終活は50代から始める!生前整理の仕方と終活ノートの書き方も紹介

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終活とは、文字通り人生の終わりに向けた活動のことです。人生の終い支度をすることは、残りの人生を自分らしく生きることにもつながるため、老後生活を迎える前の50代から始めておくのがおすすめです。
本記事では、財産整理や供養の方法といった生前整理の仕方や、自分の人生をまとめる終活ノートの書き方をご紹介します。

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老後資金2,000万円問題に代表されるように、老後の生活費はひとりあたり数千万円が必要と言われています。
漠然とした不安を抱えるのは辛いものです。まずは現状を把握し、どのような対策が必要なのかを相談してみましょう。

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  • 【この記事を読んでわかること】
  • 終活は老後生活に入る前に余裕をもって準備できる50代がおすすめ
  • 終活ノートを作成すると突然の介護や葬儀に備えられるため家族が安心できる
  • 確実に相続したい財産があるなら法的効力がある遺言書の作成を

50代から始める終活

男性とパソコンとスマートフォン

終活とは、過去の人生を振り返ることで自分を見つめなおし、新たな気持ちで残りの人生に臨むための活動です。
相続や葬儀といった死と向き合う作業には暗いイメージを持たれがちですが、死を意識することは、残りの人生をどう生きるかを真剣に考えることでもあります。終活を始めるひとつのタイミングとして、50代からをおすすめします。なぜ50代から始めると良いのか、その理由を次でみていきましょう。

50代から終活を始めるのが最適な理由

終活は、人生の折り返し地点である50代にスタートさせておきましょう。日本人の平均寿命は男性で81歳、女性で87歳ですが、終活は寿命を迎える直前に考えればいいわけではありません。終活を始めるなら50代からが最適であるのには、理由があります。

参考:「令和3年簡易生命表の概況‐厚生労働省」

子育てをしていた場合は自由な時間が増えるため動きやすい

子育てをしていた人であれば、50代は子育てが終了している人が多いと予想されます。統計によると、女性の第一子出産時の平均年齢は30.7歳となっています。

子どもの高校や専門学校、大学卒業時を子育ての終了と考えるならば、子育てが一段落するタイミングがちょうど50代に当てはまる人が多いといえます。自由な時間が増え、体力的にもまだ余裕がある年代なので終活に対しても積極的に動けるでしょう。

参考:「令和3年度「出生に関する統計」の概況‐厚生労働省」

老後生活に入る前に余裕をもって準備できる

50代は、老後の人生を考え始めるのに最適です。65歳から始まる年金受給や、60代で退職することを考えると、老後生活を整えるためにも50代からの準備が望ましいでしょう。もし老後資金が足りないなど貯蓄状況に問題が出てきても、収入のあるうちに対処することでリカバリーがききます。

50代が終活でやるべきこと8選

パソコンと筆記用具

50代からの終活で取り組むべき項目を8つ紹介します。過去に得てきた物や財産の整理、老後に必要なお金や介護医療、死後必要となる供養や遺言など、終活ではさまざまなことに取り組みます。
しかし、一気にすべての項目を進める必要はありません。平均寿命から考えると、50代はまだ終活に余裕をもって取り組める年代です。焦らずにひとつずつ考えていきましょう。

1.断捨離して身の回りを整える

終活で気軽に取り組みやすいのが、断捨離です。不要なものを処分することで身の回りを整えましょう。断捨離すると本当に必要なものだけが残るため、精神的にもすっきりできます。
さらに、自分で判断できるうちに物を処分することで、自分の死後、遺族が遺品整理をする際の手間を省くことにもつながります。

この時に注意したいのが、家族の物まで勝手に処分してしまうことです。自分には不要な物でも、家族は大事に思っている物かもしれません。食器やインテリアなど、家族と共有して使っている物も同様です。家族の許可なく処分することのないよう、相談しながら進めましょう。

