Androidエンジニアとは?IT経験者が知りたい年収も解説
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Androidはスマートフォン向けOSの中で、Apple社のiOSとともに高いシェアを持っています。Androidエンジニアへの需要は高く、人気の職種です。 本記事では、Androidエンジニアの仕事内容や収入事情、キャリアアップ方法、転職ノウハウなどを詳しく解説していきます。Androidエンジニアに興味のある方は、ぜひご覧ください。
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- 【この記事を読んでわかること】
- Androidエンジニアには、モバイルアプリ開発のためのUX設計やフロント開発のスキルが必要
- Androidエンジニアの正社員の平均年収はおよそ600万円で、IT関連の中でも高水準
- モバイルデバイスの進歩に伴い、Androidエンジニアの活躍範囲は幅広い
Androidエンジニアの仕事を知る
Androidエンジニアへの転職や転向を考えるうえで、まずは仕事内容や必要なスキルを知ることが重要です。おもにスマートフォン向けアプリを開発するAndroidエンジニアには、モバイル開発に特化したスキルが求められる場面もあります。
Androidエンジニアの役割や業務範囲、仕事の流れ、求められるスキルを見ていきましょう。
Androidエンジニアとは
Androidエンジニアとは、Google社が提供するモバイルOS「Android」上で動作するアプリケーションを開発するエンジニアです。Androidはスマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイスなどさまざまな機器で利用されています。スマートフォン向けOS市場はAndroidと、iOSがシェアの大半を占めています。Androidは、国内ではiOSに次ぐ第2位で、約3割のシェアを持っています。一方、世界ではAndroidが7割以上を握るトップシェアです。
日本 | グローバル | |
---|---|---|
Android | 31.40% | 72.30% |
iOS | 68.50% | 27.10% |
その他 | 0.10% | 0.60% |
Apple社製品のみに搭載されるiOSと異なり、Androidはさまざまなメーカーのデバイスに搭載されています。価格帯や機能・性能が多様で、開発者やユーザーによるカスタマイズの自由度が高いのが特徴です。
モバイルデバイス向けのアプリ開発では、画面サイズや操作性、端末性能に制約があります。そのためAndroidエンジニアには、モバイル開発に特化したUI/UX設計やパフォーマンス・セキュリティ対策などのスキルが必要です。
参考:StatCounter(日本のシェア)/(世界のシェア)
Androidエンジニアが使用するプログラミング言語
Androidエンジニアが使用するプログラミング言語は、おもに「Java」と「Kotlin(コトリン)」の2つです。Javaは汎用性が高く、Androidアプリ開発に限らずWEBアプリケーションや企業の業務システムなど、さまざまな分野で使われています。一方、Kotlinは2011年に開発された比較的新しいプログラミング言語です。2017年にGoogle社がAndroidの公式な開発言語として認定しました。KotlinはJavaをベースに、より簡潔で扱いやすく改良されているため、Javaを使えるエンジニアは習得しやすいでしょう。KotlinとJavaは互換性があり、1つのアプリケーションにコードを併存させることも可能です。Java、Kotlinを使ったAndroidアプリ開発の開発環境には、Google社が提供する「Android Studio」がもっとも広く使われています。
また、JavaとKotlinのほかにも、Android開発では用途によって下記のようなプログラミングも利用されます。
C++ | Android NDKと呼ばれるツールセットを使ってAndroidアプリを開発可 |
---|---|
C# | Unityなどのゲームエンジンで使われ、3Dゲームなどの開発が可能 |
JavaScript | 「React Native」「Apache Cordova」などのフレームワークを使い、iOSにも対応したクロスプラットフォーム開発が可能 |
Dart | 「Flutter」フレームワークを使用して、美しいUIデザインや高速でスムーズな動作のクロスプラットフォーム開発が可能 |
Androidエンジニアの役割と業務範囲
Androidエンジニアは、アプリの要件定義から設計、開発、運用など幅広い役割を担います。その中でも、モバイルアプリ開発で重要な3つの業務を紹介します。
