能です。
ただしハイブリッドアプリは、ネイティブアプリと比較して動作が重いというデメリットがあるため、スマホゲームなど動作の速さを求められるアプリには向いていません。ECサイトやニュースサイトなど動作の早さを求めないアプリ開発などに向いています。最後にiOSアプリ開発によくある質問について紹介していきます。
よくある質問
こちらでは、iOSアプリ開発に関するよくある質問を紹介していきます。
iOSアプリ開発にかかる時間は?
iOSアプリ開発にかかる時間はプロジェクトの規模や経験値によっても異なりますが、比較的簡単に作れるアプリでも1か月〜3か月、ゲームやSNSなど開発規模の大きいものでも最短6か月が目安です。
iOSアプリ開発導線には、企画・要件定義・設計・開発・テスト・運用のフェーズがあります。企業での開発の場合は、特に規格や要件定義、設計に時間がかかる場合が多いです。個人での開発の場合、必ずしも高品質のアプリにしないといけないわけではないため、開発にかける時間も個人次第になる場合が少なくありません。
プログラミング経験がなくてもアプリ開発は可能ですか?
プログラミング経験がない人でも、最低限プログラミング言語や開発ツールを学習すれば簡単なiOSアプリの開発は可能です。ただし複雑なアプリを開発するとなると、プログラミング言語への習熟度や開発ツールの機能への理解を深める必要があります。
プログラミングスクール・オンラインで学べる学習サイト・技術書などで学習する場合は、実際に開発しながら学習できるためおすすめです。また簡単なアプリでも開発を重ねて実践経験を積むことで、プログラミング未経験でもアプリ開発のスキルの向上ができます。
また、iOSアプリは、アプリリリースや課金設定など開発後に設定しなくてはいけないことも多いため、プログラミング言語だけでなくリリースのための知識や準備が必要になるため理解しておきましょう。
まとめ
- iPhoneのシェアは国内トップ
- iOSアプリの多くはXCodeを利用して開発されている
- 主要開発言語は「Swift」や「C#」、「Object-c」
- iOSアプリ開発は個人でも開発可能
- アプリ内広告やアプリ内課金などiOSアプリの収益形態は豊富
本記事では、iOSアプリ開発の手順やおもなプログラミング言語、実際に使用する開発ツールを解説してきました。スマホは今や生活必需品として、持つのがあたり前になっており、スマホアプリの開発をすることで個人でも収益を得ることが可能です。
特にiOSアプリは、iPhoneが国内シェアトップのため、国内向けアプリ開発需要が今後もどんどん高まっていくことが予測されます。プログラミング初心者の人でiOSアプリ開発に興味がある場合は、比較的ハードルの低いSwift言語と開発ツールのXCodeを利用することがおすすめです。
実際に仕事としてiOSアプリ開発に携わりたい場合は、弊社エージェントサービス「エイジレスフリーランス/エイジレスエージェント」を活用して案件を探してみてください。
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