2.相続遺産を整理して一覧にする

自分が築いてきた財産を一度整理して、一覧にまとめます。総資産を把握できると相続時にもどこにどのような財産があるのかが遺族に伝わるため、役に立ちます。財産は銀行に預けているお金だけではなく、有価証券や不動産、保険商品なども含めましょう。以下のようにそれぞれの財産を一覧にして、金額も添えておくと総資産がいくらあるのか一目瞭然です。

預金

銀行名 預金種別 金額
○○銀行○○支店 普通預金 3,000,000円
○○銀行○○支店 普通預金 1,000,000円
○○銀行○○支店 定期預金 5,000,000円

有価証券

証券会社名 取得金額 時価評価金額
○○証券○○支店 1,500,000円
(○月○日取得)
2,000,000円
(○月○日時点)

不動産

不動産名 取得金額 時価評価金額
自宅 40,000,000円
(○月○日取得)
15,000,000円
(○月○日時点、土地のみ)
○○駅前ビル 20,000,000円
(○月○日取得)
18,000,000円
(○月○日時点)

保険

保険会社名 保険種別 取得金額 時価評価金額
○○生命 外貨建て終身保険 2,000,000円
(○月○日取得)
1,800,000円
(○月○日時点)
○○生命 円建て個人年金保険 3,000,000円
(○月○日取得)
3,200,000円
(○月○日時点)

なお、住宅ローンやカードローンといった借金がある人は、同じく一覧に加えておきましょう。借金も預金などと同じく財産に含まれるため、相続時には遺族に相続されます。もし家族が借金の存在を知らない場合は、折を見て話しておくことも必要です。

3.老後に必要なお金を考える

老後に得られる収入や費用を考えることで、老後を迎えるまでにいくら貯蓄があればいいのかを把握します。たとえば60歳で退職すると仮定すると、60歳から90歳までの30年間を老後に設定すると良いでしょう。

老後の収入は、公的年金や退職金が大きな割合を占めます。公的年金の受給額は、日本年金機構が運営するねんきんネットで調べられます。費用は、食費や水道光熱費といった毎月の消費支出と、旅行代や住宅ローンの一括返済などの特別費にわけて計算してください。

このように計算して得られた老後の収入額と費用額において、費用額が収入額を上回っていれば、その差額が老後生活で不足するお金です。
不足額は今ある資産から切り崩すか、今から積み立てていくことで対応できます。50代であれば、老後までにはまだ10年の余裕があるため、お金が足りないからと焦る必要はありません。

4.医療の処置範囲を決める

年を重ねるごとに、病気になる確率は上がっていきます。万が一、脳死状態となり寝たきりになった場合は、延命治療や臓器提供をどうしたいのか、自分の意思を伝えられません。
献体を希望する場合も同様に、生前の意思表示が必要です。遺族が自分の治療で悩むことのないように、医療の処置範囲は意志表示ができる50代のうちに決めておくのがベストです。以下で医療処置の種類や意思表示の方法、メリット・デメリットについて確認しておいてください。

延命治療

概要 死期が迫った人に人工呼吸や点滴などの治療を施して命を一時的につなぎとめる
意思表示の方法 家族に具体的に伝えるか書面に記入しておく。
延命治療を希望しない場合は日本尊厳死協会に入会し、リビング・ウイル(人生の最終段階における事前書)を作成することも可能。
メリット 延命が期待できる
デメリット 延命のための治療費がかかる

参考:「リビング・ウイルとは‐公益財団法人日本尊厳死協会」

臓器提供

概要 脳死後または心臓停止後、臓器移植を待つ人に臓器を提供する
意思表示の方法 健康保険証・運転免許証・マイナンバーカード・意思表示カードなどに記入
メリット 臓器移植を待つ人の命を救うことにつながる
デメリット 喉元からへその下まで摘出手術の傷が残る