- UX設計
- フロント開発
- APIとの連携
UX設計
Androidエンジニアは、ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)の設計に携わります。UIは、アプリの外観や操作性に関する要素です。一方、UXはアプリの利用で得られる感情や体験に関する要素を指します。UXは、UIに加えて、ユーザーがどのようにアプリケーションを使い、感じ、反応するかを考慮して設計することが重要です。また、アプリのリリース後にも、ユーザーからのフィードバックを受けて機能の改善や追加など、UX設計の向上を続けることが求められます。UX設計はアプリの魅力とユーザーの満足度を高めるために重要な業務です。
フロント開発
アプリケーション開発には、デバイス上で動作する処理を作るフロント開発と、サーバー側の処理を作るバックエンド開発があります。Androidエンジニアがおもに担うのは、フロント開発です。フロント開発はユーザーが直接操作する部分であるため、使いやすくわかりやすいアプリを開発することが求められます。Androidアプリのフロント開発では、XMLやJava、Kotrinを用いてアプリのUIをデザインし、使いやすいように画面の配置やサイズ、色合いなどを設定します。統一感のあるアプリを提供するには、Google社が提唱している「マテリアルデザインガイドライン」に沿って開発するのも効果的です。
APIとの連携
APIとは「Application Programming Interface」の略称で、外部サービスとの間でデータや機能を共有するためのインターフェースです。AndroidエンジニアはAPIを活用することで、高機能なアプリを効率的に開発できます。例えば、Twitter APIを使って、アプリ内にTwitterのタイムラインやツイートを簡単に表示させることが可能です。API連携では、JSONやXML、REST APIなどの知識が求められます。また、APIの仕様やエラーハンドリング、セキュリティ対策について理解することも重要です。
Androidエンジニアの仕事の流れ
Androidエンジニアのアプリ開発は、一般的に次のような流れで進められます。
- システム要件定義
- システム設計
- アプリケーション開発
- テスト
- 導入・運用
各工程の内容を見てみましょう。
システム要件定義
システム要件定義は、システムに求められる機能や性能、品質などを定義する工程です。Androidエンジニアは、クライアントから要件を引き出して機能要件や非機能要件(性能、セキュリティ、信頼性など)を定義し、実現可能かを検討します。おもな成果物には、要件をまとめた「要件定義書」のほか、「機能仕様書」や「ユーザーストーリー」「ワイヤーフレーム」などがあります。要件定義が不十分な場合、プロジェクト中に問題が発生する可能性が高いでしょう。そのためAndroidエンジニアは、要件定義に十分な時間をかけ、クライアントや開発者メンバーと密にコミュニケーションを取りながら進めることが重要です。
システム設計
システム設計は、要件定義に基づいて具体的な設計を行う工程です。Androidアプリのシステム設計ではまず、アーキテクチャや機能、UI/UXデザイン、データ管理、性能、セキュリティなどの全体的な仕様を決定します。そして、それに基づいて、個々のプログラムやデータベース、APIといった、より詳細な設計を行なっていきます。
Androidアプリの開発では、ユーザーに良質な体験を提供することが重要です。そのため、システム設計では、プロダクトマネージャーやデザイナーと連携してユーザビリティやUXを高めることが求められます。
アプリケーション開発
システム設計が完了したら、JavaやKotlinなどでコードを記述していきます。開発では、Google社が提供する「Android Studio」などの統合開発環境(IDE)を使うのが一般的です。Android Studioには、便利なコードエディタやGUIで開発できるビジュアルエディタ、高機能なデバッグツール、テストツールなどが搭載されており、効率的に開発を進められます。
また、前述した「React Native」「Flutter」などのフレームワークを使えば、JavaやKotlin以外でクロスプラットフォーム開発を行うこともできます。
テスト
コードの記述が完了したら、プログラムが設計通りに稼働するかをテストします。テストには、目的や範囲に応じて下記のような種類があります。
ユニットテスト | 個別のメソッドやクラス単体の動作を確認 |
---|---|
結合テスト | 複数のモジュールを組み合わせて連携を確認する |
機能テスト | アプリの機能をユーザー目線で確認する |
UIテスト | UIに着目して使いやすさや動きの正確性を確認する |
パフォーマンステスト | アプリの応答時間やリソース使用量などを確認する |
テストはできるだけ自動化することで効率的かつ再現性の高いテストが可能です。Google社が提供するテスト自動化フレームワークに「Espresso」「UI Automator」などがあります。テスト自動化を活用して網羅的にテストすることで、リリース前に品質を確保することが重要です。
導入・運用
テストが完了したら、アプリをリリースし運用していきます。Androidアプリを公開する場合、「Google Playストア」に登録するのが一般的です。登録時のGoogle社による審査は、早ければ数時間で完了します。1週間程度かかるiOSの「App Store」と比べると比較的迅速です。
リリース後は、アプリのパフォーマンスやセキュリティを監視し、問題があれば修正します。さらに、ユーザーからのフィードバックを収集し、改善することも重要です。ユーザーの期待に応えるには、定期的なアップデートでより良い体験(UX)を提供していくことが求められます。
Androidエンジニアに求められるスキル
Androidエンジニアにはアプリ開発のための多様なスキルが求められますが、中でも代表的な3つのスキルを紹介します。
- アプリケーション開発スキル
- データベースの知識
- コミュニケーションスキル
アプリケーション開発スキル
Androidエンジニアに求められるスキルの中でも、もっともベースとなるのはアプリケーション開発スキルです。Androidアプリの開発には、下記のようなプログラミング言語やフレームワーク、ツールを利用します。
- プログラミング言語:Java、Kotlin、C++、C#、JavaScript、Dart など
- フレームワーク:Android SDK、React Native、Flutter、Apache Cordova など
- ツール:Android Studio、Git/GitHub、Jenkins、Espresso など
こうした知識やスキルを高めることで、アプリケーション開発の効率化や品質向上を図ることが可能です。また、設計やテスト、リリース後のトラブルシューティングなどでも知識が役立ちます。
データベースの知識
Androidエンジニアには、データベースを操作するためのスキルが求められます。Androidアプリでおもに使われるデータベースは「SQLite」です。軽量で使いやすいSQLiteは、Androidプラットフォームに標準で組み込まれており、デバイス上でデータベース操作を行うことができます。また、APIを介してデータを取得する場合には、JSONやXMLなどのデータ形式に関する知識も必要です。さらに、「Room」など簡単にデータベースを操作できるORM(Object-Relational Mapping)ライブラリの活用も広がっているため、知識を身につけておくと仕事の幅が広がります。
コミュニケーションスキル
チームでのAndroidアプリ開発を円滑に進めるには、クライアントやデザイナー、プロジェクトマネージャー、他のエンジニアなど、多くの人との協力が欠かせません。アプリ開発のコミュニケーションスキルには、相手に合わせた表現能力や傾聴能力、協調性などがあります。クライアントと良好な関係を築いたり、チーム内の議論を活発にしたりすることで、課題解決や円滑なプロジェクト推進に寄与することが可能です。コミュニケーションスキルは、セミナーや研修に参加してメソッドを習得し、それを開発現場で実践することで高められます。
Androidエンジニアに向いている人とは
ここまで見てきたAndroidアプリ開発の仕事内容を踏まえて、Androidエンジニアに向いている人の3つの特徴を紹介します。
- 新しい技術に対する好奇心がある人
- ユーザー目線で考えられる人
- チームで働くのが得意な人
新しい技術に対する好奇心がある人
モバイルアプリ開発の分野は常に進化しており、新しい技術やフレームワーク、ツールが頻繁にリリースされています。Androidエンジニアとして市場価値を保つには、技術の進歩やトレンドの変化に敏感に対応し、常に情報をアップデートしていくことが欠かせません。そのため、Androidエンジニアとして活躍するには現状維持を好む人よりも、新たな技術に対する好奇心や探究心を持つ人が向いているといえるでしょう。
ユーザー目線で考えられる人
Androidアプリは、ユーザーにとって使いやすく価値のあるものでなければなりません。Androidエンジニアは、ユーザーがアプリを使って解決したい問題やニーズを把握し、期待に応えることが求められます。そのためには、開発者の都合ではなく、常にユーザー目線で考え、UI/UXを意識したアプリケーションを開発する姿勢を持つことが重要です。
チームで働くのが得意な人