参考:「臓器移植・提供を知りたい方へ ‐公益社団法人日本臓器移植ネットワーク」

献体

概要 医学の発展のため自分の遺体を大学などに提供する
意思表示の方法 生活圏内にある献体を扱う大学などに申込書や同意書を提出して会員になる
メリット 医学の発展に貢献できる、火葬費用を負担してもらえる
デメリット 家族の同意を得られないと申込できない、遺骨の返還まで数年かかる

参考:「献体とは‐京大白菊会」

なお、臓器提供や献体による金銭的報酬は一切ありません。善意で成り立つ行為であることを念頭に置いておきましょう。

5.理想の介護について考えておく

もし介護が必要になった場合、どのような介護をしてほしいのかを考え始めましょう。老人ホームに入りたい場合は入居したい施設を検討し、入居費用の見積もりを立てておく必要があります。
もし費用が足りない場合でも、50代ならまだ介護が必要になるまでに時間はあるため、計画的に介護貯蓄を貯めていけます。

反対に、介護が必要になっても家族との時間を過ごしたい場合は、自宅介護になります。その場合は、家族に介護を打診しておくことが重要です。要介護認定を受けた人が利用できる、訪問介護やデイサービスなどの公的介護保険サービスも検討しましょう。
このような介護制度を家族であらかじめ学んでおくと、介護する家族の負担を減らせるため、お互い無理なく生活を送ることが期待できます。

任意後見制度

認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、任意後見制度の活用も検討できます。任意後見制度とは、判断能力が不十分になった場合を想定して、判断能力があるうちに身の回りのお世話を自分に代わってしてもらうための後見人を選ぶ制度です。
後見人は希望する任意の人物を選べるため、家族を後見人にすることもできます。裁判所に申請することで任意後見制度の効力が生じます。

参考:「Q16~Q20 「任意後見制度について」‐法務省」

このように、任意後見制度はあらかじめ希望する後見人を選出できるため、理想の介護が実現するでしょう。後見人には任意後見契約に基づいた報酬も支払われるため、後見人にもメリットがあります。
任意後見を利用するための手続きは大変に感じるかもしれませんが、50代なら余裕を持って焦ることなく準備ができます。後見人になる可能性のある家族にも意見を聞きながら、利用を検討してみてください。

参考:「任意後見制度とは(手続の流れ、費用)‐厚生労働省」

6.供養の方法を決める

自分が亡くなった後まず遺族が直面する問題が、以下のような供養の方法です。

  • 葬儀の形式
  • 遺影写真
  • 埋葬方法
  • 墓地の場所

本人が口にしない限り、供養の方法といったセンシティブな話題は避けられがちです。供養については、自ら遺族に希望を伝えておきましょう。また、供養の方法は形式によって費用も変わってきます。

あらかじめシミュレーションした方法でいくら葬儀費用がかかるのか計算しておき、自分で葬儀費用を用意しておくと遺族に迷惑がかかりません。50代から考え始めれば、葬儀費用はコツコツと積み立てることができます。

7.遺言書を作成する

特定の人に遺産を多く相続させたい場合や法定相続人以外に相続させたい場合は、遺言書を作成しておきましょう。相続は通常、子どもや親といった法定相続人に決まった割合で遺産が相続されます。
たとえば相続人が子どもひとりの場合は、すべての遺産が子どもに相続されます。しかし遺言書を作成しておくことで、お世話になった別の人に遺産を相続させることも可能です。このように相続先や相続割合を指定したい場合は、遺言書が必須となります。

遺言の種類

遺言は口頭で伝えたりメモに書く程度では法的効力はないため、自筆証書遺言か公正証書遺言を作成しておきましょう。

自筆証書遺言は民法で指定された形式に従って自分の責任で作成する必要がありますが、費用がかからないためリーズナブルに作成できます。
一方、公正証書遺言は公証役場または信託銀行などに依頼して作成するもので、証人二人以上の立会いが必要となります。自筆証書遺言と異なり法律で定められた所定の手数料がかかりますが、偽造されるリスクがなく、遺言は公証役場に保存されるので紛失の心配がない点がメリットに挙げられます。