小規模なアプリ開発を除いて、Androidアプリ開発は基本的にチームで進めます。複数のエンジニアやデザイナー、プロジェクトマネージャー、クライアントなどと協働するため、チームで働くスキルが必要です。コミュニケーションスキルはもちろん、柔軟性や協調性、課題解決力なども求められます。また、チームを統括する立場の場合には、他のメンバーを束ねて円滑にプロジェクトを進めるリーダーシップも重要です。Androidエンジニアには、こうしたチームでの仕事に苦手意識のない人が向いているといえるでしょう。
Androidエンジニアの気になる収入事情
Androidエンジニアを目指すにあたって、ぜひ知っておきたいのが収入です。ここでは、「正社員」「フリーランス」「未経験」の3つに分けて収入の相場を紹介します。
正社員Androidエンジニアの年収相場は約600万円
求人サイト「求人ボックス」のデータによると、Androidエンジニアの平均年収は597万円です。国税庁の「民間給与実態統計調査」による全給与所得者の平均年収433万円よりも160万円以上高く、Androidエンジニアは高年収といえるでしょう。
続いて、代表的なIT関連の職種の平均年収と比べてみます。
平均年収 | |
---|---|
Androidエンジニア | 597万円 |
プログラマー | 434万円 |
システムエンジニア | 509万円 |
インフラエンジニア | 540万円 |
ITコンサルタント | 644万円 |
プロジェクトマネージャー | 644万円 |
Androidエンジニアの平均年収はシステムエンジニアやインフラエンジニアより高く、IT関連の職種の中でも高水準であることがわかります。
参考:求人ボックス(Androidエンジニア)/(プログラマー)/(システムエンジニア)/(インフラエンジニア)/(ITコンサルタント)/(プロジェクトマネージャー)
参考:国税庁「民間給与実態統計調査」
フリーランスAndroidエンジニアの月収相場は30万円~100万円以上
フリーランス向けの案件サイト「フリーランススタート」のデータによると、Androidエンジニアの平均月収は72.3万円です。月収のレンジは30万円台から最高150万円と約5倍の大きな幅があります。フリーランスはスキルや実績を高めることで、収入を大きく増やせることがわかります。
ほかのカテゴリのエンジニアとの比較は下記のとおりです。
カテゴリ | 平均月収 | 最高月収 |
---|---|---|
Androidエンジニア | 72.3万円 | 150万円 |
iOSエンジニア | 73.4万円 | 150万円 |
システムエンジニア | 64.7万円 | 200万円 |
インフラエンジニア | 67.8万円 | 200万円 |
同じモバイルアプリ開発を担うiOSエンジニアとは同水準となっています。一方、システムエンジニアやインフラエンジニアと比べると高く、Androidエンジニアは、IT関連の職種の中でも収入水準は高いといえるでしょう。
参考:フリーランススタート(Androidエンジニア)/(iOSエンジニア)/(システムエンジニア)/(インフラエンジニア)
未経験のAndroidエンジニアの年収相場は300万円〜400万円
未経験のAndroidエンジニアの年収は、正社員の年収幅やフリーランスの最低月収を参考にすると、おおむね300万円〜400万円程度と推測されます。エンジニアのスキルは、実務経験の年数で判断されるケースも多いため、最初のうちは収入が低いのもやむを得ないでしょう。一方で、フリーランスエンジニアの平均月収が72万円と高いことからも分かるとおり、経験を重ねスキルを高めていけば、着実にキャリアアップできるのもエンジニアの魅力です。
Androidエンジニアとしての収入水準を知るためには
ここまではAndroidエンジニアの統計的な収入水準を見てきました。ここからは、より具体的に自身の収入や市場価値を知りたい方に向けて、下記の3つの方法を紹介します。
- 求人情報や転職サイトを参考にする
- 転職エージェントや人材紹介会社を利用する
- 同業種の仲間や上司、採用担当者と相談する
求人情報や転職サイトを参考にする
求人情報や転職サイトは企業の求人を多数掲載しており、各企業の提示している給与が具体的にわかります。求人情報や転職サイトは、勤務地や職種、スキルや経験年数、年収などさまざまな条件で企業を探すことが可能です。同じ職種でも企業の規模や地域、経験年数によって給与水準が異なるため、自身のスキルや経験に合わせた求人情報を探すことがより具体的な年収把握につながります。主なサービスに「DUDA」「求人ボックス」「Green」などがあります。
転職エージェントや人材紹介会社を利用する
自身のスキルや経験に基づいた実際の給与水準を知りたい場合には、転職エージェントや人材紹介会社を活用すると良いでしょう。転職エージェントや人材紹介会社には、業界に精通したコンサルタントが多く在籍しています。そのため、自身のスキルや経験に合致した企業の情報を得ることが可能です。