50代から遺言を書くのは早すぎると感じるかもしれませんが、遺言について検討することは、自分の財産を渡したい大切な人の未来を考えることでもあります。まだ体力や判断能力があるうちに早めに準備しておけば、希望通りの相続ができる可能性が高まるでしょう。

8.終活ノートを書く

終活の内容をノートに記録しておきましょう。ただ頭の中で考えるだけではなくノートに書き起こすことで、自分の人生を客観的に振り返れます。また、介護や葬儀などでお世話になる家族に、自分の希望や感謝の気持ちをスムーズに伝えるのにも役立ちます。以下の項目を参考に、自分だけの終活ノートを作成してみてください。

自分の歴史 どのような人生を歩んできたかなどを自由に記録
個人情報 生年月日、住所など
IDやパスワード 使用している会員サイトなどのログインIDとパスワード
医療・介護 持病、アレルギー、延命治療、臓器提供、希望する介護の形など
葬儀 葬儀の形式、棺に一緒に納めたいもの、参列希望者など
相続遺産 預金、不動産、有価証券、保険、借金など
遺品 捨ててほしいもの、残してほしいもの、遺品の保管場所
遺言 遺言書の有無
連絡先 親族や友人の連絡先リスト
メッセージ 面と向かっては言えない感謝の気持ちや残しておきたい言葉など

どの項目もすぐには考えがまとまらないような内容のため、50代のうちから少しずつ考えていけば、いずれ納得のいく終活ノートに仕上がるでしょう。
なお、終活ノートが完成したとしても、記載する内容や自分の気持ちは年を重ねるごとに変わっていきます。よって、終活ノートは年に1回は見直して内容を随時更新していくのがおすすめです。

終活で気をつけるポイント

野原と家族

終活を始める際には、気をつけるべき注意点があります。終活は自分の人生を振り返るためだけの活動ではありません。自分勝手に終活を進めると、周囲の理解を得られずに孤立してしまう可能性もあります。
また、終活を通して周囲に伝えにくい項目が出てくることもありますが、隠さずに伝えていくことが大切です。以下の点に注意しながら終活を進めましょう。

家族の理解を得てから進める

終活をおこなう際は、家族の理解を得てから始めるようにしましょう。終活は自分の人生を振り返るためにするものですが、残された家族のために何ができるのかを考える活動でもあります。
医療や介護、相続、供養など、終活は家族にも大きく関係してきます。自分本位にならずに、家族の意見にも耳を傾けながら進めることが大切です。

借金があるなら早めに家族へ報告を

借金がある場合は、早めに家族へ借金の存在を知らせておきましょう。遺族が借金の存在を知らずに相続してしまった場合、財産とともに借金も相続しなければならないからです。もし財産より借金の額の方が大きい場合、相続放棄をすると借金を含む全遺産の相続を放棄できます。

ただし相続放棄をするには、相続の開始を知った時から3カ月以内に家庭裁判所に届け出て受理される必要があります。届け出なかった場合は、自動的に借金が遺族に引き継がれてしまいます。家族に迷惑をかけないためにも、借金があることは言いづらくても報告しておきましょう。

参考:「相続の放棄の申述‐裁判所」

50代からの終活で人生をゆっくり見つめなおそう

ノートと時計と筆記用具

終活はただ単に人生の終わりに向けた活動ではなく、人生をどのように生きてきたのか、その軌跡を追う活動でもあります。終活を始めるタイミングは、老後生活を迎える前の50代からがおすすめです。

断捨離や相続遺産といった生前整理の内容を終活ノートにまとめておけば、いつでも自分の人生を振り返れます。後悔なく自分の人生を全うできるように、家族とも相談しながら少しずつ終活を進めていきましょう。

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執筆者
エイジレスメディア編集部
エイジレス社会の専門誌として、すべての人が何歳でも豊かな暮らしを紡げるよう有益な情報を発信していきます。主に、エイジレスなビジョンを体現している人物や組織へのインタビュー記事を執筆しています。