収入水準は、弊社サービス「エイジレスフリーランス 」でもご相談いただけます。
エイジレスフリーランスは、年齢不問の求人のみを扱い、キャリアコンサルタントがひとりひとりの経験やスキルに合わせて企業・案件を紹介するサービスです。
同業種の仲間や上司、採用担当者と相談する
収入水準を知るために、実際にAndroid開発に携わっている人たちから情報を得る方法もあります。周囲にAndroidエンジニアがいる場合には、収入を聞いてみるのも良いでしょう。コミュニティやイベントに参加して人脈を広げることで、他社のエンジニアとつながりを持つことも可能です。また、自社でAndroidアプリ開発を行なっている場合には、関連部署の上司や採用担当者に相談して情報収集するのも良いでしょう。ただし、相手によっては収入を開示できない場合もあるため、情報収集は慎重に行う必要があります。
Androidエンジニアのキャリアを考える
Androidエンジニアの働き方やキャリアアップの手段を解説します。
Androidエンジニアの多様な働き方
AndroidはiOSとともにスマートフォン市場で高いシェアを持ちます。そのため、Androidエンジニアは多様な働き方の中から、自身の価値観や希望にあった働き方を選ぶことが可能です。
- 会社員エンジニア
- 派遣エンジニア
- フリーランスエンジニア
- 副業エンジニア
会社員エンジニア
安定した環境で働きたいなら正社員が良いでしょう。IT関連の企業ならOJTや研修などのサポートが手厚い企業も多く、業務の一環としてスキルアップが可能です。ただし収入の伸びは緩やかで、選べる仕事内容や働く時間・場所には制約があります。
派遣エンジニア
派遣エンジニアは人材派遣会社に登録して、さまざまな企業のプロジェクトなどに参画する働き方です。多くの企業のプロジェクトに関わりながらスキルを高められます。一方、プロジェクト単位の契約が多く、終了後は次の仕事を探す必要があり、収入も一般に会社員エンジニアよりも低めです。
フリーランスエンジニア
フリーランスエンジニアは、個人事業主として企業などから案件を受注して働く技術者です。仕事選びの自由度が高く、スキルと実績があれば会社員よりもはるかに高い収入を得ることもできます。一方、収入は不安定で、案件探しや交渉、契約なども自身の責任で行う必要があります。
副業エンジニア
本業とは別にAndroidアプリ開発を行い、副収入を得ることも可能です。本業からの退勤後や休日などに個人でアプリを開発したり、企業から小規模な案件を受託して開発したりできます。ただし、勤め先企業によっては副業が禁止されている場合もあるため、副業を始めるにあたっては就業規則を確認しましょう。
Androidエンジニアがキャリアアップする手段
Androidエンジニアが収入アップや希望の企業への転職など、キャリアアップを図るための3つの方法を紹介します。
- プロジェクトマネジメントやリーダーシップのスキルを磨く
- 技術スキルを磨く
- 資格を取得する
プロジェクトマネジメントやリーダーシップのスキルを磨く
Androidエンジニアが視野を広げ、プロジェクトマネジメントやリーダーシップのスキルを身につけると、プロジェクトマネージャー(PM)やチームリーダーへのキャリアアップが可能です。PMやチームリーダーには、チーム全体を俯瞰してスケジュールやリスク、品質、課題などを管理するスキルが求められます。また、メンバーと積極的にコミュニケーションを取り、責任感を持って問題に取り組んでチームを牽引する姿勢も重要です。こうしたスキルを磨くには、知識を身につけるのに加え、プロジェクトの現場で経験を積み重ねることが欠かせません。自ら進んでリーダーやマネージャーの役割を引き受け、成長の機会をつかみましょう。
技術スキルを磨く
Androidアプリの開発技術は日々進化しており、新しいフレームワークやツールなどが次々に登場します。Androidエンジニアは、最新の技術やトレンドを学び、スキルを向上することが欠かせません。技術スキルを磨くことで、より高度なプロジェクトや最新のプロジェクトに参画できるチャンスが広がります。また新たな技術を使って、クライアントに優れた提案をしたり、生産性や品質を高めたりできれば、関係者からの評価が向上するでしょう。技術スキルを磨くには、日頃から情報収集に務め、面白そうな技術を見つけたら個人で試してみるなど積極的に理解を深める姿勢が重要です。
資格を取得する
Androidエンジニアのキャリアアップには、資格取得も有効です。資格取得に向けた学習を通して知識を高めることはもちろん、合格すれば自身のスキルを客観的に証明でき、社内での評価向上や転職時のアピールに役立つでしょう。Androidアプリ開発のスキル・知識を問う資格に「一般社団法人 IT職業能力支援機構 Android技術者認定試験制度委員会」が主催する「Android技術者認定試験」があります。Android技術者認定試験は、「アプリケーション技術者認定試験」と「プラットフォーム技術者認定試験」の2種類です。ともにIPAのITSSのレベル2に対応しており、エントリーレベルに位置付けられてます。
未経験のAndroidエンジニアが技術を磨く方法
これからAndroidエンジニアとしての技術を身につけて開発業務に参画していきたい人には、下記の4つの方法がおすすめです。
- 学習サイトで学ぶ
- 実際にアプリケーションを開発する
- オープンソースへの貢献
- ハッカソンやコンテストへの参加
学習サイトで学ぶ
未経験のAndroidエンジニアが手軽に技術を磨くには、WEB上で提供されている学習サイトを活用するのがおすすめです。Androidアプリ開発に用いるJavaやKotlinは人気が高く、有志のエンジニアが提供する無償サイトから、企業が提供する有償のサービスまで充実しています。Android公式のトレーニングサイトでも無償で学べますが、英語力が必要です。基礎知識を学んだり、開発しながら分からないことを調べたりするには無償サイトで十分でしょう。体系的に基礎から応用、実践までを学ぶには有償の「Udemy」や「ドットインストール」などの動画教材がおすすめです。動画と音声で研修に参加しているようなスタイルで学べます。
実際にアプリケーションを開発する
学習サイトなどで知識を学んだら、実際にアプリケーションを開発して実践力を身につけましょう。Androidアプリ開発でおもに使われるプログラミング言語のJavaやKotlin、統合開発環境のAndroid Studioなどは無償で環境構築して開発することが可能です。まずは簡単なアプリやゲーム開発などから始め、徐々に複雑なアプリに挑戦すると良いでしょう。問題にぶつかったら、前述の学習サイトを振り返ることで、開発力だけでなく課題解決力も向上できます。
オープンソースへの貢献
実践力を身につけたら、オープンソースプロジェクトに参加してスキルを磨くのが有効です。オープンソースとはソースコードが公開されているソフトウェアのことで、誰でも自由に改良・再配布ができます。自分が興味を持ったプロジェクトに参加し、コードの修正や新しい機能の開発に取り組むことで、スキルを磨くことが可能です。オープンソースプロジェクトのプラットフォームには「GitHub」や「GitLab」などがあり、AndroidやJava、Kotlinのプロジェクトも豊富です。参加はハードルが高い場合でも、コードやコミュニティの投稿を読むだけでも最新の技術やトレンドに触れられます。
ハッカソンやコンテストへの参加
ハッカソンやコンテストは、エンジニアなどが集まり、限られた時間内でアイデアを出し合ってアプリやサービスを開発するイベントです。さまざまな主催者がAndroidアプリを開発するイベントを開催しており、初心者が参加できるものもあります。ハッカソンやコンテストに参加し他のエンジニアと協力して課題に取り組むことで、スキル向上はもちろん、チーム開発のノウハウやコミュニケーションスキルの向上も可能です。また、イベントへの参加実績は積極性をアピールする材料として、キャリアアップにも役立つでしょう。
Androidエンジニアの転職ノウハウ
Androidエンジニアへの転職を成功させるために欠かせない、3つのポイントを解説します。
- 履歴書や職務経歴書の作成・更新
- ポートフォリオの作成
- 転職サイトや人材エージェントの利用
履歴書や職務経歴書の作成・更新
履歴書や職務経歴書は、もっとも基本的な自己PRのツールです。採用担当者に興味を持ってもらうには、企業が求める人材像をしっかりと理解し、自身のスキルや資質、経験の中から合致するものをアピールすることが求められます。作成した履歴書や職務経歴書は、業界に精通した人にチェックしてもらうことで完成度が高まるでしょう。人に見てもらうことで、より適した表現や、気づかなかったアピールポイントが見つかることもあります。
ポートフォリオの作成
ポートフォリオとは、より具体的なスキルや開発実績をアピールするものです。過去に参画したプロジェクトの情報を詳しくまとめたり、個人で開発したAndroidアプリを紹介・解説したりすることで、採用担当者にスキルをより詳しく知ってもらいます。最近では、ポートフォリオをGitHubなどのプラットフォームやブログ、SNSなどで公開するケースも増えています。言葉で説明するよりも、実物を見せながら説明することでより伝わりやすくなるため、積極的にポートフォリオ作成に取り組むと良いでしょう。
転職サイトや人材エージェントの利用
転職サイトや人材エージェントは、求人情報を収集して、効率的に転職活動を進める上で欠かせないサービスです。
転職サイトでは、希望に合わせてさまざまな条件で求人情報を検索できます。転職サイトには、エンジニア専門のサイトもあるため、各サイトの強みを把握して使い分けると良いでしょう。
人材エージェントは、自身のスキルや実績、希望を登録すると、適した企業を紹介してくれるサービスです。エージェントは、独自の求人情報も多く抱えているため、市場には出回っていない企業にも出会えます。また、企業の紹介だけでなく、履歴書の作成や面接のアドバイスなどのサポートを受けられるのも魅力です。
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Androidエンジニアの求人や案件
Androidエンジニアはどのような企業から求人があるのでしょうか。フリーランスの業務委託案件の見つけ方と合わせて紹介します。
Androidエンジニアを求める企業
今や業界や業種を問わずさまざまな企業がスマホアプリを提供しています。Androidエンジニアを求める多様な企業の中から、代表的な3つを紹介します。
- Sier・SES
- メディア企業
- IT通信企業
Sier・SES
Sier(エスアイヤー:システムインテグレーターの略称)やSES(システムエンジニアリングサービス)は、他社向けにシステム開発を担う企業です。Androidエンジニアをはじめ、さまざまな分野のエンジニアが所属しています。Sierは、他社からシステム開発案件を一括で受託するビジネスを行う企業です。一方SESは、エンジニアを必要とする企業に対して、エンジニアの労働力を提供するビジネスを行っています。どちらの企業も、所属するエンジニアはさまざまな業界や業種の案件に参画でき、スキルを高めることが可能です。SierやSESで働く場合には、高い技術力とクライアント企業の業務に関する知識が求められます。
メディア企業
メディア企業は、出版社、新聞社、TV局、広告代理店などの企業です。近年、これらの企業では、オンラインメディアへの進出による競争が激化しています。中でも、スマートフォン向けアプリは重要な媒体となっており、Androidエンジニアへの重要も旺盛です。
メディア企業では、ニュースや動画配信、エンターテイメント、広告など多様なコンテンツを提供するため、多岐にわたるスキルが求められます。UI/UXデザインやコンテンツ企画力が求められるケースもあるため、開発技術だけでなく幅広いスキルセットを持っていると活躍の幅が広がるでしょう。
IT通信企業
IT通信企業は、ソフトウェアやネットワーク、セキュリティなどのIT関連技術を提供する企業です。IT通信企業では、自社サービスや製品のモバイル対応に積極的に取り組んでおり、Androidエンジニアはさまざまなプロジェクトに関われます。常に新しい技術への対応が求められるIT通信企業では、最新の技術や開発手法に触れる機会も多く、エンジニアとしての成長が期待できます。他のエンジニアとの競争の中で、常に自己学習や情報収集を欠かさずスキルアップできる人には良い環境といえるでしょう。
Androidエンジニアが業務委託案件を見つける方法
Androidエンジニアとしてフリーランスで働く場合には、自ら案件を探す必要があります。業務委託案件を見つけるための、3つの方法を紹介します。
- 求人サイトやクラウドソーシングサイト
- フリーランスエージェント
- ネットワーキング
求人サイトやクラウドソーシングサイト
ネット上で手軽に案件を探すには、求人サイトやクラウドソーシングサイトの利用がおすすめです。求人サイトでは転職情報だけでなくフリーランス向け案件を掲載しているサイトも多くあるため、覗いてみると良いでしょう。クラウドソーシングサイトは、案件の担い手を探す企業や個人と、仕事を探すフリーランスや副業ワーカーをマッチングするサービスです。「クラウドワークス」や「ランサーズ」といった大手サービスなら、さまざまなスキルレベルのAndroidアプリ開発案件が揃っているので、希望にあった案件を見つけやすいでしょう。
フリーランスエージェント
案件を探す時間と手間を省きたい方には、プロが案件探しを代行してくれるフリーランスエージェントがおすすめです。フリーランスエージェントは、市場に出回っていない案件も多く抱えており、スキルや希望にあった案件を紹介してくれるサービスです。報酬の交渉や手続きの代行なども行ってくれるため、本業に集中できます。
Androidエンジニアの案件をお探しの方は、弊社の「エイジレスフリーランス 」にご相談ください。
エイジレスフリーランスは、年齢不問の求人のみを扱い、キャリアコンサルタントがひとりひとりの経験やスキルに合った企業・案件を紹介します。
ネットワーキング
人脈を広げて情報収集し、案件獲得につなげることも可能です。ネットワーキングには以下のような方法があります。
- 元同僚や取引先、同業の友人などに相談する
- オンラインコミュニティやイベントに参加して他のエンジニアと交流する
- SNSを活用して情報発信し同業者とつながる
こうした活動で人脈を広げていく中で、案件の依頼に発展することがあります。ネットワーキングでは、相手と良好な信頼関係を築くことが大切です。常に誠実な対応を心がけましょう。
Androidエンジニアの将来性
今や生活必需品となったスマートフォン市場において、AndroidはiOSとともに高いシェアを持っています。下記のとおり、AndroidとiOSの2強状態は10年以上変わっていません。
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Android | 35.0% | 33.2% | 29.2% | 31.7% | 30.8% | 30.4% | 36.3% | 33.3% | 34.0% | 32.2% |
iOS | 64.1% | 66.0% | 69.8% | 67.4% | 68.8% | 69.3% | 63.5% | 66.5% | 65.9% | 67.2% |
その他 | 0.9% | 0.8% | 0.9% | 0.9% | 0.4% | 0.3% | 0.2% | 0.2% | 0.1% | 0.7% |
現状、モバイルアプリを開発する場合には、Android向けとiOS向けの両方を開発するケースが大半です。将来もこの状況が続く確証はありませんが、近い将来にAndroidとiOSの2強状態が崩れることは考えにくいでしょう。
また、Androidはスマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイスに加えて、スマートテレビやスマートホームなどに用途が広がっています。今後はAIやIoTと融合し、生活やビジネスのさまざまなシーンで活用が広がることが期待されています。
このようにAndroidの将来性は高く、Androidエンジニアへの需要も高まっていくでしょう。
参考:StatCounter
今からAndroidエンジニアを目指すべき?
Androidエンジニアへの転職や転向は、下記のような理由から将来性の高い選択肢といえるでしょう。
- 求人数が多い
- 担当業務が多数ある
- フリーランスで働くことができる
求人数が多い
前述のとおり、スマートフォンは生活に欠かせないものとなっており、Androidアプリの需要は豊富です。Androidアプリ開発には、大手企業からベンチャー企業まで幅広い求人があり、Androidエンジニアは多くの選択肢から転職先やフリーランス案件を探せます。ただし、Androidアプリ開発で主に使われるJavaは技術者の数も多く、競争も熾烈です。その中で他のエンジニアと差別化を図るには、UI/UXの高度な知識や業界特有のスキルを身につけるなど、常にスキルアップしていく姿勢が大切です。
担当業務が多数ある
Androidエンジニアを目指すべき理由の一つとして、活躍の場が多岐にわたる点が挙げられます。スマートフォンの普及に伴い、Androidアプリ開発の領域はゲームや日常の便利ツールからビジネスアプリまで多様です。こうしたさまざまな分野で、Androidエンジニアは、UI/UXデザインやプログラム開発、テスト、運用など幅広い担当業務を担うことができます。Androidエンジニアは、その中から得意な分野を選べて、興味やスキルにあった開発に携わることが可能です。
フリーランスで働くことができる
Androidアプリ開発の需要の多さは、フリーランス向け案件の豊富さにもつながっています。モバイルアプリ開発は、企業の業務システムなどと比べると比較的規模が小さく、リモートワークも導入しやすいため、フリーランスが活躍しやすいのも特徴です。フリーランスのAndroidエンジニアは、案件選択や働き方の自由度が高く、スキルと実績次第で会社員よりも高い収入を得られます。一方、プロジェクトを成功に導く「結果」が求められるため、常にスキルアップを続けることが重要です。
まとめ:Androidエンジニアは仕事の幅が広く収入も高い魅力的な職種
Androidエンジニアは、スマートフォンをはじめとしたAndroidデバイス向けのアプリを開発する技術者です。Androidは世界のスマートフォン市場で7割以上のシェアを持ち、国内でもiOSに次ぐおよそ3割のシェアを持っています。そのため、Androidエンジニアへの需要は高く、AIやIoTが浸透する今後はさらなる成長も期待できるでしょう。
高い需要に支えられ、Androidエンジニアの年収は一般的なIT技術者と比べて高水準となっており、収入面でも魅力的な職種といえます。
Androidエンジニアへの転職や転向に興味のある方は、市場価値を高めるよう、最新技術へのアンテナを高く張り、スキルアップに努めていきましょう。